血液凝固第IX因子欠乏患者における出血傾向の抑制
イデルビオン静注用250
アルブトレペノナコグ アルファ(遺伝子組換え)
効能・効果
用法・用量
本剤を添付の溶解液全量で溶解し、緩徐に静脈内に注射する。 通常、1回体重1kg当たり50国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。 定期的に投与する場合、通常、体重1kg当たり35~50国際単位を7日に1回投与する。また、患者の状態に応じて、体重1kg当たり75国際単位の14日に1回投与に変更することもできる。さらに、14日に1回投与し、6ヵ月以上状態が安定している12歳以上の患者では、体重1kg当たり100国際単位の21日に1回投与に変更することもできる。なお、いずれの投与間隔においても投与量は適宜調節するが、7日又は14日に1回投与の場合は1回体重1kg当たり75国際単位を、21日に1回投与の場合は1回体重1kg当たり100国際単位を超えないこと。
使用上の注意
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8.1本剤の投与は、血友病の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
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8.2患者の血中に血液凝固第IX因子に対するインヒビターが発生するおそれがある。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
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8.3十分な血液凝固第IX因子レベルに到達・維持していることを確認するため、必要に応じ、血漿中血液凝固第IX因子レベルをモニタリングすること。
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8.4本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合のみに適用すること。本剤を処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施したのち、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、患者又はその家族に対し、本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、在宅自己注射後何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。適用後、在宅自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
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9.1.1本剤の有効成分及び添加剤、又はハムスター由来蛋白質に対し過敏症の既往歴のある患者
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9.1.2血液凝固第IX因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
血液凝固第IX因子に対するインヒビターの有無を確認すること。
- 9.1.3血液凝固第IX因子に対するインヒビターが発生した患者
急性過敏症反応の徴候及び症状を慎重に観察し、本剤投与初期には特に注意すること。血液凝固第IX因子投与によりアナフィラキシーのリスクが増加する可能性がある。
- 9.1.4術後の患者、血栓塞栓性事象のリスクのある患者、線維素溶解の徴候又は播種性血管内凝固症候群(DIC)のある患者
投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。
9.3 肝機能障害患者
投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
- 9.7.112歳未満の小児
投与量の調節について適宜検討すること。12歳未満の患者では、成人よりも高い投与量が必要になる可能性がある。
- 9.7.2新生児
投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| インヒビターの発現 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 湿疹 | 1%未満 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 過敏症 | 1%未満 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤の構造及び作用は、内因性血液凝固第IX因子と類似しており、血漿中血液凝固第IX因子レベルを一時的に補正し、血液凝固障害を改善する。遺伝子組換えアルブミンと遺伝子組換え血液凝固第IX因子の融合により、血中半減期が延長するものと考えられる5) 。
18.2 主な非臨床試験(止血効果)
血友病Bイヌ及び血友病Bマウス(FIXノックアウトマウス)において、本剤の止血効果が認められている。また、血友病Bイヌにおいて、本剤の血漿中薬物動態と相関して血漿中血液凝固第IX因子活性の延長が認められている5) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1成人
18~65歳(日本人及び外国人)の血友病B患者(内因性血液凝固第IX因子活性が2%以下)を対象に、本剤及び既存の遺伝子組換え血液凝固第IX因子製剤(rFIX)(50IU/kg)を単回静脈内投与した際の薬物動態(PK)パラメーターは以下のとおりであった1) 。
| PKパラメーター 幾何平均値(変動係数%) |
本剤50IU/kg (N=47) |
rFIX50IU/kg (N=15) |
|---|---|---|
| IR[(IU/dL)/(IU/kg)] | 1.3(23.8) | 0.9(22.0) |
| Cmax(IU/dL) | 66.6(26.7) | 45.2(22.0) |
| AUC0-inf(IU×時間/dL) | 7481.7(28.4) | 1396.4(25.1) |
| t1/2(時間) | 104.2(25.4) | 23.4(19.0) |
| VSS(dL/kg) | 1.0(27.9) | 1.3(20.6) |
| 1%に達する期間(日)注1) | 23(19.5) | - |
| 3%に達する期間(日)注1) | 16(13.0) | - |
| 5%に達する期間(日)注1) | 13(10.5) | - |
測定方法:シリカを含むaPTT試薬を用いた凝固一段法による中央測定
注1)FIX活性中央値が所定の活性(%)上昇を維持した推定期間
IR=投与量(IU/kg)当たりの投与後30分の上昇値、Cmax=最高血中濃度、AUC=血液凝固第IX因子活性-時間曲線下面積、t1/2=終末相半減期、VSS=定常状態分布容積
また、日本人及び外国人患者に本剤(50IU/kg)を単回静脈内投与した際のPKパラメーターは以下のとおりであった1) 。
| PKパラメーター 幾何平均値(変動係数%) |
日本人 (N=10) |
全体 (N=47) |
|---|---|---|
| IR[(IU/dL)/(IU/kg)] | 1.3(36.7) | 1.3(23.8) |
| Cmax(IU/dL) | 63.9(35.3) | 66.6(26.7) |
| AUC0-inf(IU×時間/dL) | 6684.9(28.3) | 7481.7(28.4) |
| t1/2(時間) | 94.6(19.9) | 104(25.4) |
| VSS(dL/kg) | 1.0(15.0) | 1.0(27.9) |
測定方法:シリカを含むaPTT試薬を用いた凝固一段法による中央測定
本剤の臨床試験を完了した血友病B患者、及び緊急性のない大手術を予定している12~70歳の血友病B患者を対象とした国際共同第III相継続試験(日本人9例を含む)に参加した18歳以上の日本人及び外国人患者に、本剤(100IU/kg)を単回静脈内投与した際のPKパラメーターは以下のとおりであった2) 。
| PKパラメーター 幾何平均値(変動係数%) |
日本人 (N=3) |
全体 (N=16) |
|---|---|---|
| IR[(IU/dL)/(IU/kg)] | 0.9(6.6) | 1.0(12.6) |
| Cmax(IU/dL) | 88.5(8.5) | 102.2(12.6) |
| AUC0-inf(IU×時間/dL) | 16420.2(5.2) | 17068.4(19.2) |
| t1/2(時間) | 144.2(17.0) | 143.2(26.1) |
| VSS(dL/kg) | 1.2(10.5) | 1.1(10.7) |
- 16.1.2小児
18歳未満(外国人)の血友病B患者(内因性血液凝固第IX因子活性が2%以下)を対象に、本剤(50IU/kg)を単回静脈内投与した際のPKパラメーターは以下のとおりであった1) 。
| PKパラメーター 幾何平均値(変動係数%) |
0~6歳未満 (N=12) |
6~12歳未満 (N=15) |
12~18歳未満 (N=5) |
|---|---|---|---|
| IR[(IU/dL)/(IU/kg)] | 1.0(21.5) | 1.1(22.6) | 1.1(27.7) |
| Cmax(IU/dL) | 48.3(19.0) | 52.9(23.2) | 55.3(28.1) |
| AUC0-inf(IU×時間/dL) | 4582.6(33.2) | 5123.1(31.4) | 5347.1(48.2) |
| t1/2(時間) | 89.6(12.5) | 92.8(20.5) | 87.3(35.7) |
| VSS(dL/kg) | 1.4(24.1) | 1.3(19.7) | 1.2(14.0) |
| 1%に達する期間(日)注2) | 14(11.5) | 17(14.5) | 21(17.5) |
| 3%に達する期間(日)注2) | 9(7.5) | 12(9.5) | 14(12.5) |
| 5%に達する期間(日)注2) | 7(6.0) | 9(7.5) | 11(9.5) |
測定方法:シリカを含むaPTT試薬を用いた凝固一段法による中央測定
注2)FIX活性中央値が所定の活性(%)上昇を維持した推定期間
IR=投与量(IU/kg)当たりの投与後30分の上昇値、Cmax=最高血中濃度、AUC=血液凝固第IX因子活性-時間曲線下面積、t1/2=終末期半減期、VSS=定常状態分布容積