Clinical snapshot

オテズラ錠10mg

アプレミラスト

添付文書改訂 2025年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 局所療法で効果不十分な尋常性乾癬

  • *乾癬性関節炎

  • **局所療法で効果不十分な掌蹠膿疱症

  • 局所療法で効果不十分なベーチェット病による口腔潰瘍

用法・用量

通常、成人にはアプレミラストとして以下のとおり経口投与し、6日目以降はアプレミラストとして1回30mgを1日2回、朝夕に経口投与する。

1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目以降
10mg 10mg 10mg 10mg 20mg 20mg 20mg 20mg 30mg 30mg 30mg

使用上の注意

本剤の投与は適応疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1感染症の患者、感染症が疑われる又は再発性感染症の既往歴のある患者

感染症を悪化又は顕在化させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎機能障害のある患者(Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランス値が30mL/min未満)

減量を考慮し、慎重に投与すること。本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

**妊娠する可能性のある女性に対しては、本剤投与前に問診等により妊娠していないことを確認し、本剤が胚胎児毒性のリスクを有する可能性があることを説明した上で投与を開始すること。また、本剤投与中及び最終投与後48時間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。マウスで臨床用量の2.3倍に相当する用量で早期吸収胚数及び着床後胚損失率の増加、胎児体重の減少、骨化遅延が、サルで臨床用量の2.1倍に相当する用量で流産が認められており、ヒトにおいて胚胎児毒性を引き起こす可能性が否定できない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、本剤を投与した動物試験(マウス)で乳汁への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等は臨床試験では除外されている。

9.8 高齢者

感染症、下痢、悪心、嘔吐等の副作用の発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

  • 本剤は主にCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4酵素誘導作用を有する薬剤
(リファンピシン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、フェニトイン等)
本剤の効果の減弱に注意すること。 本剤の血漿中濃度が減少すると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ウイルス性上気道感染 1%未満
うつ病 1%未満
そう痒症 1%未満
上咽頭炎 1〜5%未満
上気道感染 1〜5%未満
上腹部痛 1〜5%未満
下痢 5%以上
不眠症 1%未満
乾癬 1〜5%未満
体重減少 1〜5%未満
副鼻腔炎 1〜5%未満
咳嗽 1%未満
咽頭炎 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
尿路感染 1%未満
悪心 5%以上
排便回数増加 1〜5%未満
気管支炎 1〜5%未満
浮動性めまい 1%未満
消化不良 1〜5%未満
片頭痛 1〜5%未満
疲労 1〜5%未満
発疹 1%未満
緊張性頭痛 1〜5%未満
胃食道逆流性疾患 1〜5%未満
背部痛 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満 1%未満
軟便 1〜5%未満
過敏症 1%未満
頭痛 5%以上
食欲減退 1〜5%未満
高血圧 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、ホスホジエステラーゼ(PDE)4を阻害する低分子の経口PDE4阻害剤で、細胞内で炎症性及び抗炎症メディエーターのネットワークを調節する。PDE4はcAMPに特異的なPDEで、主に炎症性細胞に分布している。本剤は、PDE4を阻害することにより細胞内cAMP濃度を上昇させ、IL-17、TNF-α、IL-23及び他の炎症性サイトカインの発現を制御することにより炎症反応を抑制する。

18.2 In vitroにおける薬理活性

  1. 18.2.1cAMPの加水分解により測定したPDE4活性に対する競合的かつ可逆的な阻害作用を示した(IC50=74nM、Ki=68nM)。また、PDE4A、PDE4B、PDE4C、PDE4Dのいずれのサブタイプに対しても阻害作用を示した15),16)。

  2. 18.2.2ヒト由来精製T細胞において、IL-17等の炎症性サイトカインの産生抑制作用を示した(IL-17産生抑制:IC50=90nM)16)。

  3. 18.2.3ヒト末梢血単核球細胞において、TNF-α等のエンドトキシン誘発性の炎症性サイトカインの産生抑制作用を示した(TNF-α産生抑制:IC50=110nM)。一方、抗炎症サイトカインであるIL-10の産生増加作用を示した15)。

18.3 In vivoにおける薬理活性

  1. 18.3.1ヒト皮膚/乾癬NK細胞を異種移植したBeige-重症複合免疫不全マウスモデルにおいて、アプレミラスト(5mg/kg/day)は表皮の異常肥厚・増生、乾癬病変所見、病変組織におけるTNF-α、ヒト白血球抗原-DR(HLA-DR)、細胞間接着分子-1(ICAM-1)の発現を抑制した15)。

  2. 18.3.2抗II型コラーゲンモノクローナル抗体やII型コラーゲン免疫により作成されたマウスの関節炎モデルにおいて、アプレミラスト(5mg/kg/day及び25mg/kg/day)は症状スコアを抑制した17)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人に本剤20mg注2)及び40mg注2)を単回経口投与したときの本剤の血漿中濃度推移と薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。

単回経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

20mg注2)
(12例)
40mg注2)
(12例)
AUCt(ng・h/mL) 1515(21.9) 2921(17.2)
AUC∞(ng・h/mL) 1532(21.2) 2943(17.1)
Cmax(ng/mL) 211(31.3) 343(25.9)
tmax注1)(h) 2.50(1.00, 6.00) 3.50(2.00, 6.00)
t1/2(h) 5.44(15.8) 5.32(16.3)
CL/F(L/h) 13.1(21.2) 13.6(17.1)
Vz/F(L) 102(27.2) 104(28.4)

幾何平均(%変動係数)

注1)中央値(最小値, 最大値)

注2)本剤の漸増投与後の承認用法・用量は「1回30mgを1日2回、朝夕に経口投与」である。

  1. 16.1.2反復投与**

尋常性乾癬患者及びベーチェット病患者に本剤30mgを1日2回反復経口投与したときの本剤の定常状態における薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。

尋常性乾癬患者
(20例、投与20週時)
ベーチェット病患者
(7例、投与16週時)
AUCτ(ng・h/mL) 2397(39.5) 2071(49.5)
Cmax(ng/mL) 374(32.0) 374.2(31.3)
tmax注3)(h) 2.00(0.98, 4.00) 1.08(1.00, 2.00)
t1/2(h) 4.06(23.6)注4) 4.23(26.9)
CL/F(L/h) 12.9(34.1)注4) 14.45(49.5)
Vz/F(L) 83.1(32.2)注4) 88.3(46.1)

幾何平均(%変動係数)

注3)中央値(最小値, 最大値)

注4)13例

尋常性乾癬、ベーチェット病及び掌蹠膿疱症の日本人成人患者に本剤30mgを1日2回反復経口投与したときのトラフ濃度の幾何平均値(%変動係数)は、それぞれ116ng/mL(74.0)[20週後、20例]、88ng/mL(76.0)[16週後、7例]及び160ng/mL(76.0)[16週後、49例]であった。 健康成人(6例)に本剤40mg注5)を1日2回反復経口投与したとき、本剤は速やかに吸収され、約2.5時間(tmax:中央値)でCmaxに達した。健康成人に本剤50mg注5)を1日2回反復経口投与(6例)又は80mg注5)を1日1回反復経口投与(9例)したとき、AUC∞及びCmaxは用量依存的に増加した(外国人データ)。 また、中等症~重症の尋常性乾癬患者に本剤10mg注5)(7例)、20mg注5)(5例)及び30mg(3例)を1日2回反復経口投与したとき、本剤は速やかに吸収され、約2時間(tmax:中央値)でCmaxに達した。その後、血漿中濃度は減少し、消失半減期は4.93~6.56時間であった。なお、AUCτ及びCmaxは用量依存的に増加した(外国人データ)。

注5)本剤の漸増投与後の承認用法・用量は「1回30mgを1日2回、朝夕に経口投与」である。

16.2 吸収

  1. 16.2.1バイオアベイラビリティ

健康成人(12例)に本剤20mg注6)を経口投与したときの吸収の絶対バイオアベイラビリティは約73%であった(外国人データ)。

注6)本剤の漸増投与後の承認用法・用量は「1回30mgを1日2回、朝夕に経口投与」である。

  1. 16.2.2食事の影響

健康成人(46例)に本剤30mgを食後に単回経口投与したとき、AUC(AUC∞及びAUCt)及びCmaxへの食事の影響は認められなかった(外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿蛋白結合率

アプレミラストのヒト血漿における蛋白結合率は約68%であった。

16.4 代謝

健康成人において、放射性標識したアプレミラストを経口投与したとき、血漿中総放射能に対して未変化体が約45%、次いでO-脱メチル化アプレミラストのグルコロニド抱合体である不活性代謝物が約39%認められた(外国人データ)。 アプレミラストはチトクロムP450酸化代謝に続くグルクロン酸抱合及びチトクロムP450以外の加水分解により代謝されると考えられ、in vitro試験において、アプレミラストの代謝に関与するチトクロムP450は主にCYP3A4であることが示唆されたが、CYP1A2及びCYP2A6の関与も認められた。

16.5 排泄

健康成人において、放射性標識したアプレミラストを経口投与したとき、尿中及び糞便中における投与量に対する放射能回収率は、それぞれ約58%及び39%で、未変化体アプレミラストの回収率は、尿中及び糞便中で、それぞれ約3%及び4%であった(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能障害を有する被験者に本剤30mgを単回投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、重度の腎機能障害を有する被験者では、正常な腎機能を有する被験者と比較してAUC∞及びCmaxは、それぞれ約88%及び42%増加した(外国人データ)。

腎機能eGFR 軽度
(8例)
軽度対照
(8例)
中等度
(8例)
中等度対照
(8例)
重度
(8例)
重度対照
(7例)
AUC∞
(ng・h/mL)
2975
(21)
3464
(19)
3466
(67)
2838
(24)
5425
(53)
2879
(18)
Cmax
(ng/mL)
265
(30)
250
(17)
182
(47)
208
(32)
366
(35)
255
(40)
tmax注7)
(h)
3.0
(2.0, 4.0)
3.0
(2.0, 4.1)
3.5
(0.5, 8.0)
2.0
(1.0, 6.0)
3.0
(1.0, 6.0)
3.0
(2.0, 4.0)
t1/2
(h)
8.4
(19)
8.1
(24)
10.5
(40)
8.3
(24)
11.8
(18)
9.4
(18)

eGFR:推算糸球体濾過量(mL/min/1.73m2) 軽度:60≤eGFR<90、中等度:30≤eGFR<60、重度:eGFR<30 対照:腎機能以外の背景因子を統一させた集団 幾何平均(%変動係数)

注7)中央値(最小値,最大値)

  1. 16.6.2肝機能障害患者

アプレミラストとその主要代謝物、O-脱メチル化アプレミラストのグルコロニド抱合体の薬物動態について、中等度(Child-Pugh 7~9)又は重度(Child-Pugh 10~13)の肝機能障害を有する被験者で影響は認められなかった(外国人データ)。

  1. 16.6.3高齢者

本剤を高齢の健康被験者(65~85歳)に投与したとき、AUC(AUC∞及びAUCt)及びCmaxは非高齢の健康被験者(18~55歳)と比べてそれぞれ約13%及び6%増加した(外国人データ)。

  1. 16.6.4女性

本剤を女性の健康被験者に投与したとき、AUC∞及びCmaxは男性の健康被験者と比べてそれぞれ約31%及び8%増加した(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1リファンピシン

本剤とリファンピシンを併用したとき、アプレミラストのAUC(AUC∞及びAUCt)及びCmaxはそれぞれ約72%及び43%減少した(外国人データ)。

  1. 16.7.2ケトコナゾール

本剤とケトコナゾールを併用したとき、アプレミラストのAUC∞及びCmaxはそれぞれ約36%及び5%増加した(外国人データ)。

  1. 16.7.3メトトレキサート

本剤とメトトレキサートを併用したとき、アプレミラストのAUCτ及びCmaxはそれぞれ約0.7%及び5%減少した(外国人データ)。