中等症の潰瘍性大腸炎(5-アミノサリチル酸製剤による治療で効果不十分な場合に限る)
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
-
2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性
-
2.3重度の肝機能障害(Child-Pugh 分類C)を有する患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはカロテグラストメチルとして1回960 mgを1日3回食後経口投与する。
使用上の注意
-
8.1本剤はα4インテグリンに結合しリンパ球の遊走を阻害するため、感染症に対する免疫能に影響を及ぼす可能性がある。本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に注意すること。
-
8.2本剤と他の免疫抑制剤の併用について臨床試験は実施していないため、本剤との併用を避けること。また、ナタリズマブ(遺伝子組換え)を投与されている患者では、本剤との併用を避けること。ナタリズマブ(遺伝子組換え)を過去に投与された患者に本剤を投与する際はPMLの発現に十分注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1免疫不全患者又は免疫抑制剤の使用等により高度の免疫抑制状態にある患者
PMLの発現リスクが高い可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)
投与しないこと。中等度の肝機能障害患者に投与した場合にカロテグラストメチル及び活性代謝物であるカロテグラストの血中濃度の上昇が認められている。重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
- 9.3.2中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)又は胆道閉塞のある患者
減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。胆道閉塞のある患者を含む中等度の肝機能障害患者に投与した場合にカロテグラストメチル及び活性代謝物であるカロテグラストの血中濃度の上昇が認められている。
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(マウス)において、臨床推奨用量の1.33倍以上の曝露で左心房小型、胸骨分節糸状癒合、胸骨分節配列異常、腸短小(結腸)、着床後死亡数、着床後死亡率の高値及び生存胎児数の低値が認められている1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁中への移行が認められている2)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
相互作用
- カロテグラストメチルはCYP3A4阻害作用を有する。また、本剤の活性代謝物であるカロテグラストはOATP1B1及びOATP1B3の基質である。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| CYP3A4の基質となる薬剤 • ミダゾラム アトルバスタチン等 |
これらの薬剤の作用が増強される可能性がある。 | カロテグラストメチルのCYP3A4阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| OATP1B1及びOATP1B3を阻害する薬剤 • リファンピシン等 |
本剤の活性代謝物であるカロテグラストの作用が増強される可能性がある。本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 | これらの薬剤の肝取り込みトランスポーター(OATP1B1及びOATP1B3)阻害作用により、カロテグラストの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加 | 1%未満 |
| AST増加 | 1〜5%未満 |
| CRP増加 | 1〜5%未満 |
| LDH増加 | 1〜5%未満 |
| γ-GTP増加 | 1%未満 |
| アミラーゼ増加 | 1%未満 |
| 上咽頭炎 | 1〜5%未満 |
| 上気道の炎症 | 1〜5%未満 |
| 口内炎 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 1%未満 |
| 尿中蛋白陽性 | 1〜5%未満 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 感覚鈍麻 | 1%未満 |
| 消化不良 | 1%未満 |
| 発熱 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 白血球数増加 | 1〜5%未満 |
| 肝機能異常 | 1〜5%未満 |
| 胃腸炎 | 1%未満 |
| 胃食道逆流性疾患 | 1%未満 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 腹部不快感 | 1〜5%未満 |
| 腹部膨満 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 1%未満 |
| 薬物過敏症 | 1%未満 |
| 関節痛 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 鼻出血 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
カロテグラストメチルは生体内で活性代謝物であるカロテグラストとなり、α4β1インテグリンとVascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)との結合及びα4β7インテグリンとMucosal addressin cell adhesion molecule-1(MAdCAM-1)との結合を阻害することによって、T細胞を含む炎症性細胞の血管内皮細胞への接着及び炎症部位への浸潤を阻害し、抗炎症作用を発揮する。
18.2 α4インテグリンと接着分子との結合に対する阻害作用
カロテグラストは、ヒト、ラット及びマウスのα4β1インテグリン発現細胞とVCAM-1との結合及びヒト、ラット及びマウスα4β7インテグリン発現細胞とMAdCAM-1との結合を阻害した13)。
18.3 ラット及びマウスにおけるリンパ球のホーミングに対する作用
カロテグラストメチルは、ラット及びマウス小腸パイエル板へのリンパ球(腸間膜リンパ節細胞)のホーミングを阻害した14)。
18.4 実験的腸炎に対する作用
インターロイキン-10ノックアウトCD4+ T細胞移入マウス腸炎モデルにおいて、カロテグラストメチルは腸管重量増加、便性状スコア及び腸管組織へのT細胞浸潤を有意に抑制した15)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
日本人健康成人男性(18例)に本剤240、480、960 mg注)を単回経口投与したとき、カロテグラストメチル及び活性代謝物であるカロテグラストの血中濃度はそれぞれ投与1.8~2.3時間及び2.7~3.2時間後に最高血中薬物濃度(Cmax)に到達し、消失半減期はそれぞれ8.4~15.8時間及び11.5~15.9時間であった3)。
健康成人男性における食後単回投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
| カロテグラストメチル | カロテグラスト | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 240 mg n=6 |
480 mg n=5※ |
960 mg n=6 |
240 mg n=6 |
480 mg n=5※ |
960 mg n=6 |
|
| AUC0-∞ (ng・h/mL) |
458※※ | 684±70※※※ | 1602±341 | 2990±721 | 5542±327 | 8998±2849 |
| Cmax (ng/mL) |
168±88 | 241±101 | 541±154 | 653±224 | 1140±189 | 2012±934 |
| Tmax (h) |
1.8±1.3 | 2.3±1.6 | 1.8±1.2 | 2.8±1.3 | 3.2±1.1 | 2.7±1.0 |
| t1/2(terminal) (h) |
8.4※※ | 13.0±17.5※※※ | 15.8±11.2 | 11.5±1.0 | 15.9±9.6 | 15.6±8.0 |
※投与前の臨床検査値逸脱のために1例脱落し、n=5 平均値±標準偏差、※※n=2、※※※n=4
- 16.1.2反復投与
日本人健康成人男性(18例)に本剤240、480、960 mg注)を1日3回6日間反復経口投与したとき、カロテグラストメチル及びカロテグラストの薬物動態パラメータは下表のとおりであった4)。
| カロテグラストメチル | 1日目 | 最終投与日(反復投与6日目) | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 240 mg n=6 |
480 mg n=5※ |
960 mg n=6 |
240 mg n=6 |
480 mg n=5※ |
960 mg n=6 |
|
| AUC0-24 (ng・h/mL) |
755±311 | 1667±560 | 3134±1307 | 1187±176 | 2408±618 | 3121±788 |
| Cmax (ng/mL) |
122±73 | 292±257 | 527±551 | 195±40 | 278±88 | 501±270 |
| Tmax (h) |
10.2±3.8 | 11.4±2.0 | 6.5±3.2 | 10.0±1.1 | 7.7±3.0 | 9.3±3.6 |
| t1/2(terminal) (h) |
1.4±0.1※※ | 6.0±6.6 | 4.0±5.9 | 1.4±0.1※※※ | 24.8±46.1 | 5.6±8.2 |
投薬スケジュール:1日目 1日3回投与、2-4日目 休薬期間、5-10日目 1日3回投与 ※投与前の臨床検査値逸脱のために1例脱落し、n=5 平均値±標準偏差、※※n=3、※※※n=4
| カロテグラスト | 1日目 | 最終投与日(反復投与6日目) | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 240 mg n=6 |
480 mg n=5※ |
960 mg n=6 |
240 mg n=6 |
480 mg n=5※ |
960 mg n=6 |
|
| AUC0-24 (ng・h/mL) |
4710±1592 | 11313±3603 | 18978±7684 | 7660±1916 | 17457±3477 | 19790±5601 |
| Cmax (ng/mL) |
466±200 | 1251±613 | 1989±1105 | 824±130 | 1732±354 | 2247±1019 |
| Tmax (h) |
9.3±3.5 | 10.0±2.6 | 9.6±3.1 | 8.2±2.8 | 9.4±0.6 | 10.0±0.6 |
| t1/2(terminal) (h) |
6.5±3.1 | 8.9±4.1 | 9.6±4.1 | 18.3±12.4 | 26.9±24.0 | 14.1±7.9 |
投薬スケジュール:1日目 1日3回投与、2-4日目 休薬期間、5-10日目 1日3回投与 ※投与前の臨床検査値逸脱のために1例脱落し、n=5 平均値±標準偏差
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
日本人健康成人男性(6例)に本剤960 mgを単回経口投与したとき、カロテグラストメチルのCmax及びAUC0-∞は食事によりそれぞれ33.8%、20.9%低下し、カロテグラストのCmax及びAUC0-∞は食事によりそれぞれ18.5%、2.4%低下した3)。
16.3 分布
カロテグラストメチル及びカロテグラストの血漿蛋白結合率は、それぞれ99.2%~99.3%及び99.6%~99.7%であった(in vitro)。カロテグラストメチルの主な結合蛋白はアルブミン及びα1-酸性糖蛋白質であり、カロテグラストの主な結合蛋白はアルブミンであった(in vitro)。14C標識した本剤をラット及びイヌに単回経口投与したときの放射能の血球への移行性は低く、血球移行率は12.8%以下であった。14C標識した本剤をラットに単回経口投与後、大部分の組織中放射能濃度は投与1時間後に最高濃度を示し、血漿中放射能濃度の低下とともに速やかに低下した5)。
16.4 代謝
本剤は主にカルボキシルエステラーゼ1(CES1)及びCYP3A4による一次代謝によりカロテグラスト及びN-脱メチル体へと代謝され、さらにN-脱メチル体はエステル加水分解体へと代謝される(in vitro)。カロテグラストの一部はUGT1A3によりグルクロン酸抱合体へと代謝される(in vitro)6)。
16.5 排泄
日本人健康成人男性(6例)に14C標識した本剤70 mg注)を単回経口投与したとき、投与後168時間までの累積尿中放射能排泄率は2.60%、累積糞中放射能排泄率は95.67%であった7)。また、14C標識した本剤をラットに単回経口投与したとき、投与後48時間までの、累積尿中放射能排泄率は1.2%、累積糞中放射能排泄率は35.7%及び累積胆汁中放射能排泄率は39.9%であり、本剤の主排泄経路は胆汁排泄を経由した糞中排泄と考えられた8)。胆汁排泄後の再吸収は9.7%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1肝機能障害患者
軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害被験者(6例)及び胆道閉塞のある被験者(1例)を含む中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害被験者(2例)に本剤960 mgを単回経口投与した。軽度肝機能障害被験者では肝機能正常被験者と比較して、カロテグラストメチルの曝露量(Cmax及びAUC0-∞)はそれぞれ0.7倍及び0.8倍であり、カロテグラストのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ1.1倍及び1.5倍であった。中等度肝機能障害被験者では、肝機能正常被験者と比較してカロテグラストメチルのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ2.5倍及び3.1倍であり、カロテグラストのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ2.1倍及び4.3倍であった9)。
| カロテグラストメチル | カロテグラスト | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 正常 n=6 |
軽度 n=6 |
中等度 n=2 |
正常 n=6 |
軽度 n=6 |
中等度 n=2 |
|
| AUC0-∞ (ng・h/mL) [95%信頼区間] |
1750 [1100,2780] |
1480 [666,3300] |
5460 [NC] |
7360 [5420,10000] |
10900 [6030,19700] |
31300 [NC] |
| Cmax (ng/mL) [95%信頼区間] |
743 [472,1170] |
506 [220,1160] |
1840 [NC] |
1830 [1210,2760] |
1990 [1230,3220] |
3840 [NC] |
| Tmax (h) [範囲] |
1.50 [1.00-2.00] |
1.00 [0.50-2.00] |
0.75 [0.50-1.00] |
2.00 [1.00-2.00] |
2.00 [2.00-4.00] |
3.00 [2.00-4.00] |
| t1/2(terminal) (h) [95%信頼区間] |
12.9 [2.57,65.0] |
9.71 [4.21,22.4] |
4.64 [NC] |
10.8 [8.16,14.3] |
12.5 [5.71,27.5] |
11.4 [NC] |
AUC0-∞, Cmax, t1/2(terminal):幾何平均、Tmax:中央値、NC:計算されていない
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1ミダゾラム
日本人健康成人男性(20例)に本剤960 mgを1日3回14日間反復経口投与後、CYP3A4の基質であるミダゾラム(経口投与)5 mgを併用投与したとき、単独投与時と比較して、ミダゾラムのCmax及びAUC0-tはそれぞれ1.9倍及び3.1倍に上昇した。また、ミダゾラム(静脈内投与)0.017 mg/kgを併用投与したとき、単独投与時と比較して、ミダゾラムのAUC0-tは1.5倍に上昇した10)。
- 16.7.2アトルバスタチン
日本人健康成人男性(20例)に本剤960 mgを1日3回14日間反復経口投与後、CYP3A4の基質であるアトルバスタチン10 mgを併用投与したとき、単独投与時と比較して、アトルバスタチンのCmaxは1.2倍であり、AUC0-tは2.1倍に上昇した10)。
- 16.7.3プレドニゾロン
日本人健康成人男性(20例)に本剤960 mgを1日3回14日間反復経口投与後、プレドニゾロン5 mgを併用投与したとき、プレドニゾロンのCmax及びAUC0-tはそれぞれ0.9倍及び1.1倍であった10)。
- 16.7.4リファンピシン
日本人健康成人男性(20例)に本剤960 mgとOATP1B1及びOATP1B3の阻害薬であるリファンピシン600 mgを併用投与したとき、単独投与時と比較して、カロテグラストメチルのCmax及びAUC0-tはそれぞれ2.1倍及び2.0倍、カロテグラストのCmax及びAUC0-tはそれぞれ4.8倍及び5.6倍に上昇した11)。
注)本剤の用法及び用量は、カロテグラストメチルとして960mg1日3回投与である。
薬価情報
YJコードに紐付く薬価基準収載データを年度別に表示します。
| 年度 | 品名 | 規格 | 単位 | 薬価 | 後発品 | 適用日 | 製造販売会社 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度 |
カログラ錠120mg
本剤
2399018F1024
|
120mg1錠 | 120mg1錠 | ¥199.10 | — | — | — |