Clinical snapshot

キーンス配合注 フレックスタッチ

インスリン イコデク(遺伝子組換え)/セマグルチド(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2026年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1低血糖症状を呈している患者

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  3. 2.3糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病患者[インスリンのみを含有する製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない]

  4. 2.4重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリンのみを含有する製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない]

効能・効果

インスリン療法が適応となる2型糖尿病

用法・用量

通常、成人には、40ドーズ(インスリン イコデク/セマグルチドとして40単位/0.114mg)を開始用量として週1回皮下注射する。その後は患者の状態に応じて適宜増減するが、週350ドーズ(インスリン イコデク/セマグルチドとして350単位/1.0mg)を超えないこと。なお、本剤の用量単位である10ドーズには、インスリン イコデク10単位及びセマグルチド0.029mgが含まれる。

使用上の注意

  1. 8.1投与する場合には、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3~4ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切り替えを行うこと。

  2. 8.2本剤の投与開始時及びその後数週間は血糖モニタリングを十分に行うこと。特に、Basalインスリン製剤による治療から本剤に切り替える場合は、高血糖に伴う急性代謝失調が生じる可能性があることから、以下の点に留意すること。

  3. 8.2.1血糖モニタリングに加えて、血中又は尿中ケトン体の測定を含む検査を適切に実施する等、患者の状態を慎重に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。また、必要に応じて他の治療への切替えも検討すること。

  4. 8.2.2患者に対して、糖尿病性ケトアシドーシス等の高血糖に伴う急性代謝失調の症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診するよう指導すること。

  5. 8.3本剤は持続性製剤であり、本剤中止後も効果が持続する可能性があるため、血糖値の変動や副作用予防、副作用発現時の処置について十分留意すること。

  6. 8.4低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。

  7. 8.5低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。

  8. 8.6本剤は本剤専用のペン型注入器を使用しているため、単位数を再計算せず、指示された単位数をそのまま設定して投与するよう、患者に十分指導すること。

  9. 8.7他のBasalインスリン製剤やGLP-1受容体作動薬等から本剤に変更する場合において、本剤を連日投与する、又は指示されたドーズより多く設定して投与する等の投薬過誤が生じ、その結果、重大な低血糖を起こすおそれがある。本剤の投与方法に過誤が生じないよう、本剤が週1回投与する薬剤であること及び本剤の単位数の設定方法について、患者に十分指導すること。

  10. 8.8急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。

  11. 8.9下痢、嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至るおそれがあるので、患者の状態に注意すること。

  12. 8.10急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。

  13. 8.11胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮する等、慎重に対応すること。

  14. 8.12本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導すること。

  15. 8.13胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応すること。

  16. 8.14本剤の自己注射にあたっては以下の点に留意すること。

  • 投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。

  • 全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。

  • 添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。

  1. 8.15本剤はセマグルチド(遺伝子組換え)を含有しているため、オゼンピック等、他のセマグルチド(遺伝子組換え)含有製剤と併用しないこと。

  2. 8.16本剤の有効成分の一つであるセマグルチドとDPP-4阻害薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。セマグルチドとDPP-4阻害薬を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。

  3. 8.17本剤と他の糖尿病用注射剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。

  4. 8.18同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。

  • 本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと。

  • 注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。

  1. 8.19皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1膵炎の既往歴のある患者

  2. 9.1.2重度胃不全麻痺等、重度の胃腸障害のある患者

十分な使用経験がなく胃腸障害の症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態
  • 下痢、嘔吐等の胃腸障害

  • 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全

  • 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態

  • 激しい筋肉運動

  • 過度のアルコール摂取者

  1. 9.1.4腹部手術の既往又はイレウスの既往のある患者

腸閉塞を含むイレウスを起こすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎機能障害のある患者

低血糖を起こすおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害のある患者

低血糖を起こすおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後5週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。2カ月以内に妊娠を予定する女性には本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。

9.5 妊婦

妊娠又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。 セマグルチドの動物試験において、オゼンピックの臨床用量に相当する又は下回る用量(最大臨床用量でのAUC比較においてラットで約0.3倍、ウサギで約0.3倍、サルで約2.6~4.1倍)で、胎児毒性(ラット:胚生存率の減少、胚発育の抑制、骨格及び血管異常の発生頻度増加1) 、ウサギ:早期妊娠損失、骨格異常及び内臓異常の発生頻度増加2) 、サル:早期妊娠損失、外表異常及び骨格異常の発生頻度増加3),4) )が認められている。これらの所見は母動物の体重減少を伴うものであった。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明である。ラットでは乳汁中への移行がセマグルチドにて報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、胃腸障害及び低血糖が発現しやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 糖尿病用薬• ビグアナイド薬
• スルホニルウレア薬
• 速効型インスリン分泌促進薬
• α-グルコシダーゼ阻害薬
• チアゾリジン薬
• DPP-4阻害薬
• SGLT2阻害薬 等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
血糖降下作用が増強される。
• モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。
• 三環系抗うつ剤• ノルトリプチリン塩酸塩 等 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
• サリチル酸誘導体• アスピリン
• エテンザミド
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。
• 抗腫瘍剤• シクロホスファミド水和物 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
• β-遮断剤• プロプラノロール塩酸塩
• アテノロール
• ピンドロール
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
• クマリン系薬剤• ワルファリンカリウム 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
機序不明
• クロラムフェニコール 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
機序不明
• ベザフィブラート 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
• サルファ剤 血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
• シベンゾリンコハク酸塩
• ジソピラミド
• ピルメノール塩酸塩水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること 。
特に、スルホニルウレア薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるため、スルホニルウレア薬の減量又は投与中止を検討
すること。
インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。
• チアジド系利尿剤• トリクロルメチアジド 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
• 副腎皮質ステロイド• プレドニゾロン
• トリアムシノロン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
• ACTH• テトラコサクチド酢酸塩 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
• アドレナリン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。
• グルカゴン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
• 甲状腺ホルモン• レボチロキシンナトリウム水和物 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
• 成長ホルモン• ソマトロピン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
• 卵胞ホルモン• エチニルエストラジオール
• 結合型エストロゲン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
• 経口避妊薬 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
• ニコチン酸 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
• 濃グリセリン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
• イソニアジド 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。
• ダナゾール 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。
• フェニトイン 血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン分泌抑制作用を有する。
• 蛋白同化ステロイド• メテノロン 血糖降下作用の増強による低血糖症状 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序不明
• ソマトスタチンアナログ製剤• オクトレオチド酢酸塩
• ランレオチド酢酸塩
血糖降下作用の増強による低血糖症状 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アミラーゼ増加 頻度不明
おくび 頻度不明
じん麻疹 頻度不明
リパーゼ増加 頻度不明
リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等) 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下痢(10.6%) 5%以上
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
冷汗 頻度不明
口唇腫脹 頻度不明
味覚異常 頻度不明
嘔吐 5%以上
多汗症 頻度不明
心拍数増加注2) 頻度不明
悪心(18.9%) 5%以上
抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良 頻度不明
振戦 頻度不明
注射部位内出血 頻度不明
注射部位反応(注射部位紅斑 頻度不明
注射部位腫脹 頻度不明
注射部位蕁麻疹等) 頻度不明
注射部位過敏反応 頻度不明
洞性頻脈 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
無力症 頻度不明
異常感 頻度不明
疲労 頻度不明
硝子体出血 頻度不明
空腹 頻度不明
筋痙攣 頻度不明
糖尿病性網膜浮腫 頻度不明
糖尿病網膜症 頻度不明
網膜上膜 頻度不明
網膜出血 頻度不明
網膜症 頻度不明
網膜血管瘤 頻度不明
網膜静脈閉塞 頻度不明
胃排出遅延 頻度不明
胃炎 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
胃食道逆流性疾患 頻度不明
胆石症 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部不快感 頻度不明
腹部膨満 頻度不明
血中クレアチンホスホキナーゼ増加 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
視力障害 頻度不明
過敏症(発疹 頻度不明
非増殖性網膜症 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面腫脹等) 頻度不明
食欲減退 5%以上
高血糖 頻度不明
黄斑浮腫 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、血糖コントロールを改善する作用機序を有するインスリン イコデク及びセマグルチドの配合剤である。

  • (1)インスリン イコデク

  • インスリン イコデクの主な薬理作用は、グルコース代謝の調節である。インスリン イコデクは、他のインスリンと同様にインスリンレセプターに結合し、骨格筋及び脂肪細胞における糖の取り込みを促進し、また肝臓におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。さらに、脂肪細胞における脂肪分解及び蛋白質分解を阻害し、蛋白質合成を促進する。 インスリン イコデクの半減期延長作用は、主にアルブミンと可逆的に結合することによる。インスリン イコデクは投与後に血漿中に移行した後、血中のアルブミンに結合することで活性を示さない状態となり、その後、緩徐にアルブミンと解離し、インスリンレセプターと結合することで、血糖降下作用が持続する27) 。

  • (2)セマグルチド

  • セマグルチドはヒトGLP-1アナログであり、内因性GLP-1が標的とするGLP-1受容体と選択的に結合し、cAMP放出量を増加させるGLP-1受容体作動薬として作用する。 セマグルチドはアルブミンと結合して代謝による分解の遅延及び腎クリアランスの低下を示すと考えられており、またアミノ酸置換によりDPP-4による分解に対して抵抗性を示すことにより、作用が持続する。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.12型糖尿病患者における単回投与後の薬物動態

2型糖尿病患者31例(無作為割り付け例数)を対象に、本剤175ドーズ(インスリン イコデク/セマグルチドとして175単位/0.5mg)、インスリン イコデク製剤175単位又はセマグルチド製剤0.5mgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、セマグルチド製剤を単独で皮下投与したときと比較して、配合剤(本剤)を皮下投与したときに、セマグルチドの最高血中濃度は高く、最高血中濃度到達時間は短かった8) (外国人データ)。

例数 AUC0-tz
(nmol・h/L)
Cmax
(nmol/L)
tmax
(h)
本剤 30 21525
(13.5)
106
(25.2)
23.8
インスリン イコデク 28 20578
(12.6)
96
(21.8)
23.8

幾何平均(変動係数%)、tmaxは中央値 0-tz:単回投与後0時間から定量可能な最終時点まで

例数 AUC0-tz
(nmol・h/L)
Cmax
(nmol/L)
tmax
(h)
本剤 30 2673
(16.7)
15
(24.3)
12.0
セマグルチド 28 2438
(11.0)
8
(17.2)
84.0

幾何平均(変動係数%)、tmaxは中央値 0-tz:単回投与後0時間から定量可能な最終時点まで

  1. 16.1.2母集団薬物動態解析

2型糖尿病患者を対象とした第III相臨床試験(日本人を含む)及び海外第I相臨床試験から得られた血中濃度データ(インスリン イコデク:1669例、セマグルチド:1367例)を用いて構築した母集団薬物動態モデルに基づく解析の結果、本剤を週1回反復皮下投与したときの薬物動態パラメータの推定値は以下のとおりであった9) 。

測定対象 例数 投与量a) Caverage
(nmol/L)
Cmax
(nmol/L)
インスリン イコデク 978 160
[10, 360]
136
(59.7)
180
(59.8)
セマグルチド 978 0.46
[0.03, 1.03]
15
(61.9)
21
(61.7)

幾何平均値(変動係数%)、投与量は中央値[範囲] 第III相臨床試験(17.1.1及び17.1.2参照)の事後解析による曝露量 a)投与量の単位は、インスリン イコデクは単位、セマグルチドはmgで示す。

16.2 吸収

2型糖尿病患者を対象とした第III相臨床試験(日本人を含む)及び海外第I相臨床試験から得られた血中濃度データ(インスリン イコデク:1669例、セマグルチド:1367例)を用いて構築した母集団薬物動態モデルに基づく解析の結果、本剤を異なる投与部位(腹部、大腿部、上腕部)に投与したとき、大腿部への投与に対する腹部及び上腕部への投与での定常状態のインスリン イコデク及びセマグルチドの平均血中濃度の比の推定値及び90%信頼区間は、インスリン イコデクでそれぞれ0.95[0.92; 0.99]及び0.96[0.92; 1.02]、セマグルチドでそれぞれ1.00[0.96; 1.03]及び1.01[0.96; 1.06]であった9) 。

16.3 分布

  • (1)インスリン イコデク

  • インスリン イコデクのヒト血漿タンパク及びヒト血清アルブミンに対するin vitroでの結合率は、いずれも99%超であった10) 。in vitroでのタンパク結合試験から、本剤と脂肪酸又はその他のタンパク結合型薬物と臨床上問題となる相互作用は認められなかった11) 。

  • (2)セマグルチド

  • セマグルチドの血漿中のアルブミンに対するin vitro結合率は99%超であった12),13) 。

16.4 代謝

  • (1)インスリン イコデク

  • インスリン イコデクの代謝はヒトインスリンと同様であり、認められたすべての代謝物は不活性であった14) 。

  • (2)セマグルチド

  • 3Hでラベル化したセマグルチド0.5mgを外国人健康男性7例に単回皮下投与した結果、セマグルチドはペプチド骨格のタンパク質分解及び脂肪酸側鎖のβ酸化により代謝されると推定された15) 。

16.5 排泄

3Hでラベル化したセマグルチド0.5mgを外国人健康男性7例に単回皮下投与した結果、最大56日までの総投与放射能に対する尿中及び糞中の放射能排泄率は53.0%及び18.6%であった。総投与放射能のうち、セマグルチド未変化体の尿中放射能排泄率は3.12%であった15) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者における薬物動態
  • (1)インスリン イコデク

  • 腎機能障害の程度の異なる試験参加者(実測糸球体濾過量:mGFR(mL/min)による分類)にインスリン イコデク1.5単位/kgを単回皮下投与し、腎機能が正常な試験参加者(mGFR 90以上)と薬物動態特性を比較検討した結果を以下に示す16) (外国人データ)。

腎機能 AUC0-840,SD
比の推定値
[95%信頼区間]
Cmax,SD
比の推定値
[95%信頼区間]
軽度/正常
(軽度:mGFR 60以上90未満)
1.12
[0.96; 1.31]
1.05
[0.85; 1.30]
中等度/正常
(中等度:mGFR 30以上60未満)
1.21
[1.04; 1.41]
1.05
[0.85; 1.30]
重度/正常
(重度:mGFR 30未満)
1.16
[0.99; 1.36]
0.91
[0.74; 1.13]
末期/正常
(末期:血液透析を必要とする試験参加者)
1.13
[0.95; 1.33]
1.02
[0.81; 1.29]

試験参加者数:正常12例、軽度12例、中等度12例、重度12例、末期10例 比の推定値及び95%信頼区間は、年齢、性別及び体重で調整した。

  • (2)セマグルチド

  • 腎機能障害の程度の異なる試験参加者(クレアチニンクリアランス(Ccr)による分類)におけるセマグルチド0.5mg単回皮下投与後の薬物動態を、腎機能が正常な試験参加者(Ccr 80mL/min超)と比較検討した結果を以下に示す12) (外国人データ)。

腎機能 AUC0-inf
比の推定値
[95%信頼区間]
Cmax
比の推定値
[90%信頼区間]
軽度/正常
(軽度:Ccr 50超~80mL/min)
0.99
[0.85; 1.16]
0.90
[0.73; 1.11]
中等度/正常
(中等度:Ccr 30超~50mL/min)
1.07
[0.91; 1.27]
0.79
[0.64; 0.99]
重度/正常
(重度:Ccr 30mL/min以下)
1.13
[0.97; 1.32]
0.86
[0.70; 1.06]
末期/正常
(末期:血液透析を必要とする試験参加者)
1.10
[0.94; 1.28]
0.82
[0.66; 1.01]

試験参加者数:正常14例、軽度10例、中等度11例、重度10例、末期9例 比の推定値及び95%信頼区間又は90%信頼区間は、年齢、性別及び体重で調整した事後解析に基づく。

  1. 16.6.2肝機能障害患者における薬物動態
  • (1)インスリン イコデク

  • 肝機能障害の程度の異なる試験参加者(Child-Pugh scoresに基づく分類)にインスリン イコデク1.5単位/kgを単回皮下投与し、肝機能が正常な試験参加者と薬物動態特性を比較検討した結果を以下に示す17) (外国人データ)。

肝機能 AUC0-inf,SD
比の推定値
[95%信頼区間]
Cmax,SD
比の推定値
[95%信頼区間]
軽度/正常
(軽度:Child-Pugh分類A)
1.13
[1.00; 1.28]
1.13
[0.90; 1.42]
中等度/正常
(中等度:Child-Pugh分類B)
1.15
[1.02; 1.29]
1.05
[0.83; 1.31]
重度/正常
(重度:Child-Pugh分類C)
0.97
[0.86; 1.09]
0.97
[0.77; 1.21]

試験参加者数:正常6例、軽度6例、中等度6例、重度6例 比の推定値及び95%信頼区間は、年齢、性別及び体重で調整した。

  • (2)セマグルチド

  • 肝機能障害の程度の異なる試験参加者(Child-Pugh scoresに基づく分類)におけるセマグルチド0.5mg単回皮下投与後の薬物動態を、肝機能が正常な試験参加者と比較検討した結果を以下に示す18) (外国人データ)。

肝機能 AUC0-inf
比の推定値
[90%信頼区間]
Cmax
比の推定値
[90%信頼区間]
軽度/正常
(軽度:Child-Pugh分類A)
0.95
[0.77; 1.16]
0.99
[0.80; 1.23]
中等度/正常
(中等度:Child-Pugh分類B)
1.02
[0.93; 1.12]
1.02
[0.88; 1.18]
重度/正常
(重度:Child-Pugh分類C)
0.97
[0.84; 1.12]
1.15
[0.89; 1.48]

試験参加者数:正常18例、軽度8例、中等度10例、重度7例 比の推定値及び90%信頼区間は、年齢、性別及び体重で調整した。

  1. 16.6.3高齢者における薬物動態
  • (1)インスリン イコデク

  • 1型糖尿病患者及び2型糖尿病患者1244例(日本人127例)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、65歳未満の試験参加者に対する65歳以上75歳未満及び75歳以上の試験参加者の、定常状態でのインスリン イコデクの投与量で補正した平均血清中濃度の比の推定値及び90%信頼区間は、1.05[1.02; 1.07]及び1.11[1.07; 1.14]であった19) 。

  • (2)セマグルチド

  • 2型糖尿病患者1612例(日本人555例)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、65歳未満の試験参加者に対する65歳以上75歳未満及び75歳以上の試験参加者の、定常状態での平均血漿中濃度の比の推定値及び90%信頼区間は、1.01[0.99; 1.03]及び1.04[1.00; 1.09]であった20) 。

16.7 薬物相互作用

本剤及びインスリン イコデクの薬物相互作用の検討は実施していない。 セマグルチドと経口薬との薬物動態学的薬物相互作用は、セマグルチド1.0mgの定常状態において、メトホルミン、ワルファリン、ジゴキシン、アトルバスタチン、経口避妊薬及びアセトアミノフェンを併用投与したときの薬物動態の結果を以下に示す21),22),23) (外国人データ)。

経口薬 用量a)
mg
対象 N AUCb)比c)
[90%信頼区間]e)
Cmax比c)
[90%信頼区間]e)
tmax差d)
[90%信頼区間]
メトホルミン 500 健康試験参加者 22 1.03
[0.96; 1.11]
0.90
[0.83; 0.98]
0.50
[-0.38; 1.25]
S-ワルファリン 25 健康試験参加者 22 1.05
[0.99; 1.11]
0.91
[0.85; 0.98]
2.00
[1.25; 2.75]
R-ワルファリン 25 健康試験参加者 22 1.04
[0.98; 1.10]
0.93
[0.87; 1.00]
1.75
[0.88; 2.50]
ジゴキシン 0.5 健康試験参加者 26 1.02
[0.97; 1.08]
0.93
[0.84; 1.03]
0.25
[0.00; 0.25]
アトルバスタチン 40 健康試験参加者 26 1.02
[0.93; 1.12]
0.62
[0.47; 0.82]
1.75
[1.00; 2.50]
エチニルエストラジオール 0.03 2型糖尿病 37 1.11
[1.06; 1.15]
1.04
[0.98; 1.10]
0.50
[0.00; 0.50]
レボノルゲストレル 0.15 2型糖尿病 40 1.20
[1.15; 1.26]
1.05
[0.99; 1.12]
0.50
[0.25; 0.75]
パラセタモール
(アセトアミノフェン)
1500 肥満試験参加者 28 0.94
[0.88; 1.01]
0.77
[0.67; 0.88]
0.25
[0.13; 0.25]

a)セマグルチド:開始用量は0.25mg。1.0mgの維持用量へは、0.25mgを4回、0.5mgを4回投与した後に増量した。薬物相互作用はセマグルチド1.0mgを4回投与した後に評価した。併用薬:ワルファリン、ジゴキシン、アトルバスタチン及びパラセタモールは単回投与、メトホルミン(1日2回、3.5日)、エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル(いずれも1日1回、8日)は反復投与。 b)AUC0-12h:メトホルミン、AUC0-168h:S-及びR-ワルファリン、AUC0-120h:ジゴキシン、AUC0-72h:アトルバスタチン、AUC0-24h:エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル、AUC0-5h:パラセタモール c)併用薬の血中濃度に基づく薬物動態パラメータのセマグルチド非併用時に対するセマグルチド併用時の比 d)中央値の差(h)(セマグルチド併用時-セマグルチド非併用時) e)パラセタモールについては95%信頼区間