〇胃潰瘍、十二指腸潰瘍 〇下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
透析療法を受けている患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人1回1~1.2gずつ、1日3回経口投与する。 年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1リン酸塩の欠乏している患者
アルミニウムは消化管内でリン酸塩と結合し、その吸収を阻害する。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1透析療法を受けている患者
投与しないこと。長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれることがある。
- 9.2.2腎障害のある患者
長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれるおそれがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
用量に注意すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| クエン酸製剤 クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム水和物 等 |
血中アルミニウム濃度が上昇することがあるので、同時に服用させないなど注意すること。 | キレートを形成し、アルミニウムの吸収が促進されると考えられる。 |
| 血清カリウム抑制イオン交換樹脂 ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム |
血清カリウム抑制イオン交換樹脂の効果が減弱するおそれがある。 | アルミニウムイオンと非選択的に交換すると考えられる。 |
| ニューキノロン系抗菌剤 ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン 等 |
同時に服用することにより、これら併用薬剤の吸収を遅延又は阻害するおそれがある。この相互作用は併用薬を本剤の2時間以上前に服用することにより、弱まるとの報告がある。 | アルミニウムイオンと併用薬剤が不溶性のキレートを形成し、消化管からの吸収を遅延又は阻害する。 |
| ジギタリス製剤 ジゴキシン 等 フェニトイン テトラサイクリン系抗生物質 スルピリド 等 |
同時に服用することにより、これら併用薬剤の吸収を遅延又は阻害するおそれがある。この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まるとの報告がある。 | 本剤が併用薬剤を吸着し、消化管からの吸収を遅延又は阻害する。 |
| 甲状腺ホルモン剤 レボチロキシンナトリウム水和物 等 |
同時に服用することにより、これら併用薬剤の吸収を遅延又は阻害することがある。これらの作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まると考えられる。 | 消化管内で本剤と吸着することにより、これらの薬剤の吸収が阻害される。 |
| 胆汁酸製剤 ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸 |
同時に服用することにより、これら併用薬剤の吸収を遅延又は阻害することがある。これらの作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まると考えられる。 | 消化管内で本剤と吸着することにより、これらの薬剤の吸収が阻害される。 |
| テオフィリン徐放性製剤 | 同時に服用することにより、テオフィリン徐放性製剤のAUCが低下するおそれがある。 | 本剤がテオフィリン徐放性製剤の吸収を阻害するとの報告がある。 |
| キニジン 等 | 制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル等)の投与により、併用薬剤の排泄が遅延することが知られている。 | 制酸剤による尿のpH上昇による。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| アナフィラキシー反応 | 頻度不明 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 口渇 | 1〜5%未満 |
| 嘔気等 | 1%未満 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹等 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ラット酢酸胃潰瘍及び十二指腸潰瘍実験において経口投与した14C-スクラルファート水和物は、正常胃粘膜部位に比較して胃及び十二指腸潰瘍部位に選択的に結合し、かつ保護層を形成することによって治癒を促進させた4) 。同様に、エタノール及びアスピリン胃炎ラットにおいても14C-スクラルファート水和物の胃炎病巣への選択的結合・付着が確かめられた5) 。消化性潰瘍及び胃炎患者に本剤を経口投与した際にも、本剤が潰瘍部位ないし胃炎病巣へ強固に結合していることが確認されており、本剤は炎症部位ないし潰瘍底の白苔中の蛋白成分と強力に結合し、保護層を形成することによって胃液の消化力から病変部を化学的に保護し、治癒を促進するものと考えられる6),7),8) 。
18.2 胃液ペプシン活性抑制作用
ラットの実験により、攻撃因子である胃液中のペプシン活性を抑制することが認められている9),10),11),12) 。
18.3 制酸作用
ラットの実験により、制酸作用を有することが認められている11),12) 。
18.4 再生粘膜の発育促進及び血管増生
ラットのクランピング コルチゾン潰瘍実験の結果、再生粘膜の発育や血管増生が認められ、潰瘍の治癒が促進された13),14) 。
18.5 抗潰瘍及び潰瘍治癒効果
モルモットあるいはラットのストレス、ヒスタミン、ステロイド、レセルピン、アスピリン等の実験潰瘍において抗潰瘍効果が、またクランピング コルチゾン潰瘍、焼灼潰瘍、酢酸潰瘍等の実験潰瘍において潰瘍治癒効果が認められている9),10),11),14),15),16),17),18) 。
18.6 胃炎モデルへの効果
本剤の前投与により、ラットのアスピリン及びエタノール胃炎の発生を有意に抑制した19) 。また、タウロコール酸による実験びらん性胃炎に対する治療効果が認められている20) 。