Clinical snapshot

エタネルセプトBS皮下注50mgペン1.0mL「MA」

エタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続1]

添付文書改訂 2026年04月01日

【警告】

  1. 1.1本剤投与により、結核、敗血症を含む重篤な感染症及び脱髄疾患の悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。 また、本剤の投与において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。

  2. 1.2感染症

  3. 1.2.1重篤な感染症

敗血症、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。

  1. 1.2.2結核

播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(胸膜、リンパ節等)を含む結核が発症し、死亡例も報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。 また、結核の既感染者には、抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること。 ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている。

  1. 1.3脱髄疾患の臨床症状・画像診断上の悪化が、本剤を含むTNF抑制作用を有する薬剤でみられたとの報告がある。脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者には投与しないこととし、脱髄疾患を疑う患者や家族歴を有する患者に投与する場合には、適宜画像診断等の検査を実施するなど、十分な観察を行うこと。

  2. 1.4本剤の治療を行う前に、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1敗血症の患者又はそのリスクを有する患者[敗血症患者を対象とした臨床試験において、本剤投与群では用量の増加に伴い死亡率が上昇した。]

  2. 2.2重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.3活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  4. 2.4本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  5. 2.5脱髄疾患(多発性硬化症等)及びその既往歴のある患者[症状の再燃及び悪化のおそれがある。]

  6. 2.6うっ血性心不全の患者

効能・効果

  • 既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

用法・用量

本剤を、通常、成人にはエタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続1]として10~25mgを1日1回、週に2回、又は25~50mgを1日1回、週に1回、皮下注射する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤は、細胞性免疫反応を調整するTNFの生理活性を抑制するので、感染症に対する宿主側防御に影響を及ぼすことがある。そのため、本剤の投与に際しては、十分な観察を行い感染症の発現や増悪に注意すること。他の生物製剤との切替えの際も注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。

  2. 8.2本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。

  3. 8.3本剤を含む抗TNF製剤投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。

  4. 8.4本剤投与中は、生ワクチン接種により感染するおそれがあるので、生ワクチン接種は行わないこと。

  5. 8.5本剤を含む抗TNF療法において、新たな自己抗体の発現が報告されている。

  6. 8.6本剤投与時には、注射部位に紅斑、発赤、疼痛、腫脹、そう痒等の注射部位反応あるいは注射部位出血等が多数認められているので、本剤を慎重に投与するとともに、発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

  7. 8.7患者に対し、本剤投与中に血液障害や感染症を疑う症状(発熱の持続、咽頭痛、挫傷、蒼白等)があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。このような患者には、速やかに血液検査等を実施すること。

  8. 8.8臨床試験及びその後5年間の長期試験で、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍の発現が報告されている。一般に、慢性炎症性疾患のある患者に免疫抑制剤を長期間投与した場合、感染症や悪性リンパ腫の発現の危険性が高まることが報告されている。また、本剤を含む抗TNF製剤を使用した小児や若年成人においても、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍が報告されている。本剤に起因するか明らかでないが、悪性腫瘍等の発現には注意すること。

  9. 8.9本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。自己投与を適用する場合は、使用済みの注射針あるいは注射器を再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法について指導を徹底すること。全ての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの針及び注射器を廃棄する容器を提供すること。

  10. 8.10本剤投与により乾癬が発現又は悪化することが報告されている。重症な場合には本剤投与の中止を考慮すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1感染症(敗血症又はそのリスクを有する患者、重篤な感染症及び活動性結核を除く)の患者又は感染症が疑われる患者

  2. 9.1.2結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者

  3. (1)結核の既感染者では、問診及び胸部レントゲン検査等を定期的に行う(投与開始後2ヵ月間は可能な限り1ヵ月に1回、以降は適宜必要に応じて)など、結核症状の発現に十分注意すること。結核を活動化させるおそれがある。

  4. (2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること。

  • 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

  • 結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

  • インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者

  • 結核患者との濃厚接触歴を有する患者

  1. 9.1.3易感染性の状態にある患者

感染症を誘発するおそれがある。

  1. 9.1.4B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)

肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。なお、これらの報告の多くは、他の免疫抑制作用をもつ薬剤を併用投与した患者に起きている。

  1. 9.1.5脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者及び家族歴のある患者

  2. (1)脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者については、神経学的評価や画像診断等の検査を行い、慎重に危険性と有益性を評価した上で本剤適用の妥当性を検討し、投与後は十分に観察を行うこと。脱髄疾患発現のおそれがある。

  3. (2)脱髄疾患の家族歴のある患者は、適宜画像診断等の検査を実施し、十分注意すること。脱髄疾患発現のおそれがある。

  4. 9.1.6重篤な血液疾患(汎血球減少、再生不良性貧血等)の患者又はその既往を有する患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.7間質性肺炎の既往歴のある患者

定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。

  2. 9.5.2妊娠中に本剤を投与した患者からの出生児においては、生ワクチン接種時などには感染に注意すること。本剤は胎盤通過性があり、出生児の血清から本剤が検出されたとの報告があり、感染症発現のリスクが否定できない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能(免疫機能等)が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
サラゾスルファピリジン サラゾスルファピリジン投与中の患者に本剤を追加投与したところ、各々の単独投与群と比較して、平均白血球数が統計学的に有意に減少したとの報告がある。 機序不明。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP上昇 1%未満
ALT上昇 1%未満
AST上昇 1%未満
BUN増加 1%未満
CRP増加 1%未満
IgA血管炎等) 1%未満
LDH上昇 1%未満
アルブミン減少 1%未満
インフルエンザ 1%未満
クレアチニン上昇 1%未満
コレステロール上昇 1%未満
サルコイドーシス 1%未満
じん麻疹 1%未満
そう痒感 頻度不明
そう痒症 頻度不明
ブドウ膜炎 1%未満
ヘマトクリット減少 1%未満
ヘモグロビン減少 1%未満
リンパ球増加 1%未満
ループス様症候群 1%未満
上気道感染 頻度不明
下痢・軟便 1%未満
不安 1%未満
不眠 1%未満
中耳炎 1%未満
乳腺炎 1%未満
乾癬(悪化を含む) 1%未満
乾癬様皮疹 頻度不明
体重減少 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
光線過敏症 1%未満
凍瘡 1%未満
出血 1%未満
出血斑 頻度不明
副鼻腔炎 1%未満
創傷感染 1%未満
動悸 1%未満
化膿性リンパ節炎 1%未満
化膿性汗腺炎 1%未満
化膿性関節炎 1%未満
口内炎 1%未満
口唇炎(口角炎等) 1%未満
口渇 1%未満
口腔感染 1%未満
味覚異常 1%未満
咳嗽 1%未満
咽喉頭疼痛 1%未満
咽頭不快感 1%未満
咽頭炎 1%未満
喀痰 1%未満
喘息 1%未満
嗄声 1%未満
嗅覚異常 1%未満
嘔吐 1%未満
四肢不快感 1%未満
四肢異常感覚 1%未満
外耳炎 1%未満
好中球増加 1%未満
好酸球増加 1%未満
尿沈渣 1%未満
尿糖 1%未満
尿路感染(膀胱炎等) 1%未満
帯状疱疹 1%未満
強膜炎 1%未満
悪心 1%未満
感冒 頻度不明
感覚減退(しびれ感等) 1%未満
扁桃炎 1%未満
手根管症候群 1%未満
挫傷等) 頻度不明
月経不順 1%未満
期外収縮 1%未満
歯の知覚過敏 1%未満
歯周炎 1%未満
歯痛 1%未満
歯肉炎 1%未満
歯肉腫脹 1%未満
歯髄炎 1%未満
残尿感 1%未満
気分不良 1%未満
気管支拡張症 1%未満
気管支炎 頻度不明
気管支肺異形成症 1%未満
気管狭窄 1%未満
注射部位反応a)(紅斑 頻度不明
浮動性めまい 1%未満
浮腫(局所性を含む) 1%未満
消化性潰瘍 1%未満
滑膜炎 1%未満
潮紅 1%未満
爪の異常 1%未満
爪囲炎 1%未満
爪感染 1%未満
疲労 1%未満
疼痛 頻度不明
疼痛(四肢 1%未満
痙攣 1%未満
発熱 頻度不明
発疹(湿疹 頻度不明
白内障 1%未満
白癬 1%未満
白血球分画異常 1%未満
白血球増加 1%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚炎 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
眠気 1%未満
眼のちらつき 1%未満
眼の異常感 1%未満
眼乾燥 1%未満
眼痛 1%未満
眼精疲労 1%未満
筋痛 1%未満
糸球体腎炎 頻度不明
紅斑等) 頻度不明
結膜充血 1%未満
結膜炎 1%未満
網状赤血球増加 1%未満
総蛋白増加 1%未満
総蛋白減少 1%未満
耳下腺腫脹 1%未満
肩こり 1%未満
肺嚢胞 1%未満
胃腸炎 1%未満
胃部不快感 1%未満
背部 1%未満
胸水 1%未満
胸痛 1%未満
胸部X線異常 1%未満
胸部不快感 1%未満
胼胝 1%未満
脊椎症 1%未満
脱力感 1%未満
脱毛 1%未満
脱水 1%未満
腎盂腎炎 1%未満
腎結石 1%未満
1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満 1%未満
膵炎 1%未満
膿疱性乾癬 1%未満
膿痂疹 1%未満
膿瘍 1%未満
臀部等) 1%未満
自己抗体陽性 1%未満
舌苔 1%未満
色素性母斑 1%未満
蛋白尿 1%未満
蜂巣炎 1%未満
血圧上昇 1%未満
血小板増加 1%未満
血尿 1%未満
血沈亢進 1%未満
血痰 1%未満
血管炎(白血球破砕性血管炎 1%未満
角膜潰瘍 1%未満
貧血(鉄欠乏性を含む) 1%未満
赤血球形態異常 1%未満
赤血球減少 1%未満
錯感覚(ピリピリ感等) 1%未満
関節痛 1%未満
関節脱臼 1%未満
難聴 1%未満
靭帯障害 1%未満
頭痛 1%未満
頻尿 1%未満
頻脈 1%未満
食欲不振 1%未満
高血圧 1%未満
麦粒腫 1%未満
鼻漏 1%未満
鼻炎 1%未満
鼻閉 1%未満
齲歯 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

エタネルセプトは、ヒトTNF可溶性レセプター部分が、過剰に産生されたTNFα及びLTαを、おとりレセプターとして捕捉し(レセプター結合反応)、細胞表面のレセプターとの結合を阻害することで、抗リウマチ作用、抗炎症作用を発揮すると考えられている。なお、本剤とTNFα及びLTαとの結合は可逆的であり、いったん捕捉したTNFα及びLTαは再び遊離される。 エタネルセプトはU937細胞表面のTNF受容体に対するTNFの結合を阻害した(解離定数(Ki)=1×10-10M)。

  • 〈本剤〉

18.2 TNFファミリーに対する結合親和性

本剤の可溶性及び膜結合型TNFαならびに可溶性LTαに対する結合親和性はエンブレルⓇ及びEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)と同程度であった15)(in vitro)。

18.3 TNFα誘導性細胞傷害に対する阻害活性

本剤はマウス線維芽細胞株WEHI-13VAR細胞においてTNFα誘導性細胞傷害を抑制し、そのTNFα中和活性はエンブレルⓇ及びEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)と同程度であった15)(in vitro)。

18.4 抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性

レポータージーンアッセイによりADCC活性を検討したところ、本剤、エンブレルⓇ及びEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)ともにADCC活性が認められ、本剤のADCC活性はエンブレルⓇ及びEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)より高かった15)(in vitro)。

18.5 関節炎抑制作用

本剤は反復投与(皮下)することにより、マウスコラーゲン誘発関節炎モデルにおいて関節炎の発症を抑制し、その程度はEnbrelⓇ(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)と同様であった16)。

  • 〈エンブレルⓇ〉

18.6 関節炎抑制作用

  1. 18.6.1ラット抗原誘発関節炎モデル

エタネルセプトはラット抗原誘発関節炎モデルに対して、5µg/joint以上の関節内投与により膝関節腫脹を抑制し、関節炎スコアを改善した。

  1. 18.6.2マウスⅡ型コラーゲン関節炎モデル

エタネルセプトはトリⅡ型コラーゲン関節炎モデルに対して、1µg/body以上の腹腔内投与により関節炎発症抑制効果を示した。また、150µg/bodyの腹腔内投与により関節炎及び軟骨破壊のスコアを改善した。ウシⅡ型コラーゲン関節炎モデルに対しては、50µg/bodyの腹腔内投与により、関節炎及び血清中抗Ⅱ型コラーゲン抗体価を抑制した。ブタⅡ型コラーゲン関節炎モデルに対しても、10µg/bodyの腹腔内投与により、関節炎発症率を抑制した。

18.7 TNFファミリーに対する結合親和性

エタネルセプトはTNFα及びLTαのいずれに対しても結合親和性を有するが、LTβに対する結合親和性は持たない。

18.8 TNFの細胞傷害に対する抑制作用

L929細胞のTNF誘発細胞傷害に対して、エタネルセプトは10ng/mL以上の濃度で生細胞数の減少を抑制した(in vitro)。

18.9 IL-1α併用TNF誘発致死に対する抑制作用

マウスのIL-1α(30µg/body)併用TNF(3µg/body)誘発致死に対して、エタネルセプトは30µg/body以上の静脈内投与により致死抑制作用を示した(in vivo)。

18.10 細胞傷害活性

エタネルセプトは補体依存性の細胞傷害活性を誘導しなかった(in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  • 〈本剤〉
  1. 16.1.1単回投与(生物学的同等性試験)

エタネルセプトBS皮下注25mgシリンジ0.5mL「MA」とEnbrelⓇ皮下注25mgシリンジ0.5mL(韓国で承認されたエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤)をクロスオーバー法により健康成人男子43名に絶食単回皮下投与して血清中薬物濃度を測定した。薬物動態パラメータ(Cmax、AUClast及びAUCinf)の常用対数変換した値について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、80~125%の範囲内であり、両剤の同等性が確認された。両剤の血清中薬物濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す4)。

図1 エタネルセプトBS皮下注25mgシリンジ0.5mL「MA」及びEnbrelⓇ皮下注25mgシリンジ0.5mL単回投与後の血清中薬物濃度推移

Cmax
(µg/mL)
AUClast
(µg・hr/mL)
AUCinf
(µg・hr/mL)
エタネルセプトBS皮下注
25mgシリンジ0.5mL「MA」
1.77
±1.04
345.86
±172.82
365.45
±171.89
EnbrelⓇ皮下注
25mgシリンジ0.5mL
1.71
±1.00
348.14
±154.46
370.41
±151.95

(Mean±S.D.,n=43)

  • 〈エンブレルⓇ〉
  1. 16.1.2単回投与(エンブレルⓇ皮下注用25mg)

  2. (1)日本人における成績

8名の日本人健康成人男子に、エタネルセプト10mg、25mg及び50mgを単回皮下投与したときの血清中薬物濃度推移及び薬物動態パラメータを図2及び表2に示す。

図2 エタネルセプト単回投与後の血清中薬物濃度推移

AUC0-480
(µg・hr/mL)
AUC0-∞
(µg・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
CL/F
(mL/hr)
t1/2
(hr)
10mg
S.C.
76.5
±33.4
78.6
±33.7
474
±230
43.5
±19.2
153.1
±73.5
87.6
±18.1
25mg
S.C.
222.3
±91.9
227.3
±91.9
1415
±761
52.5
±16.9
134.5
±78.1
86.3
±22.5
50mg
S.C.
412.0
±95.7
419.6
±98.7
2668
±684
49.5
±16.3
125.0
±28.6
77.9
±10.3

平均値±標準偏差

8名の健康成人男子に、50mgを単回皮下投与したときの結果から、エタネルセプトの薬物動態は良好な線形性を示した5)。

  1. (2)外国人における成績

米国の健康成人に、エタネルセプト10mg、25mg又は50mgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは表3の通りで、日本人健康成人の値とほぼ同様であった6),7)。

n AUC0-480
(µg・hr/mL)
AUC0-∞
(µg・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
CL/F
(mL/hr)
t1/2
(hr)
10mg
S.C.
6 79.0
±24.4
81.7
±24.6
425
±205
66
±22
132
±41
92
±8
25mg
S.C.
26 241.7
±76.0
245.2
±76.6
1650
±660
49
±17
113.8
±42
72.1
±13.6
50mg
S.C.
28 460
±179
502
±196
3440
±1920
48
±21
118
±52
78.0
±17.4

平均値±標準偏差

米国の健康成人33名を対象に実施した生物学的同等性試験8)の結果、エンブレルⓇ皮下注25mgシリンジ0.5mLは、調製したエンブレルⓇ皮下注用25mg(凍結乾燥製剤)と生物学的に同等であることが確認された(外国人データ)。

  1. 16.1.3反復投与(エンブレルⓇ皮下注用25mg)

  2. (1)週2回投与

日本人関節リウマチ患者99名に10mg又は25mgのエタネルセプトを1週間に2回12週間皮下投与したときの平均血清中エタネルセプト濃度(トラフ値)は、投与開始1ヵ月後には定常状態に達し、以後ほぼ一定の濃度を維持していた。また、52週間投与したときの血清中濃度も12週間投与時と同様であり、長期投与による薬物動態への影響はみられなかった。

  1. (2)週1回投与

日本人関節リウマチ患者に50mgのエタネルセプトを1週間に1回皮下投与したときのエタネルセプトの曝露量は、25mgのエタネルセプトを1週間に2回皮下投与したときと同様であり、また、25mgのエタネルセプトを1週間に1回皮下投与したときのエタネルセプトの曝露量は、10mgのエタネルセプトを1週間に2回皮下投与したときとほぼ同様であった9)。

16.4 代謝

  • 〈エンブレルⓇ〉

エタネルセプトがTNFに結合すると、複合体はアミノ酸の再循環又は胆汁及び尿への排泄のいずれかによってペプチド経路及びアミノ酸経路を通じて代謝されると推察される。

16.5 排泄

  • 〈エンブレルⓇ〉

エタネルセプトを単回皮下投与した場合、エタネルセプトの尿中への排泄はほとんど認められなかった。