Clinical snapshot

アネスタ

亜酸化窒素

添付文書改訂 2022年04月01日

効能・効果

  • 全身麻酔

  • 鎮痛

用法・用量

本剤は酸素と併用し、酸素の吸気中濃度は必ず20%以上に保つこと。使用目的・患者の状態に応じ、適宜酸素濃度を増加させること。

使用上の注意

  • ビタミンB12の不活性化により造血機能障害や神経障害を起こすことがあるので、患者の観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合にはビタミンB12を投与するなど適切な処置を行うこと1),2) 。

  • 麻酔を行う際には原則としてあらかじめ絶食させておくこと。

  • 麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。

  • 麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。

  • 麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1ビタミンB12欠乏症の患者
  • 本剤の副作用が強くあらわれるおそれがある1),2) 。
  1. 9.1.2造血機能障害のある患者
  • 本剤の副作用が強くあらわれるおそれがある1),2) 。
  1. 9.1.3耳管閉塞、気胸、腸閉塞、気脳症等、体内に閉鎖腔のある患者
  • 閉鎖腔内容量及び内圧が変化する3),4),5) 。
  1. 9.1.4タンポナーデに用いられた気体(パーフルオロプロパン、六フッ化硫黄等)が硝子体内に存在している眼手術後の患者
  • 本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により眼圧が急激に上昇し、失明するおそれがあるため、本剤を使用しないこと6),7),8) 。

9.5 妊婦

妊婦(3ヶ月以内) 又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で催奇形成作用が報告されている9) 。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
プロポフォール 麻酔作用が増強されたり、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧及び心拍出量が低下することがあるので、併用する場合には、プロポフォールの投与速度を減速するなど慎重に投与すること10) 。 相互に作用(麻酔作用)を増強させる10) 。

副作用

記載なし

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

亜酸化窒素の作用機序はまだ明らかではないが、マウスを使用した研究においては、鎮痛作用にκオピオイド受容体が関与することが示唆されている27) 。

18.2 麻酔・鎮痛作用

  • 血液/ガス分配係数が0.47と小さいため、麻酔の導入・覚醒が速やかである。MAC104と麻酔効果は弱い(手術患者、マウス)が、聴覚、視覚、触覚や特に痛覚を抑制する(手術患者、サル)。鎮痛効果の発現は早く強力なので術後の鎮痛を得るために用いられる28) 。

  • 単独使用では、手術刺激により麻酔深度が浅くなる(手術患者)傾向があるので、他の静脈麻酔薬29),30) 又は吸入麻酔薬と併用されている30) 。

18.3 呼吸器系への影響

嗅覚を抑制する。鼻喉頭気管の感受性を低めるので、喉頭けいれんの危険も少ない。気管支粘膜の分泌腺は刺激されず気管支せん毛運動を抑制しない。

18.4 循環器系への影響

低酸素症や高炭酸ガス血症がない限り、心拍数、心拍出量、血圧に変化はなく、心筋層感応性エピネフリンに対する感受性亢進もない(手術患者)。

18.5 消化器系への影響

麻酔導入初期には唾液の分泌が増加するが、麻酔が深くなるに伴い減少する。また低酸素症がない限り、食道と胃腸の蠕動は影響を受けず消化液の分泌も影響を受けない(ウサギ)。

18.6 泌尿器系への影響

腎機能、尿管蠕動、膀胱緊張力及び尿形成は影響を受けない。

薬物動態

16.2 吸収

ヒトにおける本剤の吸収は、吸入開始直後は大量(約1000mL/分)に吸収されるが時間の経過とともに急速に減少し、20~30分でほぼ飽和に達し、以後はごく僅かの量しか吸収されない25),26) 。また、排泄は、吸収と同じパターンをとる25),26) 。