Clinical snapshot

エペリゾン塩酸塩錠50mg「アメル」

エペリゾン塩酸塩

添付文書改訂 2024年11月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 下記疾患による筋緊張状態の改善

  • 頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、腰痛症

  • 下記疾患による痙性麻痺

  • 脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児麻痺、脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患

用法・用量

通常成人には1日量として3錠を3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

本剤投与中に脱力感、ふらつき、眠気等が発現することがあるので、その場合には減量又は休薬すること。なお、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作には従事させないように注意すること。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝障害のある患者

肝機能を悪化させることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
メトカルバモール 類似薬のトルペリゾン塩酸塩で、眼の調節障害があらわれたとの報告がある。 機序は不明である。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-Pの上昇等 1%未満
ALT 1%未満
AST 1%未満
BUNの上昇等 1%未満
しゃっくり 頻度不明
ふらつき 1〜5%未満
ほてり 1〜5%未満
めまい 1%未満
下痢 1〜5%未満
不眠 1〜5%未満
体のこわばり 1%未満
便秘 1〜5%未満
全身倦怠感 1〜5%未満
動悸 1%未満
口内炎 1%未満
口渇 1〜5%未満
四肢のしびれ 1〜5%未満
四肢のふるえ 1%未満
多形滲出性紅斑 頻度不明
尿失禁 1%未満
尿閉 1%未満
悪心・嘔吐 1〜5%未満
残尿感 1%未満
浮腫 1%未満
瘙痒 1%未満
発汗 1%未満
発疹 1〜5%未満
眠気 1〜5%未満
筋緊張低下 1%未満
胃部不快感 1〜5%未満
脱力感 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満感 1%未満
蛋白尿 1%未満
貧血 1%未満
頭痛 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

脊髄反射及びγ-運動ニューロン自発発射を抑制し、筋緊張緩和作用を発揮する3)。

18.2 骨格筋の緊張亢進緩和作用

  1. 18.2.1実験的固縮の抑制

ラットにおける丘間切断除脳固縮(γ-固縮)及び虚血性除脳固縮(α-固縮)を用量依存的に抑制することが確認されている3)。

  1. 18.2.2脊髄反射の抑制

脊髄ネコにおいて後根刺激による単シナプス性並びに多シナプス性反射電位をほぼ同程度に抑制することが確認されている3)。

  1. 18.2.3γ-系を介して筋紡錘の感度を緩和

ヒト筋紡錘から出る求心性神経(Ia線維)の活動を投与後20分で抑制することが確認されている。エペリゾン塩酸塩は動物においてγ-運動ニューロン自発発射を抑制するが、筋紡錘には直接作用しないことが確認されているので、エペリゾン塩酸塩はγ-系を介して筋紡錘の感度を緩和する3),4)。

18.3 血管拡張、血流増加作用

  1. 18.3.1血管拡張作用

血管平滑筋に対するCa++拮抗作用(モルモット)、 並びに筋交感神経抑制作用(ヒト)により血管を拡張する5),6)。

  1. 18.3.2血流増加作用

ヒト及びサルにおいて外頸動脈、内頸動脈、椎骨動脈の血流を増加することが確認されている7),8)。

18.4 脊髄で鎮痛及び疼痛反射抑制作用を示す

ラットでエペリゾン塩酸塩を脊髄に灌流すると、Tail Pinchによる疼痛反射を抑制し、エペリゾン塩酸塩を除くと回復することから、脊髄レベルで鎮痛作用を有することが示された9)。

18.5 随意運動を円滑にする

脳卒中患者等の痙性麻痺例に用い、Cybexのトルク曲線及び筋電図の改善がみられ、痙縮筋の筋力を低下することなく上下肢の伸展・屈曲動作を滑らかにするなど、随意運動を円滑にする10)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

健康成人男子8名にエペリゾン塩酸塩1日1回150mg注1)を14日間反復経口投与し、1日、8日及び14日目の血漿中濃度を測定した。 その際、最高血漿中濃度到達時(Tmax)は1.6~1.9時間、最高血漿中濃度は7.5~7.9ng/mL、消失半減期(T1/2)は1.6~1.8時間、また血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)は19.7~21.1ng・hr/mL であり、初回投与時に比べ8日及び14日目においても有意な変動を認めなかった1)。

注1)本剤の承認された用法及び用量は「通常成人には1日量として3錠(エペリゾン塩酸塩として150mg)を3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

エペリゾン塩酸塩錠50mg「アメル」とミオナール錠50mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(エペリゾン塩酸塩として50mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC(0→8)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
エペリゾン塩酸塩錠50mg「アメル」 5.83±2.46 2.25±1.34 1.75±0.43 1.65±0.31
ミオナール錠50mg 5.95±2.55 2.37±1.22 1.61±0.35 1.62±0.41

(Mean±S. D.,n=14)

血清中未変化体濃度(生物学的同等性)

血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。