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アドエア250ディスカス60吸入用

サルメテロールキシナホ酸塩フルチカゾンプロピオン酸エステル

添付文書改訂 2025年12月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある]

  2. 2.2本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • 気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

  • 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合) (参考)

ディスカス 100 250 500
エアゾール 50 125 250
気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

○:効能あり、-:効能なし

用法・用量

  • 〈気管支喘息〉 成人

通常、成人には1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回吸入投与する。

  • アドエア100ディスカス 1回1吸入

  • アドエア50エアゾール 1回2吸入

なお、症状に応じて以下のいずれかの用法・用量に従い投与する。 1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与

  • アドエア250ディスカス 1回1吸入

  • アドエア125エアゾール 1回2吸入

1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして500μgを1日2回吸入投与

  • アドエア500ディスカス 1回1吸入

  • アドエア250エアゾール 1回2吸入 (参考)

1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回 アドエア100ディスカス 1回1吸入1日2回
アドエア50エアゾール 1回2吸入1日2回
1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回 アドエア250ディスカス 1回1吸入1日2回
アドエア125エアゾール 1回2吸入1日2回
1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして500μgを1日2回 アドエア500ディスカス 1回1吸入1日2回
アドエア250エアゾール 1回2吸入1日2回
  • 小児

小児には、症状に応じて以下のいずれかの用法・用量に従い投与する。 1回サルメテロールとして25μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μgを1日2回吸入投与

  • アドエア50エアゾール 1回1吸入

1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回吸入投与

  • アドエア100ディスカス 1回1吸入

  • アドエア50エアゾール 1回2吸入 (参考)

1回サルメテロールとして25μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μgを1日2回 アドエア50エアゾール 1回1吸入1日2回
1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回 アドエア100ディスカス 1回1吸入1日2回
アドエア50エアゾール 1回2吸入1日2回
  • 〈慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解〉

成人には、1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回吸入投与する。

  • アドエア250ディスカス 1回1吸入

  • アドエア125エアゾール 1回2吸入 (参考)

1回サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを1日2回 アドエア250ディスカス 1回1吸入1日2回
アドエア125エアゾール 1回2吸入1日2回

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤は既に起きている気管支喘息の発作又は慢性閉塞性肺疾患の増悪を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用すること。

  2. 8.2過度に使用を続けた場合、サルメテロールのβ1作用により不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないよう注意すること。患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に対し、本剤の過度の使用による危険性を理解させ、1日2回を超えて投与しないよう注意を与えること(サルメテロールキシナホ酸塩の気管支拡張作用は通常12時間持続するので、その間は次の投与を行わないこと)。

  3. 8.3本剤の投与期間中に発現する気管支喘息の急性の発作又は慢性閉塞性肺疾患の急性増悪に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤(例えば吸入用サルブタモール硫酸塩)等の他の適切な薬剤を使用するよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。 また、その薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。

  4. 8.4感染を伴う喘息及び慢性閉塞性肺疾患の症状の増悪がみられた場合には、ステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮すること。

  5. 8.5本剤の投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量していくこと。 なお、慢性閉塞性肺疾患患者においても、投与中止により症状が悪化するおそれがあるので、観察を十分に行うこと。

  6. 8.6全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により全身性の作用(クッシング症候群、クッシング様症状、副腎皮質機能抑制、小児の成長遅延、骨密度の低下、白内障、緑内障、中心性漿液性網脈絡膜症を含む)が発現する可能性がある。特に長期間、大量投与の場合には定期的に検査を行い、全身性の作用が認められた場合には患者の症状を観察しながら適切な処置を行うこと。

  7. 8.7全身性ステロイド剤の減量は本剤の投与開始後症状の安定をみて徐々に行うこと。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる。

  8. 8.8全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、蕁麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・増悪することがあるので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

  9. 8.9慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした国内臨床試験及び海外臨床試験において肺炎が報告された。一般に肺炎の発現リスクが高いと考えられる患者へ本剤を投与する場合には注意すること。

  • 〈気管支喘息〉
  1. 8.10本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対して、短時間作動型吸入β2刺激剤(例えば吸入用サルブタモール硫酸塩)等の薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、患者の生命が脅かされる可能性があるので、患者の症状に応じてステロイド療法の強化(本剤のより高用量製剤への変更等)を考慮すること。

  2. 8.11本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患である好酸球性多発血管炎性肉芽腫症にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがある。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立されていない。本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意すること。

  3. 8.12本剤は患者の喘息症状に応じて最適な用量を選択する必要があるため、本剤の投与期間中は患者を定期的に診察すること。

  4. 8.13吸入ステロイド剤の投与により全身性の作用が発現する可能性があるため、吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節すること。

  • 〈慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解〉
  1. 8.14肺炎と慢性閉塞性肺疾患の増悪は共通の臨床症状を呈することがあるので、慢性閉塞性肺疾患の増悪が疑われる場合には肺炎の可能性についても十分に考慮し、適切な処置を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1結核性疾患の患者

ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。

  1. 9.1.2感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症を除く)の患者

ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。

  1. 9.1.3甲状腺機能亢進症の患者

甲状腺ホルモンの分泌促進により症状を増悪するおそれがある。

  1. 9.1.4高血圧の患者

α及びβ1作用により血圧上昇を起こすおそれがある。

  1. 9.1.5心疾患を有する患者

β1作用により症状を増悪するおそれがある。

  1. 9.1.6糖尿病の患者

グリコーゲン分解作用及びステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。

  1. 9.1.7気管支粘液の分泌が著しい患者

本剤の肺内での作用を確実にするため、本剤の投与開始に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用すること。

  1. 9.1.8長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者

全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。

  1. 9.1.9低酸素血症の患者

血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。β2刺激剤及び副腎皮質ステロイド剤は実験動物で催奇形作用が知られており、大量のサルメテロールキシナホ酸塩(経口:10mg/kg/日)及びフルチカゾンプロピオン酸エステル(皮下:100μg/kg/日)をラットに併用投与したときに催奇形作用(臍ヘルニア)及び胎児の発育抑制が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。サルメテロールキシナホ酸塩をラットに大量(1mg/kg)に静脈内投与、あるいはフルチカゾンプロピオン酸エステル10μg/kgをラットに皮下投与したときに乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1*全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤を特に長期間、大量に投与する場合に成長遅延をきたすおそれがある。長期間投与する場合には吸入ステロイド剤の投与量は患者毎に喘息をコントロールできる最少用量に調節することとし、身長等の経過の観察を十分行うこと。また使用にあたっては、使用法を正しく指導すること。

  2. 9.7.2

  3. (1)*低出生体重児、新生児又は生後8ヵ月未満の乳児を対象とする有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  4. (2)*生後8ヵ月~4歳の気管支喘息患者を対象とした二重盲検比較試験1)において、主要評価項目である投与8週時の喘息症状スコアの平均変化量は、本剤群(148例)で-3.97点、フルチカゾンプロピオン酸エステル群(142例)で-3.01点であった(p=0.206)。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。

相互作用

  • フルチカゾンプロピオン酸エステル及びサルメテロールは、主としてCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
• リトナビル等
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。
特に、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤の併用により、クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等が報告されているので、リトナビルとの併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限ること。
CYP3A4による代謝が阻害されることにより、フルチカゾンプロピオン酸エステルの血中濃度が上昇する可能性がある。
リトナビルは強いCYP3A4阻害作用を有し、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤を併用した臨床薬理試験において、血中フルチカゾンプロピオン酸エステル濃度の大幅な上昇、また血中コルチゾール値の著しい低下が認められている。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
• リトナビル等
サルメテロールの全身曝露量が増加し、QT延長を起こす可能性がある。
ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)、リトナビル等の強いCYP3A4阻害作用を有する薬剤と併用する場合には、注意すること。
経口剤のケトコナゾールとサルメテロールを併用した臨床薬理試験において、サルメテロールのCmaxが1.4倍、AUCが15倍に上昇したとの報告がある。
カテコールアミン
• アドレナリン
• イソプレナリン塩酸塩等
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
よって、発作時に頓用で用いる場合以外は過度に併用しないよう注意すること。
アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。そのため、不整脈を起こすことがある。
キサンチン誘導体
ステロイド剤
利尿剤
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。血清カリウム値のモニターを行うこと。 キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある。
ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
むせ 頻度不明
上室性頻脈 1%未満
不安 頻度不明
不快感等) 頻度不明
不整脈(心房細動 1%未満
口内乾燥 頻度不明
口腔及び呼吸器カンジダ症 頻度不明
口腔及び咽喉刺激感(異和感 頻度不明
口腔咽頭浮腫 1%未満
味覚異常 1%未満
頻度不明
嗄声 頻度不明
心悸亢進 1%未満
悪心 1%未満
感染症 頻度不明
振戦 1%未満
攻撃性 頻度不明
易刺激性 頻度不明
期外収縮を含む) 1%未満
気管支攣縮注) 頻度不明
浮腫 1%未満
疼痛 頻度不明
発疹 1%未満
皮膚挫傷(皮下出血等) 頻度不明
睡眠障害 1%未満
筋痙攣 頻度不明
胸痛 頻度不明
脈拍増加 頻度不明
腹痛 1%未満
蕁麻疹 1%未満
血圧上昇 1%未満
関節痛 1%未満
頭痛 1%未満
顔面浮腫 1%未満
食道カンジダ症 1%未満
高血糖 1%未満
鼻炎 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

サルメテロールキシナホ酸塩は長時間作動型β2刺激剤であり、アデニル酸シクラーゼを活性化し細胞内の環状アデノシン一リン酸を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。 フルチカゾンプロピオン酸エステルは合成副腎皮質ステロイドであり、グルココルチコイド受容体を刺激することにより抗喘息作用及び抗炎症作用を示す。

18.2 併用試験(サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステル)

  1. 18.2.1抗喘息作用

  2. (1)サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用吸入投与により、モルモットにおける卵白アルブミン抗原誘発即時型喘息反応及び遅発型喘息反応を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好酸球増加に対して抑制作用を示した。

  3. (2)サルメテロールキシナホ酸塩の吸入投与により、モルモットにおけるヒスタミン誘発気道収縮を抑制し、その作用は6~10時間後に消失した。作用の持続時間は、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールより長かった。また、30日間連続吸入投与してもヒスタミン誘発気道収縮の抑制作用に耐性は認められなかった15)。

  4. (3)フルチカゾンプロピオン酸エステルの吸入投与及び気管内投与により、モルモットにおける卵白アルブミン抗原誘発遅発型喘息反応を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好酸球増加に対して抑制作用を示した。好酸球浸潤抑制作用はベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約7倍であった。

  5. 18.2.2慢性閉塞性肺疾患モデルにおける作用

  6. (1)サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用反復吸入投与により、モルモットにおけるタバコ煙誘発気道抵抗増加を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好中球及びマクロファージ増加に対して抑制作用を示した。

  7. (2)サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルの併用反復鼻腔内投与により、マウスにおけるタバコ煙によって誘発される気管支肺胞洗浄液中の好中球、マクロファージ、好酸球、リンパ球及び上皮細胞増加に対して抑制作用を示した。

18.3 サルメテロールキシナホ酸塩の試験

  1. 18.3.1気管支拡張作用

  2. (1)モルモット摘出気管平滑筋(in vitro)をイソプレナリン、サルブタモールとほぼ同等に弛緩した。摘出気管平滑筋(in vitro)のヒスタミン誘発収縮に対する抑制作用は、イソプレナリンの約2倍、サルブタモールの約4倍であった。また、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールに比べて作用の発現は遅いが、作用持続時間はこれら3剤より明らかに長く、60分以上であった15)。

  3. (2)気管支喘息患者にサルメテロールキシナホ酸塩(サルメテロールとして50μg)を単回吸入投与した場合、投与後30分に肺機能検査値が有意に改善し、作用は12時間持続した16),17),18)。

  4. 18.3.2β2受容体選択性-心脈管系に対する作用-

モルモットの摘出心房(in vitro)に対する作用は、イソプレナリン、サルブタモール及びプロカテロールより弱かった。また、吸入投与による心拍数増加はイソプレナリン、プロカテロールより弱く、サルブタモールとほぼ同等であり、β2受容体に対する選択性が高かった15)。

  1. 18.3.3気道クリアランスに対する作用

  2. (1)麻酔ウズラの気管粘液繊毛輸送能は筋肉内投与により促進される19)。

  3. (2)ラット肺胞Ⅱ型上皮初代培養細胞(in vitro)からの肺表面活性物質の分泌を促進させる19)。

18.4 フルチカゾンプロピオン酸エステルの試験

  1. 18.4.1抗炎症作用

  2. (1)ヒト血管収縮作用

フルチカゾンプロピオン酸エステルはMcKenzieらの方法による健康成人皮膚における血管収縮試験(皮膚蒼白度を指標)においてベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約1.9倍、ベタメタゾン吉草酸エステルの約2.6倍、フルオシノロンアセトニドの約9.5倍の局所抗炎症作用を示した20)。

  1. (2)急性炎症モデルに対する作用

ラットにおけるカラゲニン足蹠浮腫抑制作用は、局所投与でフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、皮下投与でフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順であった21)。

  1. (3)亜急性・慢性炎症モデルに対する作用

ラットを用いたcotton pellet法による肉芽腫増殖抑制作用はフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順であり、croton oil法による局所投与ではフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順であった21)。また、ラットのadjuvant関節炎抑制作用は皮下投与で、フルチカゾンプロピオン酸エステルはベタメタゾン吉草酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルより強い抑制作用を示した21)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1気管支喘息患者

成人の気管支喘息患者12例に、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・250μg)を1日2回、2週間吸入投与した時のサルメテロール、フルチカゾンプロピオン酸エステルの血中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである。

図-1 気管支喘息患者における血漿中薬物濃度の推移(平均値±標準偏差)

成分名 Cmax
(pg/mL)
tmax
(hr)
AUC0-t
(hr・pg/mL)
アドエア250
ディスカス
サルメテロール 103.7±58.6 0.08±0.01 134.6±155.2
フルチカゾンプロピオン酸エステル 87.0±26.9 0.50±0.18 401.8±133.4
  1. 16.1.2慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)患者

成人の慢性閉塞性肺疾患患者12例に、アドエアディスカス(サルメテロール・フルチカゾンプロピオン酸エステル50・500μg注))を1日2回、4週間吸入投与した時のサルメテロール、フルチカゾンプロピオン酸エステルの薬物動態パラメータは以下のとおりである。

成分名 Cmax
(pg/mL)
tmax
(hr)
AUC0-t
(hr・pg/mL)
アドエア500
ディスカス注)
サルメテロール 66.0±25.0 0.49±0.59 158.2±82.0
フルチカゾンプロピオン酸エステル 124.6±38.6 1.29±1.28 903.5±303.7

注)慢性閉塞性肺疾患に対して国内で承認されている製剤は、ディスカス製剤ではアドエア250ディスカスのみ、エアゾール製剤ではアドエア125エアゾールのみである。

16.3 分布

血漿蛋白結合率はサルメテロール98%以上、フルチカゾンプロピオン酸エステル81~95%であった3)(外国人データ)。

16.4 代謝

健康成人に14C-サルメテロールを経口投与した時の主要代謝物は糞中では水酸化体、尿中ではカルボキシル体である(外国人データ)。 健康成人におけるフルチカゾンプロピオン酸エステル経口投与時の血中主要代謝物は、17β-カルボン酸体であり、尿中では17β-カルボン酸体及びそのグルクロン酸抱合体、糞中では未吸収による未変化体及び17β-カルボン酸体である(外国人データ)。 サルメテロール及びフルチカゾンプロピオン酸エステルは共にCYP3A4によって代謝を受ける4),5)。

16.5 排泄

健康成人に14C-サルメテロール1mgを経口投与した場合、投与後72時間までに投与量の57%が糞中に、23%が尿中に排泄された(外国人データ)。 健康成人に3H-フルチカゾンプロピオン酸エステル1mgを経口投与した場合、ほとんど吸収されず、糞中への排泄は総回収率の87~97%を占め、尿中排泄率は5%以下であり、その大部分は投与後48時間までに排泄された(外国人データ)。