【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症 ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。 ・心血管イベントの発現リスクが高い ・HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない

用法・用量

  • 〈家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体及び高コレステロール血症〉

通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として140mgを2週間に1回又は420mgを4週間に1回皮下投与する。

  • 〈家族性高コレステロール血症ホモ接合体〉

通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として420mgを4週間に1回皮下投与する。効果不十分な場合には420mgを2週間に1回皮下投与できる。なお、LDLアフェレーシスの補助として本剤を使用する場合は、開始用量として420mgを2週間に1回皮下投与することができる。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤投与にあたっては、あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法、禁煙、他の虚血性心疾患のリスクファクター(糖尿病、高血圧症等)の軽減等も十分考慮すること。

  2. 8.2 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、本剤に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

  3. 8.3 HMG-CoA還元酵素阻害剤及び他の脂質異常症治療薬と併用する場合は、併用する薬剤の電子添文の2.禁忌、8.重要な基本的注意、9.特定の背景を有する患者に関する注意及び11.1重大な副作用の記載を必ず確認すること。

  4. 8.4 自己投与の実施について

  5. 8.4.1 自己投与を実施するにあたっては、医師がその妥当性を慎重に検討した上で、患者に対して医師又は医療従事者が十分な自己投与に向けての教育・訓練を実施すること。その後、患者自ら確実に自己投与ができることを医師が確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。

  6. 8.4.2 自己投与の実施後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な場合には、速やかに医療施設に連絡するよう指導し、直ちに自己投与を中止させるなど適切な処置を行うこと。

  7. 8.4.3 本剤は1回使用の製剤である。使用後、再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法に関する指導を徹底すること。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害患者(Child-Pugh 分類C)

これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用する場合は、投与しないこと。HMG-CoA還元酵素阻害剤において、動物実験で出生児数の減少、生存・発育に対する影響、胎児の生存率の低下と発育抑制及び胎児の骨格奇形が報告され、ヒトでは胎児の先天性奇形があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用する場合は、投与しないこと。HMG-CoA還元酵素阻害剤においてラットで乳汁中への移行が確認されている。

9.7 小児等

  • 〈家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体及び高コレステロール血症〉
  1. 9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施されていない。
  • 〈家族性高コレステロール血症ホモ接合体〉
  1. 9.7.2 12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施されていない。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
CK上昇 5%以上
インフルエンザ 頻度不明
インフルエンザ様疾患 頻度不明
そう痒性皮疹 頻度不明
上咽頭炎 頻度不明
上気道感染 頻度不明
下痢 頻度不明
不眠症 頻度不明
低比重リポ蛋白減少 頻度不明
倦怠感 頻度不明
内出血 5%以上
動悸 頻度不明
咳嗽 頻度不明
四肢不快感 頻度不明
四肢痛 頻度不明
女性化乳房 頻度不明
尿中ビリルビン増加 頻度不明
尿中蛋白陽性 頻度不明
心筋虚血 頻度不明
悪心 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
慢性気管支炎 頻度不明
末梢腫脹 頻度不明
注射部位反応(疼痛 5%以上
潮紅 頻度不明
無力症 頻度不明
発疹 頻度不明
皮膚しわ 頻度不明
皮膚炎 頻度不明
筋力低下 頻度不明
筋痙縮 5%以上
筋肉痛 5%以上
糖尿病 5%以上
紅斑 5%以上
肉離れ 頻度不明
肝機能異常 5%以上
胃粘膜病変 頻度不明
背部痛 頻度不明
腫脹等) 5%以上
腱断裂 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血小板凝集亢進 頻度不明
血管浮腫 頻度不明
貧血 頻度不明
関節痛 頻度不明
頚動脈内膜中膜肥厚度増加 5%以上
頭痛 頻度不明
食道静脈瘤 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

エボロクマブはLDL受容体分解促進タンパク質であるPCSK9に高い親和性を示し16)、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害した17)。また、培養ヒト肝細胞系において、PCSK9刺激によって低下したLDL取り込みを増加させた18)(in vitro)。

18.2 血中コレステロールに対する作用

ハムスターにおいて、エボロクマブは肝臓のLDL受容体タンパク量を上昇させ、非HDL-コレステロールを低下させた19)。サルにおいて、LDL-コレステロールを低下させた20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康成人にエボロクマブ70mgから420mgを単回皮下投与注)したときの血清中エボロクマブの濃度推移を図1に、薬物動態パラメータを表1にそれぞれ示す2)。健康成人に単回皮下投与したときのエボロクマブのCmax及びAUCは、210mgから420mgの間で用量にほぼ比例して増加した。

図1 健康成人にエボロクマブを単回皮下投与したときの血清中エボロクマブの濃度時間推移(平均値±標準偏差)

用量 N AUClast (day・µg/mL) Cmax (µg/mL) tmax (day)
70mg 210mg 420mg 6 6 6 76.3 (58.0) 501 (218) 1970 (749) 9.53 (6.37) 31.9 (11.1) 104 (31.4) 3.0 (2.0 – 4.0) 6.5 (4.0 – 9.0) 6.5 (3.0 – 10)
AUClast及びCmax:平均値 (標準偏差) tmax:中央値(最小値 - 最大値)

健康成人にエボロクマブ420mgを単回静脈内投与注)したとき、定常状態の分布容積[平均値(標準偏差)]は3.3(0.5)L、全身クリアランス[平均値(標準偏差)]は11.6(2.26)mL/hrであった3)(外国人データ)。 注)本剤の承認用法・用量は140mgを2週間に1回皮下投与、あるいは420mgを4週間に1回皮下投与である。

  1. 16.1.2 反復投与

高コレステロール血症患者にエボロクマブを2週間に1回140mg、あるいは4週間に1回420mgを反復皮下投与したとき、エボロクマブの薬物動態パラメータは表2のとおりであった4)。また、定常状態におけるエボロクマブの血清中トラフ濃度(Cmin)は初回投与時の約2~3倍であった4)。

用法 用量 N AUCweek8-12注) (day・µg/mL) Cmax (µg/mL) Cmin (µg/mL)
2週間に1回 4週間に1回 140mg 420mg 21 20 490 (277) 1140 (544) 26.3 (12.6) 68.8 (27.0) 12.3 (9.84) 17.2 (10.9)
平均値 (標準偏差) 注)AUCweek8-12:投与8週から12週の血清中濃度-時間曲線下面積

16.2 吸収

エボロクマブの母集団薬物動態解析で得られた絶対バイオアベイラビリティは、約72%であった5)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 肝機能障害患者

軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A)、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)、健康成人各8例にエボロクマブを140mg単回皮下投与したとき、軽度あるいは中等度肝機能障害患者におけるエボロクマブのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ21%あるいは34%低下し、AUCはそれぞれ39%あるいは47%低下したが、LDL-コレステロールの低下効果に大きな違いはなかった6)(外国人データ)。

  1. 16.6.2 腎機能障害患者

エボロクマブの臨床試験で得られた血清中濃度を用いた母集団薬物動態解析により、軽度(クレアチニンクリアランス50~80mL/min)あるいは中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30~50mL/min)におけるエボロクマブの薬物動態は、健康成人と比較して大きな違いはなかった5)(外国人データ)。重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス<30mL/min)、透析患者、健康成人各6例にエボロクマブを140mg単回皮下投与したとき、重度腎機能障害患者あるいは透析患者におけるエボロクマブのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ35%あるいは63%低下し、AUCはそれぞれ37%あるいは67%低下したが、LDL-コレステロールの低下効果に大きな違いはなかった7)(外国人データ)。