肺動脈性肺高血圧症
エアウィン皮下注用45mg
ソタテルセプト(遺伝子組換え)製剤
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2本剤の投与開始前の血小板数が50,000/mm3未満の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはソタテルセプト(遺伝子組換え)として初回に0.3mg/kgを投与し、2回目以降は0.7mg/kgに増量し、3週間ごとに皮下投与する。
使用上の注意
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8.1本剤投与によるヘモグロビン増加及び血小板減少症が認められている。本剤投与中は、定期的にヘモグロビン値及び血小板数を確認し、患者の状態をモニタリングすること。
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8.2肺血行動態の明らかな悪化が認められていないにもかかわらず、原因不明の低酸素症の発現や悪化が認められた場合には、肺内右左シャントの可能性も考慮し、コントラスト心エコー検査等による原因精査を考慮する等、適切に対応すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1赤血球増加症の患者
血栓塞栓症又は過粘稠度症候群の発現リスクが高まるおそれがある。
- 9.1.2出血傾向並びにその素因のある患者[血小板凝集抑制作用を有する薬剤若しくは抗凝固薬を投与している患者又は血小板数が低値の患者(投与開始前の血小板数が50,000/mm3未満の患者を除く)]
出血のリスクが高まるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。生殖可能な年齢の患者には、本剤投与による受胎能への潜在的リスクについて説明すること。動物実験において、雌ラットでは、ヒトの9倍以上の曝露量で妊娠率が低下し、着床前後の胚損失率の増加及び同腹児数の減少がみられた。また、21倍の曝露量では、性周期の延長がみられた。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。本剤を投与する場合は、胎児への潜在的リスクについて説明すること。動物実験において、妊娠ラット及びウサギにそれぞれヒトの4倍及び0.6倍以上の曝露量に相当する用量で投与したとき、胎児体重の減少、骨化遅延、並びに吸収胚数及び着床後胚損失率の増加がみられた。ラットでは、15倍の曝露量で、胎児に骨格変異(過剰肋骨数の増加及び胸椎又は腰椎数の変化)の増加が認められた。
9.6 授乳婦
本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間は授乳を避けさせること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトの2倍以上の曝露量に相当する用量で授乳期間中に母ラットにソタテルセプトを投与したとき、授乳中の児において体重減少及び性成熟の遅延がみられたことから、本剤の乳汁移行が示唆されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。幼若ラットを用いた反復投与試験において、成熟ラットと比較してソタテルセプトの毒性の増強が生後7~91日に認められたことから、本剤投与により小児における臓器発達(副腎、腎臓及び雄性生殖器)に影響が認められる可能性がある。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 下痢 | 頻度不明 |
| 心膜液貯留 | 頻度不明 |
| 手掌紅斑 | 頻度不明 |
| 斑状皮疹 | 頻度不明 |
| 毛細血管拡張症 | 頻度不明 |
| 注射部位疼痛 | 頻度不明 |
| 注射部位発疹 | 頻度不明 |
| 注射部位紅斑 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 眼瞼紅斑 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 紅斑性皮疹 | 頻度不明 |
| 肺内右左シャント | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
| 鼻出血 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ソタテルセプトはヒトアクチビン受容体IIA型(ActRIIA)の細胞外ドメインとヒトIgG1のFc領域を結合した遺伝子組換え融合タンパク質であり、アクチビンA及びその他のTGF-βスーパーファミリーリガンドと結合するアクチビンシグナル伝達阻害剤である。ソタテルセプトは増殖促進性(ActRIIA/Smad2/3)シグナルの伝達を阻害し、増殖促進性(ActRIIA/Smad2/3)及び増殖抑制性(BMPR2/Smad1/5/8)のシグナル伝達のバランスを改善することで、肺血管平滑筋細胞の増殖を抑制する。
18.2 肺動脈性肺高血圧症モデルでの作用
ソタテルセプトの相同分子は、肺動脈性肺高血圧症モデルラットの肺における炎症を抑制し、血管病変での内皮及び平滑筋細胞の増殖を阻害する。それら細胞に対する作用により、血管壁厚の減少、右室のリモデリングの軽減、並びに血行動態の改善が認められた5)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
国内第Ⅰ相試験(019試験)で日本人健康被験者にソタテルセプト0.3又は0.7mg/kgを単回皮下投与した際の平均血清中濃度推移を図に、薬物動態パラメータを表1に示す。血清中のソタテルセプトは投与後4日(中央値)で最高濃度に到達し、19.2~21.5日(幾何平均)の半減期で消失した1)。
図 ソタテルセプトを単回皮下投与した際の平均血清中濃度推移†Day 19で1例中止したため0.3mg/kg投与群の28日以降は9例
| 用量 (mg/kg) |
AUC0-inf注5) (μg・day/mL) |
Cmax注5) (μg/mL) |
Tmax注6) (day) |
t1/2注7) (day) |
CL/F 注7) (mL/day/kg) |
Vz/F 注7) (mL/kg) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0.3 | 74.1 注8) (62.6, 87.6) |
2.15 (1.81, 2.56) |
4.00 (2.00-7.00) |
21.5 注8) (21.7) |
4.05 注8) (22.0) |
126 注8) (32.6) |
| 0.7 | 171 (146, 201) |
5.15 (4.33, 6.13) |
4.00 (2.00-7.00) |
19.2 (19.3) |
4.09 (26.1) |
113 (18.6) |
| 各用量10例 注5)最小二乗平均に基づく幾何平均(95%信頼区間) 注6)中央値(範囲) 注7)幾何平均(幾何平均に基づく変動係数%) 注8)Day 19で1例中止したため9例に基づくデータ |
- 16.1.2反復投与
母集団薬物動態解析において、ソタテルセプトのAUC及びCmaxは用量比に応じて増加し、3週間1回投与では約15週後に定常状態に到達し、AUCに基づく累積係数は約2.2であった。また、国内第Ⅲ相試験(020試験)において、日本人肺動脈性肺高血圧症患者にソタテルセプト0.7mg/kgを3週間1回皮下投与した際の薬物動態パラメータを表2に示す2)。
| 用量 (mg/kg) |
AUC0-21day (μg・day/mL) |
Cmax (μg/mL) |
Cmin (μg/mL) |
|---|---|---|---|
| 0.7 | 155(30.6) | 8.94(25.6) | 5.31(41.4) |
| 46例、幾何平均(幾何平均に基づく変動係数%) |
16.2 吸収
母集団薬物動態解析により、ソタテルセプト皮下投与時の絶対的バイオアベイラビリティは約66%と推定された。
16.3 分布
母集団薬物動態解析により推定されたソタテルセプトの中央コンパートメントの分布容積は約3.6L(変動係数:24.7%)、末梢コンパートメントの分布容積は約1.7L(変動係数:73.3%)であった。
16.4 代謝
ソタテルセプトは一般的なタンパク分解過程により異化される。
16.5 排泄
母集団薬物動態解析により推定されたソタテルセプトのクリアランスは0.18L/day(変動係数:28.3%)、消失半減期の平均値は約21日(変動係数:33.8%)であった。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎障害患者
母集団薬物動態解析の結果、軽度及び中等度腎機能障害(eGFR:30~89mL/min/1.73m2)を有する肺動脈性肺高血圧症患者の定常状態におけるソタテルセプトのAUCは、正常な腎機能(eGFR:90mL/min/1.73m2以上)を有する患者と同程度であると予測された。 重度腎機能障害(eGFR:30mL/min/1.73m2未満)を有する肺動脈性肺高血圧症患者における臨床試験は実施していないが、末期腎障害者と正常な腎機能を有する健康被験者のソタテルセプトの薬物動態は同様であった。また、ソタテルセプトは血液透析により除去されない(外国人データ)。
- 16.6.2肝障害患者
Child-Pugh分類A~Cの肝機能障害を有する肺動脈性肺高血圧症患者における臨床試験は実施していない。ソタテルセプトは細胞内での異化作用により代謝され、その代謝は肝障害の影響を受けないと考えられる。
- 16.6.3年齢、性別、人種
母集団薬物動態解析の結果、ソタテルセプトの薬物動態に年齢(18~81歳)、性別及び人種による臨床的に意味のある影響は認められなかった。
- 16.6.4体重
母集団薬物動態解析の結果、体重の増加によりソタテルセプトのクリアランス及び分布容積は増加したが、体重に基づく本剤の用法及び用量により、体重によらず同程度の曝露量が得られる。