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イーケプラドライシロップ50%

レベチラセタムドライシロップ

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はピロリドン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)

  • 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法

用法・用量

  • 〈部分発作(二次性全般化発作を含む)〉

成人:通常、成人にはレベチラセタムとして1日1000mg(ドライシロップとして2g)を1日2回に分けて用時溶解して経口投与する。なお、症状により1日3000mg(ドライシロップとして6g)を超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として1000mg(ドライシロップとして2g)以下ずつ行うこと。

小児(生後6ヵ月以上):通常、生後6ヵ月以上の小児にはレベチラセタムとして1日20mg/kg(ドライシロップとして40mg/kg)を1日2回に分けて用時溶解して経口投与する。なお、症状により1日60mg/kg(ドライシロップとして120mg/kg)を超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として20mg/kg(ドライシロップとして40mg/kg)以下ずつ行うこと。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。

小児(生後1ヵ月以上6ヵ月未満):通常、生後1ヵ月以上6ヵ月未満の小児にはレベチラセタムとして1日14mg/kg(ドライシロップとして28mg/kg)を1日2回に分けて用時溶解して経口投与する。なお、症状により1日42mg/kg(ドライシロップとして84mg/kg)を超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として14mg/kg(ドライシロップとして28mg/kg)以下ずつ行うこと。

  • 〈強直間代発作〉

成人:通常、成人にはレベチラセタムとして1日1000mg(ドライシロップとして2g)を1日2回に分けて用時溶解して経口投与する。なお、症状により1日3000mg(ドライシロップとして6g)を超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として1000mg(ドライシロップとして2g)以下ずつ行うこと。

小児(4歳以上):通常、4歳以上の小児にはレベチラセタムとして1日20mg/kg(ドライシロップとして40mg/kg)を1日2回に分けて用時溶解して経口投与する。なお、症状により1日60mg/kg(ドライシロップとして120mg/kg)を超えない範囲で適宜増減するが、増量は2週間以上の間隔をあけて1日用量として20mg/kg(ドライシロップとして40mg/kg)以下ずつ行うこと。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。

使用上の注意

  1. 8.1連用中における投与量の急激な減量ないし投与中止により、てんかん発作の増悪又はてんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、少なくとも2週間以上かけて徐々に減量するなど慎重に行うこと。

  2. **8.2眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある。自動車の運転等危険を伴う機械操作の適否は、関連学会の留意事項1)を十分理解の上、医師が慎重に判断し、危険を伴う機械操作を行う場合には十分な注意が必要であることを適切に患者に指導すること。また、眠気等があらわれた場合には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、患者に指導すること。

  3. 8.3易刺激性、錯乱、焦燥、興奮、攻撃性等の精神症状があらわれ、自殺企図に至ることもあるので、本剤投与中は患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。

  4. 8.4患者及びその家族等に攻撃性、自殺企図等の精神症状発現の可能性について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1フェニルケトン尿症の患者

本剤は1g中30mgのアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有するため、フェニルケトン尿症の症状を増悪させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎機能障害のある患者

  2. 9.2.2血液透析を受けている末期腎機能障害のある患者

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C)

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、以下のようなリスクを考慮し治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  • ヒトにおいて、妊娠中にレベチラセタムの血中濃度が低下したとの報告があり、第3トリメスター期間に多く、最大で妊娠前の60%となったとの報告がある。

  • ラットにおいて胎児移行性が認められている。

  • 動物実験において、ラットではヒトへの曝露量と同程度以上の曝露で骨格変異及び軽度の骨格異常の増加、成長遅延、児の死亡率増加が認められ、ウサギでは、ヒトへの曝露量の4~5倍の曝露で胚致死、骨格異常の増加及び奇形の増加が認められている。

  1. 9.5.2*本剤を投与した妊婦から出生した児において、新生児薬物離脱症候群があらわれることがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。 ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は国内・海外ともに実施していない。

9.8 高齢者

クレアチニンクリアランス値を参考に投与量、投与間隔を調節するなど慎重に投与すること。高齢者では腎機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALP増加 頻度不明
インフルエンザ 頻度不明
ざ瘡 頻度不明
ジスキネジー 1%未満
そう痒症 頻度不明
てんかん増悪 頻度不明
パニック発作 1%未満
上気道の炎症 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 1%未満
不眠症 頻度不明
事故による外傷(皮膚裂傷等) 頻度不明
人格障害 頻度不明
体位性めまい 1%未満
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
健忘 1%未満
傾眠(27.9%) 頻度不明
協調運動異常 1%未満
単純ヘルペス 1%未満
口内炎 頻度不明
口唇炎 1%未満
咳嗽 頻度不明
咽喉頭疼痛 頻度不明
咽頭炎 頻度不明
嗜眠 頻度不明
嘔吐 頻度不明
四肢痛 1%未満
回転性めまい 1%未満
多形紅斑 頻度不明
好中球数減少 頻度不明
尿中ブドウ糖陽性 頻度不明
尿中蛋白陽性 頻度不明
尿中血陽性 頻度不明
帯状疱疹 1%未満
平衡障害 1%未満
幻覚 1%未満
強迫性障害 頻度不明
心電図QT延長 1%未満
怒り 1%未満
思考異常 1%未満
悪心 頻度不明
感情不安定 1%未満
感覚鈍麻 頻度不明
抑うつ 頻度不明
抗痙攣剤濃度増加 1%未満
振戦 頻度不明
敵意 頻度不明
易刺激性 頻度不明
月経困難症 頻度不明
末梢性浮腫 1%未満
歯周炎 1%未満
歯痛 頻度不明
歯肉炎 頻度不明
歯肉腫脹 1%未満
気分動揺 頻度不明
気分変動 頻度不明
気管支炎 頻度不明
注意力障害 1%未満
浮動性めまい(10.4%) 頻度不明
消化不良 1%未満
湿疹 頻度不明
激越 1%未満
無力症 1%未満
異常行動 1%未満
疲労 1%未満
痔核 頻度不明
痙攣 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白癬感染 1%未満
白血球数増加 頻度不明
白血球数減少 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
眼そう痒症 1%未満
眼精疲労 1%未満
睡眠障害 1%未満
神経過敏 頻度不明
筋力低下 1%未満
筋肉痛 頻度不明
筋骨格硬直 頻度不明
精神病性障害 1%未満
精神運動亢進 頻度不明
結膜炎 頻度不明
緊張性頭痛 1%未満
耳鳴 頻度不明
肝機能異常 1%未満
肩痛 頻度不明
肺炎 1%未満
胃不快感 頻度不明
胃腸炎 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱毛症 1%未満
腹痛 頻度不明
膀胱炎 頻度不明
舞踏アテトーゼ運動 頻度不明
血中トリグリセリド増加 頻度不明
血中鉄減少 頻度不明
血小板数減少 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
複視 頻度不明
記憶障害 1%未満
譫妄 1%未満
貧血 頻度不明
運動過多 1%未満
鉄欠乏性貧血 頻度不明
錯乱状態 頻度不明
錯感覚 1%未満
関節痛 頻度不明
霧視 1%未満
頭痛(11.8%) 頻度不明
頸部痛 1%未満
頻尿 1%未満
食欲不振 頻度不明
高血圧 1%未満
麦粒腫 1%未満
鼻出血 1%未満
鼻咽頭炎(30.2%) 頻度不明
鼻漏 頻度不明
鼻炎 頻度不明
齲歯 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

レベチラセタムは、各種受容体及び主要なイオンチャネルとは結合しないが34)、神経終末のシナプス小胞たん白質2A(SV2A)との結合34),35)、N型Ca2+チャネル阻害36)、細胞内Ca2+の遊離抑制37)、GABA及びグリシン作動性電流に対するアロステリック阻害の抑制38)、神経細胞間の過剰な同期化の抑制39)などが確認されている。SV2Aに対する結合親和性と各種てんかん動物モデルにおける発作抑制作用との間には相関が認められることから、レベチラセタムとSV2Aの結合が、発作抑制作用に寄与しているものと考えられる40)。

18.2 てんかん発作に対する作用

古典的スクリーニングモデルである最大電撃けいれんモデル及び最大ペンチレンテトラゾール誘発けいれんモデルなどでは、けいれん抑制作用を示さなかった41)が、角膜電気刺激キンドリングマウス41)、ペンチレンテトラゾールキンドリングマウス41)、ピロカルピン又はカイニン酸を投与のラット41)、ストラスブール遺伝性欠神てんかんラット(GAERS)42)、聴原性発作マウス43)などの部分発作、全般発作を反映したてんかん動物モデルにおいて、発作抑制作用を示した。

18.3 抗てんかん原性作用

扁桃核電気刺激キンドリングラットにおいて、キンドリング形成を抑制した44)。

18.4 中枢神経に対するその他の作用

ラットのMorris水迷路試験において認知機能に影響を及ぼさず45)、ローターロッド試験では運動機能に影響を及ぼさなかった41)。また、中大脳動脈結紮ラットにおいて神経細胞保護作用を示した46)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1成人

  2. (1)単回投与

健康成人にレベチラセタム250、500、1000、1500、2000、3000、4000注1)、5000mg注1)(各投与量6例)を空腹時に単回経口投与したとき、すべての投与量でレベチラセタムの血漿中濃度は投与後ほぼ1時間に最高値を示し、消失半減期(t1/2)は投与量にかかわらず7~9時間であった3)。

投与量
(mg)
Cmax
(μg/mL)
tmax
(h)
AUC0-48h
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
250 6.9±1.3 1.0±0.6 56.7±6.2 6.9±0.9
500 16.4±4.8 1.0±0.6 148.7±18.4 7.9±1.0
1000 29.7±9.3 0.8±0.6 288.9±34.0 7.9±1.0
1500 40.8±7.2 0.8±0.3 458.1±50.9 8.1±0.4
2000 53.3±8.3 0.8±0.6 574.6±71.4 8.0±0.8
3000 82.9±7.4 0.6±0.2 925.2±102.1 7.8±0.8
4000注1) 114.1±11.0 0.9±0.6 1248.2±152.4 8.6±1.0
5000注1) 115.1±14.3 1.0±0.6 1363.3±151.9 8.1±0.7

各投与量6例、平均値±SD

Cmax:最高血中濃度 tmax:最高血中濃度到達時間

AUC:血中薬物濃度-時間曲線下面積 t1/2:消失半減期

注1)国内で承認された本剤の1日最高投与量は3000mgである。

  1. (2)反復投与

健康成人にレベチラセタムとして1回1000mg又は1500mg(各投与量6例)を1日2回7日間投与したとき、投与1日目(初回投与時)と7日目(最終回投与時)の血漿中濃度は共に投与後約2~3時間にCmaxを示し、その後約8時間の消失半減期で低下した。また、血漿中濃度は投与3日目には定常状態に達すると推測された4)。

薬物動態パラメータ 2000mg/日(N=6) 3000mg/日(N=6)
初回投与時 最終回投与時 初回投与時 最終回投与時
Cmax(μg/mL) 24.1±3.0 36.3±5.7 33.3±3.6 52.0±4.6
tmax(h) 2.2±1.2 2.8±1.0 2.2±0.8 2.5±1.0
AUC0-12h(μg・h/mL) 191.3±26.7 318.3±63.2 253.7±30.3 445.6±56.9
t1/2(h) 8.0±1.4 8.3±0.9 7.5±0.7 7.7±0.4

平均値±SD

  1. (3)点滴静脈内投与と経口投与の比較

健康成人25例にレベチラセタム1500mgを15分間点滴静脈内投与又は経口投与したとき、レベチラセタムの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。経口投与時と比較して、点滴静脈内投与時のCmaxは約1.6倍高く、AUC及びt1/2は類似していた。なお、レベチラセタム経口投与時の生物学的利用率は約100%であった5)。

薬物動態パラメータ 点滴静脈内投与
(N=25)
経口投与
(N=25)
幾何平均比注2)
(90%信頼区間)
Cmax(μg/mL) 97.0[27.6] 58.9[37.0] 1.64(1.47-1.83)
AUC0-t(μg・h/mL) 472.3[15.4] 487.4[15.9] 0.97(0.95-0.99)
tmax(h) 0.25(0.17-0.27) 0.75(0.50-3.00)
t1/2(h) 7.11[11.7] 7.23[12.7]

幾何平均値[CV(%)]、tmaxは中央値(最小値-最大値)

注2)点滴静脈内投与/経口投与

  1. 16.1.2小児

生後1ヵ月以上4歳未満及び6~12歳の小児てんかん患者にレベチラセタムとして20mg/kgを単回経口投与したときの血漿中レベチラセタムの薬物動態パラメータは以下のとおりであった6),7)(外国人データ)。

薬物動態
パラメータ
生後1ヵ月以上
6ヵ月未満
(N=3)
生後6ヵ月以上
2歳未満
(N=6)
2歳以上
4歳未満
(N=3)
6~12歳
(N=24)
Cmax(μg/mL) 37.1±7.5 28.8±6.4 30.6±4.1 25.8±8.6
tmax(h) 1.0
(1.0-2.1)
1.0
(1.0-4.0)
1.0
(1.0-1.2)
2.3±1.2
AUC(μg・h/mL) 283±61 237±94 234±48 226±64
t1/2(h) 5.4±0.5 5.3±1.7 5.2±1.6 6.0±1.1

平均値±SD、4歳未満のtmaxは中央値(最小値-最大値)

AUCは、4歳未満ではAUC0-∞、6歳以上ではAUC0-24h

6歳以上のt1/2は、23例

  1. 16.1.3母集団薬物動態解析

成人:日本人及び外国人の健康成人及びてんかん患者(クレアチニンクリアランス:49.2~256.8mL/min)から得られた血漿中レベチラセタム濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を行った。その結果、見かけの全身クリアランス(CL/F)に対して、体重、性別、CLCR及び併用抗てんかん薬、見かけの分布容積(V/F)に対して体重、併用抗てんかん薬及び被験者の健康状態(健康成人又はてんかん患者)が統計学的に有意な因子として推定された8)。

小児:小児(4~16歳)及び成人(16~55歳)のてんかん患者から得られた血漿中レベチラセタム濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を行った。その結果、CL/Fに対して体重及び併用抗てんかん薬、V/Fに対して体重が統計学的に有意かつ臨床的に意味のある因子として推定された。小児及び成人てんかん患者の血漿中薬物濃度をシミュレーションした結果、小児てんかん患者に10~30mg/kgを1日2回投与した際の血漿中薬物濃度は、成人てんかん患者に500~1500mg 1日2回投与した際と同様と予測された9)。

生後1ヵ月~16歳の外国人てんかん患者から得られた血漿中レベチラセタム濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を行った。その結果、CL/Fに対して体重、併用抗てんかん薬及び年齢に基づく腎機能成熟度、V/Fに対して体重及び年齢が統計学的に有意な因子として推定された。

生後1ヵ月以上18歳未満のてんかん患者から得られた血漿中レベチラセタム濃度データを用いて、母集団薬物動態モデルに基づき生後1ヵ月以上4歳未満及び4歳以上18歳未満の小児てんかん患者の薬物動態パラメータの推定値は以下のとおりであった10)。

薬物動態
パラメータ
生後1ヵ月以上6ヵ月未満
(N=7)
生後6ヵ月以上4歳未満
(N=31)
4歳以上18歳未満
(N=84)
Cmax(μg/mL) 16.0
(15.0-17.6)
18.2
(14.7-25.1)
19.3
(15.7-29.2)
AUCtau,ss(μg・h/mL) 101.0
(88.5-123.5)
118.5
(80.0-218.0)
141.5
(108.0-264.0)

中央値(最小値-最大値) 本剤の1回投与量を生後6ヵ月未満は7mg/kg、生後6ヵ月以上体重50kg未満は10mg/kg、体重50kg以上は500mgとした場合の推定値

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人12例に、レベチラセタム1500mgを空腹時又は食後に単回経口投与したとき、空腹時と比べて、食後投与時ではtmaxが約1.3時間延長し、Cmaxは30%低下したが、AUCは同等であった11)。

16.3 分布

日本人てんかん患者の見かけの分布容積は、母集団薬物動態解析の結果9)、0.64L/kgと推定され、体内総水分量に近い値となった。外国人健康成人17例を対象にレベチラセタム1500mgを単回静脈内投与したとき12)、分布容積の平均値は41.1L(0.56L/kg)であり、体内総水分量に近い値であった。 in vitro及びex vivo試験13)の結果、レベチラセタム及び主代謝物であるucb L057の血漿たん白結合率は、10%未満である。

16.4 代謝

レベチラセタムは、肝チトクロームP450系代謝酵素では代謝されない。主要な代謝経路はアセトアミド基の酵素的加水分解であり、これにより生成されるのは主代謝物のucb L057(カルボキシル体)である。なお、本代謝物に薬理学的活性はない。 in vitro試験において、レベチラセタム及びucb L057はCYP(3A3/4、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1及び1A2)、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1及びUGT1A6)及びエポキシドヒドロラーゼに対して阻害作用を示さなかった。また、バルプロ酸ナトリウムのグルクロン酸抱合にも影響を及ぼさなかった。

16.5 排泄

健康成人(各投与量6例)にレベチラセタム250~5000mg注3)を空腹時に単回経口投与したとき3)、投与48時間後までの投与量に対する尿中排泄率の平均値は、未変化体として56.3~65.3%、ucb L057として17.7~21.9%であった。 外国人健康成人男性4例に14C-レベチラセタム500mgを単回経口投与したとき13)、投与48時間後までに投与量の92.8%の放射能が尿中から、0.1%が糞中から回収された。投与48時間後までの投与量に対する尿中排泄率は、未変化体として65.9%、ucb L057として23.7%であった。 レベチラセタムの排泄には糸球体ろ過及び尿細管再吸収が、ucb L057には糸球体ろ過と能動的尿細管分泌が関与している。

注3)国内で承認された本剤の1日最高投与量は3000mgである。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能の程度の異なる成人被験者を対象に、レベチラセタムを単回経口投与したとき、見かけの全身クリアランスは腎機能正常者(CLCR:≥80mL/min/1.73m2)と比較して、軽度低下者(CLCR:50~<80mL/min/1.73m2)では40%、中等度低下者(CLCR:30~<50mL/min/1.73m2)で52%、重度低下者(CLCR:<30mL/min/1.73m2)で60%低下した。レベチラセタムとucb L057の腎クリアランスはクレアチニンクリアランスと有意に相関した14)。

薬物動態パラメータ 腎機能の程度
正常
(N=6)
軽度
(N=6)
中等度
(N=6)
重度
(N=6)
CLCR(mL/min/1.73m2) ≥80 50-<80 30-<50 <30
投与量 500mg 500mg 250mg 250mg
レベチラセタム
Cmax(μg/mL) 22.8±6.3 16.0±4.1 11.0±2.2 9.5±3.0
tmax(h) 0.5(0.5-2.0) 1.0(0.5-2.0) 0.5(0.5-1.0) 0.5(0.5-1.0)
AUC0-t(μg・h/mL) 167.9±27.9 250.5±41.0 171.2±27.8 215.3±41.0
t1/2(h) 7.6±0.5 12.7±1.4 15.7±2.6 20.3±5.5
CL/F(mL/min/1.73m2) 51.7±4.1 31.2±4.8 24.9±3.9 20.6±4.0
CLR(mL/min/1.73m2) 32.5±8.3 15.7±4.1 10.0±2.4 6.6±2.7
ucb L057
Cmax(μg/mL) 0.36±0.03 0.77±0.17 0.58±0.17 1.10±0.36
tmax(h) 5.0(2.0-8.0) 8.0(6.0-12.0) 12.0(8.0-12.0) 24.0(12.0-24.0)
AUC0-t(μg・h/mL) 5.9±0.6 24.0±7.6 20.7±10.0 66.5±45.8
t1/2(h) 12.4(11.3-15.3) 19.0(17.3-19.9) 20.3(19.7-23.6) 26.8(17.2-33.3)
CLR(mL/min/1.73m2) 251.4±35.8 111.8±43.9 88.8±44.1 31.3±11.6

平均値±SD、tmax及びucb L057のt1/2は中央値(最小値-最大値)

CL/F:見かけの全身クリアランス CLR:腎クリアランス

  1. 16.6.2血液透析を受けている末期腎機能障害患者

血液透析を受けている末期腎機能障害の成人被験者にレベチラセタム500mgを透析開始44時間前に単回経口投与したとき、レベチラセタムの非透析時の消失半減期は34.7時間であったが、透析中は2.3時間に短縮した。レベチラセタム及びucb L057の透析による除去効率は高く、81%及び87%であった14)。

薬物動態パラメータ レベチラセタム ucb L057
Cmax(μg/mL) 18.7±1.6 8.86±0.63
tmax(h) 0.7(0.4-1.0) 44.0(44.0-44.0)
t1/2(h) 34.7(29.2-38.6)
AUC0-44h(μg・h/mL) 464.6±49.6 231.0±18.0
CL/F(mL/min/1.73m2) 10.9(9.4-13.1)
ダイアライザーの除去効率(%) 81.3±5.8 86.9±5.9
血液透析中の消失半減期(h) 2.3(2.1-2.6) 2.1(1.9-2.6)
血液透析クリアランス(mL/min/1.73m2) 115.7±9.3 123.1±8.6

N=6、平均値±SD

tmax、t1/2、CL/F、血液透析中の消失半減期は中央値(最小値-最大値)

  1. 16.6.3肝機能障害患者

軽度及び中等度(Child-Pugh分類A及びB)の成人肝機能低下者にレベチラセタムを単回経口投与したとき、レベチラセタムの全身クリアランスに変化はみられなかった。重度(Child-Pugh分類C)の肝機能低下者では、全身クリアランスが健康成人の約50%となった15)(外国人データ)。

薬物動態パラメータ 健康成人
(N=5)
肝機能低下者
Child-Pugh
分類A
(N=5)
Child-Pugh
分類B
(N=6)
Child-Pugh
分類C
(N=5)
CLCR(mL/min/1.73m2)注4) 93.1±13.8 120.8±11.9 99.6±13.2 63.5±13.5
レベチラセタム
Cmax(μg/mL) 23.1±1.2 23.6±4.9 24.7±3.3 24.1±3.8
tmax(h) 0.8±0.3 0.6±0.2 0.5±0.0 1.6±1.5
AUC(μg・h/mL) 234±49 224±25 262±58 595±220
t1/2(h) 7.6±1.0 7.6±0.7 8.7±1.5 18.4±7.2
CL/F(mL/min/1.73m2) 63.4±9.7 62.5±8.7 55.4±10.5 29.2±13.5

平均値±SD

注4)レベチラセタム投与後の値

  1. 16.6.4高齢者

高齢者におけるレベチラセタムの薬物動態について、クレアチニンクリアランスが30~71mL/minの被験者16例(年齢61~88歳)を対象として評価した結果、高齢者では消失半減期が約40%延長し、10~11時間となった16)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1フェニトイン

フェニトインの単剤治療で十分にコントロールできない部分発作又は二次性全般化強直間代発作を有する成人てんかん患者6例を対象に、レベチラセタム3000mg/日を併用投与したとき、フェニトインの血清中濃度や薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。フェニトインもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった17)(外国人データ)。

  1. 16.7.2バルプロ酸ナトリウム

健康成人16例を対象に、バルプロ酸ナトリウムの定常状態下においてレベチラセタムを1500mg単回経口投与したとき、バルプロ酸ナトリウムはレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった。レベチラセタムもバルプロ酸ナトリウムの薬物動態に影響を及ぼさなかった18)(外国人データ)。

  1. 16.7.3経口避妊薬(エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの合剤)

健康成人女性18例を対象に、経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.03mg及びレボノルゲストレル0.15mgの合剤を1日1回)及びレベチラセタムを1回500mg1日2回21日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルの薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。各被験者の血中プロゲステロン及び黄体形成ホルモン濃度は低濃度で推移し、経口避妊薬の薬効に影響を及ぼさなかった。経口避妊薬は、レベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった19)(外国人データ)。

  1. 16.7.4ジゴキシン

健康成人11例を対象に、ジゴキシン(1回0.25mgを1日1回)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回7日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはジゴキシンの薬物動態パラメータに影響を及ぼさなかった。ジゴキシンもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった20)(外国人データ)。

  1. 16.7.5ワルファリン

プロトロンビン時間の国際標準比(INR)を目標値の範囲内に維持するよう、ワルファリンの投与を継続的に受けている健康成人26例を対象に、ワルファリン(2.5~7.5mg/日)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回7日間反復経口投与したとき、レベチラセタムはワルファリン濃度に影響を及ぼさず、プロトロンビン時間も影響を受けなかった。ワルファリンもレベチラセタムの薬物動態に影響を及ぼさなかった21)(外国人データ)。

  1. 16.7.6プロベネシド

健康成人23例を対象に、プロベネシド(1回500mgを1日4回)及びレベチラセタム1回1000mg1日2回4日間反復経口投与したとき、プロベネシドはレベチラセタムの薬物動態には影響を及ぼさなかったが、主代謝物ucb L057の腎クリアランスを61%低下させた22)(外国人データ)。

16.8 その他

  1. 16.8.1生物学的同等性

健康成人26例にレベチラセタム500mg(ドライシロップ50%を1g又は500mg錠を1錠)を空腹時単回投与したとき、レベチラセタムの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。ドライシロップ50%と500mg錠は生物学的に同等であることが確認された23)。

薬物動態パラメータ ドライシロップ
(N=26)
錠剤
(N=26)
製剤間の比較
幾何平均比注5)
(90%信頼区間)
Cmax(μg/mL) 20.9
[24.5]
19.6
[28.1]
1.0680
(0.9689, 1.1772)
AUC0-t(μg・h/mL) 149
[15.6]
151
[15.2]
0.9871
(0.9701, 1.0044)
tmax(h) 0.500
(0.233-1.50)
0.633
(0.250-2.00)

Cmax及びAUC0-tは幾何平均値[幾何CV(%)]

tmaxは中央値(最小値-最大値)

注5)ドライシロップ50%/500mg錠