- 片頭痛発作の発症抑制
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴を有する患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはガルカネズマブ(遺伝子組換え)として初回に240mgを皮下投与し、以降は1ヵ月間隔で120mgを皮下投与する。
使用上の注意
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8.1 本剤は、片頭痛の治療に関する十分な知識及び経験を有する医師のもとで使用すること。
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8.2 本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。
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8.3 **本剤の自己投与にあたっては、以下の点に留意すること。
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本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。
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自己投与の適用については、その妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。
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自己投与適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。
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自己投与を適用する場合は、使用済みのオートインジェクターあるいはシリンジを再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている。本剤はウサギ及びラットにおいて胎児への移行が報告されているが、胎児に有害な影響は認められなかった1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトの乳汁中への移行及び授乳された乳児への影響は不明である。ヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られていることから、本剤も授乳された乳児への移行の可能性が考えられる。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| そう痒感 | 頻度不明 | — |
| そう痒症 | 1%未満 | — |
| 便秘 | 1%未満 | — |
| 内出血 | 頻度不明 | — |
| 回転性めまい | 1%未満 | — |
| 注射部位反応(紅斑 | 頻度不明 | — |
| 注射部位疼痛(10.1%) | 頻度不明 | — |
| 発疹 | 頻度不明 | — |
| 腫脹等)(14.9%) | 頻度不明 | — |
| 蕁麻疹 | 1%未満 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ガルカネズマブはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体であり、CGRP受容体を阻害することなくCGRPの生理活性を阻害する。ガルカネズマブはCGRPに高い親和性(KD=31pM)と選択性を有し、CGRP受容体やCGRP関連ペプチド(アドレノメデュリン、アミリン、カルシトニン及びインテルメジン)には明らかな結合性を示さない(CGRPに対する親和性はこれらペプチドに対する親和性の10000倍より大きい)。片頭痛患者では片頭痛発作の誘発に関連するとされるCGRPの血中濃度が上昇しており、ガルカネズマブのCGRP活性の阻害作用により、片頭痛発作の発症が抑制されると考えられる12)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
日本人健康成人に本剤5~300mg注6)を単回皮下投与したときの血清中ガルカネズマブ濃度は以下のとおりである。ガルカネズマブは、Tmax 5~9日で吸収され、消失半減期は約23~30日間であった。
日本人及び外国人健康成人の薬物動態パラメータは同程度であり、Cmax及びAUC0-∞は投与量の増加と共に上昇した2)。
図1)日本人健康成人における単回皮下投与時の血清中ガルカネズマブ濃度(平均値+標準偏差)
| 投与量(例数) | Tmax注1)(day) | T1/2注2)(day) | Cmax(ng/mL) | AUC0-∞(ng・day/mL) | CL/F(mL/day) | Vz/F(mL) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 5mg(N=3) | 6.26(4-7) | 22.8(17.0-29.4) | 914(11) | 27900(19) | 179(19) | 5890(12) |
| 50mg(N=3) | 9(9-11) | 22.6(18.6-27.7) | 4480(63) | 180000(48) | 277(48) | 9020(28) |
| 120mg(N=4) | 4.62(4-9) | 28.7注3)(24.8-32.8) | 19500(9) | 829000注3)(4) | 145注3)(4) | 5990注3)(12) |
| 300mg(N=5) | 5(4-5) | 29.5(21.8-47.9) | 44400(19) | 1870000(28) | 160(28) | 6810(20) |
| 幾何平均値(変動係数%) | ||||||
注1)中央値(最小値‐最大値)
注2)幾何平均値(最小値‐最大値)
注3)N=3
- 16.1.2 反復投与
日本人反復性片頭痛患者及び慢性片頭痛患者に本剤を初回に240mg皮下投与し、以降は1ヵ月間隔で120mg皮下投与したときの血清中ガルカネズマブのトラフ濃度は初回投与後に定常状態に到達し、投与後6ヵ月では反復性片頭痛患者で20400ng/mL、慢性片頭痛患者で21000ng/mLであった3),4)。
2309例(日本人患者420例を含む)のデータを用いた母集団薬物動態解析に基づくと、初回に240mgを皮下投与したときのガルカネズマブのCmaxは約31μg/mL(変動係数26%)であった。以降120mg又は240mg注6)を1ヵ月間隔で皮下投与したとき、定常状態におけるCmaxはそれぞれ約30μg/mL(変動係数32%)又は58μg/mL(変動係数29%)であった5),6)。5~300mg注6)投与時に、吸収速度に用量依存性は認められなかった。母集団薬物動態解析の結果同様、投与部位によって、ガルカネズマブの吸収は大きく変わらなかった5),6)。
| 投与量 | 120mg注4) | 240mg注6) | |
|---|---|---|---|
| 投与6ヵ月 | Cmax,ss(μg/mL) | 32.9 (23) | 66.2 (22) |
| tmax,ss(h)注5) | 124 | 124 | |
| Cmin,ss(μg/mL) | 19.0 (32) | 38.4 (31) | |
| AUCτ,ss(μg・h/mL) | 19100 (26) | 38400 (26) | |
| 幾何平均値(変動係数%) | |||
注4)初回のみ240mgを投与
注5)中央値
16.3 分布
母集団薬物動態解析に基づくと、ガルカネズマブの見かけの分布容積は7060mLであった。見かけの分布容積に用量依存性は認められなかった5)。
16.4 代謝
ガルカネズマブはIgG4モノクローナル抗体であり、内因性IgGと同様に異化経路によりペプチド断片及びアミノ酸に分解されると考えられる。
16.5 排泄
母集団薬物動態解析に基づくと、ガルカネズマブの見かけのクリアランスは約185mL/dayであり、半減期は26日であった。見かけのクリアランスに用量依存性は認められなかった5)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1 肝機能障害患者
肝機能障害患者における本剤の薬物動態に関する検討は行っていない。IgGモノクローナル抗体は、主に細胞外異化経路により消失し、肝機能障害はガルカネズマブのクリアランスに影響しないと考えられる。母集団薬物動態解析に基づくと、ビリルビン濃度はガルカネズマブの見かけのクリアランスに影響を及ぼさなかった5)。
- 16.6.2 腎機能障害患者
腎機能障害患者における本剤の薬物動態に関する検討は行っていない。IgGモノクローナル抗体の腎排泄は低いと考えられる。母集団薬物動態解析に基づくと、クレアチニンクリアランス(最小値~最大値:24~308mL/min)はガルカネズマブの見かけのクリアランスに影響を及ぼさなかった5)。
- 16.6.3 その他
年齢、性別、体重、人種、又は民族はガルカネズマブの見かけのクリアランス及び見かけの分布容積に影響を及ぼさなかった5)。
注6)本剤の承認された用法及び用量は、「初回に240mgを皮下投与し、以降は1ヵ月間隔で120mgを皮下投与する。」である。