- <適応菌種>
エリスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、髄膜炎菌、ジフテリア菌、軟性下疳菌、百日咳菌、破傷風菌、梅毒トレポネーマ、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、マイコプラズマ属
- <適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、乳腺炎、骨髄炎、扁桃炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、軟性下疳、梅毒、子宮内感染、中耳炎、歯冠周囲炎、猩紅熱、ジフテリア、百日咳、破傷風
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
**2.2エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、ピモジド、ロミタピドメシル酸塩、クリンダマイシン(注射剤、経口剤)、リンコマイシン塩酸塩水和物を投与中の患者
エリスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、髄膜炎菌、ジフテリア菌、軟性下疳菌、百日咳菌、破傷風菌、梅毒トレポネーマ、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、マイコプラズマ属
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、乳腺炎、骨髄炎、扁桃炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、軟性下疳、梅毒、子宮内感染、中耳炎、歯冠周囲炎、猩紅熱、ジフテリア、百日咳、破傷風
通常、成人にはエリスロマイシンとして1日800~1200mg(力価)を4~6回に分割経口投与する。 小児には1日体重1kgあたり25~50mg(力価)を4~6回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、小児用量は成人量を上限とする。
8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2急性腎障害(急性間質性腎炎)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。
QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)を起こすことがある。
血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている2)。
嘔吐等の症状に注意すること。新生児、乳児で、肥厚性幽門狭窄があらわれたとの報告がある3)。
用量に留意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| **エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン (クリアミン) ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩 |
四肢の虚血、血管攣縮等が報告されている。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| **ピモジド | QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等が発現するおそれがある。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| **ロミタピドメシル酸塩 (ジャクスタピッド) |
ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| **クリンダマイシン(注射剤、経口剤) (ダラシンS注射液、ダラシンカプセル) リンコマイシン塩酸塩水和物 (リンコシン) |
併用してもこれらの薬剤の効果があらわれないと考えられる。 | 本剤の細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性がこれらの薬剤より高いと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ジソピラミド キニジン硫酸塩水和物 |
QT延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| テオフィリン4),5) アミノフィリン水和物 |
悪心・嘔吐、不整脈、痙攣等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| シクロスポリン タクロリムス水和物 |
腎障害等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| ワルファリンカリウム | 出血傾向、プロトロンビン時間延長等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| イリノテカン塩酸塩水和物 | 骨髄機能抑制、下痢等の副作用を増強するおそれがあるため、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| • ビンカアルカロイド• ビンブラスチン硫酸塩 • ビノレルビン酒石酸塩等 |
好中球減少、筋肉痛等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| バルプロ酸ナトリウム | 傾眠、運動失調等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| フェロジピン | 降圧作用の増強が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| ベラパミル塩酸塩 | 血圧低下、徐脈性不整脈、乳酸アシドーシス等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| ミダゾラム6) トリアゾラム7) |
鎮静作用の増強が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| カルバマゼピン | めまい、運動失調等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| コルヒチン | 下痢、腹痛、発熱、筋肉痛、汎血球減少、呼吸困難等が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| シンバスタチン8) アトルバスタチンカルシウム水和物9) |
シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| ピタバスタチンカルシウム水和物 | シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム水和物との併用により、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれたとの報告がある。 | 本剤がピタバスタチンの肝臓への取り込みを阻害するためと考えられる。 |
| ブロモクリプチンメシル酸塩10) ドセタキセル水和物 パクリタキセル セレギリン塩酸塩 シルデナフィルクエン酸塩11) バルデナフィル塩酸塩水和物 タダラフィル シロスタゾール |
減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| **ブロナンセリン クロザピン ゾピクロン アルプラゾラム エプレレノン エレトリプタン臭化水素酸塩 エベロリムス サキナビルメシル酸塩 |
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| **ドンペリドン | ドンペリドンの血中濃度が上昇する。また、ドンペリドンとの併用により、QT延長が報告されている。 | 本剤はCYP3Aと結合し、複合体を形成するため、これらの薬剤の代謝を抑制し、血中濃度が上昇することがある。 |
| • 副腎皮質ホルモン剤• メチルプレドニゾロン等 | これらの薬剤の消失半減期が延長するとの報告があるので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある。 |
| エバスチン | エバスチンの代謝物カレバスチンの血中濃度が上昇するとの報告がある。 | 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制することがある。 |
| エドキサバントシル酸塩水和物 | 出血のリスクを増大させるおそれがある。併用する場合、エドキサバントシル酸塩水和物の用量は、エドキサバントシル酸塩水和物の電子添文を参照すること。 | 本剤がP-糖蛋白質を阻害し、エドキサバンの血中濃度を上昇させるためと考えられる。 |
| ジゴキシン | ジゴキシンの作用増強による嘔気、嘔吐、不整脈等の中毒症状が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤の腸内細菌叢への影響により、ジゴキシンの代謝が抑制される。 |
| ザフィルルカスト | ザフィルルカストの血中濃度が低下するとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
| シメチジン | 難聴が報告されているので、減量するなど慎重に投与すること。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血中濃度が上昇すると考えられる。 |
| リトナビル | 本剤のAUCが上昇することが予想される。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が抑制され、血中濃度が上昇すると考えられる。 |
| **クリンダマイシン(外用剤) | 併用してもクリンダマイシンの効果があらわれないと考えられる。 | 本剤の細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性がクリンダマイシンより高いと考えられる。 |
| **リバーロキサバン | リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 | 本剤がCYP3A4及びP-糖蛋白質を阻害することによりリバーロキサバンのクリアランスが減少する。 |
| **フェキソフェナジン塩酸塩 | フェキソフェナジンの血漿中濃度を上昇させるとの報告がある。 | P-糖蛋白質の阻害によるフェキソフェナジンのクリアランスの低下及び吸収率の増加に起因するものと推定される。 |
| • CYP3A4誘導作用を有する薬剤• リファンピシン、リファブチン、フェニトイン、フェノバルビタール等 • セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
本剤の作用が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝を促進し、本剤の血中濃度を低下させる。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 悪心・嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 胃痛 | 1〜5%未満 |
| 胃部不快感 | 1〜5%未満 |
| 腹部痙攣 | 頻度不明 |
| 膵炎 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 血管性浮腫 | 頻度不明 |
| 視力低下 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
| 鼓腸 | 1〜5%未満 |
細菌の蛋白合成阻害で21)、70S系のリボソームの50Sサブユニットと結合することによる22)。
18.2.1エリスロマイシンステアリン酸塩は体内で解離し、エリスロマイシンとして作用する。エリスロマイシンは主としてブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌等のグラム陽性球菌に強い抗菌力を発揮するほか、グラム陰性球菌、一部のグラム陰性桿菌、梅毒トレポネーマ及び肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)にも作用を示す20),23)。
18.2.2抗菌作用は細菌により静菌的ないし殺菌的である24)。
健康成人にエリスロシン錠200mg1錠(エリスロマイシンとして200mg(力価))を空腹時単回経口投与したときの血漿中濃度は下記のとおりであった。
| Cmax(μg/mL) | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
|---|---|---|
| 0.82 | 2.8 | データなし |
上顎洞粘膜14)、喀痰15)、気管支分泌物15)等に移行が認められた(外国人データ)。
64.5%であった(in vitro、ヒト血漿、0.5μg/mL、平衡透析法)16)。
CYP3Aによって脱メチル化され、des-N-methyl-erythromycinを生じる(ウサギ)17),18),19)。
主として胆汁中に排泄され、尿中排泄は経口投与量の5%以下である20)。