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アザシチジン注射用100mg「NK」

アザシチジン

添付文書改訂 2025年04月01日

【警告】

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 骨髄異形成症候群

  • 急性骨髄性白血病

用法・用量

通常、成人にはアザシチジンとして75mg/m2(体表面積)を1日1回7日間皮下投与又は10分かけて点滴静注し、3週間休薬する。これを1サイクルとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

使用上の注意

  1. 8.1血小板減少、好中球減少及び貧血があらわれることがあるので、本剤投与前及び投与中は血液検査(血球数算定、白血球分画測定等)を定期的に行い、患者の状態を十分観察すること。

  2. 8.2腎障害があらわれることがあるので、定期的に血清重炭酸塩(静脈血)や腎機能の推移を確認すること。

  3. 8.3間質性肺疾患があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察すること。

  4. 8.4腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1感染症を合併している患者

骨髄抑制により感染症が増悪することがある。

9.2 腎機能障害患者

9.3 肝機能障害患者

転移性癌による広範な腫瘍病変を有する患者(特に血清アルブミン値<3.0g/dLの患者)に対し本剤を投与中、進行性肝性昏睡により死亡に至った例が報告されている。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。

  2. 9.4.2生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。動物実験(マウス及びラット)で、ヒトの臨床用量を下回る用量で、本剤を投与した雄で精巣毒性が認められ、交配した雌の妊娠率の低下、異常胚の増加及び胚死亡の増加が認められている。

  3. 9.4.3パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(マウス及びラット)で、ヒトの臨床用量を下回る用量で、胚・胎児死亡及び奇形の発生が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

記載なし

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
CRP増加 頻度不明
LDH増加 頻度不明
アフタ性潰瘍 1%未満
アレルギー性皮膚炎 頻度不明
アンチトロンビンⅢ減少 1%未満
うつ病 1%未満
カテーテル留置部位反応(紅斑 頻度不明
カンジダ感染 1%未満
クレブシエラ感染 1%未満
クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎 1%未満
せつ 1%未満
そう痒感 頻度不明
そう痒症(全身性そう痒症含む) 頻度不明
トキソプラズマ症 頻度不明
ブラストミセス症 頻度不明
ヘマトクリット減少 頻度不明
ヘモグロビン減少 頻度不明
ほてり 1%未満
メレナ 1%未満
リンパ球増加症 1%未満
リンパ管炎 1%未満
上気道の炎症 1%未満
上気道感染 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下気道感染 1%未満
下痢 頻度不明
下腹部痛 1%未満
不安 頻度不明
不眠症 1%未満
丘疹性皮疹 1%未満
中咽頭カンジダ症 1%未満
低アルブミン血症 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 1%未満
低ナトリウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 1%未満
低リン酸血症 頻度不明
低酸素症 1%未満
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
偽膜性大腸炎 1%未満
全身健康状態低下 1%未満
全身性皮疹 1%未満
出血 頻度不明
副鼻腔炎(急性副鼻腔炎含む) 1%未満
労作性呼吸困難 1%未満
動悸 1%未満
医療機器関連感染 1%未満
単球増加症 1%未満
単純ヘルペス 頻度不明
口内乾燥 1%未満
口内炎 頻度不明
口唇乾燥 1%未満
口唇炎(口角口唇炎含む) 頻度不明
口腔カンジダ症 頻度不明
口腔ヘルペス 頻度不明
口腔内出血 1%未満
口腔内潰瘍形成 1%未満
口腔内痛 1%未満
口腔咽頭不快感 1%未満
口腔咽頭痛 頻度不明
味覚異常 頻度不明
呼吸不全 1%未満
呼吸困難 頻度不明
咳嗽 頻度不明
咽頭炎(上咽頭炎含む) 頻度不明
喀血 1%未満
喉頭炎 1%未満
嗜眠 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嚥下障害 1%未満
四肢痛 頻度不明
四肢膿瘍 頻度不明
回転性めまい 1%未満
大腸菌性尿路感染 1%未満
失神 1%未満
失神寸前の状態 1%未満
好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet症候群) 頻度不明
好中球減少性感染 1%未満
好塩基球増加症 1%未満
好酸球増加症 1%未満
寝汗 1%未満
尿中ブドウ糖陽性 1%未満
尿中蛋白陽性 頻度不明
尿中血陽性 頻度不明
尿路感染 頻度不明
尿閉 1%未満
帯状疱疹 1%未満
平均赤血球ヘモグロビン濃度減少 1%未満
心室性期外収縮 1%未満
心房粗動 1%未満
心膜炎 1%未満
急性呼吸不全 1%未満
急性腎障害 1%未満
悪寒 1%未満
悪心 頻度不明
意識障害 頻度不明
感染 1%未満
感染等) 頻度不明
慢性腎臓病 1%未満
憩室炎 1%未満
挫傷 頻度不明
振戦 1%未満
排尿困難 頻度不明
接触皮膚炎 1%未満
敗血症性ショック 1%未満
斑状丘疹状皮疹 1%未満
斑状出血 1%未満
斑状皮疹 1%未満
末梢性ニューロパチー 1%未満
末梢腫脹 1%未満
歯周炎 1%未満
歯周病 1%未満
歯痛 1%未満
歯肉出血 1%未満
歯肉炎 1%未満
歯肉痛 1%未満
歯肉腫脹 1%未満
気管支炎 頻度不明
気管支肺アスペルギルス症 1%未満
気道感染 1%未満
水分過負荷 1%未満
水疱(血性水疱含む) 1%未満
注射部位反応(紅斑 頻度不明
活性化部分トロンボプラスチン時間延長 1%未満
浮動性めまい 頻度不明
浮腫(末梢性浮腫含む) 頻度不明
消化不良 頻度不明
消化管感染 1%未満
湿性咳嗽 1%未満
湿疹 1%未満
炎症 1%未満
点状出血 頻度不明
異常感 1%未満
疲労 頻度不明
疼痛 1%未満
痔出血 1%未満
痔核 頻度不明
痙攣発作 1%未満
痛風 1%未満
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
発疹 頻度不明
白癬感染 1%未満
白血球増加症 1%未満
皮下出血 1%未満
皮脂欠乏性湿疹 1%未満
皮膚乾燥 1%未満
皮膚反応 1%未満
皮膚小結節 頻度不明
皮膚感染 1%未満
皮膚潰瘍 1%未満
皮膚炎 1%未満
皮膚硬結 頻度不明
皮膚腫瘤 1%未満
直腸周囲膿瘍 頻度不明
眼乾燥 1%未満
眼充血 1%未満
眼瞼炎 1%未満
睡眠の質低下 1%未満
睡眠障害 1%未満
硬結等) 頻度不明
筋力低下 1%未満
筋痙縮 1%未満
筋肉痛 1%未満
筋骨格痛 頻度不明
筋骨格系胸痛 頻度不明
粘膜の炎症 頻度不明
糖尿病 1%未満
紅斑 頻度不明
紅斑性皮疹 1%未満
紫斑 1%未満
結膜充血 1%未満
結膜出血 頻度不明
総蛋白減少 頻度不明
肛門びらん 1%未満
肛門周囲痛 1%未満
肛門直腸蜂巣炎 1%未満
肛門膿瘍 1%未満
肝膿瘍 1%未満
肺感染 頻度不明
肺浸潤 頻度不明
肺臓炎 1%未満
肺障害 1%未満
胃潰瘍 1%未満
胃炎(慢性胃炎含む) 1%未満
胃食道逆流性疾患 1%未満
胆嚢炎 1%未満
胆石症 1%未満
背部痛 頻度不明
胸水 1%未満
胸痛 1%未満
胸部不快感 1%未満
脱力感 頻度不明
脱毛症 1%未満
脱水 1%未満
脾腫 頻度不明
腎機能障害 1%未満
腱鞘炎 1%未満
腸炎 1%未満
腸球菌感染 1%未満
腹痛 頻度不明
腹部不快感 1%未満
腹部膨満 頻度不明
膀胱炎 1%未満
舌炎 1%未満
舌苔 1%未満
芽球細胞数増加 1%未満
菌血症 頻度不明
蒼白 1%未満
蕁麻疹 1%未満
薬疹 1%未満
蜂巣炎 頻度不明
血中クレアチニン増加 頻度不明
血中クロール増加 1%未満
血中クロール減少 頻度不明
血中ブドウ糖増加 頻度不明
血中尿素増加 1%未満
血中尿酸減少 1%未満
血中重炭酸塩減少・増加 1%未満
血小板増加症 1%未満
血球減少症 1%未満
血管炎 1%未満
血腫 頻度不明
表在性静脈炎 1%未満
裂肛 1%未満
視力障害 1%未満
譫妄 1%未満
軟便 1%未満
転倒 1%未満
錯乱状態 1%未満
錯感覚 1%未満
関節炎 1%未満
関節痛 1%未満
静脈炎 1%未満
非心臓性胸痛 1%未満
頚部痛 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 1%未満
頻脈(洞性頻脈含む) 1%未満
顆粒球減少症 1%未満
食欲減退 頻度不明
骨痛 1%未満
骨髄機能不全 1%未満
高カリウム血症 1%未満
高カルシウム血症 1%未満
高リン酸塩血症 1%未満
高尿酸血症 頻度不明
高血圧 1%未満
鼻出血 頻度不明
鼻漏 1%未満
鼻炎 頻度不明
鼻閉 1%未満
齲歯 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アザシチジンはDNA及びRNAに取り込まれることで、主にタンパク質合成を阻害し、殺細胞作用を示す17) 。なお、MDSでは、がん抑制遺伝子プロモーター領域のDNAの高メチル化、及び当該がん抑制遺伝子の発現抑制が報告されており18) 、DNAに取り込まれたアザシチジンは、DNAのメチル化を阻害することにより、細胞増殖抑制作用を示す可能性も報告されている19) 。

18.2 細胞増殖抑制作用

  1. 18.2.1アザシチジンは、in vitro試験においてMDSから急性骨髄性白血病に移行した患者由来のSKM-1細胞株に対して増殖抑制作用を示した20) 。

  2. 18.2.2アザシチジンは、SKM-1細胞株を皮下移植したNOD/SCIDマウスに対し、腫瘍増殖抑制作用を示した20) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1日本人MDS患者(n=9)にアザシチジン75mg/m2を1日1回7日間(28日毎)皮下投与又は10分かけて点滴静注し、1サイクルと2サイクルの投与経路をクロスオーバーして、各サイクル1日目の血漿中濃度を測定した。皮下投与後を点滴静注後と比較するとCmaxは約1/3に、t1/2,βは約2倍となった。AUCの比較により算出した皮下投与時のバイオアベイラビリティ(BA)は91.1%であった1) 。薬物動態パラメータは下表の通り。
投与量
(mg/m2)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(h)
AUC0-∞
(ng・h/mL)
t1/2,β
(h)
BA
(%)
皮下投与 75 1120
±210
0.361
±0.253
1180
±250
1.05
±0.61
91.1注6)
(80.7~103)
点滴静注 75 4170
±1850
0.158
±0.028
1440
±520
0.441
±0.041

平均値±S.D.(n=9)

注6)幾何平均 括弧内は90%信頼区間(n=8)

点滴静注後の平均分布容積は76±26Lで、全身クリアランスは147±47L/hであった。皮下投与後の見かけ上の平均クリアランスは167±49L/hであった2) (外国人データ)。

  1. 16.1.2生物学的同等性試験

アザシチジン注射用100mg「NK」とビダーザ注射用100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1バイアル(アザシチジンとして100mg)日本人MDS患者に単回皮下投与して血漿中未変化体濃度(アザシチジン濃度)を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された3) 。

n AUC0→4
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
アザシチジン注射用100mg「NK」 25 1,340
±285.7
1,254
±338.4
0.340
±0.102
0.5300
±0.09840
ビダーザ注射用100mg 25 1,255
±272.7
1,135
±308.0
0.337
±0.137
0.7124
±0.1876

(平均値±S.D.)

血漿中アザシチジン濃度の推移

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

14C-アザシチジン(0.1、1又は10μg/mL)のヒト血清タンパク結合率は7.42~8.79%であり濃度依存性は認められなかった。また、血球移行率は30.4~33.2%であった4),5) 。

16.4 代謝

アザシチジンは、自然加水分解によって代謝されると考えられており、ヒト肝S9画分においては、加水分解物であるN-ホルミルグアニルリボシルウレア及びグアニルリボシルウレア、並びにその脱アミノ体であるホルミルアミジノリボフラノシルビウレット及びリボフラノシルビウレットの生成が確認された。また、アザシチジンは、シチジンデアミナーゼによる脱アミノ化によってアザウリジンに代謝されると考えられている。 ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、アザシチジンは100μmol/L(臨床における皮下投与及び点滴静注後のCmaxのそれぞれ22倍及び6倍)で、CYP1A2及びCYP2E1をそれぞれ19.4%及び27.1%阻害したが、アザシチジンが臨床においてP450に基づく薬物相互作用を示す可能性は低いと考えられた6),7),8) 。

16.5 排泄

アザシチジン及びその代謝物は主に尿中に排泄されると考えられている。癌患者に14C-アザシチジンを皮下投与及び静脈内投与した場合、投与後48時間までの放射能の尿中排泄率はそれぞれ50%及び85%であり、糞中排泄率は1%未満であったと報告されている9),10) (外国人データ)。 雄性ラットに14C-アザシチジンを皮下又は静脈内投与した場合、投与後168時間までの放射能の尿中排泄率はそれぞれ89.5%及び96.4%であり、糞中排泄率は6.1%及び3.3%であった11) 。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスが30mL/分未満)にアザシチジン75mg/m2を1日1回5日間注7) 皮下投与したときの1日目と5日目のCmax及びAUCは、腎機能正常患者(クレアチニンクリアランスが80mL/分以上)と比べて1日目はそれぞれ1.4倍及び1.7倍、5日目は1.1倍及び1.4倍であった12) (外国人データ)。

注7)承認用量は、75mg/m2を1日1回7日間投与である。