眼科手術(白内障、硝子体、緑内障)時の眼灌流及び洗浄
オキシグルタチオン眼灌流液0.0184%キット「センジュ」
オキシグルタチオン
効能・効果
用法・用量
用時、オキシグルタチオン溶液と希釈液を混合し、眼科手術時に眼内及び眼外の灌流及び洗浄を目的とし、通常、下記の量を目安として適量を使用する。なお、術式及び手術時間等により適宜増減する。
- 白内障手術:60〜240mL 硝子体手術:90〜400mL 緑内障手術:30〜260mL
使用上の注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1糖尿病の合併症のある硝子体手術患者
水晶体混濁を起こすことがあるとの報告がある。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 角膜浮腫 | 頻度不明 |
| 角膜混濁 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本品の有効成分であるオキシグルタチオンは、眼内を含む全身の組織に分布するグルタチオン(酸化還元系に関与する補酵素)の酸化型である。角膜内皮の透明性の維持に関与しているATPaseは、グルタチオンとオキシグルタチオンのバランスによりそのポンプ機能がコントロールされる。また、グルタチオンは角膜内皮細胞のバリアー機能の維持にも寄与している。本剤によりオキシグルタチオンを補充することで、眼科手術時の内皮細胞層のバリアー機能及びポンプ機能の恒常性が維持される。その結果、眼科手術における長時間の眼灌流・洗浄による組織障害から防御する効果を示す7),8),9),10) 。
18.2 角膜保護作用
-
18.2.1眼内レンズ挿入術を伴う白内障手術患者に対し基本溶液のみの灌流液、基本溶液にオキシグルタチオン0.03mmol/Lを加えた灌流液、オキシグルタチオン0.3mmol/L(0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液)を加えた灌流液、オキシグルタチオン3.0mmol/Lを加えた灌流液の4種類に分けて手術した結果、オキシグルタチオン0.3mmol/L含有(0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液)の灌流液が最も角膜内皮障害防止効果が認められた11) 。
-
18.2.20.0184%オキシグルタチオン眼灌流液はウサギ及びヒト摘出角膜を用いたin vitro実験において、角膜内皮バリアー機能保護作用及び角膜膨潤抑制作用を示した12),13),14),15),16) 。
-
18.2.30.0184%オキシグルタチオン眼灌流液をネコ及びウサギの前房内に灌流し、その角膜内皮の形態及び角膜厚への影響を検討した結果、角膜内皮保護作用及び角膜膨潤抑制作用を示した16),17) 。
18.3 血液房水柵破壊抑制作用
0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液をウサギの前房内に灌流し、前房内への蛋白質の漏出量を測定した結果、血液房水柵破壊抑制作用を示した18) 。
18.4 水晶体透明性維持作用
0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液の水晶体の透明性に及ぼす影響をラット摘出水晶体を使用したin vitro実験により検討した。その結果、オキシグルタチオンは水晶体内の透明性に重要な役割を果たしているグルタチオン量及びカチオンレベルを維持し、水晶体の透明性と膜機能を正常に維持することが示された19) 。
18.5 網膜機能維持作用
0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液の網膜機能への影響をウシ網膜を使用したex vivo試験で網膜電図(ERG)を指標として検討した結果、0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液は網膜機能への影響が少なく網膜機能維持作用に優れていた20) 。
18.6 生物学的同等性試験
- 18.6.1角膜内皮バリアー機能及びポンプ機能保護作用
ウサギの摘出角膜を本剤あるいはビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%に6時間浸漬したのち、角膜の湿重量及び乾燥重量(100℃、16時間乾燥)を測定した。これらの値より角膜水分率(角膜含水量の乾燥重量に対する比)を求め、角膜内皮バリアー機能及びポンプ機能保護作用の指標として比較検討した。その結果、両製剤間における平均値の差の90%信頼性区間と、ビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%の平均値に対する割合は以下のとおりであり、許容範囲を±10%と設定するとき両剤の生物学的同等性が確認された15) 。
| 薬剤(例数) | 角膜水分率 | 90%信頼区間 | 平均値に対する割合(%) |
|---|---|---|---|
| 本剤(10) | 3.81±0.16 | -0.017〜0.225 | -0.47〜6.08 |
| ビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%(10) | 3.70±0.16 |
角膜水分率:平均値±標準偏差
- 18.6.2角膜内皮バリアー機能保護作用
ウサギの角膜内皮細胞をメンブレン上に培養し、FITC-dextranを溶解した本剤あるいはビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%をメンブレン上層側に加えて4時間処理したのち、内皮細胞層を透過したFITC-dextran量を角膜内皮バリアー機能保護作用の指標として比較検討した。その結果、両製剤間における平均値の差の90%信頼性区間と、ビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%の平均値に対する割合は以下のとおりであり、許容範囲を±10%と設定するとき両剤の生物学的同等性が確認された14) 。
| 薬剤(例数) | FITC-dextran量(μg/mL) | 90%信頼区間 | 平均値に対する割合(%) |
|---|---|---|---|
| 本剤(8) | 2.62±0.11 | -0.1424〜0.2024 | -5.50〜7.81 |
| ビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%(8) | 2.59±0.25 |
FITC-dextran量:平均値±標準偏差
薬物動態
16.3 分布
35S-標識オキシグルタチオンをウサギ前房内に1時間灌流したとき、放射能は主に角膜及び虹彩・毛様体に移行した。眼球以外の全身組織にも放射能の移行を認めたものの、その濃度は各組織中の内在性オキシグルタチオン濃度と比べると1%以下であった。角膜及び虹彩・毛様体に移行した放射能の存在様式を検討したところ、ほとんどの放射能は還元型のグルタチオンとして検出された1) 。