Clinical snapshot

アリナミンF50注

フルスルチアミン塩酸塩注射液

添付文書改訂 2025年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • ビタミンB1欠乏症の予防及び治療

  • ビタミンB1の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時等)

  • ウェルニッケ脳症

  • 脚気衝心

  • 下記疾患のうちビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合

  • 神経痛 ・筋肉痛、関節痛 ・末梢神経炎、末梢神経麻痺 ・心筋代謝障害 ・便秘等の胃腸運動機能障害 ・術後腸管麻痺

ビタミンB1欠乏症の予防及び治療、ビタミンB1の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給、ウェルニッケ脳症、脚気衝心以外の効能・効果に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

用法・用量

  • 通常、成人には次の1日量をできるだけ緩徐(3分間以上の時間をかける方がよい)に静脈内に注射する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。

  • 〈アリナミンF25注〉

フルスルチアミンとして25~100mg(1~4管)

  • 〈アリナミンF50注〉

フルスルチアミンとして50~100mg(1~2管)

  • 〈アリナミンF100注〉

フルスルチアミンとして100mg(1管)

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 頻度不明
下痢 頻度不明
嘔吐 頻度不明
悪心 頻度不明
発疹 頻度不明
舌炎 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ビタミンB1に比べ細胞内によく取り込まれ、多量のコカルボキシラーゼを生成して、諸種代謝活性をたかめる。また、腸管内アウエルバッハ神経叢内の腸運動亢進ニューロンへ作用し、腸管の蠕動運動を亢進させる5)。

18.2 神経機能障害改善作用

ビタミンB1は神経組織の形態保持上重要であり、また、神経インパルス伝導に際してビタミンB1が遊離消費され6)、神経細胞内のコカルボキシラーゼは糖代謝に対する依存性が大きい神経細胞のエネルギー産生に関与していること7)等が示されている。 本剤は神経組織へ移行するとともに、神経細胞の増殖促進8)(in vitro)、神経再生促進9),10)(ウサギ)、骨格筋活動電位の増加11)(ラット)等の作用が認められており、ビタミンB1の欠乏又は代謝障害と関連する神経機能障害を改善する。

18.3 心筋代謝障害改善作用

本剤はビタミンB1に比べて心筋細胞へのとりこみがよく、心筋内ではほとんどがコカルボキシラーゼとして存在すること12)(ラット)、麻酔イヌで心筋代謝障害改善作用が認められていること13)より、心筋内でコカルボキシラーゼとなって、心筋代謝障害を改善すると考えられている。

18.4 腸管蠕動運動亢進作用

本剤は腸管蠕動運動亢進作用を示す14)(イヌ)が、この作用は腸管内アウエルバッハ神経叢内に存在すると考えられる腸運動亢進ノイロンへの作用によるとされている15)(イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット)。なお、ビタミンB1ではこの亢進作用はほとんど認められていない14)(イヌ)。

薬物動態

16.1 血中濃度

本剤は高い血中ビタミンB1濃度を持続する1)(健康人)。

16.3 分布

本剤はリポイド易溶性で組織に対する親和性が強く、血球等によく移行する。また、体内貯留性がよい2),3)(健康人)。

16.4 代謝

本剤は細胞内で速やかに非酵素的にビタミンB1に復元した後エステル化され、多量の結合型B1(コカルボキシラーゼ)を生成する4)(健康人)。