Clinical snapshot

オプチレイ320注20mL

イオベルソール

添付文書改訂 2023年09月01日

【警告】

  1. 1.1ショック等の重篤な副作用があらわれることがある。

  2. 1.2本剤を脳・脊髄腔内に投与すると重篤な副作用が発現するおそれがあるので、脳槽・脊髄造影には使用しないこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1ヨード又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2重篤な甲状腺疾患のある患者[甲状腺機能に変化を及ぼし、症状が悪化するおそれがある。]

効能・効果

  • 〈オプチレイ320注〉

脳血管撮影、大動脈撮影、選択的血管撮影、四肢血管撮影、ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影、ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影、コンピューター断層撮影における造影、静脈性尿路撮影

  • 〈オプチレイ350注〉

血管心臓撮影、大動脈撮影、選択的血管撮影、腹部のコンピューター断層撮影における造影

用法・用量

通常、成人1回下記量を使用する。なお、年齢、体重、症状、目的により適宜増減する。

撮影の種類 オプチレイ320注 オプチレイ350注
脳血管撮影 5~15mL
血管心臓撮影 心腔内撮影 20~40mL
冠状動脈撮影 3~8mL
大動脈撮影 30~50mL 30~50mL
選択的血管撮影 5~60mL 5~60mL
四肢血管撮影 10~50mL
ディジタルX線撮影法による動脈性血管撮影 3~50mL
ディジタルX線撮影法による静脈性血管撮影 30~60mL
コンピューター断層撮影における造影 50~100mL
50mLを超えて投与するときは、通常点滴静注などを用いる。
腹部のコンピューター断層撮影における造影 90~150mL
体重に応じて1.71mL/kgを静脈内投与する。1回量は150mLを超えないこと。
静脈性尿路撮影 40~100mL
50mLを超えて投与するときは、通常点滴静注などを用いる。

使用上の注意

  1. 8.1ショック等の発現に備え、十分な問診を行うこと。

  2. 8.2投与量と投与方法の如何にかかわらず過敏反応を示すことがある。 本剤によるショック等の重篤な副作用は、ヨード過敏反応によるものとは限らず、それを確実に予知できる方法はないので、投与に際しては必ず救急処置の準備を行うこと。

  3. 8.3投与にあたっては、投与開始時より患者の状態を観察しながら、過敏反応の発現に注意し、慎重に投与すること。また、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  4. 8.4重篤な遅発性副作用(ショックを含む)等があらわれることがあるので、投与中及び投与後も、患者の状態を十分に観察すること。

  5. 8.5外来患者に使用する場合には、本剤投与開始より1時間~数日後にも遅発性副作用の発現の可能性があることを患者に説明した上で、発疹、浮腫・腫脹、じん麻疹、そう痒感、嘔気、嘔吐、血圧低下等の副作用と思われる症状が発現した場合には、速やかに主治医に連絡するように指示するなど適切な対応をとること。

  6. 8.6ヨード造影剤の投与により腎機能の低下があらわれるおそれがあるので、適切な水分補給を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1一般状態の極度に悪い患者

診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

  1. 9.1.2気管支喘息のある患者

診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。副作用の発現頻度が高いとの報告がある。

  1. 9.1.3重篤な心障害のある患者

診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。本剤投与により、血圧低下、不整脈、徐脈、頻脈等の報告があり、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4マクログロブリン血症の患者

診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。類薬において、静脈性胆嚢造影で血液のゼラチン様変化をきたし、死亡したとの報告がある。

  1. 9.1.5多発性骨髄腫のある患者

診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。特に脱水症状のある場合、腎不全(無尿等)を起こすおそれがある。

  1. 9.1.6テタニーのある患者

診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。血中カルシウムの低下により、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.7褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者及びその疑いのある患者*診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。やむを得ず検査を実施する場合には静脈確保の上、フェントラミンメシル酸塩等のα遮断薬及びプロプラノロール塩酸塩等のβ遮断薬の十分な量を用意するなど、これらの発作に対処できるよう十分な準備を行い、慎重に投与すること。血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作が起こるおそれがある。

  2. 9.1.8本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じん麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を有する患者

  3. 9.1.9薬物過敏症の既往歴のある患者

  4. 9.1.10脱水症状のある患者*急性腎障害を起こすおそれがある。

  5. 9.1.11高血圧症の患者

血圧上昇等、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.12動脈硬化のある患者

心、循環器系に影響を及ぼすことがある。

  1. 9.1.13糖尿病の患者*急性腎障害を起こすおそれがある。

  2. 9.1.14甲状腺疾患のある患者(重篤な甲状腺疾患のある患者を除く)

甲状腺機能に変化を及ぼし、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.15急性膵炎の患者

本剤投与前後にはガイドライン等を参考にして十分な輸液を行うこと。症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎障害(無尿等)のある患者*診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。本剤の主たる排泄臓器は腎臓であり1) 、腎機能低下患者では急性腎障害等、症状が悪化するおそれがある。

  2. 9.2.2腎機能が低下している患者

腎機能が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害のある患者

診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.3.2肝機能が低下している患者

肝機能が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤投与の際にはX線照射をともなう。

9.6 授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット、静脈内投与)において乳汁中への移行が報告されている2) 。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ビグアナイド系糖尿病用薬• メトホルミン塩酸塩
• ブホルミン塩酸塩 等
X線ヨード造影剤との併用により乳酸アシドーシスを起こすことがある。
本剤を使用する場合には、ビグアナイド系糖尿病用薬を一時的に中止する等処置を行う。
ビグアナイド系糖尿病用薬の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇すると考えられている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
BUN・クレアチニンの上昇 頻度不明
くしゃみ 1%未満
けん怠感等 頻度不明
しびれ(感) 頻度不明
じん麻疹 1%未満
せき 頻度不明
そう痒感 1〜5%未満
ねむけ 1%未満
めまい 頻度不明
一過性盲等の視力障害等 頻度不明
上肢脱力 1%未満
上腹部痛 1%未満
下痢等 1%未満
不整脈 頻度不明
味覚・嗅覚異常 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
咽・喉頭異和感 頻度不明
喉頭浮腫 頻度不明
喘息発作等 頻度不明
嗄声 頻度不明
嘔吐 1〜5%未満
嘔気 1〜5%未満
失見当識 頻度不明
尿中蛋白陽性等 1%未満
徐脈 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
悪寒 頻度不明
振戦 頻度不明
注射部位漏出 1%未満
浮腫 頻度不明
湿疹 1%未満
潮紅 頻度不明
熱感 頻度不明
甲状腺機能低下症 頻度不明
発汗等 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1〜5%未満
発赤 1〜5%未満
結膜充血 頻度不明
耳鳴 頻度不明
胸部痛 1%未満
胸部絞扼感 頻度不明
腫脹 1%未満
腹痛 1%未満
血中尿酸増加等 1%未満
血圧上昇 頻度不明
血圧低下 1%未満
頭痛 1〜5%未満
頻脈 頻度不明
顔面蒼白等 頻度不明
鼻汁 頻度不明
鼻閉 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 測定法

ヨードの有する高いX線吸収能により、ヨード造影剤を血液中に注入することで、血管と周囲臓器とのコントラスト差を作り分解能を高める。X線造影剤の造影効果は、撮影部位におけるヨード濃度に依存する。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性5例にイオベルソール注射液(320mgI/mLの溶液)25mL又は50mLを0.4mL/秒~0.5mL/秒の注入速度で肘静脈内へ単回投与したとき、血清中の未変化体濃度は二相性の消失を示し、半減期はα相では19.8~21.2分であり、β相では2.10~2.13 時間であった。また、AUCは投与量に比例して増加し、全身クリアランスは投与量にかかわらず一定であった3) 。

投与量(mL) n 体重(kg) t1/2α(min) t1/2β(h) AUC(mgI・h/mL)
25 5 60.6±5.0 21.2±4.4 2.10±0.22 1.33±0.11
50 5 66.3±7.5 19.8±1.2 2.13±0.18 2.56±0.22

(平均値±標準偏差)

16.4 代謝

健康成人男性5例にイオベルソール注射液(320mgI/mLの溶液)25mL又は50mLを静脈内投与したとき、尿中には未変化体として存在し、代謝物は認められなかった3) 。

16.5 排泄

健康成人男性(各5例)にイオベルソール注射液(320mgI/mLの溶液)25mL又は50mLを静脈内へ単回投与したとき、尿中排泄率は投与後2時間で約70%、24時間後にはほぼ全量が尿中に排泄された3) 。