適応菌種:アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC) 適応症:マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはアミカシンとして590mg(力価)を1日1回ネブライザを用いて吸入投与する。
使用上の注意
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8.1めまい、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、特に血中濃度が高くなりやすい患者(腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者等)では聴力検査を実施することが望ましい。
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8.2急性腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
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8.3ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1第8脳神経障害又はその疑いのある患者
第8脳神経障害が発現又は増悪するおそれがある。
- 9.1.2重症筋無力症等の神経筋障害又はその疑いのある患者
本剤は神経筋遮断作用を有するため、呼吸抑制があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
腎機能障害患者では高い血中濃度が持続し、腎障害の悪化及び第8脳神経障害の副作用が強くあらわれるおそれがある。腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤吸入投与によるヒト母乳中への移行は不明であるが、アミカシンを筋肉内投与した場合、ヒト母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下しているため、高い血中濃度が持続し、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ループ利尿剤 エタクリン酸 フロセミド アゾセミド 等 |
腎障害及び聴力障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。 |
| 腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤 バンコマイシン エンビオマイシン 白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン) 等 |
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明。 |
| 神経筋遮断剤 麻酔剤 筋弛緩剤 ツボクラリン パンクロニウム臭化物 ベクロニウム臭化物 トルペリゾン A型ボツリヌス毒素製剤 等 |
呼吸抑制があらわれるおそれがある。呼吸抑制があらわれた場合には必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。 | 両薬剤とも神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。 |
| 腎毒性を有する薬剤 シクロスポリン アムホテリシンB 等 |
腎障害が発現、悪化するおそれがある。 | 両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 不眠症 | 1%未満 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 動悸 | 1%未満 |
| 口内乾燥悪心下痢 | 頻度不明 |
| 呼吸音異常 | 1%未満 |
| 咳嗽発声障害呼吸困難喀血口腔咽頭痛 | 5%以上 |
| 咽頭紅斑ラ音鼻詰まり声帯炎症 | 1%未満 |
| 喀痰を伴う咳嗽鼻漏唾液増加喉の炎症喘鳴慢性閉塞性肺疾患 | 頻度不明 |
| 失声めまい味覚不全頭痛 | 頻度不明 |
| 寝汗掻痒発疹 | 頻度不明 |
| 悪寒発熱無力症 | 1%未満 |
| 気管支炎喉頭炎口腔カンジダ症 | 頻度不明 |
| 流涙低下 | 1%未満 |
| 疲労 | 5%以上 |
| 白血球減少 | 1%未満 |
| 皮膚乾燥多汗症 | 1%未満 |
| 耳の不快感難聴 | 頻度不明 |
| 耳痛めまい | 1%未満 |
| 耳鳴 | 5%以上 |
| 胸筋骨格痛筋肉痛 | 1%未満 |
| 胸部不快感 | 頻度不明 |
| 腹痛舌炎舌変色嘔吐 | 1%未満 |
| 血尿 | 頻度不明 |
| 錯感覚平衡障害 | 1%未満 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
アミカシンは、ポリカチオン性、半合成アミノグリコシド系抗生物質であり、タンパク質合成を阻害することにより抗菌活性を示す。 リポソーム化製剤である本剤はヒトの喀痰を透過し、バイオフィルムに浸透することができる。培養ヒトマクロファージにおいて、本剤は、アミカシンのマクロファージへの取り込みを増加させ、遊離アミカシンよりも本剤による細胞内マイコバクテリアの死滅数が多かった5)。
18.2 耐性の機序
マイコバクテリアのアミカシンに対する耐性のメカニズムは、16S rRNAのrrs遺伝子の変異に関連している。臨床試験では、ベースライン後に64µg/mLを超えるアミカシンMIC(最小発育阻止濃度)を発現するMAC分離株が、多剤併用標準治療法のみで治療された被験者よりも高い割合で本剤上乗せで治療された被験者で観察された。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1喀痰濃度(反復投与時)
肺MAC症患者に対する本剤の1日1回の吸入において、吸入後1~4時間の喀痰濃度は、それぞれ、1、3、6ヵ月でそれぞれ1720、884、1300µg/gで、アミカシン濃度の高い変動を認めた(CV%>100%)。吸入48~72時間後、アミカシン喀痰濃度は吸入1~4時間後の濃度の約5%に低下した1)。
- 16.1.2血清濃度(反復投与時)
肺MAC症患者(53例、日本人28例を含む)に本剤590mg 1日1回吸入反復投与したときの血清中アミカシン濃度データ(53例、418点)及び尿中アミカシン濃度データ(14例、23点)を用いて母集団薬物動態解析を行った結果、平均血清AUC0-24は20.4µg・hr/mL(範囲:4.3~55.6µg・hr/mL)、平均血清Cmaxは2.27µg/mL(範囲:0.48~6.87µg/mL)、平均血清Cminは0.16µg/mL(範囲:0.02~0.84µg/mL)であり、平均血清消失半減期は5.70時間(範囲:3.29~14.0)であった。
16.2 吸収
本剤のバイオアベイラビリティは、主に吸入送達効率の個人差及び患者の気道病変状態の違いにより異なることが予想される。
16.3 分布
アミカシンは血清タンパク質に10%以下で結合している2)。本剤投与後の平均の総見かけ分布容積は約5.0L/kgである1)。
16.4 代謝
アミカシンは著しい代謝を受けない。
16.5 排泄
本剤投与後、全身に吸収されたアミカシンは、主に糸球体ろ過により排泄される。肺MAC症患者に本剤590mg1日1回反復吸入投与した時の投与終了後24時間までの累積尿中未変化体排泄率の平均値(14例)は7.42%(範囲:0.72~22.6%)であった。