-
一般感染症 〈適応菌種〉 本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ属、百日咳菌、カンピロバクター属、クラミジア属、マイコプラズマ属 〈適応症〉 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱、百日咳
-
後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症 〈適応菌種〉 本剤に感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC) 〈適応症〉 後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症
クラリスロマイシン錠小児用50mg「TCK」
クラリスロマイシン錠
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
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*2.2ピモジド、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、スボレキサント、ダリドレキサント塩酸塩、ボルノレキサント水和物、ロミタピドメシル酸塩、タダラフィル〔アドシルカ〕、マシテンタン・タダラフィル、チカグレロル、イブルチニブ、イバブラジン塩酸塩、ベネトクラクス(慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の用量漸増期)、ルラシドン塩酸塩、アナモレリン塩酸塩、フィネレノン、イサブコナゾニウム硫酸塩、ボクロスポリン、マバカムテン、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、ロナファルニブを投与中の患者
-
2.3肝臓又は腎臓に障害のある患者でコルヒチンを投与中の患者
効能・効果
用法・用量
- 〈一般感染症〉
通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり10~15mg(力価)を2〜3回に分けて経口投与する。レジオネラ肺炎に対しては、1日体重1kgあたり15mg(力価)を2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 〈後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症〉
通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kgあたり15mg(力価)を2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
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8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
-
8.2血小板減少、汎血球減少、溶血性貧血、白血球減少、無顆粒球症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1他のマクロライド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
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9.1.2心疾患のある患者、低カリウム血症のある患者
QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動をおこすことがある。
9.2 腎機能障害患者
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
- 9.2.1腎機能障害患者でコルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状が報告されている。
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害を悪化させることがある。
- 9.3.1肝機能障害患者でコルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状が報告されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で、母動物に毒性があらわれる高用量において、胎児毒性(心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等)が報告されている。なお、国外における試験で次のような報告がある。SD系ラット(15~150mg/kg/日)及びCD-1系マウス(15~1,000mg/kg/日)において、それぞれ母動物に毒性があらわれる最高用量でラット胎児に心血管系異常並びにマウス胎児に口蓋裂が認められた。また、サル(35~70mg/kg/日)において、母動物に毒性があらわれる70mg/kg/日で9例中1例に低体重の胎児がみられたが、外表、内臓、骨格には異常は認められなかった。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。 なお、動物実験(ラット)の乳汁中濃度は、血中濃度の約2.5倍で推移した。
9.7 小児等
低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下しており、高い血中濃度が持続するおそれがある。
相互作用
- 本剤は主としてCYP3Aにより代謝される。また、本剤はCYP3A、P-糖蛋白質(P-gp)を阻害する。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| *ピモジド3) |
QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等の心血管系副作用が報告されている。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン 〔クリアミン〕 ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 |
血管攣縮等の重篤な副作用をおこすおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| *スボレキサント 〔ベルソムラ〕 ダリドレキサント塩酸塩 〔クービビック〕 ボルノレキサント水和物 〔ボルズィ 〕 |
*左記薬剤の血漿中濃度が顕著に上昇し、その作用が著しく増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| ロミタピドメシル酸塩 〔ジャクスタピッド〕 |
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| **タダラフィル 〔アドシルカ〕 マシテンタン・タダラフィル 〔ユバンシ〕 |
左記薬剤のクリアランスが高度に減少し、その作用が増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| チカグレロル 〔ブリリンタ〕 |
チカグレロルの血漿中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| イブルチニブ 〔イムブルビカ〕 |
イブルチニブの作用が増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| イバブラジン塩酸塩 〔コララン〕 |
過度の徐脈があらわれることがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| ***ベネトクラクス(慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の用量漸増期) 〔ベネクレクスタ〕 |
腫瘍崩壊症候群の発現が増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| ルラシドン塩酸塩 〔ラツーダ〕 |
ルラシドンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| アナモレリン塩酸塩 〔エドルミズ〕 |
アナモレリンの血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| フィネレノン 〔ケレンディア〕 |
フィネレノンの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| イサブコナゾニウム硫酸塩 〔クレセンバ〕 |
イサブコナゾールの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| *ボクロスポリン 〔ルプキネス〕 |
*ボクロスポリンの血中濃度が上昇し、その作用が増強するおそれがある。 | *本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| *マバカムテン 〔カムザイオス〕 |
*マバカムテンの血中濃度が上昇し、副作用が増強され、収縮機能障害による心不全のリスクが高まるおそれがある。 | *本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| **アゼルニジピン 〔カルブロック〕 オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン 〔レザルタス〕 |
**アゼルニジピンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある。 | **本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| **ロナファルニブ 〔ゾキンヴィ〕 |
**ロナファルニブの血中濃度が著しく上昇し、副作用が増強するおそれがある。 | **本剤の CYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害され、それらの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ジゴキシン | 嘔気、嘔吐、不整脈等が報告されているので、ジゴキシンの血中濃度の推移、自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、投与量を調節する等の適切な処置を行うこと。 | 本剤の腸内細菌叢に対する影響により、ジゴキシンの不活化が抑制されるか、もしくはP-gpを介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、その血中濃度が上昇する。 |
| スルホニル尿素系血糖降下剤 • グリベンクラミド • グリクラジド • グリメピリド 等 |
低血糖(意識障害に至ることがある)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止し、ブドウ糖の投与等の適切な処置を行うこと。 | 機序は不明である。左記薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| カルバマゼピン テオフィリン4),5) アミノフィリン水和物 シクロスポリン タクロリムス水和物 エベロリムス |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、左記薬剤の血中濃度の推移等に注意し、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| アトルバスタチンカルシウム水和物6) シンバスタチン6) ロバスタチン(国内未承認) |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う横紋筋融解症が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 腎機能障害のある患者には特に注意すること。 |
本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| コルヒチン |
コルヒチンの血中濃度上昇に伴う中毒症状(汎血球減少、肝機能障害、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等)が報告されているので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| ベンゾジアゼピン系薬剤 (CYP3Aで代謝される薬剤) • 〔トリアゾラム7) • ミダゾラム8) 等〕非定型抗精神病薬 (CYP3Aで代謝される薬剤) • 〔クエチアピンフマル酸塩 • アリピプラゾール • ブロナンセリン 等〕ジソピラミド トルバプタン エプレレノン エレトリプタン臭化水素酸塩 **カルシウム拮抗剤 (アゼルニジピンを除くCYP3Aで代謝される薬剤) • 〔ニフェジピン • ベラパミル塩酸塩 等〕リオシグアト ジエノゲスト ホスホジエステラーゼ5阻害剤 • 〔シルデナフィルクエン酸塩9) • タダラフィル • 〔シアリス、ザルティア〕等〕クマリン系抗凝血剤 • ワルファリンカリウムドセタキセル水和物 アベマシクリブ10) オキシコドン塩酸塩水和物11) フェンタニル/フェンタニルクエン酸塩 |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 なお、トルバプタンにおいては、本剤との併用は避けることが望ましいとされており、やむを得ず併用する場合においては、トルバプタンの用量調節を特に考慮すること。 |
本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| ***ベネトクラクス(慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫の維持投与期、急性骨髄性白血病) | ベネトクラクスの副作用が増強するおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 |
| 抗凝固剤 (CYP3Aで代謝され、P-gpで排出される薬剤) • 〔アピキサバン • リバーロキサバン〕 |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のCYP3A及びP-gpに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝及び排出が阻害される。 |
| 抗凝固剤 (P-gpで排出される薬剤) • 〔ダビガトランエテキシラート エドキサバントシル酸塩水和物〕 |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性があるので、異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 本剤のP-gpに対する阻害作用により、左記薬剤の排出が阻害される。 |
| イトラコナゾール12) HIVプロテアーゼ阻害剤 • 〔リトナビル13) • ロピナビル・リトナビル • ダルナビル エタノール付加物 等〕 |
本剤の未変化体の血中濃度上昇による作用の増強等の可能性がある。 また、イトラコナゾールの併用においては、イトラコナゾールの血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。 異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 |
本剤と左記薬剤のCYP3Aに対する阻害作用により、相互に代謝が阻害される。 |
| リファブチン14) エトラビリン15) |
左記薬剤の血中濃度上昇に伴う作用の増強等の可能性がある。 また、本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇し、本剤の作用が減弱する可能性がある。 異常が認められた場合には、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 |
本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。 また、左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| リファンピシン16) エファビレンツ ネビラピン |
本剤の未変化体の血中濃度が低下し、活性代謝物の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤の作用が減弱する可能性があるので、投与量の調節や中止等の適切な処置を行うこと。 | 左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 天然ケイ酸アルミニウム17) | 本剤の吸収が低下するとの報告がある。 | 左記薬剤の吸着作用によるものと考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| AST上昇ALT上昇γ-GTP上昇LDH上昇Al-P上昇 | 1〜5%未満 |
| そう痒感 | 1%未満 |
| めまい頭痛 | 1%未満 |
| 倦怠感浮腫カンジダ症発熱 | 1%未満 |
| 動悸CK上昇脱毛頻尿低血糖 | 頻度不明 |
| 口腔内びらん胸やけ歯牙変色舌変色 | 頻度不明 |
| 味覚異常(にがみ等) | 1%未満 |
| 好酸球増多 | 1〜5%未満 |
| 幻覚失見当識意識障害せん妄躁病眠気振戦しびれ(感)錯感覚不眠 | 頻度不明 |
| 悪心嘔吐胃部不快感腹部膨満感腹痛下痢 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 耳鳴聴力低下嗅覚異常 | 頻度不明 |
| 食欲不振軟便口内炎舌炎口渇 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し、蛋白合成を阻害する35),36)。
18.2 薬理作用
- 18.2.1抗菌作用
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌の好気性グラム陽性菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ属、百日咳菌、カンピロバクター属等の一部のグラム陰性菌、クラミジア属、マイコプラズマ属及びマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)に抗菌作用を示し、その作用は他のマクロライド系抗生物質と同等以上である37),38),39),40),41),42),43),44)(in vitro)。
- 18.2.2ヒト主代謝物14位水酸化体の抗菌力
未変化体とほぼ同等の抗菌力を有するが、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)に対しては未変化体より弱い45),46)(in vitro)。
- 18.2.3動物感染モデルに対する作用
マウスの腹腔内感染、皮下感染、呼吸器感染症モデルにおいては、クラリスロマイシンの良好な組織移行性を反映し、優れた効果を示す37),38),40),41),45)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
小児に5mg(力価)/kgを、また健康成人に200mg、400mg(力価)を空腹時単回経口投与したときの平均血清中濃度及び各パラメータの値は以下のようであった19),20)。
| 測定法 | Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC (μg・hr/mL) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 小児(n=6)5mg/kg | HPLC未変化体 | 1.05 | 1.4 | 1.8 | 3.54 |
| HPLC代謝物 | 0.98 | 1.4 | 3.2 | 5.37 | |
| 成人(n=8)200mg | Bioassay | 1.16 | 1.9 | 4.04 | 8.98 |
| 成人(n=8)400mg | Bioassay | 2.24 | 2.7 | 4.36 | 20.30 |
- 16.1.2生物学的同等性試験
クラリスロマイシン錠小児用50mg「TCK」とクラリス錠50小児用を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠〔クラリスロマイシン50mg(力価)〕健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された21) 。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0→12hr (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
|
| クラリスロマイシン錠小児用50mg「TCK」 | 794.91±244.64 | 139.20±44.75 | 1.60±0.50 | 3.95±0.70 |
| クラリス錠50小児用 | 809.02±220.49 | 146.44±41.78 | 1.68±0.49 | 4.15±0.92 |
(Mean±S.D.,n=20)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
- 16.2.1バイオアベイラビリティ
健康成人において、クラリスロマイシン錠剤(250mg)を経口投与した場合(2回測定)とクラリスロマイシンラクトビオン酸塩を静脈内投与した場合の薬物速度論的パラメータを比較検討した。その結果、未変化体のバイオアベイラビリティは52、55%であったが、初回通過効果によって生成される活性代謝物(14位水酸化体)を含めたパラメータ解析結果から、クラリスロマイシンは経口投与後ほぼ完全に吸収されていることが示唆された22)(海外データ)。
- 16.2.2食事の影響
小児に10mg(力価)/kgを単回経口投与したときの血清中濃度には、食事の影響がほとんど認められなかった23)。
16.3 分布
健康成人における唾液、また、患者における喀痰、気管支分泌物等への移行性を測定した結果、それぞれの組織への移行は良好で、血清中濃度と同等もしくはそれ以上の濃度を示した。また、皮膚、扁桃、上顎洞粘膜等の組織中濃度はほとんどの例で血清中濃度を大きく上まわった。なお、ヒト血清蛋白結合率は42~50%であった24),25),26),27),28),29)(in vitro)。
16.4 代謝
ヒトにおける主代謝物は14位水酸化体であり、血清中には未変化体とほぼ同量存在した30)。 ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、クラリスロマイシンは主としてCYP3Aで代謝されることが報告されている31)。
16.5 排泄
小児患者に5mg(力価)/kgを単回経口投与し、Bioassayで測定したところ、投与後6時間までに投与量の25.8%が尿中へ排泄された32)。 なお、健康成人に200mg(力価)を空腹時に単回経口投与したところ、尿中には主に未変化体及び活性代謝物の14位水酸化体が認められた30)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害者
腎機能正常者と種々な程度の腎機能障害者に200mg(力価)を空腹時単回経口投与し、クレアチニンクリアランス(Ccr)とその体内動態との関係を検討した結果、腎機能の低下に伴ってCmaxの上昇、T1/2の延長及びAUCの増加が認められた33)(測定法:Bioassay)。
| クレアチニン クリアランス (mL/min) |
Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| Ccr≒100(n=5) | 2.02 | 1.24 | 2.38 | 8.89 |
| Ccr≒ 50(n=5) | 2.15 | 1.89 | 5.74 | 21.69 |
| Ccr≒ 30(n=5) | 2.55 | 0.96 | 4.69 | 18.73 |
| Ccr≒ 5(n=5) | 3.54 | 1.48 | 6.13 | 36.89 |
- 16.6.2高齢者
重篤な基礎疾患のない66~82歳(平均72.2歳)の女性3名に200mg(力価)を空腹時単回経口投与し、その体内動態を検討した結果、健康成人と比べるとTmax、T1/2はほぼ同様であったが、Cmax、AUCは明らかに高かった34)(測定法:Bioassay)。
| Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC (μg・hr/mL) |
|
|---|---|---|---|---|
| 高齢者(n=3) | 3.72 | 2.3 | 4.2 | 19.20 |
16.7 薬物相互作用
-
16.7.1CYP3A、P-gpに対する阻害作用を有する35)。
-
16.7.2テオフィリン
健康成人男性にテオフィリンを400mg及びクラリスロマイシンを300mg併用した結果、併用5日目でテオフィリンの血清中濃度はCmaxで1.26倍、AUCで1.19倍上昇し、クリアランスは16.4%減少したが統計的に有意差は認められなかった4)。 また、気管支喘息患児にテオフィリンを300~600mg/dayで1日分2経口投与し、更にクラリスロマイシン600mg/dayを1日分2併用投与した結果、併用7日目においてテオフィリンの血清中濃度は有意な上昇を示した5)。