骨折の危険性の高い骨粗鬆症
【警告】
海外で実施されたアレンドロン酸ナトリウムを対照とした比較試験において、心血管系事象(虚血性心疾患又は脳血管障害)の発現割合がアレンドロン酸ナトリウム群に比較して本剤群で高い傾向が認められている。また、市販後において、本剤との関連性は明確ではないが、重篤な心血管系事象を発現し死亡に至った症例も報告されている。 本剤の投与にあたっては、骨折抑制のベネフィットと心血管系事象の発現リスクを十分に理解した上で、適用患者を選択すること。 また、本剤による治療中は、心血管系事象の発現がないか注意深く観察するとともに、徴候や症状が認められた場合には速やかに医療機関を受診するよう指導すること。,,,,,,,
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2 低カルシウム血症の患者 [低カルシウム血症が悪化するおそれがある],,,
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはロモソズマブ(遺伝子組換え)として210mgを1ヵ月に1回、12ヵ月皮下投与する。
使用上の注意
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8.1 低カルシウム血症やマグネシウム、intact-PTH等の骨・ミネラル代謝異常がある場合には、本剤投与前にあらかじめ治療すること。,,,
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8.2 本剤投与中は適切なカルシウム及びビタミンDの補給を行うこと。本剤投与後に血清カルシウム値が低下する可能性があるので、低カルシウム血症の徴候や症状がないか観察し、血清カルシウム値に注意すること。なお、臨床試験では、本剤投与後2週間から1ヵ月の時点で血清カルシウム値の低下が認められている。,,,
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8.3 本剤を投与する場合には、虚血性心疾患及び脳血管障害の徴候や症状を患者に説明し、徴候や症状が認められた場合は、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。,,,
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8.4 本剤による投与終了後、骨吸収が一過性に亢進したことから、本剤の治療を終了又は中止する場合には、本剤治療終了後又は中止後に骨吸収抑制薬の使用を考慮すること。,,
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8.5 顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、以下の点に留意すること。
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リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害剤、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
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本剤の投与前は、口腔内の管理状態を確認すること。また、患者に対し、必要に応じて、適切な歯科治療を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。
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患者に対し、本剤投与中は口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知することを説明し、異常が認められた場合には歯科又は口腔外科を受診するよう指導すること。
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本剤投与中に顎骨壊死を発症した又は発症の疑いのある患者に対し、歯科又は口腔外科を受診するよう指導すること。
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本剤の中止は本剤の有益性と危険性を考慮して判断すること。
- 8.6 *骨吸収抑制作用を有するビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 虚血性心疾患又は脳血管障害のリスクが高い患者
虚血性心疾患又は脳血管障害のリスクが高い患者への投与は、本剤の骨折抑制のベネフィットと心血管系事象の発現リスクを考慮して判断すること。少なくとも、過去1年以内の虚血性心疾患又は脳血管障害の既往歴のある患者に対して、本剤の投与は避けること。,,,,,,
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1 重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)あるいは透析を受けている患者
低カルシウム血症が発現しやすい。,,,
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた生殖発生毒性試験において、ヒトの曝露量(ロモソズマブ210mgを1ヵ月に1回投与時のAUC)の約31倍の曝露量となる用量を投与した母動物の胎児に、ヒトには存在しない解剖学的構造である第6頸椎椎弓化骨不全の発現率の増加が認められたが、出生児では認められず、発育遅延と考えられている1)。また、ヒトの曝露量(ロモソズマブ210mgを1ヵ月に1回投与時のAUC)の約31倍の曝露量となる用量を投与した75匹中1匹の母動物の同腹胎児に、外表及び骨格奇形(合指症や多指症を含む)が認められた。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ロモソズマブのヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 | 症状・説明 |
|---|---|---|
| 咳嗽 | 1%未満 | — |
| 多形紅斑等) | 1%未満 | — |
| 末梢性浮腫 | 1%未満 | — |
| 注射部位反応(疼痛 | 頻度不明 | — |
| 皮膚炎 | 1%未満 | — |
| 筋痙縮 | 1%未満 | — |
| 紅斑等) | 頻度不明 | — |
| 蕁麻疹 | 1%未満 | — |
| 血管浮腫 | 1%未満 | — |
| 過敏症(発疹 | 1%未満 | — |
| 関節痛 | 頻度不明 | — |
| 頚部痛 | 1%未満 | — |
| 頭痛 | 1%未満 | — |
| 鼻咽頭炎 | 頻度不明 | — |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ロモソズマブはスクレロスチンに結合し、骨芽細胞系細胞での古典的Wntシグナル伝達の抑制を阻害することで、骨形成を促進し、骨吸収を抑制する。
18.2 In vitroにおける薬理活性
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18.2.1 ヒト、カニクイザル及びラットの組換えスクレロスチンに対して結合親和性を示した(Kdはそれぞれ11、23及び3pM)12)。
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18.2.2 組換えヒト低比重リポタンパク受容体関連タンパク(LRP5及びLRP6)に対するヒトスクレロスチンの結合を阻害した13)。
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18.2.3 骨芽細胞系細胞の石灰化試験において、ロモソズマブはスクレロスチンが誘導した骨基質の石灰化抑制作用を濃度依存的に阻害し、ヒト、ラット、カニクイザル及びマウスの種特異的なスクレロスチンすべてに対して中和活性を示した14)。
18.3 In vivoにおける薬理活性
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18.3.1 卵巣摘出ラットにロモソズマブ3、10及び50mg/kgを週1回、52週間皮下投与した結果、すべての用量で大腿骨骨幹部、大腿骨頸部及び腰椎における骨量及び骨強度がそれぞれ用量依存的に増加及び増強した15) 。
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18.3.2 卵巣摘出カニクイザルにロモソズマブ3又は30mg/kgを週1回、26週間及び52週間皮下投与した結果、正常な骨基質の石灰化、海綿骨の微細構造の改善並びに骨量の維持及び骨形状の強化を伴う皮質骨量及び海綿骨量の増加が認められた16),17)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1 単回投与
閉経後健康成人女性にロモソズマブ1、3又は5mg/kg注)を単回皮下投与したときの血清中ロモソズマブの濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった4)。 注)本剤の承認用法・用量は210mgを1ヵ月に1回、12ヵ月皮下投与である。
図1 閉経後健康成人女性にロモソズマブを単回皮下投与したときの血清中ロモソズマブの濃度時間推移(平均値±標準偏差)
| 用量 | 例数 | tmax (day) | Cmax (µg/mL) | AUClast (µg・day/mL) | t1/2β (day) | t1/2γ (day) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1mg/kg | 6 | 5.0 (5.0 – 8.0) | 4.06 (1.45) | 64.0 (27.0) | NA | 5.82 (1.05) |
| 3mg/kg | 6 | 5.0 (3.0 – 12) | 17.1 (4.7) | 344 (90) | 15.1 (NA) | 6.31 (1.14) |
| 5mg/kg | 6 | 5.0 (5.0 – 7.0) | 33.8 (8.1) | 804 (320) | 16.2 (4.1) | 7.19 (1.55) |
| tmax:中央値(最小値-最大値) Cmax、AUClast、t1/2β、t1/2γ:平均値(標準偏差) NA:算出していない | ||||||
- 16.1.2 反復投与
閉経後骨粗鬆症患者にロモソズマブ70、140又は210mg注)を1ヵ月に1回反復皮下投与したときの血清中ロモソズマブ濃度は表2のとおりであった5)。すべての用量群で、おおむね投与後3ヵ月に定常状態となった。 注)本剤の承認用法・用量は210mgを1ヵ月に1回、12ヵ月皮下投与である。
| 用量 | 1週後 | 1ヵ月後 | 3ヵ月後 | 6ヵ月後 | 12ヵ月後 |
|---|---|---|---|---|---|
| 70mg | 7150 (2070) [63] | 815 (567) [62] | 845 (681) [54] | 911 (756) [54] | 884 (772) [54] |
| 140mg | 16500 (4410) [63] | 3730 (2210) [61] | 3780 (2500) [58] | 4450 (2920) [61] | 4500 (3580) [62] |
| 210mg | 25600 (6570) [62] | 6060 (2670) [61] | 8090 (5770) [56] | 9040 (6190) [55] | 10400 (6620) [57] |
| 上段:血清中濃度(ng/mL)、平均値(標準偏差)、下段:[例数] | |||||
16.2 吸収
国内外の健康被験者、低骨量の被験者及び閉経後骨粗鬆症患者を対象にロモソズマブ210mgを1ヵ月に1回皮下投与したときの血清中ロモソズマブ濃度を用いて実施した母集団薬物動態解析の結果6)から、バイオアベイラビリティは81%と推定された。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常者(eGFR:80mL/min/1.73m2以上)、重度腎機能障害者(eGFR:15~29mL/min/1.73m2)及び血液透析を必要とする末期腎不全患者(ESRD患者)(eGFR:15mL/min/1.73m2未満)にロモソズマブ210mgを単回皮下投与したときの腎機能正常者に対する重度腎機能障害者及びESRD患者のCmax及びAUClastの幾何平均値の比(腎機能障害者/腎機能正常者)とその90%信頼区間は、重度腎機能障害者では1.31[0.95, 1.82]及び1.42[1.05, 1.93]、ESRD患者では0.90[0.64, 1.26]及び0.99[0.72, 1.35]であった7)(外国人データ)。