Clinical snapshot

エパルレスタット錠50mg「タカタ」

エパルレスタット

添付文書改訂 2024年01月01日

効能・効果

糖尿病性末梢神経障害に伴う自覚症状(しびれ感、疼痛)、振動覚異常、心拍変動異常の改善 (糖化ヘモグロビンが高値を示す場合)

用法・用量

通常、成人にはエパルレスタットとして1回50mgを1日3回毎食前に経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。1)

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALT・γ-GTPの上昇等 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
CK上昇 頻度不明
クレアチニン上昇 頻度不明
こわばり 頻度不明
しびれ 頻度不明
そう痒 頻度不明
ビリルビン上昇 頻度不明
ほてり 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
動悸 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
四肢疼痛 頻度不明
尿量減少 頻度不明
水疱等 頻度不明
浮腫 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少 頻度不明
紅斑 頻度不明
紫斑 頻度不明
胸やけ 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
脱力感 頻度不明
脱毛 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
貧血 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

エパルレスタットはアルドース還元酵素を特異的に阻害し、神経内ソルビトールの蓄積を抑制することにより、糖尿病性末梢神経障害における自覚症状及び神経機能異常を改善する15),16)。

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1アルドース還元酵素阻害作用

  2. (1)ラットの坐骨神経、水晶体、網膜、ウサギ水晶体及びヒト胎盤より抽出したアルドース還元酵素に対して強い阻害作用が認められている。50%阻害濃度は1.0~3.9×10-8Mである(in vitro)16),17),18)。

  3. (2)アルドース還元酵素以外の糖代謝系酵素に対しては10-5Mでほとんど阻害作用を示さない(in vitro)16)。

  4. (3)エパルレスタットの酵素阻害様式は偏拮抗阻害であり、また、その作用は可逆的である16),17)。

  5. 18.2.2ソルビトール蓄積抑制作用

  6. (1)糖尿病性神経障害患者にエパルレスタット150mg/日を4週間経口投与すると、赤血球内ソルビトール値の有意な低下が認められている19),20)。

  7. (2)高濃度グルコース存在下で、ラットの坐骨神経、赤血球、水晶体及びヒト赤血球内ソルビトールの蓄積を抑制する。50%抑制濃度は1.5~5×10-6Mである(in vitro)16),17)。

  8. (3)ストレプトゾトシン糖尿病ラットの坐骨神経内ソルビトールの蓄積を抑制する。21),22)また、高フルクトース食を負荷したストレプトゾトシン糖尿病ラットの坐骨神経、網膜及び赤血球内ソルビトール蓄積を抑制する23)。

  9. 18.2.3運動神経伝導速度改善作用

  10. (1)ストレプトゾトシン糖尿病ラットの尾部神経の運動神経伝導速度の低下を抑制21)あるいは改善する22)。また、高フルクトース食を負荷したストレプトゾトシン糖尿病ラットの尾部神経の運動神経伝導速度を改善する23)。

  11. (2)自然発症糖尿病ラットの尾部神経の運動神経伝導速度を改善する24)。

  12. 18.2.4自律神経機能に対する作用

  13. (1)ストレプトゾトシン糖尿病ラットの副交感神経機能の指標である心電図R-R間隔変動の異常を抑制する25)。

  14. (2)ストレプトゾトシン糖尿病ラットの交感神経機能の指標である心臓のノルエピネフリンのturn-overの低下を改善する26)。

  15. 18.2.5神経の形態学的変化に対する作用

  16. (1)ストレプトゾトシン糖尿病ラットの坐骨神経の総有髄神経線維密度の低下を抑制する25)。また、腓腹神経の髄鞘の厚さ、軸索面積及び軸索真円率の低下を抑制する27)。

  17. (2)ストレプトゾトシン糖尿病ラットの軸索流の異常を改善する28)。

  18. 18.2.6神経血流に対する作用

ストレプトゾトシン糖尿病ラットの坐骨神経血管の血流を有意に改善し、虚血状態をあらわす坐骨神経内の乳酸含量の上昇を有意に抑制する29)。

  1. 18.2.7神経ミオイノシトール含量に対する作用

高フルクトース食を負荷したストレプトゾトシン糖尿病ラットの坐骨神経ミオイノシトール含量の低下を抑制する27),29)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人10例に50mgを食前30分に単回経口投与すると、血漿中濃度は1時間後に最高に達し、その濃度は3.9μg/mLである。血漿中半減期は1.8時間で、血漿中濃度は4時間後に0.37μg/mLとなる2)。

図16-1 血漿中濃度

Tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
T1/2
(hr)
1.05±0.16 3896±1132 6435±1018 1.844±0.387

平均値±標準偏差

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

エパルレスタット錠50mg「タカタ」とキネダック錠50mgをクロスオーバー法により、健康成人男子23名にそれぞれ1錠(エパルレスタットとして50mg)を空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後0.5、1、1.5、2、3、4、5、6及び8時間に前腕静脈から採血した。液体クロマトグラフィーにより測定したエパルレスタットの血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog0.8~log1.25の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。

図16-2 血漿中濃度

判定パラメータ 参考パラメータ
AUCt
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
エパルレスタット錠50mg「タカタ」 7.74±1.96 4.18±1.10 1.5±1.1 0.7±0.3
キネダック錠50mg 7.49±2.60 4.26±1.38 1.7±1.1 0.7±0.2

(Mean±S.D.,n=23)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

ヒト血清に対する蛋白結合率は90.1%である(in vitro、平衡透析法)4)。

16.5 排泄

尿中主要代謝物はベンゼン環が水酸化を受けた一水酸化体及び二水酸化体の硫酸抱合体である4)。