血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制
イロクテイト静注用500
エフラロクトコグ アルファ(遺伝子組換え)
効能・効果
用法・用量
本剤を添付の溶解液全量で溶解し、数分かけて緩徐に静脈内に投与する。 通常、1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。 定期的に投与する場合、通常、1日目に体重1kg当たり25国際単位、4日目に体重1kg当たり50国際単位から開始し、以降は患者の状態に応じて、投与量は1回体重1kg当たり25~65国際単位、投与間隔は3~5日の範囲で適宜調節する。週1回の投与を行う場合は、体重1kg当たり65国際単位を投与する。
使用上の注意
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8.1本剤の投与は、血友病の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
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8.2患者の血中に血液凝固第VIII因子に対するインヒビターが発生するおそれがある。特に、血液凝固第VIII因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビターが発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
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8.3十分な血液凝固第VIII因子レベルに到達・維持していることを確認するため、必要に応じ、血漿中血液凝固第VIII因子レベルをモニタリングすること。
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8.4本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合にのみ適用すること。本剤を処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施したのち、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、患者又はその家族に対し、本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、自己注射後何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。適用後、自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1本剤の成分又は他の血液凝固第VIII因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。本剤はFc領域を有するため、胎盤を通過する可能性がある。また、動物実験(マウス)において胎盤通過が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
12歳未満の小児では、通常よりも高い投与量及び頻回の投与が必要となる可能性があるため、投与量及び投与頻度の調整について適宜検討すること。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ほてり | 1%未満 |
| 下腹部痛 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1%未満 |
| 冷感 | 1%未満 |
| 処置による低血圧 | 1%未満 |
| 味覚異常 | 1%未満 |
| 咳嗽 | 1%未満 |
| 徐脈 | 1%未満 |
| 浮動性めまい | 1%未満 |
| 熱感 | 1%未満 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 第VIII 因子抑制 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 1%未満 |
| 背部痛 | 1%未満 |
| 胸痛 | 1%未満 |
| 血管障害注1) | 1%未満 |
| 関節痛 | 1%未満 |
| 関節腫脹 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 高血圧 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤は、内在性血液凝固第VIII因子と類似の機能的特性を有しており、第VIII因子欠乏を一時的に補正し出血傾向を補正する。また、本剤に含まれるヒト免疫グロブリンG1のFc領域は、血液中の免疫グロブリンの再循環に関与するNeonatal Fc受容体と結合し、血液凝固第VIII因子活性の長時間の維持に寄与すると考えられる。
18.2 主な非臨床成績
血友病Aマウス(尾出血モデル)において、本剤の定期補充療法及び急性出血の補充療法に関する止血効果が認められている。また、血友病Aマウス及び血友病Aイヌにおいて、本剤の血漿中薬物動態と相関して血漿中第VIII因子活性の延長が認められている。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1成人(日本人及び外国人)
15歳以上の血友病A患者(内因性血液凝固第VIII因子活性が1%未満)を対象に、50国際単位/kgの本剤及びルリオクトコグ アルファを単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。本剤の平均消失半減期は、対照薬であるルリオクトコグ アルファと比較して1.53倍であった1) 。
| 薬物動態パラメータ 平均値(95%信頼区間)注2) |
本剤 | ルリオクトコグ アルファ | ルリオクトコグ アルファに対する本剤の比 |
|---|---|---|---|
| N=28 | N=28 | N=28 | |
| t1/2(時間) | 19.0 (17.0, 21.1) |
12.4 (11.1, 13.9) |
1.53 (1.36, 1.71) |
| CL(mL/時間/kg) | 1.95 (1.71, 2.22) |
3.04 (2.71, 3.41) |
0.64 (0.60, 0.69) |
| Vss(mL/kg) | 49.1 (46.6, 51.7) |
51.2 (47.2, 55.5) |
0.96 (0.90, 1.02) |
| 上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)] | 2.24 (2.11, 2.38) |
2.35 (2.21, 2.50) |
0.95 (0.91, 0.99) |
| Time 1%(日) | 4.918 (4.434, 5.455) |
3.298 (2.985, 3.645) |
1.49 (1.41, 1.57) |
| t1/2(消失相半減期)、CL(クリアランス)、Vss(定常状態分布容積)、Time 1%(FVIII活性がベースラインの1%以上を維持した期間) |
注2)凝固一段法による測定
また、日本人及び外国人に50国際単位/kgの本剤を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
| 薬物動態パラメータ 平均値(95%信頼区間)注3) |
日本人 | 外国人 |
|---|---|---|
| N=13注4) | N=28 | |
| t1/2(時間) | 19.04(15.70, 23.09) | 18.24(16.31, 20.40) |
| CL(mL/時間/kg) | 2.381(1.927, 2.942) | 2.065(1.797, 2.374) |
| Vss(mL/kg) | 64.27(61.54, 67.13) | 51.42(48.36, 54.67) |
| 上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)] | 1.6810 (1.5383, 1.8369) |
2.2156 (2.0773, 2.3631) |
注3)凝固一段法による測定
注4)本剤及び対照薬ルリオクトコグ アルファの薬物動態を検討した評価可能な日本人患者1例、本剤のみの薬物動態を検討した評価可能な日本人患者12例
- 16.1.2小児(外国人)
18歳未満の血友病A患者(内因性血液凝固第VIII因子活性が1%未満)を対象に、50国際単位/kgの本剤を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった1) 。
| 薬物動態パラメータ 平均値(95%信頼区間)注5) |
12歳未満を対象とした試験 | 12歳以上を対象とした試験 | |
|---|---|---|---|
| 6歳未満 (1-5歳) |
6-12歳未満 (6-11歳) |
12歳-18歳未満 (12-17歳) |
|
| N=23 | N=31 | N=11 | |
| t1/2(時間) | 12.3 (11.0, 13.7) |
13.5 (11.4, 15.8) |
16.0 (13.9, 18.5) |
| CL(mL/時間/kg) | 3.46 (3.06, 3.91) |
2.61 (2.26, 3.01) |
2.62 (2.33, 2.94) |
| Vss(mL/kg) | 57.9 (54.1, 62.0) |
49.5 (44.1, 55.6) |
59.4 (52.7, 67.0) |
| 上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)] | 1.90 (1.79, 2.02) |
2.30 (2.04, 2.59) |
1.81 (1.56, 2.09) |
注5)凝固一段法による測定