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イマチニブ錠100mg「JG」

イマチニブメシル酸塩錠

添付文書改訂 2024年09月01日

【警告】

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  3. 2.3ロミタピドを投与中の患者

効能・効果

  • 慢性骨髄性白血病

  • KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍

  • フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病

  • FIP1L1-PDGFRα陽性の下記疾患 好酸球増多症候群、慢性好酸球性白血病

用法・用量

  • 〈慢性骨髄性白血病〉

慢性期:通常、成人にはイマチニブとして1日1回400mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜増減するが、1日1回600mgまで増量できる。 移行期又は急性期:通常、成人にはイマチニブとして1日1回600mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜増減するが、1日800mg(400mgを1日2回)まで増量できる。

  • 〈KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍〉

通常、成人にはイマチニブとして1日1回400mgを食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜減量する。

  • 〈フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病〉

通常、成人にはイマチニブとして1日1回600mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜減量する。

  • 〈FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉

通常、成人にはイマチニブとして1日1回100mgを食後に経口投与する。なお、患者の状態により、適宜増減するが、1日1回400mgまで増量できる。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1重篤な体液貯留があらわれることがあるので、体重を定期的に測定するなど観察を十分に行うこと。

  2. 8.2重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前と投与後は1ヵ月毎、あるいは患者の状態に応じて肝機能検査(ビリルビン、AST、ALT及びALP等)を行うこと。

  3. 8.3Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。

  4. 8.4骨髄抑制があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと。血液検査は投与開始前と投与後の1ヵ月間は毎週、2ヵ月目は隔週、また、その後は2~3ヵ月毎に行うこと。これらの血球減少は疾患の病期にも依存し、慢性期慢性骨髄性白血病に比べて移行期慢性骨髄性白血病や急性期慢性骨髄性白血病の患者での頻度が高い。

  5. 8.5脳出血、硬膜下出血、消化管出血、胃前庭部毛細血管拡張症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。

  6. 8.6感染症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、観察を十分に行うこと。

  7. 8.7重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を実施すること。

  8. 8.8腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

  9. 8.9めまい、眠気、霧視等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

  • 〈慢性骨髄性白血病、KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
  1. 8.10他の抗悪性腫瘍剤との併用投与における安全性は確立されていない。
  • 〈KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍〉
  1. 8.11腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし腫瘍出血、消化管穿孔等があらわれることがあるので、定期的に血液検査等を実施し、初期症状としての下血、吐血、貧血、腹痛、腹部膨満感等の観察を十分に行うこと。
  • 〈フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病〉
  1. 8.12本剤と高用量抗悪性腫瘍剤の併用によりトランスアミナーゼ上昇及び高ビリルビン血症を示す一過性の肝毒性があらわれることがあり、また急性肝不全の報告もあることから、肝機能障害を起こすおそれのある抗悪性腫瘍剤と併用する場合は観察を十分に行うこと。
  • 〈FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
  1. 8.13関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:イマチニブメシル酸塩(FIP1L1-PDGFRα融合遺伝子陽性の慢性好酸球性白血病及び特発性好酸球増多症候群)」等)を熟読すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心疾患又はその既往歴のある患者

症状が悪化するおそれがある。また、心合併症を有する好酸球増多症候群患者において、心原性ショック及び左室機能不全が発現したことが報告されている。

  1. 9.1.2B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)

本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

代謝機能が低下しているため、本剤の体内濃度が上昇する可能性がある。また、肝障害が悪化するおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性に対しては、投与中及び投与終了後一定期間は避妊するよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。外国においてヒトでの流産や奇形を有する児の出産が報告されている。また動物実験(妊娠ラット)では、ヒトでの最高臨床用量800mg/日にほぼ相当する(体表面積換算)100mg/kg/日を妊娠6~15日に投与することにより、着床後死亡率の増加及び胎児体重の低下等の初期胚発生への影響がみられ、更に外脳、脳瘤及び頭蓋骨欠損等が発現し催奇形性が認められたことが報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒトでイマチニブ及びその活性代謝物が乳汁中に移行するとの報告がある。

9.7 小児等

小児等を対象にした臨床試験は実施していない。小児に投与した場合、成長遅延が報告されている。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。外国臨床試験では、軽度、中等度の表在性浮腫の発現頻度は65歳以上の高齢者で若年者より高いとの成績が報告されている。

相互作用

  • 本剤は主に薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)で代謝される。一方、本剤はCYP3A4/5、CYP2D6及びCYP2C9の競合的阻害剤であることがin vitro試験で示されている。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ロミタピド
(ジャクスタピッド)
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。注2) 本剤のCYP3A4阻害作用により、ロミタピドの代謝が阻害されると考えられる。

注2)ロミタピドの電子添文参照

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
L-アスパラギナーゼ 本剤との併用により肝障害の発現率が上昇したとの報告がある。 機序は不明であるが、共に肝障害の副作用を有する。
アゾール系抗真菌剤
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤とアゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール)の併用により、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ26%及び40%増加した。 これらの薬剤はCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
フェニトイン
デキサメタゾン
カルバマゼピン
リファンピシン
フェノバルビタール
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。フェニトインを長期投与中の患者に本剤を投与した場合、フェニトインを服用していない患者と比べ本剤のAUCは約5分の1であった。リファンピシン投与中に本剤を併用投与した場合、単独投与時に比べ、本剤のCmax、AUCがそれぞれ54%及び74%低下した。 これらの薬剤等はCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させる可能性がある。
シンバスタチン
シクロスポリン
ピモジド
トリアゾラム
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
本剤とシンバスタチンの併用により、シンバスタチンのCmax及びAUCは平均でそれぞれ2及び3倍の増加を示した。また、この相互作用には大きな個体差がみられ、Cmax及びAUCにおける比(併用/単独)の個別値はそれぞれ0.54~17.6及び0.75~15.7(最小値~最大値)の範囲であった。
本剤のCYP3A4阻害作用によりCYP3A4基質薬物の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
ニロチニブ 本剤及びニロチニブの血中濃度が上昇することがある。
本剤とニロチニブの併用により、本剤のAUCは18~39%、ニロチニブのAUCは18~40%上昇したとの報告がある。
ニロチニブがCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害して本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。また、本剤がCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害してニロチニブの血中濃度を上昇させる可能性もある。
ワルファリン 本剤との併用によりプロトロンビン比が顕著に上昇したとの報告がある。抗凝固剤の投与が必要とされる場合は、ヘパリンの投与が望ましい。 本剤のCYP2C9阻害作用によりワルファリンの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
アセトアミノフェン 本剤と高用量のアセトアミノフェン(3~3.5g/日)との併用により重篤な肝障害が発現したとの報告がある。 機序は不明であるが、両薬剤による肝毒性が増強される可能性がある。
グレープフルーツジュース 本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤服用中は飲食を避けること。 発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ACTH上昇 頻度不明
ALP上昇 5%以上
ALT 5%以上
APTTの延長 頻度不明
AST 5%以上
BUN上昇 1〜5%未満
CK上昇 1〜5%未満
CRP上昇 1%未満
FDP上昇 頻度不明
LDH 5%以上
LDH低下 頻度不明
TSH上昇 頻度不明
うつ病 1%未満
おくび 頻度不明
けん怠感 5%以上
そう痒 1〜5%未満
フィブリノーゲン増加 頻度不明
フィブリノーゲン減少 1%未満
プロトロンビン時間の延長 1%未満
プロトロンビン時間の短縮 頻度不明
めまい 1%未満
リビドー減退 頻度不明
リンパ球減少症 5%以上
下痢 5%以上
下肢浮腫 5%以上
不安 1%未満
不眠 1%未満
乳房腫大 頻度不明
乳頭浮腫 頻度不明
乳頭痛 頻度不明
乾癬悪化 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
低下 1〜5%未満
体重増加 1〜5%未満
体重減少 1%未満
便秘 1%未満
偽性ポルフィリン症 頻度不明
傾眠 1%未満
光線過敏性反応 1%未満
全身浮腫 1〜5%未満
動悸 1%未満
口内炎 1〜5%未満
口唇ヘルペス 1%未満
口唇炎 1%未満
口渇 1%未満
口腔アフタ 1%未満
味覚異常 1〜5%未満
呼吸困難 1%未満
咳嗽 1%未満
咽喉頭痛 1%未満
嘔吐 5%以上
嘔気 5%以上
嚥下障害 頻度不明
回転性めまい 1%未満
坐骨神経痛 頻度不明
大腸炎 頻度不明
失神 頻度不明
女性化乳房 1%未満
好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet病) 頻度不明
好酸球増多症 5%以上
寝汗 頻度不明
尿中ウロビリノーゲン増加 頻度不明
尿沈渣異常 頻度不明
尿潜血 1%未満
尿蛋白 1%未満
尿酸値上昇 1〜5%未満
帯状疱疹 1%未満
心窩部痛 1〜5%未満
急性上気道炎 1%未満
性的不能 頻度不明
悪寒 頻度不明
感覚減退 1%未満
憩室炎 頻度不明
扁平苔癬 頻度不明
手足症候群 頻度不明
投与中止に伴う筋骨格系疼痛 頻度不明
挫創 頻度不明
斑状出血 頻度不明
月経過多 1%未満
末梢冷感 頻度不明
末梢神経障害 1%未満
歯周炎 1%未満
水疱性皮疹 頻度不明
流涙増加 1〜5%未満
消化不良 1%未満
消化管潰瘍 1%未満
湿疹 1〜5%未満
潮紅 1%未満
点状出血 頻度不明
爪の障害 1%未満
片頭痛 1%未満
男性性器浮腫 1%未満
疣贅 1%未満
疲労感 1〜5%未満
疼痛 1%未満
痙攣発作 頻度不明
痛風 頻度不明
発汗 1%未満
発熱 1〜5%未満
発疹 5%以上
白血球増多 1〜5%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚色素脱失 1%未満
眼のそう痒感 1%未満
眼乾燥 頻度不明
眼充血 1%未満
眼刺激 頻度不明
眼瞼浮腫等) 5%以上
硝子体出血 頻度不明
筋力低下 1%未満
筋痙攣 5%以上
筋痙直 1%未満
筋肉痛 1〜5%未満
紅斑 1〜5%未満
紫斑 1%未満
結膜下出血 1%未満
結膜炎 1%未満
網膜出血 頻度不明
総ビリルビン上昇 1〜5%未満
緑内障 頻度不明
耳鳴 1%未満
胃炎 1%未満
胃腸炎 頻度不明
胸やけ 1%未満
胸痛 1%未満
脂肪織炎 1%未満
脱力(感) 1%未満
脱毛 1〜5%未満
脱水 1%未満
腎臓痛 頻度不明
腰痛 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満
膵炎 1%未満
舌血腫 1%未満
色素沈着障害 1%未満
苔癬様角化症 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
血中アミラーゼ上昇 1%未満
血便 1%未満
血圧上昇 1%未満
血圧低下 1%未満
血小板増多 1%未満
血清アルブミン低下 5%以上
血清カリウム上昇 1〜5%未満
血清カリウム低下 5%以上
血清カルシウム低下 1〜5%未満
血清クレアチニン上昇 1〜5%未満
血清ナトリウム低下 1〜5%未満
血清リン上昇 頻度不明
血清リン低下 5%以上
血清総蛋白上昇 頻度不明
血清総蛋白低下 1%未満
血管浮腫 頻度不明
血糖値上昇 1〜5%未満
血糖値低下 1%未満
血腫 1%未満
表在性浮腫(眼窩周囲浮腫 5%以上
角化症 1%未満
記憶障害 1%未満
逆流性食道炎 頻度不明
錯乱 頻度不明
錯感覚 1%未満
関節・筋のこわばり 1%未満
関節炎 頻度不明
関節痛 1〜5%未満
関節腫脹 1%未満
難聴 1%未満
霧視 1%未満
頭痛 1〜5%未満
頭皮痛 1%未満
頭重感 1%未満
頻尿 頻度不明
頻脈 頻度不明
顔面浮腫 5%以上
食欲不振 5%以上
食欲亢進 頻度不明
骨壊死 頻度不明
骨痛 1%未満
黄斑浮腫 頻度不明
鼓腸放屁 1〜5%未満
鼻・咽頭炎 1%未満
鼻出血 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1イマチニブはチロシンキナーゼ活性阻害剤であり、in vitro試験において、Bcr-Abl、v-Abl、c-Ablチロシンキナーゼ活性を阻害する。更に、血小板由来成長因子(PDGF)受容体及びSCF受容体であるKITのチロシンキナーゼ活性を阻害し、PDGFやSCFが介する細胞内シグナル伝達を阻害する13),14),15)。N-脱メチル体代謝物は、in vitro試験において、c-Abl、PDGF受容体及びKITチロシンキナーゼ活性を、未変化体とほぼ同程度に阻害する16)。

  2. 18.1.2イマチニブはSCF刺激によるKITチロシンキナーゼの活性化及びGIST患者由来細胞において亢進されたKITチロシンキナーゼ活性をそれぞれ阻害した17),18)。

18.2 bcr-abl遺伝子陽性細胞又はGIST細胞に対する、増殖抑制作用又は抗腫瘍作用

  1. 18.2.1イマチニブは、bcr-abl遺伝子導入細胞及びbcr-abl遺伝子発現がみられる慢性骨髄性白血病(CML)又は急性リンパ性白血病(ALL)由来細胞の増殖を抑制した。また、in vitro試験においてbcr-abl遺伝子陽性細胞に対しアポトーシス誘導作用を示し、CML及びALL患者の末梢血及び骨髄サンプルを用いたコロニー形成試験では、bcr-abl遺伝子発現コロニーの形成を選択的に阻害した13),14),19),20),21),22),23),24),25),26)。

  2. 18.2.2イマチニブは、bcr-abl遺伝子陽性細胞を移植した担癌マウスにおいて、腫瘍の形成又は増大を抑制した14)。

  3. 18.2.3イマチニブは、KITチロシンキナーゼが介する細胞増殖を抑制し、消化管間質腫瘍(GIST)患者由来細胞の細胞増殖を抑制した。また、イマチニブにより幹細胞因子(SCF)依存性抗アポトーシス作用は阻害され、GIST細胞におけるアポトーシス細胞数は増加した17),18)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

  2. (1)カプセル剤200、400及び600mgを日本人の慢性骨髄性白血病患者(慢性期)に1日1回28日間反復経口投与したとき、投与7日目には定常状態に達し、Cmax及びAUC0-24は初回投与の1.1~2.7倍となった。投与1日目及び28日目(定常状態)のいずれにおいてもCmax及びAUC0-24は投与量に比例し、体内動態は線形であった1)。

投与量 投与日 Cmax
(μg/mL)
AUC0-24
(μg・h/mL)
T1/2
(h)
200mg
(3例)
1日目 0.735±0.149 7.78±1.53 10.5±0.4
28日目 1.12±0.16 16.7±0.6 17.0±2.1
400mg
(3例)
1日目 1.41±0.41 19.4±7.1 12.4±1.9
28日目 2.14±0.67 33.2±14.9 18.0±4.9
600mg
(6例)※
1日目 2.05±0.65 31.1±11.1 14.3±3.1
28日目 3.94±2.52 66.1±40.8 18.2±3.4

※:定常状態データは5例

[平均値±標準偏差]

  1. (2)外国人の慢性骨髄性白血病患者にカプセル剤25~1,000mgを1日1回あるいは1日2回に分けて反復経口投与したとき、血中イマチニブ濃度は投与7日目には定常状態に達し、初回投与及び定常状態でのAUCはいずれも投与量に比例し、体内動態は線形であった。 200、400及び600mgの1日1回反復経口投与において、薬物動態パラメータ値は日本人での成績と同等であった(慢性骨髄性白血病に対する承認最大用量は慢性期で1日600mg、移行期又は急性期で1日800mgである)2)。

  2. (3)カプセル剤400mgを日本人の切除不能又は転移性のKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍患者に1日1回29日間反復経口投与した(初回投与後2日目及び3日目は休薬)。Cmax及びAUC0-24は初回投与に比べ反復投与後で0.7~2.6倍であった3),4)。

投与量 投与日 Cmax
(μg/mL)
Tmax
(h)
AUC0-24
(μg・h/mL)
T1/2
(h)
400mg
(9例)
1日目 2.51±1.00 3.23±1.91 34.7±13.6 15.5±1.9
29日目※ 2.86±0.87 3.24±2.05 47.6±17.0 20.0±4.9

※:n=8

[平均値±標準偏差]

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

イマチニブ錠100mg「JG」とグリベック錠100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(イマチニブとして100mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-72
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
イマチニブ錠
100mg「JG」
6478.79±1938.69 439.11±133.34 2.3±0.7 14.6±2.4
グリベック錠100mg 6182.87±1274.37 417.21±105.50 2.6±0.7 14.4±1.4

(Mean±S.D., n=16)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1単回投与

カプセル剤400mgを健康成人に単回経口投与したときの生物学的利用率は98.3%であった6)。

  1. 16.2.2反復投与

外国人の慢性骨髄性白血病患者に400mgを1日1回反復経口投与し、定常状態において高脂肪食と同時に服用した場合、空腹時服用と比較してCmax及びAUC0-24は減少したが、それぞれ15%及び7%の低下であり、臨床的に問題にならないと考えられた7),8)。

16.3 分布

イマチニブのヒト血漿蛋白への結合率はin vitro試験で約95%であり、主にアルブミン及びα1-酸性糖蛋白と結合し、リポ蛋白への結合はほとんどみられなかった9),10)。

16.4 代謝

日本人の慢性骨髄性白血病患者にカプセル剤200、400及び600mgを1日1回反復経口投与したとき、主代謝物であるN-脱メチル体のAUC0-24値は未変化体の15~23%であった1)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1単回投与

外国人健康成人に14C-標識イマチニブ(200mg)を単回経口投与したとき、投与した放射能の80%が7日以内に排泄され、67%が糞中、13%が尿中に認められた。このうち未変化体は投与量の25%(20%は糞、5%は尿)であった11)。

  1. 16.5.2反復投与

日本人の慢性骨髄性白血病患者にカプセル剤200、400及び600mgを1日1回反復経口投与したときの定常状態における未変化体の尿中排泄率(投与後24時間)は4.3~7.9%であった1)。