がん化学療法後に増悪した小細胞肺癌
【警告】
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1.1本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
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1.2重度のサイトカイン放出症候群及び神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群を含む)があらわれることがあり、サイトカイン放出症候群では死亡に至った例も報告されているので、本剤の投与にあたっては、以下の事項に注意すること。
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1.2.1特に治療初期は入院管理等の適切な体制下で本剤の投与を行うこと。
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1.2.2重度のサイトカイン放出症候群があらわれることがあるので、サイトカイン放出症候群に対する前投与薬の投与等の予防的措置を行うとともに、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するサイトカイン放出症候群管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと。
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1.2.3重度の神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群を含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供する免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはタルラタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に1mg、8日目に10mgを1回、1時間かけて点滴静注する。15日目以降は1回10mgを1時間かけて2週間間隔で点滴静注する。
使用上の注意
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8.1サイトカイン放出症候群及び免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群は投与初期に多く認められることから、少なくとも1日目及び8日目は、本剤投与開始から24時間は必ず入院管理とし、1日目投与24時間経過後及び15日目以降の投与後も患者の状態に応じて入院管理を検討すること。
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8.2サイトカイン放出症候群があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、以下の事項に注意すること。
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8.2.1サイトカイン放出症候群に対する前投与薬の投与等の予防的措置を行うこと。
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8.2.2本剤の投与中は発熱、低血圧、低酸素症、疲労、頻脈、頭痛、悪寒、悪心、嘔吐等について、観察を十分に行うこと。サイトカイン放出症候群が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
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8.2.3緊急時に備えてトシリズマブ(遺伝子組換え)を速やかに使用できるように準備しておくこと。
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8.3神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群を含む)があらわれることがあるので、本剤の投与中は、失語症、意識レベルの変化、認知能力の障害、筋力低下、運動失調、痙攣発作、脳浮腫等について、観察を十分に行うこと。また、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
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8.4神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群を含む)として意識レベルの変化、痙攣発作等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。
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8.5血球減少があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠マウスにおいて、静脈内投与したマウスサロゲート分子が胎盤関門を通過した。ヒト免疫グロブリンG(IgG)及びIgG由来結晶化フラグメント(Fc)ドメインを構成するタンパク質は、胎盤関門を通過することが知られている。本剤はT細胞の活性化及びサイトカイン放出を引き起こすことにより妊娠維持を妨げる可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 治療域の狭いCYP基質 カルバマゼピン、キニジン、シロリムス等 |
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤の初回投与から3回目の投与前までの間、及びサイトカイン放出症候群発現時から発現後の一定期間は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤の投与によりサイトカインが放出され、CYPが抑制されることにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加 | 5%以上 |
| AST増加 | 5%以上 |
| カンジダ感染 | 頻度不明 |
| トランスアミナーゼ上昇 | 頻度不明 |
| 下垂体機能低下症 | 頻度不明 |
| 中耳炎 | 頻度不明 |
| 低ナトリウム血症 | 5%以上 |
| 体重減少 | 5%以上 |
| 便秘 | 5%以上 |
| 副腎機能不全 | 頻度不明 |
| 味覚不全(24.4%) | 5%以上 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 悪心 | 5%以上 |
| 感染 | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 斑状丘疹状皮疹 | 頻度不明 |
| 注射部位発疹 | 頻度不明 |
| 無力症 | 5%以上 |
| 甲状腺機能低下症 | 頻度不明 |
| 疲労 | 5%以上 |
| 発熱(24.7%) | 5%以上 |
| 発疹 | 5%以上 |
| 神経毒性 | 頻度不明 |
| 肝機能異常 | 頻度不明 |
| 肝炎 | 頻度不明 |
| 肝酵素上昇 | 頻度不明 |
| 肺炎 | 頻度不明 |
| 胆汁うっ滞 | 頻度不明 |
| 膀胱炎 | 頻度不明 |
| 血中ビリルビン増加 | 頻度不明 |
| 血中甲状腺刺激ホルモン減少 | 頻度不明 |
| 譫妄 | 頻度不明 |
| 錯乱状態 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 5%以上 |
| 食欲減退(26.2%) | 5%以上 |
| 高トランスアミナーゼ血症 | 頻度不明 |
| 高ビリルビン血症 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
タルラタマブは、デルタ様リガンド3(DLL3)及びCD3に結合する遺伝子組換えタンパクである。タルラタマブは、T細胞の細胞膜上に発現するCD3と小細胞肺癌(SCLC)細胞の細胞膜上に発現するDLL3の両者に結合することによりT細胞を活性化し、DLL3を発現する腫瘍細胞を傷害すると考えられる。
18.2 抗腫瘍効果
タルラタマブは、ヒト末梢血単核球の存在下において、DLL3を発現するヒトSCLC由来細胞株(SHP-77等)に対して細胞傷害作用を示した(in vitro)。 タルラタマブは、SHP-77細胞株を静脈内移植し、ヒトT細胞を腹腔内移植したインターロイキン2受容体γ鎖が完全欠損した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)6),7),8),9),10),11)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与
白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法歴のある小細胞肺癌患者(日本人を含む)に、4週間を1サイクルとして、タルラタマブ0.003~1mgを2週間間隔で静脈内投与、又はタルラタマブを1日目に1mg、8日目に3~100mg、15日目以降は3~100mgを2週間間隔で静脈内投与した注)。評価した用量範囲において、血清中タルラタマブ濃度はおおむね用量比例的に増加した。タルラタマブを1日目に1mg、8日目に10mg、15日目以降は10mgを2週間間隔で静脈内投与したときの血清中濃度時間推移を図1に、サイクル2における薬物動態パラメータを表1に示す1)。 注):本剤の承認用法・用量は、下記のとおりである。 通常、成人にはタルラタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に1mg、8日目に10mgを1回、1時間かけて点滴静注する。15日目以降は1回10mgを1時間かけて2週間間隔で点滴静注する。
| n | Cmax(μg/mL) | AUC336hr(hr・μg/mL) | Ctrough(μg/mL) | t1/2(day)注1) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 19 | 2.80(38) | 242(41)注2) | 0.288(48)注3) | - |
| 15日目 | 18 | 2.65(41) | 298(48)注4) | 0.309(47)注5) | 6.21(3.45, 13.7)注4) |
幾何平均値(変動係数%)。 注1):中央値(最小値, 最大値)、注2):n=18、注3):n=16、注4):n=15、注5):n=12
図1 タルラタマブを静脈内投与したときの血清中濃度時間推移(1~26例、平均値±標準偏差)