遅発型ポンペ病に対するシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)との併用療法
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
-
2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはミグルスタットとして体重40kg以上50kg未満の場合は1回195mg、体重50kg以上の場合は1回260mgを隔週経口投与する。なお、食事の前後2時間は投与を避けること。
使用上の注意
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1中等度又は重度(クレアチニンクリアランス15mL/min以上60mL/min未満)の腎機能障害患者
腎機能の程度及び体重に応じて、本剤の用量を適宜減量すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
- 9.2.2末期腎不全患者(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)
投与は推奨されない。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるが、本剤の臨床推奨用量は検討されていない。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤及びシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の併用投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験において、ラットに本剤60mg/kg/隔日(臨床曝露量の約30倍に相当)を投与した時に着床前胚損失率の増加が、ウサギにシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)175mg/kg/隔日(臨床曝露量の約111倍に相当)及び本剤25mg/kg/隔日(臨床曝露量の約23倍に相当)を併用投与した時に心血管系奇形が報告されている1),2)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明であるが、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている3)。
9.7 小児等
18歳未満の患者を対象とした臨床試験成績は得られていない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| リンパ球数減少 | 頻度不明 |
| 下痢 | 5%以上 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 味覚不全 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 平衡障害 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 片頭痛 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 直腸出血 | 頻度不明 |
| 眼瞼痙攣 | 頻度不明 |
| 筋力低下 | 頻度不明 |
| 筋痙縮 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 筋骨格硬直 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 血中尿素増加 | 頻度不明 |
| 認知障害 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
| 顔面痛 | 頻度不明 |
| 食道痙攣 | 頻度不明 |
| 鼓腸 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤はイミノ糖であり、血中でシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)と結合して物理的安定性を高め、変性や不活性化を抑制すると考えられる12)。シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)と本剤の結合は一過性であり、結合された状態でライソゾームへ送達され、ライソゾーム内で解離すると考えられるが、本剤はシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の活性部位と結合すると考えられることから、生体内での本剤の曝露が過剰となる場合、グリコーゲン低下作用が減弱する可能性がある。
18.2 薬理作用
ポンペ病動物モデルである酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスにおいて、シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)20mg/kgと本剤0~30mg/kgを併用投与したとき、シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)単独投与時と比較して、骨格筋のグリコーゲン量の低下作用は、本剤10mg/kg併用時までは用量依存的に大きくなる傾向が認められたが、本剤30mg/kg併用時のグリコーゲン量の低下作用は、本剤10mg/kg併用時よりも減弱する傾向が認められた。なお、本剤10mg/kgを単独で投与したとき、骨格筋のグリコーゲン量の低下作用は認められなかった13)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1遅発型ポンペ病患者を対象とした投与
酵素補充療法の治療歴のある遅発型ポンペ病患者に本剤とシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を隔週で反復併用投与したときの投与1回目及び3回目の本剤の薬物動態パラメータを表1に示す4)。(外国人データ)
| シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の用量a (mg/kg) |
20 | 20 | 20 | 20 |
|---|---|---|---|---|
| 本剤用量b(mg) | 130 | 130 | 260 | 260 |
| 投与回数 | 1 | 3 | 1 | 3 |
| 例数 | 11 | 11 | 10 | 11 |
| Cmax(ng/mL) | 1527 (26.0) |
1505 (23.9) |
2665 (31.8) |
3089 (28.8) |
| AUC0-t(ng·h/mL) | 11759 (24.0) |
11947 (24.6) |
22860 (33.4) |
23492 (30.0) |
| tmax(h) | 3.5 [1.5,5.0] |
3.0 [1.5,4.0] |
4.0 [2.0,5.0] |
3.0 [0.9,4.1] |
| t1/2β(h) | 6.0 (18.7) |
6.1 (28.6) |
6.4 (16.2) |
5.9 (18.1) |
| CL/F(L/h) | 10.3 (21.5) |
10.1 (21.7) |
10.5 (27.5) |
10.4 (25.6) |
| V/F(L) | 89.7 (31.2) |
88.3 (38.7) |
97.5 (31.9) |
88.5 (35.3) |
幾何平均値(CV%)、tmaxは中央値[範囲] a シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)は4時間かけて点滴静脈内投与された。 b 本剤はシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の1時間前に経口投与された。 Cmax:最高血漿中濃度、AUC0-t:濃度測定が可能な最終時点までの濃度-時間曲線下面積、tmax:最高血漿中濃度到達時間、t1/2β:終末相の消失半減期、CL/F:見かけの全身クリアランス、V/F:見かけの分布容積
16.2 吸収
食事によりCmaxが36%低下しtmaxが2時間遅延したが、AUCへの大きな影響はみられなかった5)。
16.3 分布
- 16.3.1分布容積
ミグルスタットの消失相の分布容積は約90Lであった4)。
- 16.3.2蛋白結合率
In vitro試験において蛋白結合率を検討した結果、血漿蛋白との結合は認められず、赤血球に対する結合率(平均値)は38.8%であった6)。
16.4 代謝
In vitro試験で各CYP分子種(CYP1A2、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4及び4A11)に対する阻害作用を検討した結果、CYP1A2及び2E1ではわずかな阻害作用が認められたが、他のCYP分子種では阻害は認められなかった7)。
16.5 排泄
本剤65mg経口投与後、投与量の約66%が尿中に回収され、腎クリアランスは約7.4L/hであった8)。 [14C]-ミグルスタット100mgを健康成人6例に単回投与したとき、放射能の83%が尿中、12%が糞中から回収された。尿中及び糞中から数種類の代謝物が同定された。尿中に多量に存在した代謝物はミグルスタットグルクロニドで、投与量の5%に相当する9)。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
腎機能障害患者、遅発型ポンペ病患者等(112例)にミグルスタットを単独又はシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)と併用で投与したときの血漿中ミグルスタット濃度に基づく母集団薬物動態解析を用いて、本剤及びシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を臨床推奨用量で投与したときの腎機能障害の程度の異なる被験者(CLcrの測定値に基づいて分類)における薬物動態パラメータの推定値を腎機能が正常な被験者と比較検討した結果を表2に示す10)。
| 腎機能障害の程度 | 中央値の比 (腎機能障害/腎機能正常) |
|
|---|---|---|
| Cmax | AUC0-24h | |
| 軽度(CLcr 60-90mL/min未満)/正常 | 1.17 | 1.21 |
| 中等度(CLcr 30-60mL/min未満)/正常 | 1.27 | 1.32 |
| 重度(CLcr 15-30mL/min未満)/正常 | 1.34 | 1.41 |
Cmax:最高血漿中濃度、AUC0-24h:投与0時間から24時間後までの濃度-時間曲線下面積、CLcr:クレアチニンクリアランス