【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又はガバペンチンに対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 高度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満),

効能・効果

中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)

用法・用量

通常、成人にはガバペンチン エナカルビルとして1日1回600mgを夕食後に経口投与する。

使用上の注意

  1. 8.1 本剤の投与により体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。特に、投与量の増加、あるいは長期投与に伴い体重増加が認められることがあるため、定期的に体重計測を実施すること。

  2. 8.2 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  3. 8.3 本剤の投与により、霧視、調節障害等の眼障害が生じる可能性があるので、診察時に、眼障害について問診を行う等注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

  4. 8.4 効果が認められない場合には、漫然と投与しないよう注意すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 高度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)

投与しないこと。活性代謝物であるガバペンチンの排泄が遅延し、血漿中濃度が上昇するおそれがある。,,

  1. 9.2.2 中等度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min以上60mL/min未満)

,,

  1. 9.2.3 軽度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス60mL/min以上90mL/min未満)

,,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラットで胎盤及び胎児へ移行することが報告されている。さらに、妊娠ラット及び妊娠ウサギに投与した際に母動物に体重減少等がみられ、非妊娠動物に投与した場合と比較して毒性が増強する可能性が報告されている。また、早産あるいは流産(ウサギ)、胎児の低体重(ラット及びウサギ)、新生児の生存率低下及び低体重(ラット)が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

クレアチニンクリアランス値を参考に投与量を調節するなど慎重に投与すること。腎機能が低下していることが多い。,,,,

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
ALT上昇 1%未満
AST上昇 1%未満
BUN上昇 1%未満
CK上昇 1〜5%未満
γ-GTP上昇 1%未満
うつ病 1〜5%未満
そう痒症 1%未満
リビドー減退 1〜5%未満
上腹部痛 1%未満
下痢 1〜5%未満
不安 1〜5%未満
不眠症 1〜5%未満
体重増加 1〜5%未満
体重減少 1%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1%未満
傾眠(19.3%) 5%以上
動悸 1%未満
口内乾燥 1〜5%未満
味覚異常 1%未満
嗜眠 1%未満
嘔吐 1%未満
四肢痛 1%未満
回転性めまい 1〜5%未満
失見当識 1〜5%未満
好酸球数増加 1%未満
尿酸上昇 1%未満
平衡障害 1〜5%未満
悪心 1〜5%未満
振戦 1%未満
易刺激性 1〜5%未満
末梢性浮腫 1%未満
構語障害 1%未満
注意力障害 1%未満
浮動性めまい(13.0%) 5%以上
消化不良 1%未満
無力症 1%未満
異常な夢 1%未満
異常感 1%未満
疲労 1〜5%未満
発疹 1%未満
筋痙縮 1%未満
筋肉痛 1%未満
胃食道逆流性疾患 1%未満
背部痛 1%未満
腹痛 1%未満
腹部不快感 1%未満
血小板数増加 1%未満
運動失調 1%未満
酩酊感 1%未満
錯感覚 1%未満
鎮静 1〜5%未満
関節痛 1%未満
霧視 1%未満
頭痛 1〜5%未満
食欲亢進 1%未満
高血圧 1%未満
鼓腸 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ガバペンチン エナカルビルはプロドラッグであり、体内で速やかに加水分解され、活性代謝物のガバペンチンを生成する。ガバペンチンのレストレスレッグス症候群に対する作用機序の詳細は不明であるが、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合すること17)により、前シナプスでカルシウムイオンの流入を抑制して興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する18)という作用機序が寄与しているものと推察される。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

健康成人(各投与量6例)に本剤600、1,200あるいは1,800mgを注)空腹時に単回経口投与したとき、本剤の活性代謝物であるガバペンチンの全血中濃度は投与後4~6時間で最高値に達し、消失半減期は4~6時間であった。ガバペンチンのCmax及びAUCは用量の増加に伴って上昇した。なお、未変化体としては全血中にほとんど存在しなかった1)。

投与量 n Cmax (μg/mL) Tmax (h) t1/2 (h) AUCinf (μg・h/mL)
600mg 6 2.47±0.76 4.35±1.35 4.89±0.27 21.3±6.24
1,200mg 6 5.08±1.26 5.67±0.82 5.31±0.88 47.1±6.12
1,800mg 6 8.59±2.45 4.52±1.25 5.68±0.91 83.3±16.6
(平均値±標準偏差)

単回投与時の全血中ガバペンチン濃度推移

  1. 16.1.2 反復投与

健康成人10例に本剤1,200mgを注)1日1回、食後に5日間反復経口投与したときの最終投与時では、本剤の活性代謝物であるガバペンチンの全血中濃度は投与後5.2時間で最高値に達し、消失半減期は5.6時間であった2)(外国人データ)。

Cmax (μg/mL) Tmax (h) t1/2 (h) AUCτ (μg・h/mL)
6.10±1.29 5.20±1.14 5.64±1.08 63.9±11.7
(平均値±標準偏差、n=10)
  1. 16.1.3 レストレスレッグス症候群患者

レストレスレッグス症候群患者に本剤600、1,200、1,800あるいは2,400mgを注)1日1回、食後に反復経口投与したときの血漿中ガバペンチン濃度は、投与4週目及び12週目で明らかな変化は認められず、投与後6~9時間の間に最高値を示し、消失半減期は5~7時間であった。ガバペンチンのCmax及びAUCは用量にほぼ比例して上昇した3)(外国人データ)。

投与量 n Cmax (μg/mL) Tmax (h) t1/2 (h) AUC24h (μg・h/mL)
600mg 32 4.14±1.19 6.96±3.76 6.27±1.77 51.4±16.5
1,200mg 30 7.15±2.76 8.72±3.68 6.63±2.23 95.7±38.5
1,800mg 30 12.0±3.83 8.00±2.58 5.89±1.36 146±41.4
2,400mg 31 13.3±3.83 8.13±3.20 6.09±1.28※ 173±54.4※
(平均値±標準偏差)

血漿中濃度を基に算出した薬物動態パラメータ ※n=30

16.2 吸収

  1. 16.2.1 吸収率

健康成人6例に本剤1,800mgを注)食後に単回経口投与したときのガバペンチンとしての平均累積尿中排泄率は73%であり、本剤経口投与時の吸収率は良好であると考えられた1)。

  1. 16.2.2 食事の影響

健康成人18例において、食後(高脂肪食)に本剤1,200mgを注)単回経口投与したときのCmax及びAUCは空腹時に比べ約40%上昇した4)。

Cmax (μg/mL) Tmax (h) t1/2 (h) AUCinf (μg・h/mL)
空腹時投与 5.49±1.25 5.3±1.2 5.8±0.8 55.3±10.2
食後投与 7.55±0.92 6.1±1.7 5.1±0.4 76.2±6.7
(平均値±標準偏差、n=18)

血漿中濃度を基に算出した薬物動態パラメータ

16.3 分布

健康成人(各投与量12例)に用量を漸増して本剤1,200あるいは1,800mgを注)1日2回、食後に反復経口投与したときの定常状態でのガバペンチンの全血中濃度に対する血漿中濃度の比は1.09であった5)。また、ガバペンチンの血漿蛋白との結合率は3%未満と低いことが報告されている6)。

16.4 代謝

本剤は消化管上皮細胞内あるいは肝臓等に存在しているカルボキシルエステラーゼにより速やかに加水分解され、活性代謝物であるガバペンチンとなる7)。本剤の未変化体はCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4のいずれによっても代謝を受けず、また阻害活性を示さなかった8)(in vitro試験)。本剤の未変化体あるいはガバペンチンは、CYP1A2、CYP2B6及びCYP3A4に対して誘導作用を示さなかった9)(in vitro試験)。

16.5 排泄

健康成人6例に本剤の14C-標識体600mgを食後に単回経口投与したとき、投与した総放射能の94.1%が尿中へ、5.2%が糞中へ排泄された。血液及び尿中総放射能の大部分は本剤の活性代謝物であるガバペンチンであり、本剤の主な排泄経路はガバペンチンとしての腎臓からの尿中排泄であると考えられた10)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

腎機能の異なる被験者(12例)に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴って血漿中ガバペンチンの消失半減期が延長し、Cmax及びAUCが増加した。また、各被験者の経口クリアランス(CL/F)及び腎クリアランス(CLr)と腎機能の指標であるクレアチニンクリアランス(Ccr)の間には相関関係が認められ、Ccrの低下に伴ってCL/F及びCLrが低下した11)。,,,,,

腎機能分類 (Ccr:mL/min) 正常者※ (Ccr≧90) 軽度障害患者 (90>Ccr≧60) 中等度障害患者 (60>Ccr≧30) 高度障害患者※ (30>Ccr≧15)
n 1 4 6 1
Cmax (μg/mL) 4.35 4.94±1.37 6.46±1.48 8.70
Tmax(h) 8.0 7.3±1.5 10.5±4.4 8.1
AUCinf (μg・h/mL) 59.0 72.0±12.7 165.6±35.3 235.4
t1/2(h) 7.4 8.3±1.6 14.7±3.4 16.4
CL/F(L/h) 5.29 4.45±0.81 1.96±0.40 1.33
VZ/F(L) 56.2 54.4±19.8 40.6±8.8 31.5
CLr(L/h) 4.11 3.31±0.23 1.62±0.30 0.79
(平均値±標準偏差)

血漿中濃度を基に算出した薬物動態パラメータ ※腎機能正常者と高度障害患者は1例のみであるため要約統計量を算出せず

  1. 16.6.2 血液透析患者

血液透析患者(6例)に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、血漿中ガバペンチン濃度は12時間で最高値に達し、Cmaxは9.47μg/mLであった。3~4時間の血液透析により投与量の44.9%が透析液中に排泄された。透析中の血漿中ガバペンチンの消失半減期は3.7時間、透析クリアランスは167.7mL/minであり、ガバペンチンは血液透析により除去された11)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 ナプロキセン

健康成人10例を対象に、ナプロキセン(1回500mg、1日2回投与)と本剤(1回1,200mg、1日1回食後投与)を注)5日間反復経口投与したとき、本剤はナプロキセンの薬物動態に影響を及ぼさず、またナプロキセンも本剤投与時のガバペンチンの薬物動態に影響を及ぼさなかった2)(外国人データ)。

  1. 16.7.2 シメチジン

健康成人12例を対象に、シメチジン(1回400mg、1日4回投与)と本剤(1回1,200mg、1日1回食後投与)を注)反復経口投与したとき、本剤単独投与時と比較してガバペンチンのAUCτは24%増加したが、Cmaxは変化しなかった。また、本剤の投与はシメチジンの薬物動態に影響を及ぼさなかった12)(外国人データ)。

注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはガバペンチン エナカルビルとして1日1回600mgを夕食後に経口投与する。」である。