骨粗鬆症
イバンドロン酸静注1mgシリンジ「サワイ」
イバンドロン酸ナトリウム水和物
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分又は他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2低カルシウム血症の患者
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2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはイバンドロン酸として1mgを1カ月に1回、静脈内投与する。
使用上の注意
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8.1低カルシウム血症や骨・ミネラル代謝障害がある場合には、本剤投与前にあらかじめ治療すること。
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8.2本剤投与中は、必要に応じてカルシウム及びビタミンDを補給すること。また、本剤投与後は、一過性に血清カルシウム値が低下する可能性があるので、血清カルシウム値には注意すること。
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8.3ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。 本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。 また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。
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8.4ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。
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8.5ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数カ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
9.2 腎機能障害患者
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9.2.1高度の腎障害のある患者
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(1)排泄が遅延するおそれがある。
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(2)*国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、骨粗鬆症の治療にビスホスホネート系薬剤を使用した腎機能障害患者のうち、特に、高度な腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)で、腎機能が正常の患者と比較して低カルシウム血症(補正血清カルシウム値が8mg/dL未満)のリスクが増加したとの報告がある1)。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡等がみられている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母動物(ラット)へ投与した場合、乳汁中に移行することが示されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALP上昇等] | 1%未満 |
| ALT上昇 | 1%未満 |
| インフルエンザ様症状注) | 1〜5%未満 |
| ぶどう膜炎 | 頻度不明 |
| ほてり(熱感等) | 1%未満 |
| めまい | 1%未満 |
| 上強膜炎 | 頻度不明 |
| 上気道感染(鼻咽頭炎等) | 1%未満 |
| 下痢 | 1%未満 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 喘息増悪 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 1%未満 |
| 多形紅斑 | 頻度不明 |
| 尿検査異常(尿中血陽性等) | 1%未満 |
| 強膜炎 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 感覚異常 | 1%未満 |
| 水疱性皮膚炎 | 頻度不明 |
| 注射部位反応(腫脹 | 1〜5%未満 |
| 浮腫(末梢 | 1%未満 |
| 疼痛 | 1〜5%未満 |
| 疼痛 | 1%未満 |
| 発熱 | 1%未満 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 筋肉痛 | 1〜5%未満 |
| 筋骨格硬直 | 1%未満 |
| 紅斑等) | 1〜5%未満 |
| 結膜炎 | 1%未満 |
| 肝機能異常[AST上昇 | 1%未満 |
| 胃不快感 | 1%未満 |
| 胃炎 | 1〜5%未満 |
| 背部痛 | 1〜5%未満 |
| 胸痛 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 1%未満 |
| 貧血 | 1%未満 |
| 逆流性食道炎 | 1%未満 |
| 関節炎 | 1%未満 |
| 関節痛 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 顔面等) | 1%未満 |
| 食欲不振 | 1%未満 |
| 骨痛 | 1〜5%未満 |
| 高血圧 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
イバンドロン酸は、骨基質であるハイドロキシアパタイトに対する高い親和性を有しており11)、投与後骨に分布する12)。破骨細胞に取り込まれた後ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し13)、これにより破骨細胞の機能を抑制することで骨吸収抑制作用を示すと考えられる。
18.2 骨吸収抑制作用
ウサギ破骨細胞培養系を用いたin vitro試験において、破骨細胞が象牙切片に形成する吸収窩を減少させる14)。
18.3 骨粗鬆症モデル動物における作用
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18.3.1ラット卵巣摘除モデルにおいて、12カ月間連日皮下投与したとき、骨密度及び骨強度の低下を用量依存的に抑制した15)。また、12カ月間間欠(25日に1回)皮下投与したときにも、骨密度及び骨強度の低下を抑制した15)。
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18.3.2カニクイザル卵巣摘除モデルにおいて、16カ月間間欠(30日に1回)静脈内投与したとき、骨密度及び骨強度の低下を抑制し、骨密度と骨強度には正の相関が認められた。また、血清・尿中の骨代謝マーカー(血清骨型アルカリホスファターゼ、血清オステオカルシン、尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド、尿中デオキシピリジノリン)の上昇を抑制した16),17)。
18.4 骨石灰化に及ぼす影響
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18.4.1成長期ラットにおいて、7日間連日皮下投与したとき、イバンドロン酸として4780μg/kg(1000μgP/kg注1):骨量増加作用を示す用量の約100倍)の用量まで、骨石灰化過程の障害は認められなかった注2),18),19)。
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18.4.2イヌ卵巣・子宮摘除モデルにおいて、イバンドロン酸として100μg/kg(骨量減少抑制作用を示す用量の約100倍)の用量まで、類骨幅の増加や石灰化速度の低下は認められなかった注3),20)。
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18.4.3カニクイザル卵巣摘除モデルにおいて、骨量減少抑制作用を示す30及び150μg/kg(イバンドロン酸としての用量:16カ月間間欠(30日に1回)静脈内投与)では、類骨幅の増加は認められなかった16)。
注1)分子内に含まれるリン原子の重量をもとにした重量表示 注2)4780μg/kgの用量では、脛骨骨幹端の成長板直下に骨基質添加の抑制に基づくと考えられる低石灰化領域が認められた。 注3)投与前値との比較
18.5 骨折修復に及ぼす影響
骨髄除去及び骨欠損孔作製イヌ骨折モデルに、イバンドロン酸として1μg/kgの用量を36週間連日皮下投与したとき、骨髄除去大腿骨皮質骨における骨単位数及び脛骨骨欠損孔における仮骨形成に影響は認められなかった21)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男性にイバンドロン酸として0.125、0.25又は0.5mgを単回静脈内投与注)したときの薬物動態パラメータは下記のとおりであり、血中濃度-時間曲線下面積(AUCinf)は投与量に比例して増加し、血中半減期(t1/2)、全身クリアランス(CLtot)及び腎クリアランス(CLr)は投与量に依存せずほぼ一定であった4)。
| 投与量 (mg) |
AUCinf (ng・h/mL) |
t1/2 (h) |
CLtot (mL/min) |
CLr (mL/min) |
|---|---|---|---|---|
| 0.125 | 17.1±1.9 | 15.7±8.8 | 123±14 | 86.5±12.3 |
| 0.25 | 34.4±5.1 | 20.2±4.4 | 124±21 | 83.6±9.9 |
| 0.5 | 77.2±10.4 | 21.3±2.0 | 109±13 | 81.8±14.3 |
- 16.1.2反復投与
閉経後骨減少女性にイバンドロン酸として0.25、0.5、1又は2mgを13週間隔で2回静脈内投与注)したときの初回投与時の薬物動態パラメータは下記のとおりであった。血清中未変化体濃度推移は初回投与と2回目投与で同様であり、AUCinfは投与量に比例して増加し、t1/2、CLtot及びCLrは投与量に依存せずほぼ一定であった5)。
| 投与量 (mg) |
AUCinf (ng・h/mL) |
t1/2 (h) |
CLtot (mL/min) |
CLr (mL/min) |
|---|---|---|---|---|
| 0.25 | 74.4±9.8 | 18.7±1.7 | 56.8±6.9 | 34.3±4.6 |
| 0.5 | 136.8±16.3 | 18.5±1.7 | 61.7±7.1 | 34.8±6.8 |
| 1 | 239.9±22.7 | 18.5±0.9 | 70.1±7.3 | 43.9±7.4 |
| 2 | 540.7±95.9 | 18.9±2.0 | 63.3±10.7 | 41.9±9.8 |
16.3 分布
- 16.3.1蛋白結合率
In vitro試験において、ヒト血清蛋白結合率は、イバンドロン酸濃度が5ng/mLのとき90%であった6)。
16.4 代謝
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16.4.1 In vitro試験において、イバンドロン酸ナトリウム水和物をヒト肝ミクロソーム中でインキュベートした場合、代謝物の生成は認められなかった7)。
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16.4.2 In vitro試験において、イバンドロン酸ナトリウム水和物はヒト肝ミクロソームの7種類のCYP酵素分子種(CYP1A2、CYP2A6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4)に対して阻害作用を示さなかった8)。
16.5 排泄
閉経後骨減少女性にイバンドロン酸として0.25、0.5、1又は2mgを静脈内投与注)したとき、72時間までの尿中未変化体排泄率は47.0~64.6%であった5)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎障害時の薬物動態
クレアチニンクリアランス(CLcr)が90mL/minを超える健康成人、CLcrが40~70mL/min及び30mL/min未満の腎障害患者にイバンドロン酸として0.5mgを静脈内投与注)したときのAUCinf及びCmax(C5min)は下記のとおりであり、腎機能の低下に伴った上昇を示し、CLrはCLcrと比例した9)(外国人データ)。
| CLcr (mL/min) |
例数 | AUCinf (ng・h/mL) |
AUCinf の比a) |
Cmax (C5min) (ng/mL) |
Cmax (C5min) の比a) |
CLr (mL/min) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| >90 (範囲92~133) |
14 | 67.6±14.4 | 1 | 47.5±14.8 | 1 | 77.0±24.2 |
| 40~70 (範囲42~69) |
8 | 105±14.5 | 1.55 | 61.9±6.86 | 1.30 | 48.9±15.2 |
| <30 (範囲13~29) |
12 | 201±47.5 | 2.97 | 116±127 | 2.44 | 17.9±7.67 |
a)CLcrが>90mL/minの値に対する比
注)承認された用法・用量は、「通常、成人にはイバンドロン酸として1mgを1カ月に1回、静脈内投与する。」である。