Clinical snapshot

オビドレル皮下注シリンジ250μg

コリオゴナドトロピン アルファ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2026年04月01日

【警告】

本剤を用いた不妊治療により、脳梗塞、肺塞栓を含む血栓塞栓症等を伴う重篤な卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の有効成分及び添加物に対する過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2視床下部、下垂体に腫瘍のある患者[症状の悪化のおそれがある。]

  3. 2.3原因が特定されない卵巣腫大又は卵巣嚢胞のある患者[症状を悪化させることがある。]

  4. 2.4診断の確定していない不正出血のある患者[悪性腫瘍の疑いがある。]

  5. 2.5卵巣癌、子宮癌、乳癌及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕在化を促すことがある。]

  6. 2.6妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  7. 2.7活動性の血栓塞栓性疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。]

効能・効果

  • 視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵又は希発排卵における排卵誘発及び黄体化

  • 生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化

用法・用量

コリオゴナドトロピン アルファ(遺伝子組換え)として250μgを単回皮下投与する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。本剤投与により予想されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行うこと。

  2. 8.2本剤を用いた不妊治療により、卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、以下のモニタリングを実施すること。

  • 一般不妊治療においては、排卵誘発に使用する薬剤投与中及び本剤投与前の超音波検査による卵巣反応

  • 生殖補助医療においては、調節卵巣刺激に使用する薬剤投与中及び本剤投与前の超音波検査及び血清エストラジオール濃度の測定による卵巣反応

  • 患者の自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)

  • 急激な体重増加

  • 超音波検査等による卵巣腫大

なお、卵巣過剰刺激症候群のリスク因子として、多嚢胞性卵巣症候群、若年、やせ、血清抗ミュラー管ホルモン高値、卵巣過剰刺激症候群の既往、血清エストラジオール高値、発育卵胞数の高値等が知られているので、卵巣過剰刺激症候群のリスク因子を有する患者への対応は慎重に行うこと。 卵巣過剰刺激症候群の徴候が認められた場合には、少なくとも4日間は性交を控えるように患者に指導すること。また、本剤の投与又は追加投与の延期や中止の要否を含め実施中の不妊治療の継続の可否を慎重に判断すること。卵巣過剰刺激症候群は、軽症又は中等症であっても急速に進行して重症化することがあるため、本剤投与後は少なくとも2週間の経過観察を行い、卵巣過剰刺激症候群の重症度に応じた適切な処置を行うこと。なお、卵巣過剰刺激症候群は、妊娠によって重症化し、長期化することがあることにも留意すること。

  1. 8.3患者に対しては、あらかじめ以下の点を説明すること。
  • 卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)や急激な体重増加が認められた場合には直ちに医師等に相談すること。

  • 一般不妊治療においては、卵巣過剰刺激の結果として多胎妊娠の可能性があること。

  1. 8.4排卵誘発を受けた患者では、自然妊娠と比較して多胎妊娠・出産(大部分は双生児)の頻度が高くなる1) ことから、本剤投与前に、超音波検査の結果から多胎妊娠が予想される場合には、治療の中止を考慮すること。

  2. 8.5不妊治療を受けている患者では、一般女性と比較して流産率が高い。

  3. 8.6在宅自己注射を行う場合は、患者に投与法及び安全な廃棄方法の指導を行うこと。

  4. 8.6.1自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、投与する際の操作方法を指導すること。

  5. 8.6.2適用後、本剤による副作用が疑われる場合には速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。

  6. 8.6.3使用済みの針付きシリンジを再使用しないように患者に注意を促すこと。

  7. 8.6.4全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。同時に、使用済みの針付きシリンジを廃棄する容器を提供することが望ましい。

  8. 8.6.5在宅自己注射を行う前に、本剤の「在宅自己注射説明書」及び添付の「取扱説明書」を必ず読むよう指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1本人及び家族の既往歴等の一般に血栓塞栓症発現リスクが高いと認められる患者

本剤を用いた不妊治療を女性に行う場合、本剤の投与の可否については、本剤が血栓塞栓症の発現リスクを増加させることを考慮して判断すること。なお、妊娠自体によっても血栓塞栓症のリスクは高くなることに留意すること。

  1. 9.1.2乳癌の既往歴のある患者

乳癌が再発するおそれがある。

  1. 9.1.3乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者

症状が発現又は増悪するおそれがある。

  1. 9.1.4未治療の子宮内膜増殖症のある患者

子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。

  1. 9.1.5子宮筋腫のある患者

子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。

  1. 9.1.6子宮内膜症のある患者

症状が増悪するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤の妊娠中の投与に関する臨床データはない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行に関するデータはない。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 排卵誘発及び調節卵巣刺激に使用する薬剤• ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン(hMG)製剤、ヒト卵胞刺激ホルモン(hFSH)製剤、遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤等 卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。 卵巣への過剰刺激に伴う過剰な血管作動性物質の分泌により、血管透過性が亢進される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アレルギー反応 頻度不明
うつ病 頻度不明
下痢 頻度不明
乳房痛 頻度不明
便秘 頻度不明
卵巣嚢胞 5%以上
卵巣腫大 頻度不明
悪心/嘔吐 頻度不明
易刺激性 頻度不明
注射部位内出血 頻度不明
注射部位疼痛 頻度不明
注射部位紅斑 5%以上
注射部位腫脹 頻度不明
疲労 頻度不明
発疹 頻度不明
腹水 頻度不明
腹痛 頻度不明
落ち着きのなさ 頻度不明
薬疹 頻度不明
頭痛 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1受容体結合親和性

MA-10ライディッヒ腫瘍細胞において、本剤は尿由来hCG製剤と同程度のLH/hCG受容体への結合親和性を示した11) 。

  1. 18.1.2卵成熟及び黄体機能に関する作用

卵胞刺激ホルモンで刺激した成熟雌アカゲザルにおいて、本剤は尿由来hCG製剤と同程度に受精可能な成熟卵形成を促し、黄体のプロゲステロン産生を誘発した12) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

下垂体ダウンレギュレーション下にある日本人閉経前女性12例に本剤250μgを単回皮下投与した際、Cmaxは132.2±44.8IU/L、AUC0-∞は10498±2335IUh/L、半減期は35.6±5.4時間であった(平均値±標準偏差)6) 。

16.5 排泄

ヒトに静脈投与をした際には投与量の9.0~12.1%が尿中に排泄され、投与量による差は見られなかった7) 。