血液凝固第IX因子欠乏患者における出血傾向の抑制
オルプロリクス静注用500
エフトレノナコグ アルファ(遺伝子組換え)
効能・効果
用法・用量
本剤を添付の溶解液全量で溶解し、数分かけて緩徐に静脈内に注射する。 通常、1回体重1kg当たり50国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。 定期的に投与する場合、通常、体重1kg当たり50国際単位を週1回投与、又は100国際単位を10日に1回投与から開始する。以降の投与量及び投与間隔は患者の状態に応じて適宜調節するが、1回の投与量は体重1kg当たり100国際単位を超えないこと。
使用上の注意
-
8.1本剤の投与は、血友病の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
-
8.2患者の血中に血液凝固第IX因子に対するインヒビターが発生するおそれがある。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
-
8.3十分な血液凝固第IX因子レベルに到達・維持していることを確認するため、必要に応じ、血漿中血液凝固第IX因子レベルをモニタリングすること。
-
8.4本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合のみに適用すること。本剤を処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施したのち、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、患者又はその家族に対し、本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、在宅自己注射後何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。適用後、在宅自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
-
9.1.2血液凝固第IX因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
血液凝固第IX因子に対するインヒビターの有無を確認すること。
- 9.1.3血液凝固第IX因子に対するインヒビターが発生した患者
急性過敏症反応の徴候及び症状を慎重に観察し、本剤投与初期には特に注意すること。血液凝固第IX因子投与によりアナフィラキシーのリスクが増加する可能性がある。
- 9.1.4術後の患者、血栓塞栓性事象のリスクのある患者、線維素溶解の徴候又は播種性血管内凝固症候群(DIC)のある患者
投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。
9.3 肝機能障害患者
投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。本剤はFc領域を有するため、胎盤を通過する可能性がある。また、動物実験(マウス)で胎盤通過が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
- 9.7.112歳未満の患者
投与量及び投与頻度の調節について適宜検討すること。通常よりも高い投与量及び頻回な投与が必要となる可能性がある。
- 9.7.2新生児
投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 低血圧 | 1%未満 |
| 動悸 | 1%未満 |
| 口の錯感覚 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 1%未満 |
| 呼気臭 | 1%未満 |
| 注入部位疼痛 | 1%未満 |
| 浮動性めまい | 1%未満 |
| 疲労 | 1%未満 |
| 第IX因子抑制 | 頻度不明 |
| 腎仙痛 | 1%未満 |
| 血尿 | 1%未満 |
| 閉塞性尿路疾患 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤は、内在性血液凝固第IX因子と類似の構造及び機能的特性を有しており、血液凝固第IX因子欠乏を一時的に補正し出血傾向を補正する。また、本剤に含まれるヒト免疫グロブリンG1のFc領域は、血液中の免疫グロブリンの再循環に関与するNeonatal Fc受容体と結合し、血液凝固第IX因子活性の長時間の維持に寄与すると考えられる。
18.2 止血効果
血友病Bマウス(尾出血モデル)において、本剤の定期補充療法及び急性出血の補充療法に関する止血効果が認められている8) 。また、血友病Bマウス及び血友病Bイヌにおいて、本剤の血漿中薬物動態と相関して血漿中第IX因子活性の延長が認められている9),10) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1成人(日本人及び外国人)
12歳以上の血友病B患者(内因性血液凝固第IX因子活性が2%以下)を対象に、本剤(50国際単位/kg)及びノナコグ アルファ(50国際単位/kg)を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。本剤の消失相半減期は、対照薬であるノナコグ アルファと比較して2.43倍であった6) 。
| 薬物動態パラメータ 幾何平均値(95% CI) |
本剤 | ノナコグアルファ | ノナコグアルファに対する本剤の比 |
|---|---|---|---|
| N=22 | N=22 | N=22 | |
| Cmax(国際単位/dL) | 40.81 (33.60, 49.58) |
43.08 (36.69, 50.59) |
0.95 (0.81, 1.11) |
| AUC/投与量 [(国際単位×時間/dL)/(国際単位/kg)] |
31.32 (27.88, 35.18) |
15.77 (14.02, 17.74) |
1.99 (1.82, 2.17) |
| t1/2α(時間) | 5.03 (3.20, 7.89) |
2.41 (1.62, 3.59) |
2.09 (1.18, 3.68) |
| t1/2β(時間) | 82.12 (71.39, 94.46) |
33.77 (29.13, 39.15) |
2.43 (2.02, 2.92) |
| CL(mL/時間/kg) | 3.19 (2.84, 3.59) |
6.34 (5.64, 7.13) |
0.50 (0.46, 0.55) |
| MRT(時間) | 98.60 (88.16, 110.29) |
41.19 (35.98, 47.15) |
2.39 (2.12, 2.71) |
| Vss(mL/kg) | 314.8 (277.8, 356.8) |
261.1 (222.9, 305.9) |
1.21 (1.06, 1.38) |
| 上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)] | 0.92 (0.77, 1.10) |
0.95 (0.81, 1.10) |
0.97 (0.84, 1.12) |
| Time 1%(日) | 11.22 (10.20, 12.35) |
5.09 (4.58, 5.65) |
2.21 (2.04, 2.39) |
| 測定方法:シリカを含むaPTT試薬を用いた凝固一段法による中央測定 CI(信頼区間)、Cmax(最高血中濃度)、AUC(血漿中血液凝固第IX因子濃度-時間推移曲線下面積)、t1/2α(分布相半減期)、t1/2β(消失相半減期)、CL(クリアランス)、MRT(平均滞留時間)、Vss(定常状態分布容積)、Time 1%(FIX活性がベースラインの1%以上を維持した期間) |
また、日本人及び外国人に本剤(50国際単位/kg)を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
| 薬物動態パラメータ 幾何平均値(95% CI) |
日本人 | 外国人 |
|---|---|---|
| N=6 | N=20 | |
| AUC/投与量 [(国際単位×時間/dL)/(国際単位/kg)] |
30.14(23.55, 38.57) | 32.25(28.92, 35.98) |
| t1/2(時間) | 79.37(59.39, 106.08) | 77.98(69.68, 87.26) |
| CL(mL/時間/kg) | 3.32(2.59, 4.25) | 3.10(2.78, 3.46) |
| MRT(時間) | 83.46(67.20, 103.66) | 96.78(86.48, 108.31) |
| Vss(mL/kg) | 276.9(221.6, 346.1) | 300.1(270.7, 332.6) |
| 上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)] | 0.92(0.75, 1.13) | 0.94(0.77, 1.14) |
- 16.1.2小児(外国人)
18歳未満の血友病B患者(内因性血液凝固第IX因子活性が2%以下)を対象に、本剤(50国際単位/kg)を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった6) 。
| 薬物動態パラメータ 幾何平均値(95% CI) |
12歳未満を対象とした試験 | 12歳以上を対象とした試験 | |
|---|---|---|---|
| 6歳未満 (2-4歳) |
6-12歳未満 (6-10歳) |
12歳-18歳未満 (12-17歳) |
|
| N=11 | N=13 | N=11 | |
| AUC/投与量 [(国際単位×時間/dL)/(国際単位/kg)] |
22.71 (20.32, 25.38) |
28.53 (24.47, 33.27) |
29.50 (25.13, 34.63) |
| t1/2(時間) | 66.49 (55.86, 79.14) |
70.34 (60.95, 81.17) |
82.22 (72.30, 93.50) |
| CL(mL/時間/kg) | 4.37 (3.90, 4.89) |
3.51 (3.01, 4.09) |
3.39 (2.89, 3.98) |
| MRT(時間) | 83.65 (71.76, 97.51) |
82.46 (72.65, 93.60) |
93.46 (81.77, 106.81) |
| Vss(mL/kg) | 365.1 (316.2, 421.6) |
289.0 (236.7, 352.9) |
316.8 (267.4, 375.5) |
| 上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)] | 0.59 (0.52, 0.68) |
0.72 (0.61, 0.84) |
0.85 (0.68, 1.06) |