*先天性血友病患者における出血傾向の抑制
【警告】
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1.1本剤の臨床試験において重篤な血栓塞栓性事象の発現が複数例に認められている。観察を十分に行い、血栓塞栓性事象が疑われる場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、患者に対し、血栓塞栓性事象の兆候や症状について十分説明すること。
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1.2本剤は血友病治療に十分な知識・経験を持つ医師のもと、緊急時に十分対応できる医療機関で投与開始すること。
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1.3本剤の投与開始に先立ち、患者又はその家族に危険性を十分説明し、同意を得た上で本剤を投与すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、12歳以上の患者には、1日目に負荷投与としてコンシズマブ(遺伝子組換え)1mg/kgを皮下投与する。2日目以降は維持用量として1日1回、0.20mg/kgを皮下投与する。 なお、0.20mg/kgの投与を開始後、コンシズマブの血中濃度や患者の状態により、0.15mg/kgに減量又は0.25mg/kgに増量できる。
使用上の注意
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8.1臨床試験において、血栓塞栓症が認められている。血栓塞栓性事象があらわれることがあるので、血栓塞栓性事象の既往又は危険因子の有無を慎重に確認した上で、本剤の投与を開始すること。また、患者に対し、血栓塞栓性事象の兆候や症状について十分説明し、以下の事項の注意の重要性について理解を得た上で投与を開始すること。
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8.2*活性型第Ⅶ因子製剤の投与は本剤投与開始12時間前までに、活性型プロトロンビン複合体(乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体)製剤及び乾燥濃縮人血液凝固第X因子加活性化第Ⅶ因子製剤の投与は本剤投与開始48時間前までに中止すること。半減期標準型の第Ⅷ因子製剤及び第Ⅸ因子製剤の定期的な投与は、本剤投与開始24時間前までに中止すること。半減期延長型など、その他の製剤から本剤へ切替える場合には、切替え前の製剤の半減期を考慮すること。
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8.3本剤投与中に出血が発生した場合は、以下の点に注意すること。
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8.3.1*軽度から中等度の出血に対して、バイパス止血製剤(活性型第Ⅶ因子製剤、活性型プロトロンビン複合体製剤、乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子製剤)、第Ⅷ因子製剤又は第Ⅸ因子製剤による治療を行う場合は、承認されている最低用量を目安として、出血部位や程度に応じて投与量や投与期間を判断すること。活性型プロトロンビン複合体製剤については、24時間以内の最高用量は体重1kg当たり100単位を上限とすることが望ましい。また、血液凝固系検査やその他の関連する診断方法等により患者の状態を注意深く確認すること。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
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8.3.2*本剤投与中にバイパス止血製剤、第Ⅷ因子製剤又は第Ⅸ因子製剤の使用が必要になった場合に備え、バイパス止血製剤、第Ⅷ因子製剤又は第Ⅸ因子製剤の投与量や投与間隔等をあらかじめ患者に指導すること。
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8.3.3他剤による出血時治療を行っている場合でも本剤の用量を変更しないこと。
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8.3.4重度の出血が生じた場合は、血友病や出血性疾患の治療経験をもつ医師に相談すること。
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8.4大手術が必要な場合には、血友病や出血性疾患の治療経験をもつ医師に相談すること。大手術時の使用経験は限られているため、通常は大手術時には本剤による治療を中断することが望ましい。なお、小手術時に本剤の用量を調節する必要はない。
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8.5本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
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投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
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患者に対し、全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
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添付されている取扱説明書を必ず読むよう患者に指導すること。
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患者又はその家族に対し、自己注射後に何らかの異常が認められた場合は、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1組織因子が過剰に発現している状態にある患者
組織因子が過剰に発現している状態(進行したアテローム性疾患、癌、挫滅、敗血症、炎症病態等)では、本剤投与により血栓塞栓性事象又は播種性血管内凝固症候群(DIC)のリスクが高まる可能性がある。
- 9.1.2血栓塞栓性事象の既往又は危険因子を有する患者
治療上の有益性と危険性を十分考慮すること。
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後7週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。一般に、ヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行性については不明であるが、一般にヒトIgGは母乳に分泌されることが知られている。
9.7 小児等
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Dダイマー増加 | 5%以上 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| プロトロンビンフラグメント1・2増加 | 5%以上 |
| 注射部位そう痒感 | 5%以上 |
| 注射部位内出血 | 5%以上 |
| 注射部位反応(注射部位紅斑 | 5%以上 |
| 注射部位発疹及び注射部位疼痛等)(16.2%) | 5%以上 |
| 注射部位蕁麻疹 | 5%以上 |
| 注射部位血腫 | 5%以上 |
| 線維素溶解(Dダイマー及びプロトロンビンフラグメント1・2の増加) | 頻度不明 |
| 過敏症 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
コンシズマブは抗組織因子経路インヒビター(抗TFPI)抗体である。TFPIは活性型血液凝固第X因子を阻害する。コンシズマブはTFPIに結合することにより、TFPIによる活性型血液凝固第X因子の阻害を抑制する。活性型血液凝固第X因子活性が増加すると血液凝固の開始期が延長され、効果的な止血に十分な量のトロンビンが生成される。コンシズマブは血液凝固第Ⅷ因子及び第Ⅸ因子とは独立して作用し、コンシズマブの作用は血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対する阻害抗体の有無の影響を受けない。 コンシズマブは血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子との構造相関性あるいは配列相同性が認められないことから、血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターの生成を誘発又は増強しない。
18.2 In vitroトロンビン生成改善作用
コンシズマブは血友病A(インヒビターの有無に関わらず)及び血友病B(インヒビター無)患者から得られた血漿において、トロンビン生成を改善した7) 。
18.3 全血を用いたin vitro止血栓形成改善作用
コンシズマブは、正常血液にそれぞれ抗血液凝固第Ⅷ因子抗体と抗血液凝固第Ⅸ因子抗体を添加することによって模倣されたヒト血友病A様又は血友病B様状態の全血に対し、止血栓形成を改善した8) 。
18.4 In vivo止血作用
コンシズマブは抗体誘発血友病Aウサギの爪上皮出血モデルに対し、出血量を減少させた9)10) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与時
コンシズマブの全身曝露量(Cmax及びAUC)は、コンシズマブの内皮細胞上のTFPI(標的)への結合とその後の薬物-標的複合体の消失によって起こる標的介在性の薬物動態(TMDD)により、用量増加に伴い、用量比例性を上回る増加を示した。外国人健康被験者及び血友病A患者ならびに日本人健康被験者(海外在住)を対象に本剤0.05~3mg/kgを単回皮下投与した際の薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)2)
| 外国人健康被験者 (3813試験) |
外国人血友病A患者 (3813試験) |
日本人健康被験者(海外在住)(3981試験) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 投与量 | 0.05 mg/kg |
0.25 mg/kg |
1 mg/kg |
1 mg/kg |
3 mg/kg |
0.25 mg/kg |
1 mg/kg |
| 例数 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
| Cmax (ng/mL) | 9.2 (2.5) |
36.0 (6.8) |
999.0 (427.0) |
1791.0 (1588.4) |
16689.0 (7079.9) |
55.2 (3.9) |
276.7 (152.8) |
| AUC(0-inf) (ng*h/mL) | 算出せず | 10772.2 (10066.3) |
54695.8 (20163.9) |
109350.8 (77461.6) |
2452323.3 (1275578.8) |
7090.8 (689.9) |
25426.0 (5916.6) |
| CL/F (mL/h/kg) | 算出せず | 37.5 (22.8) |
19.9 (6.7) |
17.3 (18.0) |
1.6 (1.2) |
35.6 (3.0) |
40.6 (8.5) |
| tmax (h) | 12.0 (8.0,72.4) |
24.1 (12.1,502.4) |
36.0 (24.1,36.0) |
46.5 (34.3,94.8) |
70.4 (47.9,71.5) |
12.1 (8.0,24.0) |
11.8 (8.1,99.1) |
| t1/2 (h) | 算出せず | 90.3 (18.2) |
114.6 (5.5) |
116.7 (69.5) |
74.8 (31.5) |
96.5 (10.1) |
109.9 (16.6) |
■平均値(標準偏差)〔ただし、tmaxは中央値(最小値,最大値)〕
- 16.1.2*反復投与時
日本人及び外国人のインヒビターを保有する血友病A及びB患者に対して、初日に本剤の負荷用量1.0mg/kg/日を投与し、2日目以降0.20mg/kg/日を投与した(最初の5~8週以内に0.25mg/kg/日への増量又は0.15mg/kg/日への減量を可能とした)際の血漿中コンシズマブ濃度の幾何平均の推移は以下のとおりであった。24週時点の血漿中コンシズマブ濃度トラフ値の幾何平均は665.4ng/mL(幾何変動係数:2.2)(N=94例、うち日本人は4例)であった3)
エラーバーは幾何平均の標準偏差を表す。 定量下限値を下回る血漿中濃度については定量下限値の半分の値とした。
日本人及び外国人のインヒビターを保有しない血友病A及びB患者に対して、初日に本剤の負荷用量1.0mg/kg/日を投与し、2日目以降0.20mg/kg/日を投与した(最初の5~8週以内に0.25mg/kg/日への増量又は0.15mg/kg/日への減量を可能とした)際の血漿中コンシズマブ濃度の幾何平均の推移は以下のとおりであった。24週時点の血漿中コンシズマブ濃度トラフ値の幾何平均は647.3ng/mL〔幾何変動係数:1.8〕(N=116例、うち日本人は9例)であった4) 。
エラーバーは幾何平均の標準偏差を表す。 定量下限値を下回る血漿中濃度については定量下限値の半分の値とした。
16.8 その他
日本人及び外国人のインヒビターを保有する、又は保有しない血友病A及びB患者に対して、初日に本剤の負荷用量1.0mg/kg/日を投与し、2日目以降0.20mg/kg/日を投与した(最初の5~8週以内に0.25mg/kg/日への増量又は0.15mg/kg/日への減量を可能とした)際の血漿中TFPI濃度の幾何平均の推移は以下のとおりであった(4311試験3) 及び4307試験4) に基づく)。
*HA: インヒビターを保有しない血友病A, HB: インヒビターを保有しない血友病B HwI: インヒビターを保有する血友病A及びB
エラーバーは幾何平均の標準偏差を表す。 定量下限値を下回る血漿中濃度については定量下限値の半分の値とした。