縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋力低下の進行抑制
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはアセノイラミン酸として1回2gを1日3回食後に経口投与する。なお、投与間隔は約8時間とすることが望ましい。
使用上の注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
小児を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| γ-GTP上昇等の肝機能障害 | 頻度不明 |
| 便秘 | 5%以上 |
| 口角口唇炎 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 頻度不明 |
| 尿中ケトン体陽性 | 頻度不明 |
| 尿中蛋白陽性 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 軟便 | 5%以上 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
- 18.1.1本剤は、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー患者の筋組織内における低シアリル化状態を是正し、筋組織の萎縮及び線維化を抑制することで、筋力低下の進行抑制効果を示すと考えられている10),11),12) 。
18.2 薬理作用
-
18.2.1アセノイラミン酸は、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー患者由来の筋管細胞における細胞内シアル酸含量を健康人由来の筋管細胞と同程度まで増加させた10) (in vitro)。
-
18.2.2GNE遺伝子を欠失しヒト変異型 GNE遺伝子のみを発現するよう遺伝子改変された縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーモデルマウスに、アセノイラミン酸を約50週間経口投与したとき、筋組織内のシアル酸含量が増加するとともに筋組織の萎縮及び線維化並びに筋力低下の進行が抑制された11),12) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー患者3例に本剤2gを単回経口投与したときの血清中遊離アセノイラミン酸濃度の推移と薬物動態パラメータは以下のとおりであった3) 。
図1 本剤2g単回経口投与前後の血清中遊離アセノイラミン酸濃度の推移
| 薬物動態パラメータ | 中央値(最小値、最大値) |
|---|---|
| Cmax(μg/mL) | 0.319(0.106、0.624) |
| tmax | 2(1、4) |
| AUC(μg・h/mL) | 2.074(1.271、2.328) |
薬物動態パラメータは、本剤を投与していない状態で測定した内因性の血清中遊離アセノイラミン酸濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」−「ベースラインでの測定値」)から算出した。なお、補正した濃度が負の値になる場合は0として扱った。
- 16.1.2反復投与
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー患者15例に本剤1回2gを1日3回食後に48週間経口投与したときの血清中遊離アセノイラミン酸濃度(トラフ値)は以下のとおりであった4) 。
| 投与開始前 | 8週 | 16週 | 24週 | 32週 | 40週 | 48週 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0.150±0.058 | 0.423±0.154 | 0.529±0.194 | 0.397±0.163 | 0.450±0.199 | 0.465±0.144 | 0.543±0.425 |
(n=15、μg/mL、平均値±標準偏差)
16.2 吸収
外国人縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー患者6例に本剤6gを空腹時又は食後に単回投与したときの血清中遊離アセノイラミン酸濃度の推移と薬物動態パラメータは以下のとおりであった5) 。
図2 本剤6gを単回経口投与したときの血清中遊離アセノイラミン酸濃度への食事の影響
| 薬物動態パラメータ | 空腹時 (平均値±標準偏差) |
食後 (平均値±標準偏差) |
|---|---|---|
| Cmax(μg/mL) | 0.351±0.14 | 0.324±0.12 |
| AUCt(μg・hr/mL) | 2.592±1.41 | 3.934±0.83 |
| t1/2(hr) | 2.455±1.06 | 3.714±1.07 |
薬物動態パラメータは、本剤を投与していない状態で測定した内因性の血清中遊離アセノイラミン酸濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」−「ベースラインでの測定値」)から算出した。なお、補正した濃度が負の値になる場合は0として扱った。また、6gを単回投与したときの結果であり、承認された用法・用量である1回2gを1日3回投与時の結果ではない。
16.3 分布
ヒトにおけるアセノイラミン酸のタンパク結合率(平均値±標準偏差)は、3.1±3.1%であった6) (in vitro)。
16.4 代謝
アセノイラミン酸はN-アセチルノイラミン酸リアーゼにより、N-アセチルマンノサミンとピルビン酸に代謝される7) 。ラットに[14C]-アセノイラミン酸20mg/kgを単回静脈内投与したとき、投与24時間までの投与放射能に対する尿中のN-アセチルマンノサミンの排泄率は1.7%であった8) 。
16.5 排泄
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー患者3例に本剤1回2gを1日3回食後に7日間経口投与したとき、投与24時間までの尿中遊離アセノイラミン酸の排泄量注1) (平均値±標準偏差)は、投与1日目では25.6±8.4mg、投与7日目では29.3±16.0mgであった。 注1)本剤を投与していない状態で測定した24時間までの内因性の尿中遊離アセノイラミン酸の排泄量をベースラインとし、ベースラインで補正した排泄量から算出した6) 。