血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
オルツビーオ静注用3000
エフアネソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)
効能・効果
用法・用量
本剤を添付の溶解液全量で溶解し、緩徐に静脈内に投与する。 出血時又は周術期に投与する場合、通常、1回体重1kg当たり50国際単位を投与する。なお、投与量は患者の状態に応じて適宜減量する。 定期的に投与する場合、通常、体重1kg当たり50国際単位を週1回投与する。
使用上の注意
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8.1本剤の投与は、血友病の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
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8.2患者の血中に血液凝固第VIII因子に対するインヒビターが発生するおそれがある。特に、血液凝固第VIII因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビターが発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
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8.3必要に応じて、十分な血液凝固第VIII因子レベルに到達・維持していることを確認すること。なお、本剤の活性(力価)は活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)に基づく凝固一段法(アクチンFS試薬を用いるものを除く)により決定されており、発色合成基質法又はアクチンFS試薬を用いる凝固一段法により血漿中血液凝固第VIII因子活性を測定した場合、測定結果が見かけ上高値を示すことが確認されていることから、これらの方法により得られた血液凝固第VIII因子レベルについては2.5で除して補正すること。
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8.4本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合にのみ適用すること。本剤を処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施した後、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、患者又はその家族に対し、本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、在宅自己注射後何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。適用後、自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1本剤の成分又は他の血液凝固第VIII因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 第VIII因子抑制 | 頻度不明 |
| 背部痛 | 頻度不明 |
| 過敏症 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤は、内因性血液凝固第VIII因子と類似の機能的特性を有しており、第VIII因子欠乏を一時的に補正し出血傾向を是正する。本剤に含まれるvon Willebrand因子(VWF)のD′D3領域により分解から保護され安定性が増し、内因性VWFの影響を受けず消失半減期が延長する。また本剤のヒト免疫グロブリンG1のFc領域により、胎児型Fc受容体と結合して血液中の免疫グロブリンのように再利用を受け、さらにXTENポリペプチド部分により血中動態が変化することで、血液凝固第VIII因子活性が長時間維持される。
18.2 止血効果(in vivo試験)
血友病Aマウスの尾出血モデルにおいて、本剤の止血効果が認められた。このとき、本剤の消失半減期の延長と相関して血漿中第VIII因子活性の延長が認められた9) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1成人(日本人及び外国人)
18歳以上の日本人及び12歳以上の外国人の重症血友病A患者を対象に、50国際単位/kgの本剤を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった1) 。
| Cmax (IU/dL) |
AUC0-D7 (IU・h/dL) |
CL (mL/h/kg) |
Vss (mL/kg) |
t1/2 (h) |
||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本人 | 例数 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 |
| 平均 | 134 | 10900 | 0.429 | 30.5 | 52.2 | |
| 標準偏差 | 23.3 | 1680 | 0.0771 | 8.42 | 5.29 | |
| 外国人 | 例数 | 147 | 141 | 141 | 141 | 147 |
| 平均 | 131 | 9500 | 0.514 | 31.8 | 47.2 | |
| 標準偏差 | 33.7 | 2010 | 0.125 | 7.38 | 9.00 |
Cmax(最高FVIII活性)、AUC0-D7(投与後0~7日までの活性−時間曲線下面積)、CL(クリアランス)、Vss(定常状態での分布容積)、t1/2(半減期) 凝固一段法による測定(aPTT試薬:Actin FSL)
- 16.1.2小児及び成人(日本人及び外国人)
重症血友病A患者(日本人12例を含む)を対象に、50国際単位/kgの本剤を単回又は週1回反復静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであり、全ての年齢層において半減期が延長し、血液凝固第VIII因子活性が高く維持された。なお、定常状態におけるPKプロファイルは単回投与した際のPKプロファイルと同様であった2),3),4),5) 。
| 薬物動態パラメータ 平均(標準偏差) |
12歳未満を対象とした試験 | 12歳以上を対象とした試験 | ||
|---|---|---|---|---|
| 1~5歳 18例 |
6~11歳 18例 |
12~17歳 25例 |
18歳以上 134例 |
|
| AUC0-D7 (IU・h/dL) |
6800 (1120)注1) |
7190 (1450) |
8350 (1550) |
9850 (2010)注2) |
| t1/2(h) | 38.0 (3.72) |
42.4 (3.70) |
44.6 (4.99) |
48.2 (9.31) |
| CL(mL/h/kg) | 0.742 (0.121) |
0.681 (0.139) |
0.582 (0.115) |
0.493 (0.121)注2) |
| Vss(mL/kg) | 36.6 (5.59) |
38.1 (6.80) |
34.9 (7.38) |
31.0 (7.32)注2) |
| MRT(h) | 49.6 (5.45) |
56.3 (5.10) |
60.0 (5.54) |
63.9 (10.2)注2) |
AUC0-D7(投与後0~7日までの活性-時間曲線下面積)、t1/2(半減期)、CL(クリアランス)、Vss(定常状態での分布容積)、MRT(平均滞留時間) 凝固一段法による測定(aPTT試薬:Actin FSL)
注1)17例
注2)128例
| 薬物動態パラメータ 平均(標準偏差) |
12歳未満を対象とした試験 | 12歳以上を対象とした試験 | ||
|---|---|---|---|---|
| 1~5歳 37例 |
6~11歳 36例 |
12~17歳 24例 |
18歳以上 125例 |
|
| Cmaxss(IU/dL) | 136 (48.9) (35例) |
131 (36.1) (35例) |
124 (31.2) |
150 (35.0) (124例) |
| IR [(IU/dL)/(IU/kg)] |
2.22 (0.83) (35例) |
2.10 (0.73) (35例) |
2.25 (0.61) (22例) |
2.64 (0.61) (120例) |
| Time to 40 IU/dL (h)注3) |
68.0 (10.5) |
80.6 (12.3) |
81.5 (12.1) |
98.1 (20.1) |
| Time to 10 IU/dL (h)注3) |
150 (18.2) |
173 (17.1) |
179 (20.2) |
201 (35.7) |
| Ctrough(IU/dL) | 10.9 (19.7) (36例) |
16.5 (23.7) |
9.23 (4.77) (22例) |
18.0 (16.6) (123例) |
Cmaxss(定常状態における最高FVIII活性)、IR(回収率)、Time to(FVIII活性が当該活性以上を維持した時間)、Ctrough(定常状態における投与前のFVIII活性) 凝固一段法による測定(aPTT試薬:Actin FSL)
注3)母集団薬物動態モデルにより推定
- 16.1.3他剤との比較(外国人)
18歳以上の外国人の重症血友病A患者13例を対象に、50国際単位/kgの本剤及び対照薬(ルリオクトコグ アルファ及びルリオクトコグ アルファ ペゴル)を単回静脈内投与した際の本剤の平均消失半減期は、ルリオクトコグ アルファ及びルリオクトコグ アルファ ペゴルと比較して3.94及び2.82倍であった6),7) 。