【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2 眼又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現するおそれがある。]

  3. 2.3 活動性の眼内炎症のある患者[炎症が悪化するおそれがある。]

効能・効果

萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制

用法・用量

アバシンカプタド ペゴルナトリウム2mg/0.1mL(リンカーを含むオリゴヌクレオチド部分として)を初回から12カ月までは1カ月に1回、硝子体内投与し、以降は2カ月に1回、硝子体内投与する。

使用上の注意

  1. 8.1 網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与すること。

  2. 8.2 硝子体内注射に際し使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行うこと。

  3. 8.3 硝子体内注射の際には、下記の点に注意しながら行うこと。

  4. 8.3.1 硝子体内注射は、無菌条件下で行うこと(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用すること)。

  5. 8.3.2 硝子体内注射前に、十分な麻酔と必要に応じて広域抗菌点眼薬の投与を行うこと。

  6. 8.3.3 添付の専用フィルター付き採液針は、硝子体内注射には絶対に使用しないこと。

  7. 8.3.4 過量投与を防ぐため、投与量が0.1mLであることを投与前に確認すること。

  8. 8.3.5 眼内炎、眼内炎症及び網膜剥離が生じることがある。本剤の硝子体内注射後、眼内炎、眼内炎症及び網膜剥離を示唆する症状(視力低下、眼痛、充血、羞明、霧視等)が認められた場合には、迅速かつ適切な治療のため直ちに連絡するよう患者に指導すること。

  9. 8.4 硝子体内注射により眼圧が一過性に上昇することがある。本剤の硝子体内注射前に、眼圧を確認すること。本剤の硝子体内注射後、眼圧及び視神経乳頭血流を適切に確認及び管理すること。,,

  10. 8.5 本剤の硝子体内注射後、新生血管型加齢黄斑変性又は脈絡膜血管新生が生じることがあるため、関連する症状や徴候の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。

  11. 8.6 本剤の硝子体内注射後、一時的に視覚障害や霧視があらわれることがあるため、視機能が十分回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 緑内障、高眼圧症の患者

,,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度 症状・説明
ドライアイ 1〜5%未満
一過性失明 1〜5%未満
一過性視力低下 1%未満
光視症 1%未満
挫傷 1%未満
流涙増加 1〜5%未満
点状角膜炎 1〜5%未満
眼そう痒症 1%未満
眼の異物感 1%未満
眼内注射合併症 1%未満
眼刺激 1〜5%未満
眼外傷 1%未満
眼痛 5%以上
眼瞼刺激 1%未満
眼部不快感 1%未満
硝子体出血 1%未満
硝子体剥離 1%未満
硝子体浮遊物 1〜5%未満
硝子体障害 1%未満
結膜充血 5%以上
結膜出血 5%以上
結膜弛緩症 1%未満
結膜浮腫 1〜5%未満
結膜溢血 1%未満
結膜炎 1%未満
網膜上膜 1%未満
網膜出血 1%未満
網膜動脈閉塞 1%未満
視力障害 1%未満
視神経乳頭血管障害 1%未満
角膜びらん 1%未満
角膜上皮欠損 1%未満
角膜擦過傷 1〜5%未満
角膜浮腫 1%未満
角膜混濁 1%未満
霧視 1〜5%未満
頭痛 1%未満
高眼圧症 1%未満
黒内障 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

硝子体内投与したアバシンカプタド ペゴルナトリウムは、補体経路の最終段階である補体第5成分の活性化を阻害することにより、萎縮型加齢黄斑変性患者における地図状萎縮の進行を抑制すると考えられる。

18.2 補体経路に対する作用

アバシンカプタド ペゴルナトリウムは、ヒト補体第5成分に高い親和性で結合した8)(in vitro)。またアバシンカプタド ペゴルナトリウムは、ヒト血清において、古典経路及び第二経路刺激による補体第5成分を介した補体経路活性化を抑制した9)(in vitro)。

薬物動態

16.1 血中濃度

地図状萎縮を伴う萎縮型加齢黄斑変性の外国人患者に本剤2mgを月1回硝子体内投与したとき、定常状態時の血漿中アバシンカプタド ペゴルの濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。アバシンカプタド ペゴルのCtroughの濃度推移から蓄積性は認められなかった2)。硝子体液中の分布が均一で硝子体液容積が約4mLと仮定した場合、本薬2mgを硝子体内投与したときの硝子体液中のアバシンカプタド ペゴル濃度は500000ng/mL(2000μg/4mL)と推定され、最高血漿中濃度(347ng/mL)は硝子体液中濃度の推定値の約1400分の1となる3)。

投与量 (mg) Cmax (ng/mL) Tmax (day) AUC0-τ (day・ng/mL) T1/2 (day)
2 (n=8) 347 (59.0) 2.91 (1.03, 7.00) 4726 (40.6)注1) 7.57 (29.2)注2)

Tmax:中央値(最小、最大)、その他:幾何平均値(幾何変動係数%)

注1)n=7

注2)n=5

16.3 分布

アバシンカプタド ペゴルはヒト血清アルブミン、α1-酸性糖蛋白への弱い結合が確認されたが、血漿蛋白質への結合は最小限であると考えられた4)。

16.4 代謝

アバシンカプタド ペゴルはエンドヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼによって分解され、より短い長さのオリゴヌクレオチドになると考えられる5)。

16.5 排泄

地図状萎縮を伴う萎縮型加齢黄斑変性の外国人患者に本剤2mgを月1回硝子体内投与したとき、アバシンカプタド ペゴルは尿中に検出されなかった2)。したがって、親化合物ではなく、より短いオリゴヌクレオチドとして腎排泄されることが示唆された6)。