非小細胞肺癌、小細胞肺癌
【警告】
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1.1本剤の使用にあたっては、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。
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1.2間質性肺炎があらわれ、死亡に至った例が報告されているので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
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1.3本剤との因果関係が否定できない重篤な骨髄機能抑制に起因する重篤な感染症(敗血症、肺炎等)の発現による死亡例が報告されているので、投与中に感染徴候に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
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1.4本剤は、緊急時に十分に措置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される患者にのみ投与すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1重篤な骨髄機能抑制のある患者[重症感染症等を併発し、致命的となることがある。]
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2.2重篤な感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]
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2.3胸部単純X線写真で明らかで、かつ臨床症状のある間質性肺炎又は肺線維症の患者[症状が増悪し、致命的となることがある。]
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2.4心機能異常又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれるおそれがある。]
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2.5他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療が限界量(ダウノルビシン塩酸塩では総投与量が体重当り25mg/kg、ドキソルビシン塩酸塩では総投与量が体表面積当り500mg/m2、エピルビシン塩酸塩では総投与量が体表面積当り900mg/m2、ピラルビシン塩酸塩では総投与量が体表面積当り950mg/m2等)に達している患者[心筋障害があらわれるおそれがある。]
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2.6本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
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2.7妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはアムルビシン塩酸塩として45mg(力価)/m2(体表面積)を約20mLの日局生理食塩液あるいは5%ブドウ糖注射液に溶解し、1日1回3日間連日静脈内に投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
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8.1重篤な骨髄機能抑制が発現し、ときに致命的な経過をたどることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
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8.2感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
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8.3本剤投与開始前に、胸部X線及び胸部CTの検査で間質性肺炎等の有無を確認し、投与の可否を慎重に判断すること。また投与後は臨床症状(呼吸状態、咳及び発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に胸部X線検査等を行い、間質性肺炎の発現に十分注意すること。
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8.4心電図異常の発現、また、類薬で重篤な心筋障害の発現が報告されているので、適宜心機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1骨髄機能抑制のある患者(重篤な骨髄機能抑制のある患者を除く)
骨髄機能抑制が増悪するおそれがある。前治療により、骨髄機能が低下している患者では、骨髄機能抑制が強くあらわれることがあるので、これらの患者では初回投与量を適宜減量し、末梢血液の観察を十分に行い、臨床検査値に十分注意すること。
- 9.1.2感染症のある患者(重篤な感染症を合併している患者を除く)
感染症が増悪するおそれがある。
- 9.1.3間質性肺炎又は肺線維症の患者(胸部単純X線写真で明らかで、かつ臨床症状のある間質性肺炎又は肺線維症の患者を除く)
間質性肺炎又は肺線維症が増悪することがある。
- 9.1.4他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者(他のアントラサイクリン系薬剤等心毒性を有する薬剤による前治療が限界量に達している患者を除く)
心筋障害があらわれるおそれがある。
- 9.1.5水痘患者
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
頻回に腎機能検査を行うこと。副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
頻回に肝機能検査を行うこと。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
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9.4.1小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
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9.4.2妊娠する可能性のある女性には避妊を指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で、胎児への移行(妊娠ラット)及び催奇形性(ラット、ウサギ)が認められている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められ、生殖発生毒性試験で出生児の精巣の発育阻害が認められている。
9.7 小児等
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9.7.1小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
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9.7.2小児に投与する場合には副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児における投与量は確立されていない。
9.8 高齢者
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。骨髄機能抑制等の副作用に注意し、異常が認められた場合には、回復を十分に確認してから投与を行うなど、投与間隔及び用量に留意すること。高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、消失が遅れ高い血中濃度が持続するおそれがある。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤 (アントラサイクリン系薬剤等) |
これらの薬剤による前治療歴がある場合、あるいは併用療法を行う場合は、心筋障害が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 | 心筋障害が増強される可能性がある。 |
| 投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射 | 心筋障害が増強するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 | 心筋障害が増強される可能性がある。 |
| 抗悪性腫瘍剤 放射線照射 |
骨髄機能抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 | ともに骨髄機能抑制作用を有する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| A/G比異常(12.9%) | 5%以上 |
| ALP上昇 | 5%以上 |
| ALT上昇(22.7%) | 5%以上 |
| AST上昇(17.1%) | 5%以上 |
| BUN上昇 | 5%以上 |
| Ca) | 5%以上 |
| Cl | 5%以上 |
| CRP上昇 | 頻度不明 |
| K | 5%以上 |
| LDH上昇(11.6%) | 5%以上 |
| QT延長 | 5%以上 |
| ST低下等) | 5%以上 |
| γ-GTP上昇 | 頻度不明 |
| ウロビリノーゲン陽性 | 1〜5%未満 |
| クレアチニン上昇 | 1〜5%未満 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| ほてり | 頻度不明 |
| めまい・ふらつき | 頻度不明 |
| 上室性期外収縮 | 5%以上 |
| 下痢(16.0%) | 5%以上 |
| 下血 | 1〜5%未満 |
| 不整脈 | 1〜5%未満 |
| 不眠 | 頻度不明 |
| 体力喪失 | 1〜5%未満 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 全身倦怠 | 1〜5%未満 |
| 出血傾向 | 頻度不明 |
| 動悸 | 1〜5%未満 |
| 口内炎(12.7%) | 5%以上 |
| 口角炎 | 1〜5%未満 |
| 吃逆 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 咽頭痛 | 頻度不明 |
| 尿沈渣白血球陽性 | 頻度不明 |
| 尿潜血 | 5%以上 |
| 尿糖陽性 | 1〜5%未満 |
| 尿蛋白陽性 | 1〜5%未満 |
| 左室駆出率低下 | 1〜5%未満 |
| 心室性期外収縮 | 5%以上 |
| 心房細動 | 5%以上 |
| 心拡大 | 頻度不明 |
| 心膜滲出液 | 頻度不明 |
| 心電図異常(T波平低化 | 5%以上 |
| 悪心・嘔吐(58.6%) | 5%以上 |
| 感染 | 頻度不明 |
| 手足のしびれ | 1〜5%未満 |
| 末梢・知覚神経障害 | 1〜5%未満 |
| 歯周炎 | 1〜5%未満 |
| 気胸 | 1〜5%未満 |
| 注射部反応 | 1〜5%未満 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 発熱(29.8%) | 5%以上 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球分画異常(39.0%) | 5%以上 |
| 白血球増加 | 頻度不明 |
| 皮疹 | 1〜5%未満 |
| 総ビリルビン上昇 | 5%以上 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 肺炎 | 1〜5%未満 |
| 背部痛 | 頻度不明 |
| 胸内苦悶感 | 頻度不明 |
| 脱毛(70.4%) | 5%以上 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 色素沈着 | 1〜5%未満 |
| 血圧低下 | 1〜5%未満 |
| 血小板増加 | 頻度不明 |
| 血沈亢進(28.6%) | 5%以上 |
| 血清アミラーゼ上昇 | 頻度不明 |
| 血清アルブミン低下(24.9%) | 5%以上 |
| 血清総蛋白低下(26.5%) | 5%以上 |
| 血管痛 | 頻度不明 |
| 軟便 | 1〜5%未満 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 電解質異常(Na | 5%以上 |
| 静脈炎 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 頭重 | 頻度不明 |
| 飛蚊症 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振(65.7%) | 5%以上 |
| 鼻出血 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
アムルビシン塩酸塩及び活性代謝物アムルビシノールは、DNAインターカレーション活性、トポイソメラーゼⅡ阻害作用、トポイソメラーゼⅡによるcleavable complexの安定化を介したDNA切断作用、ラジカル産生作用を示した8),9)(in vitro)。
18.2 抗腫瘍効果
アムルビシン塩酸塩は、マウス実験腫瘍株であるEhrlich固形癌、S-180肉腫、P-388、Lewis肺癌及びColon38について抗腫瘍効果を示した10)(in vivo)。また、ヌードマウス可移植性ヒト腫瘍株MX-1(乳癌由来)、LX-1及びLu-24(以上2細胞株は小細胞肺癌由来)、Lu-99、LC-6及びL-27(以上3細胞株は非小細胞肺癌由来)、SC-6、SC-9、St-4及び4-1ST(以上4細胞株は胃癌由来)に対して抗腫瘍効果を示した10),11)(in vivo)。 アムルビシン塩酸塩及び活性代謝物アムルビシノールはヒト腫瘍細胞株Calu-1やA549などの肺癌株及びMG-63などの骨肉腫株などに対して細胞増殖抑制活性を示した12)(in vitro)。 ドキソルビシン塩酸塩耐性P388細胞株は、アムルビシン塩酸塩及び活性代謝物アムルビシノールに交差耐性を示した13)(in vitro)。
薬物動態
16.1 血中濃度
非小細胞肺癌の患者に、本剤45mg/m2/日を3日間連日静脈内投与したときの未変化体(アムルビシン)と活性代謝物(アムルビシノール)の血中濃度は以下のとおりであり、アムルビシンは血漿、血球のいずれにおいても速やかに消失したが、アムルビシノールは血漿、血球中とも持続的な推移を示した。また、アムルビシノールの濃度は、血漿に比べて血球中で高かった1)。
| 測定日 | アムルビシン(塩酸塩換算) | アムルビシノール | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| t1/2(α) (hr) |
t1/2(β) (hr) |
AUC0-24hr (ng・hr/mL) |
t1/2 (hr) |
AUC0-24hr (ng・hr/mL) |
|||
| 血漿 | 血漿 | 血球 | 血漿 | 血球 | |||
| 1日目 | 0.059~0.075 | 1.76~2.30 | 3296~4520 | 6.75、17.6※ | 10.8~16.7 | 22~850 | 1273~2117 |
| 3日目 | 0.048~0.064 | 1.70~2.48 | 3017~5132 | 7.93~24.5 | 13.0~18.1 | 132~992 | 1895~2584 |
※n=2
16.3 分布
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16.3.1ラットに14C標識体を10mg/kg単回静脈内投与し臓器中放射能濃度を測定した。放射能は投与直後から全身に分布し、投与後1~4時間において、骨髄、消化管壁、皮膚、副腎、脾臓、肺、ハーダー氏腺、顎下腺、腎臓及び肝臓に高く分布した。中枢神経系への移行は血漿と同レベルかそれ以下であった。心臓への分布は副腎、骨髄等と比較して低濃度であった2)。
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16.3.2蛋白結合率
ヒト血漿及び4%ヒト血清アルブミン溶液中に本薬(2μg/mL、20μg/mL)を添加し、平衡透析法により測定した蛋白結合率は次表のとおりであった2)(in vitro)。
| 蛋白結合率(%)※ | ||
|---|---|---|
| 添加濃度(μg/mL) | 2 | 20 |
| ヒト血漿 | 96.6±0.3 | 97.3±0.4 |
| 4%ヒト血清アルブミン | 93.7±0.3 | 95.3±0.1 |
※3回の平均値±S.E.
16.4 代謝
ラットに14C標識体を10mg/kg単回静脈内投与した場合の血漿及び血球中の主要成分は、未変化体と活性代謝物アムルビシノールであった。その他に、比較的低濃度のアグリコン体及び脱アミノ体が検出されたが、24時間後には定量限界未満(<0.005μg/mL)となった2)。 ヒト肝ミクロソーム及びサイトゾルを用いたin vitro試験において、本剤の消失はNADPH-P450還元酵素、NAD(P)H-キノン還元酵素及びケトン還元酵素それぞれの阻害剤によって阻害された。 本剤の動物における主要消失経路は胆汁排泄2)及び代謝3)であり、またヒトにおいても尿中排泄率が低いことから、本剤の消失には肝臓の寄与が大きいと考えられる。
16.5 排泄
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16.5.1各種悪性腫瘍患者に、本剤20mg/m2/日(2例)又は25mg/m2/日(2例)を5日間連日静脈内投与注)したときの5日目の24時間までの尿中排泄率は、未変化体が0.22~1.71%、アムルビシノールが2.1~17.8%であった。 注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはアムルビシン塩酸塩として45mg(力価)/m2(体表面積)を約20mLの日局生理食塩液あるいは5%ブドウ糖注射液に溶解し、1日1回3日間連日静脈内に投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。」である。
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16.5.2ラットに、本剤の14C標識体を10mg/kg単回静脈内投与した場合の投与72時間後までの胆汁中への放射能排泄率は、投与量の58.3%であった。また、同時に採取した尿及び糞中への放射能排泄率は、それぞれ投与量の17.5%及び12.8%であった2)。