既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
アドトラーザ皮下注150mgシリンジ
トラロキヌマブ(遺伝子組換え)
【警告】
本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはトラロキヌマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
使用上の注意
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8.1本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。
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8.2本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。
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8.3*本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。自己投与の適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないよう患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うとともに、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1寄生虫感染患者
本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行うこと。また、患者が本剤投与中に寄生虫感染を起こし、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、寄生虫感染が治癒するまで本剤の投与を一時中止すること。本剤はIL-13を阻害することにより2型免疫応答を減弱させ、寄生虫感染に対する生体防御機能を減弱させる可能性がある。
- 9.1.2長期ステロイド内服療法を受けている患者
本剤投与開始後に経口ステロイドを急に中止しないこと。経口ステロイドの減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている。また、本剤を妊娠カニクイザルへ投与した場合、胎盤を通過して胎児に移行することが確認されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| アレルギー性結膜炎 | 頻度不明 |
| 上気道感染(上咽頭炎 | 5%以上 |
| 咽頭炎を含む) | 5%以上 |
| 好酸球増加症 | 頻度不明 |
| 注射部位反応(紅斑 | 5%以上 |
| 疼痛 | 5%以上 |
| 結膜炎 | 5%以上 |
| 腫脹等)(11.7%) | 5%以上 |
| 角膜炎 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
トラロキヌマブは、ヒトIgG4モノクローナル抗体で、2型サイトカインであるIL-13と結合し、IL-13とIL-13受容体のα1及びα2サブユニットとの相互作用を阻害する7) 。IL-13は、IL-13Rα1/IL-4Rα受容体複合体を介しシグナルを伝え、炎症反応を刺激し、そう痒発生に寄与し、正常皮膚のバリア機能に必要な蛋白の産生を阻害する。
18.2 薬理作用
- 18.2.1IL-13によるシグナル伝達に対する阻害作用
トラロキヌマブは、in vitroでIL-13に結合し、アトピー性皮膚炎の病態に関与しているIL-13による各種炎症性メディエーター及びIgE産生並びに皮膚バリアマーカーの減少などを抑制した7) 。
- 18.2.2抗炎症作用
トラロキヌマブは、in vivoでマウス及びカニクイザルを用いた病態モデルにおいて抗炎症作用を示した7) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
日本人健康成人に本剤150mg注2) 、300mg又は600mgを単回皮下投与したときのトラロキヌマブの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1) 。
血清中濃度推移(平均値±標準偏差)
| 投与量 (mg) |
Cmax (μg/mL) |
Tmax (day) |
AUC0-∞ (μg・day/mL) |
t1/2 (day) |
|---|---|---|---|---|
| 150注2) (8例) |
24.4±5.5 | 6.0 (3.0-7.0) |
752±183 | 20.0±2.1 |
| 300 (8例) |
45.6±8.9 | 5.0 (5.0-9.0) |
1501±383 | 20.9±2.8 |
| 600 (8例) |
105±21 | 7.1 (3.0-9.1) |
3641±1328 | 24.6±7.3 |
算術平均±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値-最大値)
注2)本剤の承認用量は初回600mg、その後は1回300mgを2週間隔。
- 16.1.2反復投与
日本人アトピー性皮膚炎患者に、本剤300mg(初回のみ600mg)を2週に1回(Q2W)で16週間反復皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は114.6±48.6μg/mLであった2) 。
- 16.1.3母集団薬物動態解析
母集団薬物動態解析により推定された中央コンパートメントの分布容積(VC)及び末梢コンパートメントの分布容積(VP)はそれぞれ2.7L及び1.4Lであり、半減期は22日であった。 また、母集団薬物動態解析により推定された皮下投与時の絶対的バイオアベイラビリティは76%であった3) 。
16.4 代謝
トラロキヌマブはペプチド及びアミノ酸に分解と推定される。