Clinical snapshot

エルカルチンFF内用液10%分包10mL

レボカルニチン内用液

添付文書改訂 2020年11月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

カルニチン欠乏症

用法・用量

通常、成人には、レボカルニチンとして、1日1.5~3g(15~30mL)を3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。 通常、小児には、レボカルニチンとして、1日体重1kgあたり25~100mg(0.25~1mL)を3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。

使用上の注意

本剤投与中は、定期的にバイタルサイン、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、尿検査)、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行うことが望ましい。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎機能障害のある患者又は透析下の末期腎疾患患者

低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与し、漫然と投与を継続しないこと。本剤の高用量の長期投与により、トリメチルアミン等の有害な代謝物が蓄積するおそれがある。重篤な腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  1. 9.2.2血液透析患者

本剤投与により期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている1)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)。

9.8 高齢者

患者の状態を観察し、減量するなど十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
糖尿病用薬
• 経口糖尿病治療薬
インスリン製剤等
低血糖症状があらわれるおそれがある。 機序は不明である。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 頻度不明
下痢 頻度不明
体臭 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
発疹 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
血尿 頻度不明
貧血 頻度不明
軟便 頻度不明
顔面浮腫 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

レボカルニチンの投与により組織内における慢性的なカルニチン欠乏状態を是正し、組織内で過剰に蓄積した有害なプロピオニル基をプロピオニルカルニチンとして体外(尿中)へ排泄させる。また、有害なプロピオニル基からミトコンドリア機能を保護し、その代謝を賦活する11)。

18.2 ミトコンドリア呼吸能に対する作用

ラット肝ミトコンドリアを用いて、レボカルニチン塩化物(l-体)を光学異性体であるd-カルニチン塩化物及びdl-カルニチン塩化物と比較検討した。その結果、l-体はミトコンドリア呼吸活性への抑制作用を示さず、プロピオン酸によるミトコンドリア呼吸能の抑制作用に対して有意な回復作用を示した11)(in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人に、本剤30~90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の血漿中遊離カルニチン濃度の推移を図16-1に示す。また、遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-1に示す。 遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h)は用量依存的に増加したが、用量比例的な増加ではなかった2)。

図16-1 健康成人におけるレボカルニチン単回投与時の血漿中遊離カルニチン濃度推移(平均値±標準偏差)

投与量 Cmax
(µmol/L)
AUC24h
(µmol·h/L)
tmax
(h)
t1/2
(h)
遊離カルニチン 30mg/kg 31.59
(8.87)
334.91
(98.74)
5.000
(4.00-6.00)
41.57
(47.38)
60mg/kg 43.89
(14.47)
432.32
(130.56)
5.000
(3.00-5.00)
34.45
(21.26)
90mg/kg 51.06
(19.80)
466.09
(188.10)
3.500
(2.00-5.00)
24.71
(13.33)
総カルニチン 30mg/kg 37.89
(12.56)
391.18
(120.71)
5.000
(3.00-5.00)
45.73
(76.93)
60mg/kg 53.71
(18.34)
501.14
(160.86)
5.000
(4.00-5.00)
22.94
(14.03)
90mg/kg 67.43
(26.12)
565.24
(227.38)
5.000
(2.00-5.00)
24.83
(25.13)
アシルカルニチン 30mg/kg 7.54
(3.92)
56.84
(28.80)
5.000
(2.00-24.00)
40.61
(46.51)a
60mg/kg 11.84
(4.69)
70.81
(34.77)
4.500
(2.00-8.00)
8.73
(7.48)b
90mg/kg 18.36
(7.98)
102.23
(81.23)
4.500
(2.00-8.00)
112.14
(290.52)c

平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値) 10例(a:7例、b:9例、c:8例) 投与後の血漿中濃度は、本剤を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。

  1. 16.1.2エルカルチン錠との薬物動態比較試験

健康成人に、本剤(レボカルニチン内用液)1,000mg及びエルカルチン錠(レボカルニチン塩化物錠)1,200mgを空腹時単回経口投与した時の血漿中遊離カルニチンの濃度推移を図16-2に示す。また、遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-2に示す。 本剤及びエルカルチン錠のいずれにおいても、投与後5時間にピークに達し、以降緩徐に減少した。遊離カルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h、tmax)は、両製剤でほぼ類似していた3)。

図16-2 健康成人における単回投与時の血漿中遊離カルニチン濃度推移(平均値±標準偏差)

投与量 Cmax
(µmol/L)
AUC24h
(µmol·h/L)
tmax
(h)
t1/2
(h)
遊離カルニチン 本剤
(1,000mg)
23.06
(8.02)
228.34
(107.30)
5.000
(2.00-6.00)
46.08
(77.86)
エルカルチン錠
(1,200mg)
24.74
(9.98)
265.49
(123.68)
5.000
(0.50-8.00)
64.93
(119.83)
総カルニチン 本剤
(1,000mg)
27.06
(9.94)
260.55
(137.94)
5.000
(2.00-6.00)
48.72
(146.13)
エルカルチン錠
(1,200mg)
29.82
(12.63)
298.71
(147.67)
5.000
(0.50-5.00)
22.74
(25.01)a
アシルカルニチン 本剤
(1,000mg)
5.61
(3.67)
41.43
(40.49)
5.000
(1.00-12.00)
39.09
(43.58)b
エルカルチン錠
(1,200mg)
6.69
(3.50)
38.62
(30.46)
5.000
(4.00-24.00)
15.98
(28.92)c

平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値) 20例(a:19例、b:10例、c:13例) 投与後の血漿中濃度は、薬剤を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。 エルカルチン錠(レボカルニチン塩化物)1,200mgは、分子量よりレボカルニチンとして978.7mgに換算され、本剤1,000mgにほぼ相当する。

16.5 排泄

  1. 16.5.1尿中排泄率

健康成人に、本剤30、60及び90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の24時間までのベースラインで補正した遊離カルニチンの累積尿中排泄率(fe,24h)は、それぞれ6.92%、5.92%及び5.59%と用量の増加に伴い低下した2)。

  1. 16.5.2トランスポーター

レボカルニチンは、有機カチオン/カルニチントランスポーター(OCTN2)の基質である4)。