- 〈適応菌種〉
テビペネムに感性の黄色ブドウ球菌、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌
- 〈適応症〉
肺炎、中耳炎、副鼻腔炎
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2バルプロ酸ナトリウムを投与中の患者
テビペネムに感性の黄色ブドウ球菌、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌
肺炎、中耳炎、副鼻腔炎
通常、小児にはテビペネム ピボキシルとして1回4mg(力価)/kgを1日2回食後に経口投与する。なお、必要に応じて1回6mg(力価)/kgまで増量できる。
ショック、アナフィラキシーを起こすおそれがあるので、十分な問診を行うこと。
9.1.1カルバペネム系、ペニシリン系及びセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
9.1.2本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
9.1.3経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
痙攣を起こすおそれがある。
痙攣、意識障害等の中枢神経障害が起こりやすい。
(1)テビペネムの排泄が遅延する。
(2)痙攣、意識障害等の中枢神経障害が起こりやすい。
痙攣、意識障害等の中枢神経障害が起こりやすい。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と、その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている。
9.7.1低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.23歳未満では下痢・軟便の発現頻度が高いので、これらの症状が認められた場合には症状に応じて対症療法等の適切な処置を行うこと。承認時における下痢・軟便の副作用発現率は3歳未満で34.6%(46例/133例)、3歳以上で13.0%(40例/307例)であった。
9.7.3カルニチンの低下に注意すること。血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないこと。小児(特に乳幼児)においてピボキシル基を有する抗生物質の投与により、低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがある。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • バルプロ酸ナトリウム• (デパケン、バレリン等) | バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発するおそれがある。 | 発現機序は不明。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇 | 1%未満 |
| AST上昇 | 1%未満 |
| 上腹部痛 | 1%未満 |
| 下痢・軟便(19.5%) | 5%以上 |
| 倦怠感 | 1%未満 |
| 傾眠 | 1%未満 |
| 口内炎 | 1%未満 |
| 口渇 | 1%未満 |
| 咳嗽 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 変色便 | 1%未満 |
| 好酸球増多 | 1%未満 |
| 尿蛋白陽性 | 1%未満 |
| 排尿困難 | 1%未満 |
| 発熱 | 1%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球増多 | 1%未満 |
| 皮膚炎 | 1%未満 |
| 着色尿 | 1%未満 |
| 紅斑 | 1%未満 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 血中尿素増加 | 1%未満 |
| 血小板増多 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 鼻出血 | 1%未満 |
テビペネムの作用機序は細菌細胞壁の合成阻害である。各種細菌のペニシリン結合蛋白(PBP)への親和性が高く、殺菌的に作用する。ペニシリン耐性肺炎球菌においてはPBP1A、2Xあるいは2Bに変異が認められ、テビペネムはこれらのPBPに対しても、他の経口β-ラクタム系抗菌薬に比べて高い結合親和性を示した19)。
18.2.1テビペネム ピボキシルは、吸収時に腸管壁で代謝を受けてテビペネムとなり、抗菌力を示す。
18.2.2テビペネムは、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し、幅広い抗菌スペクトルを示し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌(PRSPを含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス(β-ラクタマーゼ産生菌を含む)、インフルエンザ菌(アンピシリン耐性インフルエンザ菌を含む)に対して強い抗菌力を示した。特に、小児の中耳炎、副鼻腔炎及び肺炎の原因菌である、ペニシリン耐性肺炎球菌、マクロライド耐性肺炎球菌に対して、従来の経口抗菌薬に比べ極めて強い抗菌力を示した20)。
小児患者に1回4mg(力価)/kg及び6mg(力価)/kgをそれぞれ食後経口投与した場合、テビペネムの血漿中濃度・薬物動態パラメータは図1・表1のとおりであった4)。
図1 小児患者における4mg(力価)/kg及び6mg(力価)/kg投与時の血漿中テビペネム濃度
| • 投与量 | • Tmax (hr) |
• Cmax (μg/mL) |
• T1/2 (hr) |
• AUC0-12hr (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| • mg(力価)/kg • (n=157) |
• ±0.26 | • ±1.65 | • ±0.67 | • ±0.91 |
| • mg(力価)/kg • (n=65) |
• ±0.22 | • ±2.84 | • ±0.50 | • ±1.68 |
母集団薬物動態解析(Mean±S.D.)
限外濾過法により測定したヒト血清蛋白との結合率は1.0及び10μg/mLの濃度でいずれも67.0%であった5)(in vitro)。
患者喀痰、中耳粘膜、上顎洞粘膜、篩骨洞粘膜、口蓋扁桃組織(いずれも成人)及び中耳分泌液(小児)への移行が認められた6),7)。
16.4.1テビペネム ピボキシルは消化管から吸収された後、抗菌活性を有するテビペネムになる。テビペネムは、主として尿中に排泄され、一部は更に代謝を受けβ-ラクタム環が開裂したテビペネム開環体として尿中に排泄される8)。
16.4.2ヒト腎デヒドロペプチダーゼ-Iに安定性を示す9)(in vitro)。
主として腎より排泄され、小児患者3例に1回4mg(力価)/kgを食後経口投与したときのテビペネムとしての尿中の排泄率は32.7(2時間30分後)~57.9%(5時間55分後)であった10)。
また、健康成人男性12例に250mg(力価)食後経口投与したときのテビペネムとしての尿中排泄率(0~24時間)は、約62%であった11)。
腎機能低下者及び腎機能正常者(いずれも成人)にテビペネム ピボキシル錠剤250mg(力価)を単回経口投与した結果、腎機能の低下の程度に応じて、血漿中テビペネムのCmax及びAUC0-∞の増加、T1/2の延長、腎クリアランスの低下、尿中テビペネムの排泄率の低下がみられた12)。
図2 腎機能低下者及び腎機能正常者に単回経口投与時の血漿中テビペネム濃度
| Ccr (mL/min) |
例数 | Tmax (hr) |
Cmax (μg/mL) |
T1/2 (hr) |
AUC0-∞ (μg・hr/mL) |
CLr (mL/min) |
尿中 排泄率 (0~12hr) (%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 80以上 | 6 | 0.67 ±0.26 |
9.9 ±2.8 |
0.88 ±0.26 |
12.3 ±4.0 |
207.1 ±46.2 |
57.6 ±5.7 |
| 50以上 80未満 |
6 | 1.33 ±0.88 |
7.2 ±2.9 |
1.49 ±0.33 |
16.5 ±4.6 |
118.3 ±27.4 |
44.5 ±6.9 |
| 30以上 50未満 |
2 | 0.75 | 13.3 | 1.44 | 29.2 | 74.3 | 52.1 |
| 30未満 | 3 | 1.50 ±0.00 |
13.9 ±3.0 |
4.11 ±1.76 |
92.6 ±9.7 |
15.4 ±4.4 |
29.5 ±9.5 |
(Mean±S.D.)
テビペネム ピボキシル細粒200mg(力価)単回経口投与において、単独投与に比較して胃内pHを上昇させる薬物であるファモチジン、制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム)を併用した場合の血漿中テビペネムのCmaxは約40~60%、AUC0-∞は約70~80%、尿中排泄率は約80%であり、Tmaxは約10~30分遅延した13)。
テビペネム ピボキシル錠剤250mg(力価)単回経口投与において、腎尿細管分泌を抑制する薬物であるプロベネシドの併用によって血漿中テビペネムのCmax及びAUC0-∞の増加、T1/2の延長、腎クリアランスの低下、尿中テビペネムの排泄率の低下がみられた14)。