下痢型過敏性腸症候群
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- 〈男性における下痢型過敏性腸症候群〉
通常、成人男性にはラモセトロン塩酸塩として5μgを1日1回経口投与する。 なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10μgまでとする。
- 〈女性における下痢型過敏性腸症候群〉
通常、成人女性にはラモセトロン塩酸塩として2.5μgを1日1回経口投与する。 なお、効果不十分の場合には増量することができるが、1日最高投与量は5μgまでとする。
使用上の注意
虚血性大腸炎や重篤な便秘が発現するおそれがあるので、腹痛、血便、便秘、硬便が認められた場合には、医師等に連絡するよう患者に指導すること。特に、女性では男性に比べ便秘及び硬便の発現率が高いため注意すること。,,,
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 腹部手術歴のある患者
本剤の投与による便秘、硬便等の発現に伴うイレウス等の発現に注意すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用が発現した場合には、投与を中止すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| Al-P上昇 | 頻度不明 | — |
| ALT上昇 | 頻度不明 | — |
| AST上昇 | 頻度不明 | — |
| LDH上昇 | 頻度不明 | — |
| γ-GTP上昇 | 頻度不明 | — |
| ビリルビン上昇 | 頻度不明 | — |
| 上腹部痛 | 頻度不明 | — |
| 下痢 | 頻度不明 | — |
| 下腹部痛 | 頻度不明 | — |
| 便秘 | 頻度不明 | — |
| 倦怠感 | 頻度不明 | — |
| 傾眠 | 頻度不明 | — |
| 前立腺炎 | 頻度不明 | — |
| 動悸 | 頻度不明 | — |
| 十二指腸潰瘍 | 頻度不明 | — |
| 口渇 | 頻度不明 | — |
| 嘔吐 | 頻度不明 | — |
| 尿中ブドウ糖陽性 | 頻度不明 | — |
| 尿中蛋白陽性 | 頻度不明 | — |
| 悪心 | 頻度不明 | — |
| 憩室炎 | 頻度不明 | — |
| 排便障害 | 頻度不明 | — |
| 痔出血 | 頻度不明 | — |
| 痔核 | 頻度不明 | — |
| 発疹 | 頻度不明 | — |
| 白血球数増加 | 頻度不明 | — |
| 白血球数減少 | 頻度不明 | — |
| 硬便 | 頻度不明 | — |
| 肛門周囲痛 | 頻度不明 | — |
| 肝機能異常 | 頻度不明 | — |
| 胃不快感 | 頻度不明 | — |
| 胃炎 | 頻度不明 | — |
| 背部痛 | 頻度不明 | — |
| 胸部不快感 | 頻度不明 | — |
| 腹痛 | 頻度不明 | — |
| 腹部不快感 | 頻度不明 | — |
| 腹部膨満 | 頻度不明 | — |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 | — |
| 血中尿素増加 | 頻度不明 | — |
| 血便 | 頻度不明 | — |
| 血小板数減少 | 頻度不明 | — |
| 貧血 | 頻度不明 | — |
| 逆流性食道炎 | 頻度不明 | — |
| 頭痛 | 頻度不明 | — |
| 頻尿 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
5-HT3受容体を遮断することにより、排便亢進や下痢を抑制するとともに大腸痛覚の過敏を抑制する9)。
18.2 5‒HT3受容体に対する親和性
受容体結合実験において、選択的なヒト5‒HT3受容体親和性を示した10)(in vitro)。
18.3 5‒HT3受容体拮抗作用
セロトニンによるモルモット摘出結腸の収縮に対して、本剤は濃度依存的かつ競合的な抑制作用を示した10)(in vitro)。また、セロトニンによる麻酔ラットの一過性徐脈反射(von Bezold‒Jarisch反射)を用量依存的に抑制した10)。
18.4 排便異常に対する作用
拘束ストレスによるラット下痢、恐怖条件付けストレスによるラット排便亢進及びセロトニンによるマウス下痢に対して、本剤は用量依存的な抑制作用を示した9),11),12)。
18.5 大腸機能に対する作用
恐怖条件付けストレスによるラット大腸輸送能亢進、及びコルチコトロピン放出因子によるラット大腸水分輸送異常に対して、本剤は有意な改善作用を示した11),13)。
18.6 腹痛に対する作用
拘束ストレスによるラット大腸痛覚閾値低下に対して、本剤は用量依存的な改善作用を示した9)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
健康成人男女に本剤5μgを空腹下単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は約1~3時間でCmaxに達した後、約5~7時間の半減期で消失した。男性のCmax及びAUCの平均値は18.5pg/mL及び125.3pg・h/mLで、女性のCmax及びAUCの平均値は27.4pg/mL及び215.9pg・h/mLであった1),2)。なお、健康成人に本剤0.4~1.6mgを単回経口投与すると、Cmax及びAUCは投与量に比例して上昇した3)。
- 16.1.2 反復投与
健康成人男性6名に本剤0.6mgを1日2回7日間反復経口投与したとき、体内動態の変化はなく、蓄積性は認められなかった3)。
- 16.1.3 食事の影響
健康成人男性20名に本剤5μgを空腹下もしくは食後単回経口投与したところ、食後投与時のCmax及びAUCに影響は認められず、本剤のバイオアベイラビリティは食事の影響を受けないと考えられた1)。
- 16.1.4 性差
健康成人男女各20名に本剤5μgを単回経口投与したとき、女性のCmax及びAUCは男性のそれぞれ1.5倍及び1.7倍であった2)。
16.4 代謝
In vitro代謝試験において、ラモセトロン塩酸塩の一次代謝には肝臓の薬物代謝酵素CYP1A1、CYP1A2及びCYP2D6が関与することが示されており4)、ヒトにおける本剤の一次代謝にはCYP1A2及びCYP2D6が関与していると考えられる。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1 フルボキサミン
健康成人男女24名にフルボキサミン(CYP1A2阻害薬)を10日間服用下(初日のみ50mg1日1回、それ以降50mgを1日2回)、本剤10μgを単回経口投与したところ、Cmax及びAUCは単独投与時に比べそれぞれ1.4倍及び2.8倍に上昇した5)(外国人データ)。
- 16.7.2 パロキセチン
健康成人男女35名にパロキセチン20mg(CYP2D6阻害薬)を10日間服用下、本剤10μgを単回経口投与したところ、Cmax及びAUCはともに影響を受けなかった6)(外国人データ)。
注)本剤の承認された1日最高投与量は男性で10μg、女性で5μgである。