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カルボプラチン点滴静注液50mg「NK」

カルボプラチン

添付文書改訂 2026年01月01日

【警告】

  1. 1.1本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性がある。]

  2. 2.2本剤又は他の白金を含む薬剤に対し、重篤な過敏症の既往歴のある患者

  3. 2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 頭頸部癌、肺小細胞癌、睾丸腫瘍、卵巣癌、子宮頸癌、悪性リンパ腫、非小細胞肺癌、乳癌、子宮体癌

  • 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法 小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)

用法・用量

  • 〈頭頸部癌、肺小細胞癌、睾丸腫瘍、卵巣癌、子宮頸癌、悪性リンパ腫、非小細胞肺癌〉

通常、成人にはカルボプラチンとして、1日1回300~400mg/m2(体表面積)を投与し、少なくとも4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、投与量は、年齢、疾患、症状により適宜増減する。

  • 〈乳癌〉

  • (1) トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びタキサン系抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはカルボプラチンとして、1日1回300~400mg/m2(体表面積)を投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、投与量は、患者の状態により適宜減ずる。

  • (2) PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌に対するペムブロリズマブ(遺伝子組換え)及びゲムシタビン塩酸塩との併用において、通常、成人にはカルボプラチンとして、1日1回AUC2mg・min/mL相当量を投与する。週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、投与量は、患者の状態により適宜減ずる。

  • (3)ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌に対する術前薬物療法として、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)及びパクリタキセルとの併用において、通常、成人にはカルボプラチンとして、以下のいずれかの用法・用量で投与する。なお、投与量は、患者の状態により適宜減ずる。

  • 1日1回AUC5mg・min/mL相当量を投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、4クールまで投与する。

  • 1日1回AUC1.5mg・min/mL相当量を投与し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週連続し、これを1クールとし、4クールまで投与する。

  • 〈小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉

  • (1) 神経芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法

イホスファミドとエトポシドとの併用療法において、カルボプラチンの投与量及び投与方法は、カルボプラチンとして635mg/m2(体表面積)を1日間点滴静注又は400mg/m2(体表面積)を2日間点滴静注し、少なくとも3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。 なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。 また、1歳未満もしくは体重10kg未満の小児に対して、投与量には十分配慮すること。

  • (2) 網膜芽腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法

ビンクリスチン硫酸塩とエトポシドとの併用療法において、カルボプラチンの投与量及び投与方法は、カルボプラチンとして560mg/m2(体表面積)を1日間点滴静注し、少なくとも3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。 ただし、36ヵ月齢以下の患児にはカルボプラチンを18.6mg/kgとする。 なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。

  • 〈子宮体癌〉

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはカルボプラチンとして、1日1回AUC5~6mg・min/mL相当量を投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、投与量は、患者の状態により適宜減ずる。

  • 〈効能共通〉

本剤投与時、投与量に応じて250mL以上のブドウ糖注射液又は生理食塩液に混和し、30分以上かけて点滴静注する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、適宜臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。

  2. 8.2腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  3. 8.3本剤の投与にあたってはG-CSF製剤等の適切な使用に関しても考慮すること。

  4. 8.4悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器症状が起こることがあるので、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。

  5. 8.5感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。

  • 〈小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉
  1. 8.6関連文献(「抗がん剤報告書:カルボプラチン(小児)」等)を熟読すること。
  • 〈乳癌〉
  1. 8.7関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:カルボプラチン(乳癌)」等)を熟読すること。
  • 〈子宮体癌〉
  1. 8.8関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:カルボプラチン(子宮体癌)」等)を熟読すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄抑制のある患者

骨髄抑制を増悪させることがある。

  1. 9.1.2感染症を合併している患者

骨髄抑制により、感染症を増悪させることがある。

  1. 9.1.3水痘患者

致命的な全身障害があらわれるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。

  1. 9.2.1前治療、特にシスプラチンの投与を受け腎機能が低下している患者

初回投与量を適宜減量し、血液検査値に十分注意すること。骨髄抑制が強くあらわれることがある。

  1. 9.2.2小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法において、腎機能が低下している患者

骨髄抑制、聴器障害、腎障害の発現に特に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、腎機能の指標としてGFR(Glomerular filtration rate:糸球体ろ過値)等を考慮して、投与量を選択することが望ましい。

9.3 肝機能障害患者

代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

  2. 9.4.2妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること。

  3. 9.4.3パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること。細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びマウスを用いた小核試験において、遺伝毒性が報告されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)において催奇形性作用、胎児致死作用が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、骨髄抑制、聴器障害、ファンコニー症候群等の腎障害の発現に特に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  2. 9.7.2外国で、本剤を高用量で他の聴器毒性を有する薬剤と併用した場合、臨床上有意な聴力低下が小児患者に発現するとの報告がある。

9.8 高齢者

用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(骨髄機能、肝機能、腎機能等)が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
放射線照射 骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 ともに骨髄抑制等の副作用を有する。
放射線照射 胸部への放射線照射を併用した場合に、重篤な食道炎又は肺臓炎が発現したとの報告がある。併用する場合には、患者の状態に注意し、食道炎や肺陰影等が出現した場合には、本剤の投与及び放射線照射を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 機序は不明であるが、動物試験(マウス)で本剤による放射線感受性増加が認められている。
放射線照射 本剤と放射線照射の併用により、肝中心静脈閉塞症(VOD)が発症したとの報告があるので、十分注意すること1)。 機序不明
抗悪性腫瘍剤 骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 ともに骨髄抑制等の副作用を有する。
抗悪性腫瘍剤 本剤と他の抗悪性腫瘍剤の併用により、肝中心静脈閉塞症(VOD)が発症したとの報告があるので、十分注意すること1)。 機序不明
腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
• アミノグリコシド系抗生物質等
腎障害及び聴器障害が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、慎重に投与すること。 ともに腎障害及び聴器障害を有する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
ALT上昇(10.2%) 頻度不明
AST上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 頻度不明
アルブミン低下 頻度不明
カリウム 頻度不明
カルシウム 頻度不明
クロール 頻度不明
ビリルビン上昇 頻度不明
ほてり 1%未満
マグネシウム等の異常 頻度不明
リン 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 1%未満
不整脈(頻脈 1%未満
不眠 1%未満
乏尿 1%未満
低蛋白血症 1%未満
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
全身倦怠感(18.6%) 頻度不明
口内炎 頻度不明
口渇 1%未満
吃逆 1%未満
味覚異常 1%未満
呼吸困難 頻度不明
壊死 1%未満
尿酸上昇 頻度不明
徐脈 1%未満
心悸亢進 1%未満
心房粗動 1%未満
心房細動 1%未満
心電図異常(期外収縮) 1%未満
悪寒 頻度不明
悪心・嘔吐注1)(50.5%) 頻度不明
房室ブロック) 1%未満
抗利尿ホルモン分泌異常症候群 1%未満
末梢神経障害(しびれ等) 頻度不明
注射部位反応(発赤 1%未満
浮腫 頻度不明
潮紅 1%未満
無力症 頻度不明
爪の変色 1%未満
異常感覚 1%未満
疼痛 1%未満
痙攣 1%未満
瘙痒感 1%未満
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚疾患 1%未満
眩暈 1%未満
硬結等) 1%未満
神経過敏 1%未満
耳鳴 1%未満
聴力低下 1%未満
胸部不快感 1%未満
脱毛(18.3%) 頻度不明
脱水 頻度不明
腫脹 1%未満
腹痛 頻度不明
色素沈着 1%未満
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血圧上昇 1%未満
血圧低下 1%未満
血尿 頻度不明
血清ナトリウム 頻度不明
視力障害 1%未満
頭痛 頻度不明
食欲不振(45.4%) 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

癌細胞内のDNA鎖と結合し、DNA合成及びそれに引き続く癌細胞の分裂を阻害するものと考えられている22),23),24)。

18.2 抗腫瘍作用

マウスのL1210白血病、P388白血病、B16メラノーマ、colon26結腸癌、M5076卵巣癌、Lewis肺癌に対して抗腫瘍作用が認められた。シスプラチン耐性卵巣癌細胞株KFr及びTYK-nu(R)細胞に対しカルボプラチンは交叉耐性を示したが、その程度はシスプラチンの1/2又は1/4であった22),25),26),27),28),29),30),31)。

薬物動態

16.1 血中濃度

がん患者にカルボプラチン75~450mg/m2 注)を1回点滴静注したときの血中濃度の推移は3相性の減衰曲線を示し、α相の半減期は0.16~0.32時間、β相は1.29~1.69時間、γ相は22~32時間であり、大部分のカルボプラチンは投与後速やかに、また、時間の経過とともに緩慢に血中より消失した2),3),4)。 注)本剤の承認された用量は300~400mg/m2である。

16.5 排泄

カルボプラチンのがん患者における尿中排泄は、投与後比較的速く、投与後24時間に57~82%が排泄された2),3)。