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パーキンソン症候群
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脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善
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A型インフルエンザウイルス感染症
【警告】
- 〈効能共通〉
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1.1てんかん又はその既往歴のある患者及び痙攣素因のある患者では、発作を誘発又は悪化させることがあるので、患者を注意深く観察し、異常が認められた場合には減量する等の適切な措置を講じること。
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1.2本剤には、催奇形性が疑われる症例報告があり、また、動物実験による催奇形性の報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
- 〈A型インフルエンザウイルス感染症〉
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1.3本剤は、医師が特に必要と判断した場合にのみ投与すること。
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1.4本剤を治療に用いる場合は、本剤の必要性を慎重に検討すること。
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1.5本剤を予防に用いる場合は、ワクチンによる予防を補完するものであることを考慮すること。
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1.6本剤はA型以外のインフルエンザウイルス感染症には効果がない。
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1.7インフルエンザの予防や治療に短期投与中の患者で自殺企図の報告があるので、精神障害のある患者又は中枢神経系に作用する薬剤を投与中の患者では治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1透析を必要とするような重篤な腎障害のある患者
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2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦
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2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- 〈パーキンソン症候群〉
通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として初期量1日100mgを1~2回に分割経口投与し、1週間後に維持量として1日200mgを2回に分割経口投与する。 なお、症状、年齢に応じて適宜増減できるが、1日300mg 3回分割経口投与までとする。
- 〈脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善〉
通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として1日100~150mgを2~3回に分割経口投与する。 なお、症状、年齢に応じて適宜増減する。
- 〈A型インフルエンザウイルス感染症〉
通常、成人にはアマンタジン塩酸塩として1日100mgを1~2回に分割経口投与する。 なお、症状、年齢に応じて適宜増減する。ただし、高齢者及び腎障害のある患者では投与量の上限を1日100mgとすること。
使用上の注意
- 〈効能共通〉
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8.1本剤増量により特に中枢神経系の副作用(睡眠障害、幻覚等)の発現頻度が高くなる傾向があるので注意すること。
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8.2めまい、ふらつき、立ちくらみ、霧視等があらわれることがあるので、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。
- 〈A型インフルエンザウイルス感染症〉
- 8.3抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。 異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、①異常行動の発現のおそれがあること、②自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。 なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。
- 〈パーキンソン症候群又は脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善〉
- 8.4本剤の投与を急に中止した場合、パーキンソン症状の悪化、悪性症候群、カタトニー(緊張病)、錯乱、失見当識、精神状態の悪化、せん妄があらわれることがあるので、本剤の投与を中止する場合には、徐々に減量すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1てんかん又はその既往歴のある患者及び痙攣素因のある患者
患者を注意深く観察し、異常が認められた場合には減量する等の適切な措置を講じること。発作を誘発又は悪化させることがある。
- 9.1.2心血管疾患(うっ血性心疾患等)又は末梢性浮腫のある患者
下肢浮腫が発現することがあり、心血管疾患や浮腫を悪化させるおそれがある。
- 9.1.3低血圧を呈する患者
めまい・立ちくらみ等があらわれやすい。
- 9.1.4精神疾患のある患者
幻覚、妄想、錯乱、悪夢等の精神症状が増悪するおそれがある。
- 9.1.5閉塞隅角緑内障の患者
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1透析を必要とするような重篤な腎障害のある患者
投与しないこと。本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので、蓄積により、意識障害、精神症状、痙攣、ミオクロヌス等の副作用が発現することがある。また、本剤は血液透析によって少量しか除去されない。
- 9.2.2腎機能障害患者(透析を必要とするような重篤な腎障害のある患者を除く)
用量の調節に十分注意すること。本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので、蓄積により、意識障害(昏睡を含む)、精神症状(幻覚、妄想、せん妄、錯乱)等、痙攣、ミオクロヌスがあらわれやすい。
9.3 肝機能障害患者
肝機能検査値に注意すること。副作用として肝障害が報告されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。催奇形性が疑われる症例報告1)があり、また動物実験(ラット・50mg/kg)による催奇形の報告がある。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。ヒト母乳中へ移行する。(外国人データ)
9.7 小児等
投与する場合は医師の判断において患者の状態を十分に観察した上で、用法及び用量を決定すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない2),3)。
9.8 高齢者
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9.8.1低用量から開始し、用量並びに投与間隔に留意するとともに患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用(特に興奮、見当識障害、幻覚、妄想、錯乱等の精神症状)があらわれやすい。
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9.8.2排泄遅延が起こりやすく高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は主として腎から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多い。
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9.8.3低体重の高齢者では過量になりやすい。本剤の体重あたり投与量が多くなる傾向がある。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 抗パーキンソン剤 • レボドパ • 抗コリン剤• トリヘキシフェニジル • ピペリデン 等 • プラミペキソール • タリペキソール • ドロキシドパ中枢興奮剤 • メタンフェタミン • アルコール • カフェイン 等食欲抑制剤 • マジンドール |
幻覚、睡眠障害等の副作用が増強されることがあるので用量に注意すること。 | いずれも中枢神経系刺激作用を有するため。 |
| 抗パーキンソン剤 • プラミペキソール |
ジスキネジー、幻覚等の副作用が増強することがある。 | 併用により双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある。 |
| チアジド系利尿剤 • ヒドロクロロチアジド • トリクロルメチアジド • インダパミド 等カリウム保持性利尿剤 • トリアムテレン • スピロノラクトン • エプレレノン 等 |
本剤の作用が増強され、錯乱、幻覚、失調、ミオクロヌス等の副作用があらわれたとの報告があるので用量に注意すること。 | 本剤の腎排泄が低下し血中濃度の上昇を起こすため。 |
| NMDA受容体拮抗剤 • メマンチン • デキストロメトルファン • ケタミン 等 |
相互に作用を増強させるおそれがある。 | 両薬剤ともNMDA受容体拮抗作用を有するため。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALPの上昇 | 1〜5%未満 |
| ALT | 1〜5%未満 |
| AST | 1〜5%未満 |
| BUN | 1%未満 |
| クレアチニンの上昇 | 1%未満 |
| ジスキネジー等) | 1〜5%未満 |
| めまい | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 下肢浮腫 | 1%未満 |
| 不安 | 1〜5%未満 |
| 不随意運動(振戦 | 1〜5%未満 |
| 低体温 | 頻度不明 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 光線過敏症 | 1%未満 |
| 動悸 | 1%未満 |
| 口渇 | 1〜5%未満 |
| 多形滲出性紅斑 | 頻度不明 |
| 失見当識 | 1%未満 |
| 失調 | 1〜5%未満 |
| 尿失禁 | 頻度不明 |
| 悪夢 | 1%未満 |
| 悪心・嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 抑うつ | 1%未満 |
| 排尿障害 | 1%未満 |
| 欲動亢進 | 1%未満 |
| 歩行障害の悪化 | 1%未満 |
| 気分高揚 | 1〜5%未満 |
| 激越 | 1〜5%未満 |
| 発汗 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球減少 | 1%未満 |
| 眠気 | 1〜5%未満 |
| 睡眠障害 | 1〜5%未満 |
| 神経過敏 | 1〜5%未満 |
| 立ちくらみ(起立性低血圧) | 1〜5%未満 |
| 網状皮斑 | 1〜5%未満 |
| 胸痛 | 1%未満 |
| 脱力感・倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 興奮 | 1〜5%未満 |
| 血圧低下 | 1〜5%未満 |
| 視調節障害(霧視等) | 1〜5%未満 |
| 言語障害 | 1%未満 |
| 躁状態 | 1%未満 |
| 集中力障害 | 1〜5%未満 |
| 頭痛・頭重 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
- 〈パーキンソン症候群〉
- 18.1.1ドパミン作動性神経終末でのドパミンの遊離促進や再取込みの抑制であり、これによりドパミン作動性神経を活性化させる16)。
- 〈A型インフルエンザウイルス感染症〉
- 18.1.2感染初期にウイルスの脱殻段階を阻害することで、ウイルスのリボヌクレオプロテインの細胞核内への輸送を阻害する16)。
18.2 精神活動改善作用
作用機序は十分に解明されていないが、動物試験及び臨床薬理試験において以下の作用が認められている。
- 18.2.1条件回避反応抑制に対する拮抗作用(in vivo)
ラットにおけるクロルプロマジン、ハロペリドール及びテトラベナジンによる条件回避反応の抑制作用に対し、10及び20mg/kg(腹腔内)で拮抗し、アマンタジン塩酸塩とドパミン及びノルアドレナリン作動性神経系との関連性が示唆されている17)。
- 18.2.2THCによるカタレプシー及びmuricideの抑制作用(in vivo)
THC(テトラヒドロカンナビノール)によるラットのカタレプシー及びmuricideに対し、0.5mg/kg(腹腔内)で有意な抑制作用を示す。その強さはそれぞれイミプラミンの40倍及び8.8倍、レボドパの400倍及び225.5倍で、アマンタジン塩酸塩が少量でセロトニン作動性神経系の活動亢進を起こすことが示唆されている18)。
- 18.2.3ヒト脳波に及ぼす影響
多発梗塞性認知症患者に100mg/日、2週間経口投与後の脳波変化をみた試験においてα波の出現量の増加、θ波及びδ波の出現量の減少がみられている19)。
18.3 抗パーキンソン作用
アマンタジン塩酸塩のパーキンソン症候群に対する作用機序はまだ十分に解明されていない点もあるが、動物試験(ラット)においてドパミンの放出促進作用・再取り込み抑制作用・合成促進作用が認められている。これらの作用によりドパミン作動ニューロンの活性が高められ、機能的にアセチルコリン作動系がカテコールアミン作動系に対して過動な状態にあるパーキンソン症候群に対して、主としてドパミン作動神経系の活動を亢進することにより効果を示すものと考えられている20),21),22),23)。
18.4 A型インフルエンザウイルスに対する作用(in vitro)
アマンタジン塩酸塩の抗A型インフルエンザウイルス作用は、主として感染初期にウイルスの脱殻の段階を阻害し、ウイルスのリボヌクレオプロテインの細胞核内への輸送を阻止することにあると考えられる。 すなわち、インフルエンザウイルス増殖サイクルの過程でウイルス粒子が細胞表面に吸着してエンドサイトーシスで酸性のエンドソームに取り込まれると、M2イオンチャネルが活性化されるが、アマンタジン塩酸塩はM2チャネルを阻害する。(アフリカツメガエル卵母細胞in vitro) アマンタジン塩酸塩はA型インフルエンザウイルスには有効であるが、B型インフルエンザウイルスには無効とされている24),25)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男子5例にアマンタジン塩酸塩錠1錠(50mg)又は2錠(100mg)を早朝空腹時にそれぞれ1回経口投与した場合の血漿中薬物動態パラメータは次のとおりであった6)。
| Tmax (h) |
Cmax (ng/mL) |
AUC0→∞ (ng・h/mL) |
T1/2 (h) |
|
|---|---|---|---|---|
| 50mg | 3.3 | 124.8 | 2,601 | 12.3 |
| 100mg | 3.0 | 256.0 | 4,520 | 10.3 |
- 16.1.2生物学的同等性試験
- 〈アマンタジン塩酸塩錠50mg「サワイ」〉
アマンタジン塩酸塩錠50mg「サワイ」とシンメトレル錠50mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(アマンタジン塩酸塩として50mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中アマンタジン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された7)。
| Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC0-48hr (ng・hr/mL) |
|
|---|---|---|---|---|
| アマンタジン塩酸塩錠50mg「サワイ」 | 116±32 | 2.3±0.7 | 10.8±1.5 | 1902±365 |
| シンメトレル錠50mg | 111±18 | 2.1±0.7 | 11.3±1.7 | 1842±266 |
(Mean±S.D.)
- 〈アマンタジン塩酸塩錠100mg「サワイ」〉
アマンタジン塩酸塩錠100mg「サワイ」とシンメトレル錠100mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(アマンタジン塩酸塩として100mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中アマンタジン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された8)。
| Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
T1/2 (hr) |
AUC0-48hr (ng・hr/mL) |
|
|---|---|---|---|---|
| アマンタジン塩酸塩錠100mg「サワイ」 | 191±24 | 2.4±0.8 | 11.7±5.9 | 3239±698 |
| シンメトレル錠100mg | 181±37 | 2.5±0.7 | 12.0±4.8 | 3062±743 |
(Mean±S.D.)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
アマンタジンのin vitro血漿蛋白結合率は約67%であった9)。
16.4 代謝
ヒトでの尿中代謝物はN-アセチル体が5~15%に認められたが、65~85%は未変化体であった10)。(外国人のデータ)
16.5 排泄
- 16.5.1尿中排泄
健康成人にアマンタジン塩酸塩50mg及び100mgを1回経口投与した場合、投与後約24時間で投与量の約60%が、48時間までに約70%が未変化体で尿中に排泄される6)。
- 16.5.2糞中排泄
アマンタジン塩酸塩100mgを経口投与し投与後72時間までの糞中回収は少量(1mg以下)であった11)。
- 16.5.3乳汁中排泄
極微量のアマンタジンが母乳中から検出され、これは授乳した新生児に、嘔吐、尿閉、発疹を引き起こすことがある12)。