気管支喘息
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、6歳以上の小児にはモンテルカストとして5mgを1日1回就寝前に経口投与する。
使用上の注意
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8.1本剤は、喘息の悪化時ばかりでなく、喘息が良好にコントロールされている場合でも継続して服用するよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておくこと。
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8.2本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている喘息発作を緩解する薬剤ではないので、このことは患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておく必要がある。
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8.3本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。
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8.4本剤投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるので注意すること。
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8.5本剤との因果関係は明らかではないが、うつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。
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8.6本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症様の血管炎を生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、特に好酸球数の推移及びしびれ、四肢脱力、発熱、関節痛、肺の浸潤影等の血管炎症状に注意すること。
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8.7本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1長期ステロイド療法を受けている患者
本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外の市販後において、妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
-
9.7.11歳以上6歳未満の小児
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9.7.2低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児
国内において、低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- 本剤は、主として薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)3A4で代謝される。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| フェノバルビタール | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | フェノバルビタールがCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 1〜5%未満 |
| ALT上昇 | 1〜5%未満 |
| AST上昇 | 1〜5%未満 |
| γ-GTP上昇 | 1〜5%未満 |
| せん妄 | 頻度不明 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| トリグリセリド上昇 | 1〜5%未満 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 不眠 | 頻度不明 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 傾眠 | 1〜5%未満 |
| 出血傾向(鼻出血 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口渇 | 1〜5%未満 |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 嘔気 | 1〜5%未満 |
| 夢遊症 | 頻度不明 |
| 失見当識 | 頻度不明 |
| 尿潜血 | 1〜5%未満 |
| 尿糖 | 1〜5%未満 |
| 尿蛋白 | 1〜5%未満 |
| 幻覚 | 頻度不明 |
| 強迫性症状 | 頻度不明 |
| 情緒不安 | 頻度不明 |
| 感覚異常(しびれ等) | 頻度不明 |
| 挫傷 | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 易刺激性 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 1〜5%未満 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 激越 | 頻度不明 |
| 異夢 | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 痙攣 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 白血球数増加 | 1〜5%未満 |
| 皮疹 | 1〜5%未満 |
| 筋痙攣を含む筋痛 | 頻度不明 |
| 紫斑等) | 頻度不明 |
| 総ビリルビン上昇 | 1〜5%未満 |
| 肝機能異常 | 1〜5%未満 |
| 肝臓の好酸球浸潤 | 頻度不明 |
| 肺好酸球増多症 | 頻度不明 |
| 胃不快感 | 1〜5%未満 |
| 胸やけ | 1〜5%未満 |
| 脱力 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 血尿 | 1〜5%未満 |
| 記憶障害 | 頻度不明 |
| 遺尿 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 集中力低下 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
モンテルカストは、システイニルロイコトリエン タイプ1受容体(CysLT1受容体)に選択的に結合し、炎症惹起メディエーターであるLTD4やLTE4による病態生理学的作用(気管支収縮、血管透過性の亢進、及び粘液分泌促進)を抑制する。この作用機序に基づき、モンテルカストは抗喘息作用として、喘息性炎症の種々の因子を改善する。
18.2 LT受容体拮抗作用(受容体結合試験)
受容体結合試験(モルモット肺細胞膜、U937細胞膜及びTHP-1細胞膜)で、LTD4の受容体結合を強力に阻害し、その作用は血液成分による影響を受けなかった。LTC4及びLTB4に対する受容体拮抗作用は弱かった25)。
18.3 気管支収縮抑制作用(摘出臓器及び動物試験)
モルモット摘出気管におけるLTD4の収縮を競合的に阻害した。また、モルモット及びリスザルにおいてLTD4誘発気管支収縮反応に対して強力かつ持続的な阻害作用を示した。一方、モンテルカストは、LTC4(LTC4の代謝を阻害した条件下)による摘出組織の収縮を阻害しなかった。また、モルモットを用いたヒスタミン、アラキドン酸、セロトニン及びアセチルコリン誘発の気管支収縮をほとんど阻害しなかった25)。
18.4 抗原誘発による気管支収縮抑制作用
感作した近交系喘息ラット、モルモット及びリスザルの抗原誘発による気管支収縮反応を静脈内投与及び経口投与で抑制した25)。海外の臨床試験において、抗原投与による即時型及び遅発型気管支収縮をそれぞれ75%、57%抑制した26)。
18.5 即時型及び遅発型気管支収縮反応に対する抑制作用
感作リスザルの抗原誘発による即時型及び遅発型気管支収縮反応を経口投与で抑制した25)。
18.6 アナフィラキシーショックに対する抑制作用
感作モルモットの卵アルブミンによるアナフィラキシーショックを部分的に抑制した27)。
18.7 肺機能の改善作用
軽症から中等症の慢性気管支喘息患者において、1秒量及び最大呼気流量を改善した28)。
18.8 好酸球に対する効果
軽症から中等症の慢性気管支喘息患者において、喀痰中の好酸球比率をプラセボに比べて有意に低下させた。同様に成人、小児患者における末梢血好酸球比率も有意に低下させた28),29),30),31)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人8例にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)を空腹時に単回経口投与したとき、モンテルカストの血漿中濃度は投与3.9時間後に最高血漿中濃度(Cmax)526ng/mLに達し、消失半減期(t1/2)4.6時間で消失した。また、血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC0-∞)は3840ng・hr/mLであった4)。
- 16.1.2反復投与
軽症から中等症の小児気管支喘息患者にモンテルカストチュアブル錠5mgを1日1回7日間食後反復経口投与したとき、1日目は投与後3.1時間、7日目は投与後4.3時間にCmax(630ng/mL及び628ng/mL)に達し、t1/2はいずれもおよそ4時間であった(下図)。1日目及び7日目のAUC0-24hrはそれぞれ4170ng・hr/mL及び4910ng・hr/mLであった。血漿中にモンテルカストはほとんど蓄積しないことが示唆された(表1)5)。
図 小児患者におけるモンテルカストチュアブル錠5mg 反復経口投与時の血漿中濃度推移
| 被験者 | 投与 日数 |
Tmax (hr) |
Cmax (ng/mL) |
t1/2† (hr) |
AUC0-24hr (ng・hr/mL) |
AUC0-∞ (ng・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 小児患者 | 1日目 | 3.1 ±1.6 |
630 ±234 |
3.99 ±0.42 |
4170 ±1000 |
4250 ±1000 |
| 7日目 | 4.3 ±1.4 |
628 ±222 |
4.08 ±0.55 |
4910 ±1260 |
5030 ±1280 |
|
| 健康成人 | 1日目 | 5.3 ±1.0 |
580 ±136 |
4.68 ±0.41 |
4470 ±1120 |
4690 ±1210 |
| 7日目 | 3.3 ±1.0 |
660 ±124 |
5.06 ±0.32 |
4680 ±1030 |
4960 ±1120 |
平均±標準偏差
投与量:小児患者;モンテルカストチュアブル錠5mg (n=7) 健康成人;モンテルカストフィルムコーティング錠10mg(n=8)
†:調和平均±ジャックナイフ標準偏差
- 16.1.3チュアブル錠とフィルムコーティング錠の薬物動態の比較
健康成人にモンテルカストチュアブル錠10mg注2)及びモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)を投与した場合の薬物動態パラメータは下記のとおりである(表2)6)(外国人データ)。
| 用量及び 剤形 |
Tmax† (hr) |
Cmax (ng/mL) |
t1/2 (hr) |
AUC0-∞ (ng・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 10mg CT | 2.0 ±0.3 |
493.7 ±83.1 |
4.8 ±0.3 |
2938.8 ±583.1 |
| 10mg FCT | 4.0 ±1.4 |
333.4 ±109.6 |
4.6 ±0.6 |
2447.6 ±779.0 |
平均±標準偏差、n=16
CT:モンテルカストチュアブル錠
FCT:モンテルカストフィルムコーティング錠
†:中央値±標準偏差
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人にモンテルカストチュアブル錠5mgを食後投与することにより空腹時に比べて最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は2.3±0.9時間から4.0±1.9時間に遅延した。また、Cmaxは488±66ng/mLから256±82ng/mLに48%減少し、AUC0-∞は2730±743ng・hr/mLから2386±498ng・hr/mLに13%減少した7)(外国人データ)。
- 16.2.2生物学的利用率
健康成人注2)にモンテルカストチュアブル錠5mg及びモンテルカストフィルムコーティング錠10mgを投与したときの生物学的利用率はそれぞれ約73%及び約64%であった8)(外国人データ)。
16.3 分布
- 16.3.1蛋白結合率
モンテルカストのヒト血漿蛋白との結合率は99.6%であった。モンテルカストは生理的な濃度のアルブミン及びα1-酸性糖蛋白質の両方に99%以上結合した9)(in vitro)。
16.4 代謝
ヒトにおけるモンテルカストの主要代謝物は側鎖メチル基の水酸化体及びベンジル位メチレン基の水酸化体であった。これら代謝物の生成にはそれぞれチトクロームP450(CYP)の分子種であるCYP2C8/2C9及び3A4が関与しており、CYP2C8がモンテルカストの主要代謝酵素であった。 更に側鎖メチル基の水酸化体はカルボン酸体まで酸化的代謝を受けることが確認されている。In vitro試験により治療時の血漿中濃度では、モンテルカストはCYP3A4、2C9、1A2、2A6、2C19又は2D6を阻害しないことが示された10),11),12),13)。 また、in vitro試験によりモンテルカストはCYP2C8を阻害することが示されたが、in vivoにおいてはモンテルカストは主にCYP2C8で代謝される代表的な薬剤であるロシグリタゾンとの臨床薬物相互作用試験で、CYP2C8を阻害しないことが示された14)(外国人データ)。したがって、モンテルカストはCYP2C8で代謝される薬剤(パクリタキセル等)の代謝に影響を及ぼさないと考えられる。
16.5 排泄
-
16.5.1健康成人にモンテルカストカプセル剤400mg注2)を単回経口投与したとき尿中に未変化体は検出されなかった4)。
-
16.5.2健康成人に14C標識モンテルカストカプセル剤102mg注2)を単回経口投与した後5日間の糞中及び尿中放射能排泄率はそれぞれ約86%及び0.1%であった15)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1肝機能障害患者
軽度から中等度の肝機能障害のある肝硬変患者にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)を単回経口投与したとき、4.0時間後にCmax 313ng/mLに達し、t1/2 8.6時間で消失した。t1/2は健康成人の4.7時間に比べて遅くなり、AUC0-∞は2248.7±812.1ng・hr/mLから3167.2±1300.5ng・hr/mLに41%増加した16)(外国人データ)。
- 16.6.2高齢者
健康高齢者(65歳~73歳)にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)を単回経口投与したとき、2.8時間後にCmax 495ng/mLに達し、t1/2 6.6時間で消失した。高齢者のAUC0-∞(3423.2±1344.7ng・hr/mL)は健康非高齢者(20歳~48歳)のAUC0-∞(3624.0±1257.8ng・hr/mL)と比較して有意差はなかった17)(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1フェノバルビタール
健康成人にフェノバルビタール100mg(14日間反復)を経口投与したとき、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)(単回)を経口投与により併用するとモンテルカストのAUC0-∞は約40%減少した18)(外国人データ)。
- 16.7.2テオフィリン
健康成人にモンテルカストカプセル剤を高用量(200mg注2)を1日1回6週間反復あるいは1日3回8日間反復)で経口投与し、テオフィリンの経口投与(250mg単回)あるいは静脈内投与(5mg/kg単回)を併用したとき、血漿中テオフィリン濃度の低下が認められたが、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)(10日間反復)の経口投与とテオフィリン5mg/kg(単回)の静脈内投与の併用では血漿中テオフィリン濃度の変化は認められなかった19)(外国人データ)。
- 16.7.3プレドニゾン、プレドニゾロン
健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg注2)(6週間反復)とプレドニゾン20mg(単回)を経口投与により併用したとき、プレドニゾンのAUC0-∞がプラセボ群と比較して有意に低下したが、同一被験者のモンテルカストカプセル剤200mg注2)投与前後の比較では変化はなく、活性代謝物であるプレドニゾロンの薬物動態も変化はなかった。また、健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg注2)(6週間反復)とプレドニゾロン20mg(単回)を静脈内投与により併用したとき、プレドニゾン及びプレドニゾロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった(外国人データ)。
- 16.7.4経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg)
健康成人にモンテルカストカプセル剤100mg注2)(8日間反復)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg単回)を経口投与により併用したとき、エチニルエストラジオール及びノルエチンドロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった20)(外国人データ)。
- 16.7.5ジゴキシン
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)(7日間反復)とジゴキシン0.5mg(単回)を経口投与により併用したとき、免疫反応性ジゴキシンの薬物動態は影響を受けなかった21)(外国人データ)。
- 16.7.6ワルファリン
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg注2)(7日間反復)とワルファリン30mg(単回)を経口投与により併用したとき、ワルファリンの血漿中総薬物濃度は影響を受けなかった。また、プロトロンビン時間への影響もなかった22)(外国人データ)。
注2)承認された用法及び用量は、6歳以上の小児に1回5mgである。