Clinical snapshot

カンサイダス点滴静注用50mg

注射用カスポファンギン酢酸塩

添付文書改訂 2022年11月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症

  • カンジダ属又はアスペルギルス属による下記の真菌感染症

    • 食道カンジダ症
  • 侵襲性カンジダ症

  • アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性壊死性肺アスペルギルス症、肺アスペルギローマ)

用法・用量

  • 〈成人〉

  • 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症

通常、カスポファンギンとして投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。

  • カンジダ属又はアスペルギルス属による下記の真菌感染症

  • 食道カンジダ症

通常、カスポファンギンとして50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。

  • 侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症

通常、カスポファンギンとして投与初日に70mgを、投与2日目以降は50mgを1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。

  • 〈小児〉

  • 真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症、カンジダ属又はアスペルギルス属による食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症

通常、カスポファンギンとして投与初日に70mg/m2(体表面積)を、投与2日目以降は50mg/m2(体表面積)を1日1回投与する。本剤は約1時間かけて緩徐に点滴静注する。なお、1日1回50mg/m2(体表面積)の投与で効果不十分の場合には、1日1回70mg/m2(体表面積)まで増量することができる。いずれの場合も1日用量として70mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1本剤の投与期間は患者の臨床症状、効果等に基づき決定し、治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

  2. 8.2肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者(本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者を除く)

特に他のキャンディン系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者には注意すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットでは母動物に毒性があらわれる用量(5mg/kg/日)で、胎児体重の減少並びに頭蓋及び体躯の不完全骨化発現率の増加が認められている。さらに、同用量で頸肋の発現率増加がみられている。動物試験(ラット、ウサギ)で、胎盤通過が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中に移行するか否かは不明である。ラットでは乳汁移行が認められている。

9.7 小児等

投与に際しては観察を十分に行うこと。小児の臨床試験では、成人と比べALT増加、AST増加、肝機能異常の発現頻度が高いことが報告されている。低出生体重児、新生児及び3ヵ月未満の乳児を対象とした国内臨床試験は実施していない。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シクロスポリン 本剤をシクロスポリンと併用した際、シクロスポリンの血中濃度に変化はみられなかったが、本剤のAUCは増加した。また、両薬剤の併用により一過性のALT及びAST増加が認められた。シクロスポリンが投与されている患者への本剤の投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみとすること。両薬剤を併用する場合は、肝酵素の綿密なモニタリングの実施を考慮すること。 併用による本剤のAUCの増加には、トランスポーター(OATP1B1)を介した本剤の肝取り込みの阻害が関与していると考えられる。
タクロリムス 本剤をタクロリムスと併用した際、タクロリムスの投与後12時間血中濃度(C12hr)を減少させたが、本剤の血中濃度に有意な変化はみられなかった。本剤とタクロリムスを併用する場合は、タクロリムスの血中濃度のモニタリング及び用量調節が推奨される。 機序不明
リファンピシン
本剤をリファンピシン単回投与と併用した際、本剤のAUCが増加した。リファンピシンの誘導作用が定常状態下で本剤を併用した際、本剤のトラフ濃度が減少した。いずれにおいても、リファンピシンの血中濃度に有意な変化はみられなかった。 リファンピシンの併用による本剤のクリアランス誘導には代謝過程よりも肝取り込みトランスポーター(OATP1B1)を介した輸送過程が影響すると考えられる。
エファビレンツ
ネビラピン
フェニトイン
デキサメタゾン
カルバマゼピン
これらの薬剤と本剤の併用により、臨床的に有意な本剤の血中濃度の低下が生じるおそれがある。 これらの薬剤の併用による本剤のクリアランス誘導には代謝過程よりも取り込み輸送過程が影響すると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加 5%以上
AST増加 5%以上
CRP増加 1〜5%未満
LDH増加 1〜5%未満
γ-GTP増加 5%以上
そう痒症 頻度不明
プロトロンビン時間延長 1〜5%未満
ヘマトクリット減少 1〜5%未満
ヘモグロビン減少 頻度不明
下痢 1〜5%未満
下部消化管出血 1〜5%未満
低カリウム血症 頻度不明
口の感覚鈍麻 1〜5%未満
呼吸困難 頻度不明
嘔吐 頻度不明
多汗症 頻度不明
失神 1〜5%未満
好酸球数増加 1〜5%未満
尿中ビリルビン増加 1〜5%未満
悪寒 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
抱合ビリルビン増加 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
活性化部分トロンボプラスチン時間延長 1〜5%未満
浮動性めまい 1〜5%未満
潮紅 頻度不明
発熱 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
白血球数減少 1〜5%未満
眼そう痒症 1〜5%未満
糖尿病 1〜5%未満
総蛋白減少 1〜5%未満
肝機能異常 5%以上
肺水腫 1〜5%未満
腎機能障害 1〜5%未満
腫脹 頻度不明
腹部圧痛 1〜5%未満
血中Al-P増加 1〜5%未満
血中アルブミン減少 頻度不明
血中カリウム増加 1〜5%未満
血中カリウム減少 1〜5%未満
血中カルシウム減少 1〜5%未満
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中クロール増加 1〜5%未満
血中ビリルビン増加 1〜5%未満
血中ブドウ糖減少 1〜5%未満
血中マグネシウム減少 頻度不明
血便排泄 1〜5%未満
血小板数減少 1〜5%未満
血管穿刺部位炎症 1〜5%未満
血管障害 1〜5%未満
貧血 1〜5%未満
静脈炎 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
高カルシウム血症 頻度不明
高血圧 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

真菌(アスペルギルス属及びカンジダ属)細胞壁の主要構成成分である1,3-β-D-グルカンの生合成を阻害する。なお、哺乳類の細胞は、1,3-β-D-グルカンを合成しない22)。

18.2 抗真菌作用

カスポファンギンは、アスペルギルス属(A. fumigatusA. flavusA. nidulansA. nigerA. terreusを含む)及びカンジダ属[C. albicansC. glabrataC. guilliermondiiC. kefyr(旧名C. pseudotropicalis)、C. kruseiC. lusitaniaeC. parapsilosisC. tropicalisを含む]に対して幅広いin vitro抗真菌作用を示す23),24)。カンジダ属に対しては殺菌的に作用し、アスペルギルス属には菌糸の伸長抑制作用を示す24),25)。 In vivoでは、アスペルギルス属(A. fumigatus)の播種性感染又は肺感染による免疫不全モデル(マウス、ラット)への非経口投与により、生存期間の延長が認められた26),27)。また、カンジダ属の播種性感染、並びに口腔咽頭及び消化器感染による免疫正常又は免疫不全モデル(マウス)への非経口投与により、生存期間の延長(C. albicans)又は標的器官からの除菌作用(C. albicansC. glabrataC. kruseiC. lusitaniaeC. parapsilosisC. tropicalis)がみられた26),28),29)。

18.3 耐性菌

カンジダ属においてカスポファンギンに対して低感受性を示す株が報告されている。この感受性の低下にはグルカン合成酵素のFKSサブユニットの変異が関与しているとの報告がある30),31),32)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1成人

  2. (1)単回投与

日本人健康成人男性(各用量8名)にカスポファンギン20、40、70、100、150及び210mgを約60分間かけて単回静脈内投与注14)したとき、血漿中カスポファンギン濃度は静脈内投与終了時にピークに達した。また静脈内投与終了後から血漿中カスポファンギン濃度推移は多相性の消失を示し、β相の消失半減期(t1/2β)は9.62~10.37時間、γ相の消失半減期(t1/2γ)(150及び210mgのみ算出した)は41.64~41.93時間であった。投与後1時間の血漿中濃度(C1hr)、投与後24時間の血漿中濃度(C24hr)及びカスポファンギンの血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC0-∞)は、用量比例性を示した。当該用量範囲における血漿クリアランス(CLp)は、8.72~9.24mL/minであり、ほぼ一定であった1)。

  1. (2)反復投与

日本人健康成人男性にカスポファンギン50及び100mgを1日1回14日間又は投与初日に70mg、第2日~第14日に50mgを1日1回反復静脈内投与したときの平均薬物動態パラメータを表1に、また平均血漿中濃度推移を図に示す2)。

薬物動態
パラメータ
用量 例数 第1日 第14日 第14日/第1日
幾何平均
(90%信頼区間)
幾何平均
(90%信頼区間)
幾何平均比
(90%信頼区間)
AUC0-24hr
(μg・hr/mL)
50mg 6 71.09
(64.46, 78.41)
120.03
(109.01, 132.16)
1.69
(1.62, 1.76)
70/50mg注9) 6 106.61
(94.73, 119.98)
123.58
(111.60, 136.84)
1.16
(1.13, 1.19)
100mg 6 141.19
(132.64, 150.30)
268.60
(243.45, 296.34)
1.90
(1.80, 2.00)
C1hr
(μg/mL)
50mg 6 8.93
(7.97, 10.01)
11.90
(10.68, 13.27)
1.33
(1.28, 1.39)
70/50mg注9) 6 14.44
(13.49, 15.45)
12.41
(11.25, 13.69)
0.86
(0.81, 0.91)
100mg 6 17.21
(15.46, 19.15)
23.29
(21.73, 24.96)
1.35
(1.29, 1.43)
C24hr
(μg/mL)
50mg 6 1.14
(0.94, 1.38)
2.48
(2.22, 2.78)
2.17
(1.99, 2.38)
70/50mg注9) 6 1.53
(1.21, 1.94)
2.51
(2.08, 3.02)
1.64
(1.49, 1.81)
100mg 6 2.28
(1.90, 2.73)
6.20
(5.25, 7.33)
2.72
(2.46, 3.01)
t1/2β(hr)注8) 50mg 6 13.90
(1.56)
70/50mg注9) 6 13.77
(1.99)
100mg 6 16.01
(2.87)
注8)t1/2βは調和平均(ジャックナイフ標準偏差)
注9)第1日:70mg、第2日~第14日:50mg/日

図 日本人健康成人にカスポファンギンを1日1回14日間反復静脈内投与したときの平均血漿中濃度推移

日本人健康成人男性に投与初日にカスポファンギン70mg、第2日~第14日に40又は50mgを1日1回14日間反復静脈内投与注14)したとき、50mg投与では第2日までに定常状態に達した2)。

  1. 16.1.2小児

日本人及び外国人小児患者にカスポファンギンを投与初日に70mg/m2(体表面積注15))、投与2日目以降50mg/m2(ただし1日用量として70mgを超えない)、1日1回約60分間かけて静脈内投与したときの薬物動態パラメータを表2に示す。なお、3ヵ月未満の小児患者の本薬の投与量は1日1回25mg/m2で、アムホテリシンB製剤と併用投与した3),4)。

薬物動態
パラメータ
日本人小児患者 外国人小児患者
例数 幾何平均
(95%信頼区間)
例数 幾何平均
(95%信頼区間)
0~2ヵ月注10)
AUC0-24hr
(μg・hr/mL)
C1hr
(μg/mL)
12 11.1注11)
(8.8, 13.9)
C24hr
(μg/mL)
11 2.4注11)
(1.8, 3.4)
3ヵ月~1歳
AUC0-24hr
(μg・hr/mL)
10 142.60
(116.68, 174.29)
C1hr
(μg/mL)
10 18.39注13)
(15.13, 22.35)
C24hr
(μg/mL)
10 1.90注13)
(1.42, 2.54)
2~11歳
AUC0-24hr
(μg・hr/mL)
8 202.43
(159.74, 256.53)
35 145.99
(131.14, 162.52)
C1hr
(μg/mL)
9 25.96注12)
(20.20, 33.36)
55 17.17注13)
(15.80, 18.66)
C24hr
(μg/mL)
10 3.62注12)
(2.38, 5.50)
57 2.41注13)
(2.13, 2.72)
12~17歳
AUC0-24hr
(μg・hr/mL)
7 148.26
(93.86, 234.18)
22 142.64
(124.59, 163.30)
C1hr
(μg/mL)
8 15.88注12)
(10.25, 24.60)
29 15.12注13)
(13.48, 16.95)
C24hr
(μg/mL)
8 3.01注12)
(1.87, 4.85)
30 2.96注13)
(2.50, 3.50)
注10)侵襲性カンジダ症と診断された又は強く疑われた3ヵ月未満の小児患者に対して本剤25mg/m2を約1時間かけて1日1回投与した。すべての小児患者でアムホテリシンB製剤が併用投与された。
注11)投与4日に得られた投与開始後1時間又は24時間の血漿中濃度
注12)投与4~14日に得られた投与開始後1時間又は24時間の血漿中濃度の幾何平均
注13)投与3~14日に得られた投与開始後1時間又は24時間の血漿中濃度の幾何平均
-データなし

16.3 分布

  1. 16.3.1カスポファンギンはヒト血漿蛋白と高度に結合した(約97%)。また、ヒトで赤血球移行性は低かった5)。

  2. 16.3.2健康成人男性に[3H]-カスポファンギンを単回静脈内投与したとき、マスバランスの結果から、組織中放射能は投与後36~48時間で投与量の約92%であった5)(外国人データ)。

16.4 代謝

カスポファンギンは加水分解及びN-アセチル化によって緩徐に代謝される。カスポファンギンから開環ペプチド体が非酵素的に生成されるほか、環状ペプチドを構成するアミノ酸への加水分解及びその誘導体への代謝によってジヒドロキシホモチロシン及びN-アセチルジヒドロキシホモチロシンなどが生成された5)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人男性に[3H]-カスポファンギンを単回静脈内投与したとき、投与後27日で、投与放射能の約41%が尿中、約34%が糞中に排泄された。未変化体の尿中排泄量はわずかであった(投与量の約1.4%)5)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1肝機能障害患者

  2. (1)軽度肝機能障害患者(Child-Pughスコア5~6)にカスポファンギン70mgを単回静脈内投与したとき、健康成人と比べてカスポファンギンのAUCは約55%増加した。投与初日にカスポファンギン70mg、第2日~第14日に50mgを反復静脈内投与したとき、健康成人と比べて、第7日及び第14日のカスポファンギンのAUCの増加はわずかであった(21~26%)6)(外国人データ)。

  3. (2)中等度肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)に投与初日にカスポファンギン70mg、第2日~第14日に35mgを反復静脈内投与したとき、第7日及び第14日のカスポファンギンのAUCは健康成人(第1日:70mg、第2日~第14日:50mgを投与)と同程度であった6)(外国人データ)。

  4. 16.6.2高齢者

  5. (1)健康高齢者(65歳以上)にカスポファンギン70mgを単回静脈内投与したとき、カスポファンギンのAUCは、健康若年成人と比較してわずかに増加した(約28%)(外国人データ)。

  6. (2)真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症患者又は侵襲性カンジダ症患者でも同様に、若年成人患者と比較して高齢患者でわずかな年齢の影響が認められた(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

In vitro試験の結果からカスポファンギンは、肝取り込みトランスポーター(OATP1B1)の低親和性の基質であることが明らかとなった。また、チトクロームP450(CYP)系薬物代謝酵素の阻害剤ではないことが示された。臨床試験では、カスポファンギンは他の薬剤のCYP3A4代謝を誘導しなかった。カスポファンギンはP-gpの基質ではなく、またCYPによりほとんど代謝されなかった。

  1. 16.7.1シクロスポリンとの併用

健康成人にカスポファンギン70mgを1日1回反復静脈内投与時にシクロスポリン4mg/kgを単回又は3mg/kgを12時間間隔で2回経口投与したとき、カスポファンギンのAUCは約35%増加した。カスポファンギンはシクロスポリンの薬物動態に影響を及ぼさなかった7)(外国人データ)。

  1. 16.7.2タクロリムスとの併用

健康成人にカスポファンギン70mgを1日1回反復静脈内投与時にタクロリムス0.1mg/kgを12時間間隔で2回経口投与したとき、タクロリムスの投与後12時間の血中濃度は26%減少した。一方、タクロリムスはカスポファンギンの薬物動態に影響を及ぼさなかった8)(外国人データ)。

  1. 16.7.3リファンピシンとの併用

健康成人にカスポファンギン50mg(静脈内投与)及びリファンピシン600mg(経口投与)を1日1回14日間反復併用投与したとき、第1日にカスポファンギンのAUCは約60%増加した。リファンピシンの定常状態でカスポファンギンと併用した際は、カスポファンギンのC24hrは約30%減少したものの、AUC及びC1hrはほとんど変化しなかった。一方、カスポファンギンはリファンピシンの薬物動態に影響を及ぼさなかった9)(外国人データ)。

  1. 16.7.4薬物クリアランスの誘導作用を有する薬剤との併用

母集団薬物動態解析の結果から、成人患者では薬物クリアランスの誘導作用を有する薬剤(エファビレンツ、ネビラピン、デキサメタゾン、フェニトイン及びカルバマゼピン)とカスポファンギンとの併用により、カスポファンギンの血中濃度は臨床的に有意に低下する可能性が示唆された10)。また、小児患者でも薬物クリアランスの誘導作用を有する薬剤(デキサメタゾン)との併用により、成人患者と同様、カスポファンギンの血中濃度は臨床的に有意に低下する可能性が示唆された4)。

  1. 16.7.5その他の薬剤との併用

健康成人でイトラコナゾール11)、アムホテリシンB12)、ミコフェノール酸モフェチル13)又はネルフィナビル14)とカスポファンギンを併用した際、カスポファンギンの薬物動態はこれらの薬剤の影響を受けなかった。また、カスポファンギンはイトラコナゾール11)、アムホテリシンB12)及びミコフェノール酸(ミコフェノール酸モフェチルの活性代謝物)13)の活性代謝物の薬物動態に影響しなかった(外国人データ)。

注14)本剤の承認された用量は、通常、成人にはカスポファンギンとして投与初日は70mg又は50mgを1日1回、投与2日目以降は50mgを1日1回である。

注15)患者の体表面積(BSA)は、Mosteller式により算出した。