-
下記疾患による高アンモニア血症
-
N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症
-
イソ吉草酸血症
-
メチルマロン酸血症
-
プロピオン酸血症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、1日に体重kgあたり100mg~250mgより開始し、1日2~4回に分けて、用時、水に分散して経口投与する。その後は患者の状態に応じて適宜増減する。
使用上の注意
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1*中等度以上(eGFR<60mL/min/1.73m2)の腎機能障害患者
*開始用量を減量すること。腎排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| トランスアミナーゼ増加 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 多汗症 | 頻度不明 |
| 徐脈 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 神経系障害 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 高揚状態注1) | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
N-アセチルグルタミン酸合成酵素(NAGS)欠損症は、尿素サイクル異常症の一つであり、NAGS遺伝子変異による常染色体劣性遺伝疾患である。尿素サイクルの最初のステップを担うカルバミルリン酸合成酵素I(CPSI)の活性化に必要なN-アセチルグルタミン酸(NAG)を合成出来ないことにより、高アンモニア血症を呈する。 メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症及びイソ吉草酸血症は、有機酸代謝異常症に分類されており、アミノ酸代謝経路の酵素欠損による常染色体劣性遺伝疾患である。蓄積した中間代謝物によりNAGSが阻害されることにより、タンパク異化ストレスを契機に間欠的に高アンモニア血症を呈する。 カルグルミン酸はNAGの構造類似体であり、NAGに代わってCPSIを活性化し、尿素サイクルを賦活化させることにより血中アンモニア濃度を低下させる。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
外国人健康成人男性12例にカルグルミン酸100mg/kgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、下表のとおりであった2) (外国人データ)。
| Cmax (ng/mL) |
AUC0-t (ng・h/mL) |
tmax (h) |
t1/2 (h) |
Vd/F (L) |
CLr (mL/min) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2708±818 | 21126±6580 | 3.00 [2.00, 4.00](*1) |
6.00±1.50(*2) | 2783±1107 | 295±73 |
n=12、平均値±標準偏差 (1)中央値[最小値, 最大値] (2)n=11
- 16.1.2反復投与
日本人のイソ吉草酸血症、メチルマロン酸血症及びプロピオン酸血症による高アンモニア血症患者(男性4例、6~16歳)に本剤を反復経口投与したときの各被験者の血漿中未変化体濃度は、下表のとおりであった3) 。
| 病型 | 1日用量 (mg/kg) |
採血直前の用量 (mg/kg) |
評価時期 | 血漿中未変化体濃度(ng/mL)(*1) |
|---|---|---|---|---|
| イソ吉草酸血症 | 118 | 58.8 | 投与1日目 | 924 |
| 投与4日目 | 1850 | |||
| メチルマロン酸血症 | 115 | 38.5 | 投与1日目 | 2680 |
| 投与3日目 | 5350 | |||
| プロピオン酸血症 | 103 | 32.6 | 投与1日目 | 1940 |
| 投与5日目 | 2900 | |||
| プロピオン酸血症 | 110 | 36.6 | 投与1日目 | 1380 |
| 投与5日目 | 2880 |
(*1)投与1日目における血漿中未変化体濃度は本剤初回投与約2時間後、投与3~5日目における血漿中未変化体濃度は本剤投与約2~5時間後の範囲で測定された。
16.4 代謝
外国人健康成人男性3例に14C標識化したカルグルミン酸100mg/kgを空腹時に単回経口投与したとき、主な代謝物は確認されなかった4) (外国人データ)。 カルグルミン酸はCYP1A1/2、2B6、3A4/5及び2Cに対して誘導作用を示さず、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4/5に対して阻害作用を示さなかった5) (in vitroデータ)。
16.5 排泄
**外国人健康成人男性3例に14C標識化したカルグルミン酸100mg/kgを空腹時に単回経口投与したとき、大部分が未変化体として排泄され、投与168時間後までに投与量の約8%が尿中に、最大約60%が糞中に未変化体として排泄された。投与24時間後までの総放射能に対する呼気中累積排泄率は0.53~3.8%であった4) (外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
*腎機能正常者(eGFR≧90mL/min/1.73m2)、軽度(60≦eGFR<90mL/min/1.73m2)、中等度(30≦eGFR<60mL/min/1.73m2)及び重度(eGFR<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害者にカルグルミン酸80mg/kg又は40mg/kgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、下表のとおりであった6) (外国人データ)。
| 腎機能 | 正常 | 軽度 | 中等度 | 正常 | 重度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 投与量 | 80mg/kg | 40mg/kg | |||
| 被験者数 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 |
| t1/2β (h) |
28.3±5.0 | 35.3±9.5 | 45.5±7.0 | 28.3±4.7 | 59.6±19.5 |
| Cmax (ng/mL) |
2983±552 | 4310±1937 | 6129±1854 | 1890±901 | 8377±3815 |
| AUC0-t (ng・h/mL) |
28313±6204 | 39545±12109 | 79766±19708 | 20212±6186 | 143075±55910 |
| 被験者数 | 7 | 6 | 8 | 8 | 7 |
| CLr (L/h) |
16.41±3.85 | 16.36±3.70 | 9.53±2.49 | 19.32±3.76 | 3.45±1.12 |
平均値±標準偏差