Clinical snapshot

カフコデN配合錠

ジプロフィリンジヒドロコデインリン酸塩dl-メチルエフェドリン塩酸塩ジフェンヒドラミンサリチル酸塩アセトアミノフェンブロモバレリル尿素

添付文書改訂 2024年07月01日

【警告】

  1. 1.1本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので注意すること。

  2. 1.2本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]

  3. 2.3気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げるおそれがある。]

  4. 2.4重篤な肝機能障害のある患者

  5. 2.5閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  6. 2.6前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により、症状を悪化させるおそれがある。]

  7. 2.7アドレナリン及びイソプロテレノール等のカテコールアミンを投与中の患者[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。]

  8. 2.812歳未満の小児

効能・効果

  • かぜ症候群における鎮咳、鎮痛、解熱

  • 気管支炎における鎮咳

用法・用量

通常、成人には1回2錠、1日3回経口投与する。 なお、12歳以上の小児には、年齢により、適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。

  2. 8.2眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1脳に器質的障害のある患者

呼吸抑制を増強するおそれがある。

  1. 9.1.2気管支喘息のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3代謝性アシドーシスのある患者

呼吸抑制を起こすおそれがある。

  1. 9.1.4副腎皮質機能低下症のある患者

呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。

  1. 9.1.5てんかんの患者

中枢神経刺激作用により発作を起こすおそれがある。

  1. 9.1.6心機能異常のある患者

症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。

  1. 9.1.7呼吸機能障害のある患者

呼吸抑制を増強するおそれがある。

  1. 9.1.8高血圧症の患者

交感神経刺激作用により高血圧症状を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.9消化性潰瘍又はその既往歴のある患者

症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

  1. 9.1.10血液の異常又はその既往歴のある患者

症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

  1. 9.1.11出血傾向のある患者

血小板機能異常が起こることがある。

  1. 9.1.12甲状腺機能異常のある患者

甲状腺機能異常を悪化させるおそれがある。

  1. 9.1.13開放隅角緑内障の患者

抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

  1. 9.1.14衰弱者

呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。

  1. 9.1.15アルコール多量常飲者

肝機能障害があらわれやすくなる。

  1. 9.1.16絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者

肝機能障害があらわれやすくなる。

  1. 9.1.1718歳未満の肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する患者

投与しないこと。重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある。

  1. 9.1.18アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者

アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎機能障害又はその既往歴のある患者

投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること。症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

投与しないこと。昏睡に陥るおそれがある。

  1. 9.3.2肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)

肝機能が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦(12週以内あるいは妊娠後期)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形性作用が、また、ヒトで、妊娠後期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。

  2. 9.5.2妊娠後期の女性へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。

  3. 9.5.3妊娠後期のラットにアセトアミノフェンを投与した実験で弱い胎仔の動脈管収縮の報告がある。

  4. 9.5.4分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれるとの報告がある。

  5. 9.5.5外国において、分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれるとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ジヒドロコデインの類似化合物(コデイン)で、母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある。なお、CYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra-rapid Metabolizer)では、母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。ジフェンヒドラミンは、動物実験(ラット)で乳汁中に移行するとの報告がある。

9.7 小児等

  1. 9.7.1小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.212歳未満の小児

投与しないこと。呼吸抑制の感受性が高い。海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。

  1. 9.7.312歳以上の小児

副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。また、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分行うこと。呼吸抑制の感受性が高い。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カテコールアミン製剤
• アドレナリン(ボスミン)
• イソプロテレノール(プロタノール等)等
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので併用を避けること。 メチルエフェドリン塩酸塩と相加的に交感神経刺激作用を増強させる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルコール(飲酒) 呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがある。 相加的に作用を増強させる。
アルコール(飲酒) アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。 アルコールによりアセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸系薬剤等)
• クロルプロマジン、ペルフェナジン、フェノバルビタール等吸入麻酔剤(エーテル等)
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)
β-遮断剤(アルプレノロール、プロプラノロール等)
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがある。 相加的に作用を増強させる。
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン) クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 ジヒドロコデインリン酸塩が作用を増強させるが、その作用機序は不明である。
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン) クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 アセトアミノフェンが血漿蛋白結合部位において競合することで、その抗凝血作用を増強させる。
甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン等) メチルエフェドリン塩酸塩による交感神経刺激作用が増強される。 甲状腺ホルモンがメチルエフェドリン塩酸塩の感受性を増大させると考えられている。
キサンチン系薬剤(テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、カフェイン等)
中枢神経興奮剤(マオウ等)
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。 中枢神経刺激作用を増強させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 頻度不明
チアノーゼ 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
不整脈 頻度不明
不眠 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
動悸 頻度不明
口渇 頻度不明
思考異常 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
抑うつ 頻度不明
熱感 頻度不明
疲労 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 頻度不明
知覚異常 頻度不明
神経過敏 頻度不明
紅斑 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
薬物依存 頻度不明
血圧変動 頻度不明
血小板機能低下(出血時間の延長) 頻度不明
血小板減少 頻度不明
視調節障害 頻度不明
言語障害 頻度不明
運動失調 頻度不明
難聴 頻度不明
頭痛 頻度不明
顔面潮紅 頻度不明
顔面蒼白 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1ジヒドロコデインリン酸塩

コデインと同じくモルヒネ系鎮痛薬に属するので、薬理作用は質的にはモルヒネに準ずる。鎮痛、鎮咳作用はコデインより強く、臨床的には主として鎮咳薬として用いられ、麻薬性中枢性鎮咳薬に分類される3)。

  1. 18.1.2dl-メチルエフェドリン塩酸塩

交感神経興奮様薬物。α及びβ受容体を刺激するが、作用の一部は交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を介する間接的なものである。従って、静脈内投与による昇圧反応にはタキフィラキシーが認められる。臨床的にはβ2受容体刺激による気管支拡張作用が利用される4)。

  1. 18.1.3アセトアミノフェン

解熱鎮痛薬。シクロオキシゲナーゼ阻害作用は殆どなく、視床下部の体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張させて体温を下げる。鎮痛作用は視床と大脳皮質の痛覚閾値をたかめることによると推定される5)。

  1. 18.1.4ブロモバレリル尿素

体内でBr-を遊離し、神経細胞の興奮性を抑制することにより、鎮静、催眠作用を現す6)。

18.2 鎮咳作用

本剤と1錠中にジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ブロモバレリル尿素を本剤と同量含有し、他にバルセチンを100mg含有する製剤(以下カフコデ錠「モハン」)を比較したとき、その鎮咳効果に変化は認められなかった7)(モルモット)。 カフコデ錠「モハン」とジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩各単味剤及びジヒドロコデインリン酸塩とdl-メチルエフェドリン塩酸塩配合剤それぞれとの鎮咳作用の比較により相乗効果を示すことが認められたとの報告がある8)(モルモット)。

18.3 気管支拡張作用

カフコデ錠「モハン」とジプロフィリン、dl-メチルエフェドリン塩酸塩及びジフェンヒドラミンサリチル酸塩の各単味剤との気管支拡張作用の比較により気管支収縮抑制が増強し、配合による相乗効果を示すことが認められたとの報告がある9)(モルモット)。

18.4 鎮痛作用

本剤とカフコデ錠「モハン」を比較したとき、その鎮痛効果に変化は認められなかった10)(マウス)。 カフコデ錠「モハン」とバルセチン、ジヒドロコデインリン酸塩及びブロモバレリル尿素の各単味剤との比較により各単味剤では鎮痛作用を示さなかった用量群で鎮痛作用を示し、配合による相乗効果を示すことが認められたとの報告がある11)(マウス、ラット)。

18.5 解熱作用

アセトアミノフェンの解熱作用は視床下部の体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張させることによる5)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

本剤2錠を健常成人男子5名に単回経口投与した場合、各成分の最高血漿中濃度到達時間は次のとおりである1)。

成 分 名 Tmax(h)
ジプロフィリン 0.90±0.65
ジヒドロコデインリン酸塩 0.90±0.65
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 0.95±0.62
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
(ジフェンヒドラミンとして)
1.95±1.28
アセトアミノフェン 0.85±0.70
ブロモバレリル尿素 0.85±0.70

16.4 代謝

本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩は、主として肝代謝酵素UGT2B7、UGT2B4及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される。