Clinical snapshot

エトポシド点滴静注100mg「NIG」

エトポシド注射液

添付文書改訂 2026年02月01日

【警告】

  1. 1.1本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

  2. 1.2本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性がある。]

  2. 2.2本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者

  3. 2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 肺小細胞癌、悪性リンパ腫、急性白血病、睾丸腫瘍、膀胱癌、絨毛性疾患、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)

  • 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法 小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)

  • 腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置

用法・用量

  • 〈肺小細胞癌、悪性リンパ腫、急性白血病、睾丸腫瘍、膀胱癌、絨毛性疾患、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)〉

(1) エトポシドとして、1日量60~100mg/m2(体表面積)を5日間連続点滴静注し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。 なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。

(2) 胚細胞腫瘍に対しては、確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を行い、エトポシドとして、1日量100mg/m2(体表面積)を5日間連続点滴静注し、16日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。

  • 〈小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法〉

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、エトポシドの投与量及び投与方法は、1日量100~150mg/m2(体表面積)を3~5日間連続点滴静注し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。 なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。

  • 〈腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置〉

再生医療等製品の用法及び用量又は使用方法に基づき使用する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の投与により骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、以下の点に注意すること。

  2. 8.1.1緊急時に十分処置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。

  3. 8.1.2頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。骨髄抑制は用量依存的に発現する副作用であり、用量規制因子である。白血球減少の最低値は一般に、投与開始日より約2週間後1),2)にあらわれる。

  4. 8.1.3化学療法を繰り返す場合には、副作用からの十分な回復を考慮し、少なくとも3週間の休薬を行うこと。ただし、胚細胞腫瘍に対する標準的な確立された他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、16日間の休薬を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。

  5. 8.1.4本剤の投与にあたってはG-CSF製剤等の適切な使用に関しても考慮すること。

  6. 8.2感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。

  7. 8.3本剤と他の抗悪性腫瘍剤の併用により、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があるので、十分に注意すること3),4),5),6),7),8)。

  8. 8.4本剤と他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射の併用により、肝中心静脈閉塞症(VOD)が発症したとの報告があるので、十分に注意すること9),10)。

  • 〈急性白血病〉
  1. 8.5末梢血液及び骨髄所見を随時検査し、投与期間を短縮又は延長すること。
  • 〈悪性リンパ腫〉
  1. 8.6再発・難治性悪性リンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、関連文献(「抗がん剤報告書:シスプラチン(悪性リンパ腫)」等)を熟読すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1骨髄抑制のある患者(重篤な骨髄抑制のある患者は除く)

骨髄抑制を増悪させることがある。

  1. 9.1.2感染症を合併している患者

骨髄抑制により、感染症を増悪させることがある。

  1. 9.1.3水痘患者

致命的全身症状があらわれるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

  2. 9.4.2妊娠する可能性のある女性には、適切な避妊をするよう指導すること。

  3. 9.4.3パートナーが妊娠する可能性のある男性には、適切な避妊をするよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中に本剤を投与された患者で児の奇形が報告されており、動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性、胎児毒性が認められている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

  • 〈効能共通〉
  1. 9.7.1副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。なお、小児の胚細胞腫瘍に対する確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、併用療法に付随する副作用(消化器障害、骨髄抑制、肺障害等)の発現に十分注意すること。
  • 〈小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)〉
  1. 9.7.2他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、骨髄抑制の発現に十分注意し、慎重に投与すること。

9.8 高齢者

用量並びに投与間隔に留意し、頻回に臨床検査を行うなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(骨髄機能、肝機能、腎機能等)が低下しており、本剤の投与で骨髄抑制等の副作用が高頻度に発現している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗悪性腫瘍剤、放射線照射 骨髄抑制等を増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。 ともに骨髄抑制作用を有する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 頻度不明
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
BUN上昇 頻度不明
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 1%未満
カリウム異常 頻度不明
カルシウム異常 頻度不明
クレアチニン上昇 頻度不明
クロール異常 頻度不明
しびれ 頻度不明
そう痒 頻度不明
ナトリウム異常 頻度不明
ビリルビン上昇 頻度不明
一過性皮質盲 頻度不明
下痢 頻度不明
不整脈 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感(27.8%) 頻度不明
口内炎 頻度不明
味覚異常 頻度不明
壊死 頻度不明
尿蛋白 頻度不明
心電図異常 1%未満
悪心・嘔吐(54.7%) 頻度不明
注射部位反応(発赤 頻度不明
浮腫 1%未満
疼痛 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
硬結等) 頻度不明
紅斑 1%未満
脱毛(74.3%) 頻度不明
腫脹 頻度不明
腹痛 頻度不明
色素沈着 1%未満
血圧低下 1%未満
血清総蛋白減少 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面潮紅 頻度不明
食欲不振(48.5%) 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

細胞周期のS期後半からG2期にある細胞に対して殺細胞作用を示し、その機序は、DNAに対する直接作用ではなく、DNA構造変換を行う酵素トポイソメラーゼⅡの活性を阻害するなどが考えられる。また、この殺細胞作用は作用濃度と作用時間の双方に依存して増強する24),25),26),27)。

18.2 抗腫瘍作用

マウスL1210及びP388白血病、Lewis肺癌、Ehrlich癌に対して抗腫瘍作用が認められた。ヌードマウス可移植性ヒト悪性リンパ腫(Case2及びCase6)、ヒト肺癌(LX-1、Lu-134、N231、Lu-24、Lu-61)に対して増殖抑制効果を示した28),29)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

癌患者にエトポシドを5日間連続点滴静脈内投与して得られた血中濃度曲線は二相性を示した。初回投与後の半減期(t1/2)はα相で0.13~0.39時間、β相で3.33~4.85時間であった。更に、5日目投与後の血中濃度の推移と比較した結果、蓄積傾向は認められなかった1)。

16.5 排泄

癌患者への5日間連続点滴静脈内投与において、5日間の尿中未変化体排泄率は32~61%であった1)。