慢性胃炎における消化器症状(腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振、胸やけ、悪心、嘔吐)
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはイトプリド塩酸塩として1日150mgを3回に分けて食前に経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜減量する。
使用上の注意
-
8.1本剤はアセチルコリンの作用を増強するので、その点に留意して使用すること。
-
8.2消化器症状の改善がみられない場合、長期にわたって漫然と使用すべきでない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットによる実験で胎児に移行することが報告されている1) 。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットによる実験で乳汁中へ移行することが報告されている1) 。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 抗コリン剤 • チキジウム臭化物 ブチルスコポラミン臭化物 チメピジウム臭化物水和物等 |
本剤の消化管運動賦活作用(コリン作用)が減弱するおそれがある。 | 抗コリン剤の消化管運動抑制作用が、本剤の作用と薬理学的に拮抗する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 頻度不明 |
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 1〜5%未満 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| γ-GTP上昇 | 頻度不明 |
| イライラ感 | 1〜5%未満 |
| クレアチニン上昇 | 頻度不明 |
| そう痒感 | 頻度不明 |
| プロラクチン上昇 | 1〜5%未満 |
| めまい | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 唾液増加 | 1〜5%未満 |
| 嘔気 | 頻度不明 |
| 女性化乳房 | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 疲労感 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 発赤 | 頻度不明 |
| 白血球減少 | 1〜5%未満 |
| 睡眠障害 | 1〜5%未満 |
| 胸背部痛 | 1〜5%未満 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 血小板減少 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
イトプリドはドパミンD2受容体拮抗作用によりアセチルコリン(ACh)遊離を促し、更にアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害作用を有しており、遊離されたAChの分解を阻害する。これらの協力作用により消化管運動亢進作用を示す10) 。
18.2 消化管運動賦活作用
- 18.2.1胃運動の亢進
無麻酔イヌにおいて胃運動を用量依存的に亢進する10),11) 。
- 18.2.2胃内容物排出能の亢進
ヒト、イヌ、ラットにおける胃内容物排出能を亢進する12),13) 。
18.3 嘔吐の緩和
イヌにおいてアポモルヒネ誘発嘔吐を用量依存的に抑制する11) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人6例に本剤50mgを空腹時単回経口投与したときの血清中濃度は以下のとおりであった2) 。
経口投与時の血清中濃度(平均±標準誤差)
| 投与量(mg) | Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | AUC0~∞(μg・h/mL) | T1/2β(h) |
|---|---|---|---|---|
| 50 | 0.28±0.02 | 0.58±0.08 | 0.75±0.05 | 5.77±0.33 |
(平均±標準誤差)
- 16.1.2反復投与
健康成人6例に本剤を100mg1日3回7日間反復経口投与したときの未変化体の血清中濃度について、第2日目以降の各投与日の初回投与直前値は0.05~0.06μg/mLとほぼ一定値を示した。また、Cmaxは第10回目と最終回投与時で同様な値を示し、最終回投与時のT1/2βは単回投与時と同程度であった2) 。
| 投与日数 | 投与回数 | Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | T1/2β(h) | AUC0~∞(μg・h/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1日目 | 第1回 | 0.73±0.13 | 0.75±0.11 | - | - |
| 第4日目 | 第10回 | 0.75±0.10 | 0.58±0.08 | - | - |
| 第7日目 | 第19回 | 0.76±0.14 | 0.67±0.11 | 6.07±0.43 | 2.52±0.27 |
(平均±標準誤差)
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人6名に本剤50mgを空腹時及び食後30分に単回経口投与したときの未変化体の血清中濃度の推移は、食事の摂取による吸収の遅延傾向は認められたが、Cmax、Tmax、T1/2β、AUC0-∞の各パラメータに有意差は認められなかった3) 。
| Cmax(μg/mL) | Tmax(h) | T1/2β(h) | AUC0~∞(μg・h/mL) | |
|---|---|---|---|---|
| 空腹時 | 0.20±0.02 | 0.92±0.24 | 5.07±0.46 | 0.78±0.05 |
| 食後 | 0.23±0.04 | 1.17±0.17 | 5.04±0.53 | 0.82±0.08 |
(平均±標準誤差)
16.3 分布
- 16.3.1血清蛋白結合率
健康成人6例に本剤100mgを空腹時単回経口投与したときの血清蛋白結合率は96%であった2) 。
- 16.3.2臓器移行性
ラットに14C-イトプリド塩酸塩5mg/kgを単回経口投与したとき、投与後1~2時間にほとんどの組織で最高濃度に達し、投与2時間後では腎臓、小腸、肝臓、副腎、胃の順で高く、脳、脊髄などへの中枢移行は少なかった4) 。 ラットに14C-イトプリド塩酸塩5mg/kgを十二指腸内投与したときの胃筋層中の放射能濃度は、血液と比較して約2倍の値を示し、胃筋層への分布は良好であった5) 。
- 16.3.3乳汁移行性
ラットに14C-イトプリド塩酸塩5mg/kgを経口投与したときの乳汁中放射能濃度は、血清中放射能濃度と比較してCmaxで1.2倍、AUCで2.6倍、T1/2で2.1倍であった1) 。
16.4 代謝
ヒトCYP又はフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)発現系ミクロソームを用いた実験において、本剤の主要代謝物のN-オキシド体の生成にはFMO(分子種としてFMO1及びFMO3)が関与し、CYP酵素(CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4)の関与はいずれも認められなかった6) 。
16.5 排泄
健康成人6例に本剤100mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後24時間までの尿中排泄率は、N-オキシド体〔投与量の67.54%(尿中排泄量の89.41%)〕が最も多く、次いで未変化体(4.14%)であり、他の代謝物はわずかであった7) 。