Clinical snapshot

ガスロンN・OD錠4mg

イルソグラジンマレイン酸塩口腔内崩壊錠

添付文書改訂 2021年07月01日

効能・効果

  • 胃潰瘍

  • 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期

用法・用量

通常成人イルソグラジンマレイン酸塩として1日4mg(ガスロンN・OD錠2mg:2錠、ガスロンN・OD錠4mg:1錠)を1~2回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量(例えば2mg/日)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 頻度不明
ALT 頻度不明
AST 頻度不明
LDH 頻度不明
γ-GTP 頻度不明
そう痒感 頻度不明
ビリルビン等の上昇 頻度不明
下痢 1%未満
便秘 1%未満
嘔気・嘔吐 1%未満
多形滲出性紅斑 頻度不明
浮腫性紅斑 頻度不明
湿疹 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1%未満
発赤 頻度不明
胸部圧迫感 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

胃粘膜障害物質(胃酸等)による胃粘膜表層上皮細胞の細胞間間隙開大や胃粘膜血流低下を抑制することにより細胞防御作用を示す。これらの作用には本剤の胃粘膜内cAMP増加作用や細胞間コミュニケーション活性化作用(組織の共役促進による粘膜抵抗力及びバリア機能の増強)が関与すると考えられている。

18.2 実験潰瘍に対する作用

水浸拘束ストレス潰瘍(ラット)15),16)、エタノール潰瘍(ラット)16)、Shay潰瘍(ラット)15),16)、インドメタシン潰瘍(ラット)15),16),17)、ヒスタミン潰瘍(モルモット)15)・(ラット)16)、アスピリン潰瘍(ラット)16)、モノクロラミン潰瘍(ラット)18)、虚血再灌流胃粘膜障害(ラット)19)等の急性実験潰瘍や酢酸胃潰瘍(ラット)15)及び電気焼灼潰瘍(イヌ)20)等の慢性実験潰瘍に対し、1~10mg/kgの低用量で用量依存的に抗潰瘍作用を示す。

18.3 実験胃炎に対する作用

エタノール誘起胃炎及びタウロコール酸誘起萎縮性胃炎並びにアンモニア誘起胃粘膜障害に対し、用量依存的に抑制又は治癒促進効果を示す(ラット)21)。

18.4 細胞防御作用

  1. 18.4.10.2N塩酸の胃内注入で発生する胃粘膜上皮の剥離脱落を防止し細胞間間隙の開大を抑制する(ラット)22)。

  2. 18.4.2無水エタノール経口投与による胃粘膜損傷に対し、胃粘膜上皮細胞の剥離脱落を抑制する(ラット)23)。

  3. 18.4.30.2N塩酸、エタノール等の胃粘膜障害物質の胃粘膜内透過を抑制する(ラット)24),25)。

18.5 胃粘膜血流改善作用

酢酸潰瘍辺縁粘膜血流量を用量依存的に増加させ(イヌ)26)、モノクロラミンによる胃粘膜血流の低下を抑制する(ラット)18)。

18.6 抗炎症作用

  1. 18.6.1各種刺激剤によるヒト活性化好中球からの活性酸素産生を抑制する(in vitro)27)。

  2. 18.6.2虚血再灌流胃粘膜障害においてTNF-αの産生を抑制し、MPO活性を指標とした炎症性細胞の胃粘膜への浸潤を抑制する(ラット)19)。

  3. 18.6.3ヒト胃粘膜上皮細胞とH. pyloriの共培養系において炎症性サイトカインであるIL-8、RANTESの産生を濃度依存的に抑制する(in vitro)28)。

18.7 細胞間コミュニケーション活性化作用

ウサギ胎児胃粘膜培養上皮細胞を用いたDye Coupling法において、細胞間コミュニケーション活性化作用を示す(in vitro)29)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男子4名にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを単回経口投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与後約3.5時間で最高値(Cmax)に達し、その後、約150時間の消失半減期で減少した1)。

健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを単回経口投与した後の未変化体の血漿中濃度(平均値±標準偏差、n=4)

Tmax(hr) Cmax(μg/mL) t1/2(hr) AUC0-∞(μg・hr/mL)
3.5±1.9 0.154±0.034 152±47 23.0±5.0

平均値±標準偏差、(n=4)

  1. 16.1.2反復投与
  • 〈健康成人〉

健康成人男子6名にイルソグラジンマレイン酸塩2mgを1日1回、28日間反復経口投与した場合、未変化体の血漿中濃度は投与14日以降ほぼ定常状態となった。投与終了後血漿中濃度は緩やかに減少し、消失半減期は約170時間であった2)。

健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩2mgを1日1回28日間反復経口投与した場合の未変化体の血漿中濃度(平均値±標準偏差、n=6)

  • 〈胃潰瘍患者〉

胃潰瘍患者10名にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを4週間から8週間1日1回あるいは2回に分割経口投与した場合、健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩2mgを反復投与した場合と同様に投与後約2週間で定常状態に達していた3)。

  1. 16.1.3生物学的同等性

健康成人男子にガスロンN・OD錠2mg(口腔内崩壊錠:OD錠2mg)(水で服用又は水なしで服用)及びガスロンN錠2mg(普通錠)(水で服用)を空腹時に単回経口投与した場合、生物学的に同等であることが確認された。

  1. (1)OD錠2mgを水で服用した場合普通錠2mg及びOD錠2mgを水で服用した場合の血漿中イルソグラジン濃度
投与量
(mg)
Tmax
(hr)
Cmax
(μg/mL)
t1/2
(hr)
AUC0-504hr
(μg・hr/mL)
OD錠2mg
(水で服用)
2 1.53
±1.47
0.0798
±0.0214
140
±49
10.2
±2.70
普通錠2mg
(水で服用)
2 1.42
±1.22
0.0711
±0.0202
141
±55
9.60
±2.61

平均値±標準偏差(n=19)

  1. (2)OD錠2mgを水なしで服用した場合普通錠2mgを水でOD錠2mgを水なしで服用した場合の血漿中イルソグラジン濃度
投与量
(mg)
Tmax
(hr)
Cmax
(μg/mL)
t1/2
(hr)
AUC0-504hr
(μg・hr/mL)
OD錠2mg
(水なしで服用)
2 4.75
±7.62
0.0686
±0.0167
128
±51
8.30
±2.23
普通錠2mg
(水で服用)
2 3.19
±5.88
0.0629
±0.0173
133
±43
7.73
±2.05

平均値±標準偏差(n=16)

16.3 分布

  1. 16.3.1作用部位への移行性

14C-イルソグラジンを静脈内投与した後の胃粘膜での放射能濃度は血漿中より高かった(ラット)4)。

  1. 16.3.2蛋白結合

14C-イルソグラジンの1%ヒト血清アルブミンに対する結合率は62.4%であった4)。

16.4 代謝

健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを経口投与した場合、尿中主代謝物は、イルソグラジンのm-OH体の抱合体であり、この他p-OH体の抱合体及びN-oxide体が検出された1)。なお、これらの代謝物の薬理作用・毒性は未変化体と比較して、著しく弱いかほとんど認められなかった5)。

16.5 排泄

健康成人男子にイルソグラジンマレイン酸塩4mgを経口投与した場合、80時間までの尿中排泄率は未変化体が1.77%、m-OH体の抱合体が3.54%、p-OH体の抱合体が0.79%およびN-oxide体が0.94%であった1)。

16.8 その他

「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドラインについて」に従い、ガスロンN・OD錠2mgとガスロンN・OD錠4mgの生物学的同等性を保証するために、両製剤の溶出挙動を比較した6)。溶出挙動について同等性の判定を行った結果、ガイドラインの判定基準に適合し、両製剤の溶出挙動は同等であると判定した。