Clinical snapshot

エキシデンサー皮下注100mgペン

デペモキマブ(遺伝子組換え)

添付文書改訂 2026年04月01日

【警告】

本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)

  • 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)

用法・用量

  • 〈気管支喘息〉

通常、成人及び12歳以上の小児にはデペモキマブ(遺伝子組換え)として1回100mgを26週間ごとに皮下注射する。

  • 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉

通常、成人にはデペモキマブ(遺伝子組換え)として1回100mgを26週間ごとに皮下注射する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤はヒトインターロイキン-5(IL-5)と結合し、IL-5の機能を阻害することにより血中好酸球数を減少させる。好酸球は一部の寄生虫(蠕虫)感染に対する免疫応答に関与している可能性がある。患者が本剤投与中に蠕虫類に感染し、抗蠕虫薬による治療が無効な場合には、本剤投与の一時中止を考慮すること。

  2. 8.2長期ステロイド療法を受けている患者において、本剤投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。

  3. 8.3本剤の投与期間中に喘息に関連した事象及び喘息の悪化があらわれることがある。本剤の投与開始後に喘息症状がコントロール不良であったり、悪化した場合には、医師の診察を受けるよう患者に指導すること。

  4. 8.4本剤の投与によって合併する他の好酸球関連疾患の症状が変化する可能性があり、当該好酸球関連疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤の投与中止後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併する好酸球関連疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、それらの疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1蠕虫類に感染している患者

本剤投与開始前に蠕虫感染を治療すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はIgG1モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はIgG1モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。

9.7 小児等

  • 〈気管支喘息〉

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に、生理機能が低下している。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒) 頻度不明
そう痒症 1%未満
局所注射部位反応(疼痛 頻度不明
注射に伴う全身反応(頭痛 1%未満
疲労 1%未満
発疹) 1%未満
紅斑 頻度不明
腫脹 頻度不明
過敏症反応(全身性アレルギー) 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

デペモキマブは長時間作用型の遺伝子組換えヒト化IgG1抗体であり、IL-5に対して特異的に結合し(解離定数:10.5pM)、IL-5受容体α鎖へのIL-5結合を阻害する3)。IL-5は、気管支喘息及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎等の病態において重要な役割を担う2型炎症反応に関わる主要なサイトカインであり、好酸球の増殖、分化、生存及び活性化等に関与している4)。

18.2 好酸球に対する作用

カニクイザルへの単回静脈内投与により、血中好酸球数は減少し、その作用は22週間持続した5)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1気管支喘息患者

喘息患者に本剤100mgを26週間ごとに52週間皮下投与した時の血漿中デペモキマブ濃度推移を図1に、定常状態における薬物動態パラメータを表1に示す(母集団薬物動態解析)。

図1 本剤100mgを26週間ごとに皮下投与した時の血漿中デペモキマブ濃度推移(日本人23~41例)線形スケール(平均値±標準偏差)

薬物動態パラメータ Cmax注1)
(μg/mL)
AUCtau,ss
(μg・day/mL)
Tmax注1), 注2)
(day)
t1/2
(day)
日本人
(41例)
17.66
(28.51)
1412
(28.81)
12.25
(9.250-17.75)
50.63
(7.139)
全体集団
(494例)
13.63
(27.69)
1081
(27.75)
13.50
(8.500-21.75)
48.55
(9.645)

幾何平均値(%変動係数) 注1)2回目投与時 注2)中央値(範囲)

青年期(12~17歳)の喘息患者に本剤100mgを26週間ごとに52週間皮下投与した時の定常状態における薬物動態パラメータを表2に示す(母集団薬物動態解析、外国人データ)。

薬物動態パラメータ Cmax注1)
(μg/mL)
AUCtau,ss
(μg・day/mL)
Tmax注1), 注2)
(day)
t1/2
(day)
12-17歳
(15例)
14.58
(30.44)
1051
(31.18)
11.00
(9.250-12.25)
44.73
(8.578)

幾何平均値(%変動係数) 注1)2回目投与時 注2)中央値(範囲)

  1. 16.1.2鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者

鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者に本剤100mgを26週間ごとに52週間皮下投与した時の定常状態における薬物動態パラメータを表3に示す(母集団薬物動態解析)。

薬物動態パラメータ Cmax注1)
(μg/mL)
AUCtau,ss
(μg・day/mL)
Tmax注1), 注2)
(day)
t1/2
(day)
日本人
(29例)
14.83
(21.60)
1114
(21.94)
12.50
(9.750-17.25)
45.61
(8.401)
全体集団
(272例)
12.46
(27.32)
950.3
(26.57)
13.50
(8.750-22.50)
45.75
(9.529)

幾何平均値(%変動係数) 注1)2回目投与時 注2)中央値(範囲)

16.4 代謝

デペモキマブはヒト化IgG1モノクローナル抗体であり、体内に広く分布する蛋白質分解酵素で分解されると推定される。