不眠症(統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症は除く)
【警告】
本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。,,
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2 重篤な肝障害のある患者,
-
2.3 重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。]
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2.4 急性閉塞隅角緑内障の患者[眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。]
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2.5 本剤により睡眠随伴症状(夢遊症状等)として異常行動を発現したことがある患者[重篤な自傷・他傷行為、事故等に至る睡眠随伴症状を発現するおそれがある。]
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはゾルピデム酒石酸塩として1回5~10mgを就寝直前に経口投与する。なお、高齢者には1回5mgから投与を開始する。年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日10mgを超えないこととする。
使用上の注意
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8.1 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。
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8.2 本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期などで呼吸機能が高度に低下している患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。呼吸抑制により炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。
- 9.1.2 衰弱患者
薬物の作用が強くあらわれ、副作用が発現しやすい。
- 9.1.3 心障害のある患者
血圧低下があらわれるおそれがあり、症状の悪化につながるおそれがある。
- 9.1.4 脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
排泄が遅延し、作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。代謝機能の低下により血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。,
- 9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
代謝機能の低下により血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本薬はヒトで胎盤を通過することが報告されており、妊娠後期に本剤を投与された患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があらわれることがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが報告されており、新生児に嗜眠を起こすおそれがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
運動失調が起こりやすい。また、副作用が発現しやすい。,
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| ALT上昇 | 1〜5%未満 | — |
| AST上昇 | 1〜5%未満 | — |
| LDH上昇 | 1〜5%未満 | — |
| γ‐GTP上昇 | 1〜5%未満 | — |
| しびれ感 | 頻度不明 | — |
| そう痒感 | 1〜5%未満 | — |
| ふらつき | 1〜5%未満 | — |
| めまい | 1〜5%未満 | — |
| 下痢 | 1%未満 | — |
| 下肢脱力感 | 1〜5%未満 | — |
| 不安 | 1〜5%未満 | — |
| 不快感 | 1〜5%未満 | — |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 | — |
| 動悸 | 1〜5%未満 | — |
| 口の錯感覚 | 頻度不明 | — |
| 口渇 | 1〜5%未満 | — |
| 味覚異常 | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 | — |
| 悪夢 | 1〜5%未満 | — |
| 悪心 | 1〜5%未満 | — |
| 振戦 | 頻度不明 | — |
| 残眠感 | 1〜5%未満 | — |
| 気分高揚 | 1〜5%未満 | — |
| 疲労 | 1〜5%未満 | — |
| 発疹 | 1〜5%未満 | — |
| 白血球増多 | 1〜5%未満 | — |
| 白血球減少 | 1〜5%未満 | — |
| 眠気 | 1〜5%未満 | — |
| 筋痙攣 | 頻度不明 | — |
| 腹痛 | 1〜5%未満 | — |
| 蛋白尿 | 1〜5%未満 | — |
| 複視 | 1〜5%未満 | — |
| 視力障害 | 頻度不明 | — |
| 転倒注1) | 頻度不明 | — |
| 錯視 | 1%未満 | — |
| 霧視 | 頻度不明 | — |
| 頭痛 | 1〜5%未満 | — |
| 頭重感 | 1〜5%未満 | — |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 | — |
| 食欲亢進 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ゾルピデム酒石酸塩は、ω1(BZD1)受容体に対して選択的な親和性を示し、GABAA系の抑制機構を増強するものと考えられる18),19)。
18.2 夜間睡眠に及ぼす影響
ゾルピデム酒石酸塩錠10mgを健康成人に就寝前に投与すると、睡眠潜時を短縮し20)、睡眠後はREM睡眠に影響することなく徐波睡眠を増加させ、翌朝への持ち越し効果、反跳現象はみられなかった20),21),22),23),24)。
18.3 記憶機能に対する作用
健康成人にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを投与した1時間後には明らかな催眠作用がみられたが、翌朝の記憶検査では影響はみられなかった25),26),27),28)。
18.4 動物の脳波に対する作用
ゾルピデム酒石酸塩は、サル、ネコ及びラットにおいて、より選択的に徐波睡眠を増加させた29),30),31)。ネコ及びラットの覚醒-睡眠パターンに対する影響は少なかった32),33)。ラットにおいて、作用発現は速やかで、持続は短かった31)。
18.5 その他の中枢作用
ゾルピデム酒石酸塩は、マウスにおいて、鎮静作用の他に、抗痙攣作用、筋弛緩作用等を示すが、鎮静作用が最も少量であらわれた34)。また、ラットにおいて、抗不安作用を示した35)。
18.6 反復投与の影響
ゾルピデム酒石酸塩は、マウスにおいて、反復投与しても耐性の形成は弱かった36)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 健康成人
健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠2.5~10mg注1)を空腹時に単回経口投与したところ、ゾルピデムは速やかに吸収され、投与後0.7~0.9時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達した後、消失半減期(t1/2)1.78~2.30時間で速やかに減少した。Cmax及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は投与量に比例して増加した1)。また、健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを1日1回7日間朝食後に経口投与したところ、血漿中濃度推移は1日目と7日目でほぼ同じであった1)。
| * 投与量 (mg) | * Tmax (hr) | * Cmax (ng/mL) | * t1/2 (hr) | * AUC0-∞ (ng・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| * 2.5 ; * 5.0 ; * 7.5 ; * 10.0 | * 0.7±0.3 ; * 0.8±0.3 ; * 0.9±0.6 ; * 0.8±0.3 | * 32.6±9.6 ; * 76.2±29.7 ; * 102±42 ; * 120±73 | * 1.78±0.48 ; * 2.06±1.18 ; * 1.86±0.47 ; * 2.30±1.48 | * 96±58 ; * 259±218 ; * 330±163 ; * 491±474 |
| (Mean±S.D.) | ||||
- 16.1.2 生物学的同等性試験
- 〈ゾルピデム酒石酸塩錠10mg「クニヒロ」〉
ゾルピデム酒石酸塩錠10mg「クニヒロ」とマイスリー錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠( ゾルピデム酒石酸塩として10mg )健康成人男子に絶食下単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
| * 判定パラメータ | * 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| * AUC0-12hr (ng・hr/mL) | * Cmax (ng/mL) | * Tmax (hr) | * t1/2 (hr) | |
| * ゾルピデム酒石酸塩 錠10mg「クニヒロ」 | * 765.1 ±326.0 | * 214.8 ±84.3 | * 1.0 ±0.8 | * 2.6 ±0.8 |
| * マイスリー錠10mg | * 776.6 ±275.1 | * 223.5 ±72.1 | * 0.8 ±0.6 | * 2.5 ±0.7 |
| (Mean±S.D., n=20) | ||||
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
- 16.2.1 バイオアベイラビリティ
健康成人にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを経口投与又はゾルピデム酒石酸塩8mgを静脈内投与注1)して求めたバイオアベイラビリティは66.6%であった3)(外国人データ)。
- 16.2.2 食事の影響
健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを朝食後経口投与すると、空腹時投与に比べて最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は0.8±0.3時間(Mean±S.D.)から1.8±1.2時間(Mean±S.D.)に遅延する傾向にあったが、Cmax、AUCともに大きな差はなかった1)。
16.3 分布
- 16.3.1 乳汁中への移行
授乳中の女性5例にゾルピデム酒石酸塩錠20mg注1)を経口投与したとき、未変化体の乳汁中排泄率は投与量の0.004~0.019%であった。投与後3時間目の乳汁中/血漿中濃度比は0.11~0.18であった4)(外国人データ)。
- 16.3.2 蛋白結合率
健康成人にゾルピデム酒石酸塩10mgを経口投与した後の血漿蛋白結合率は96.0~96.3%であり、血漿中濃度50及び500ng/mLでのin vitro蛋白結合率との間に差は認められなかった5)。
16.4 代謝
ゾルピデム酒石酸塩の大部分は肝で代謝され、その主なものは芳香環のメチル基が酸化されてカルボン酸となった薬理活性を有しない代謝物であった6)。また、ゾルピデム酒石酸塩は肝薬物代謝酵素CYP3A4のほかCYP2C9、CYP1A2など複数の分子種により代謝される7),8)。
16.5 排泄
健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠2.5~10mg注1)を空腹時に単回経口投与したところ、投与後24時間までの尿中に排泄された未変化体は、いずれの投与量においても投与量の0.5%以下とごくわずかであった1)。また、健康成人6例にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを1日1回7日間朝食後に経口投与したところ、投与初日、4及び7日目投与後24時間の尿中未変化体排泄率は単回投与時と同様、投与量の0.5%以下であった1)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1 腎機能障害患者
慢性腎障害を有する患者16例(CLcr:0~47mL/min)にゾルピデム酒石酸塩10mgを20分間静脈内持続注入注1)したところ、健康成人に比べβ相での分布容量(Vdβ)のみ有意に大きかった9)(外国人データ)。 また、透析を受けている慢性腎障害患者9例にゾルピデム酒石酸塩錠10mgを1日1回13~18日間経口投与したときの血漿中濃度は単回投与時とほぼ同じであり、血中での蓄積は認められなかった9)(外国人データ)。
- 16.6.2 肝機能障害患者
肝硬変患者8例にゾルピデム酒石酸塩錠20mg注1)を経口投与したところ、同年齢の健康成人に比べてCmaxは2.0倍、AUCは5.3倍大きかった10)(外国人データ)。,,
| * 対象 | * Tmax (hr) | * Cmax (ng/mL) | * t1/2 (hr) | * AUC0-∞ (ng・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| * 肝硬変患者 ; * 健康成人 | * 0.69±0.54 ; * 0.72±0.42 | * 499±215 ; * 250±57 | * 9.91±7.57※ ; * 2.15±0.25 | * 4203±3773 ; * 788±279 |
| (Mean±S.D., ※のみn=7) | ||||
- 16.6.3 高齢者
高齢患者7例(67~80歳、平均75歳)にゾルピデム酒石酸塩錠5mgを就寝直前に経口投与したところ、高齢患者の方が健康成人に比べてCmaxで2.1倍、Tmaxで1.8倍、AUCで5.1倍、t1/2で2.2倍大きかった11)。,
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1 リファンピシン
健康成人8例にリファンピシン600mg又はプラセボを1日1回5日間経口投与し、翌日、ゾルピデム酒石酸塩20mg注1)を経口投与したとき、リファンピシン併用時におけるゾルピデムのCmax、AUC及びt1/2はプラセボ併用時に比べてそれぞれ58、73及び33%の有意な低下が認められた12)。
16.8 その他
- 16.8.1 生物学的同等性試験
- 〈ゾルピデム酒石酸塩錠5mg「クニヒロ」〉
ゾルピデム酒石酸塩錠5mg「クニヒロ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日薬食審査発第1124004号)」に基づき、ゾルピデム酒石酸塩錠10mg「クニヒロ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた13)。
注1)ゾルピデム酒石酸塩の承認された用法及び用量は「通常、成人にはゾルピデム酒石酸塩として1回5~10mgを就寝直前に経口投与する。なお、高齢者には1回5mgから投与を開始する。年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日10mgを超えないこととする。」である。